Sing... うたう       Jul.2006

 今年の冬は、日本だけでなく世界的に暖冬だそうですね。先日旅行してきたフランスもそうでした。毛皮コート姿のマドモアゼルを期待していましたのに、遭遇できなくて残念! でも感動あり、驚きありの楽しい旅でした。そんな旅の感想をお話いたします。

桜は、フランスにもあった!!

 ニース・モナコの南フランスから、モンシャンミッシェル・パリへと行く道中では、可憐に咲いた桜を多々見かけました。 桜は日本だけのものと思い込んでいましたが、そうではなくヨーロッパにもあったのです。時期が来れば一斉に咲き、 桜吹雪となって一気に散ってしまうソメイヨシノではなくて、少しずつ咲いていく四季桜のようでした。淡いピンクの桜は華やかというよりも、 楚々とした美しさを感じることができ、春のフランスを楽しませてくれました。そんな桜ですから、桜まつり、 お花見という日本のような風物詩はおそらくないのでは?と思いました。

週35時間!!

フランス人の労働時間は、週35時間と決まられているのだそうです。ですから、残業はしませんし、 家庭に仕事を持って帰ることもしません。いくら忙しかろうが、仕事が残っていようが、午後5時になると退社するそうです。 それも午後5時に仕事を終えるのではなくて、会社から出るのがその時間ですから、その何分か前から身支度を整えているそうです。 日本では考えられないことですね。またショッピングをしようと店に入っても、午後5時前には閉店だからと追い出されてしまうのは よくあることだそうですよ。

 これによく似たことを、パリのレストランで体験しました。店に入り席に着くと、ウェイトレスが注文を聞きにきました。 直ぐにオーダーした飲み物が出てきましたが、次に出てくるはずのスープが一向に出てきません。 怪訝に思って、厨房に目をやると、その近くのテーブルにたくさんの料理が並べられ、 調理師・ウェイトレス達がそれを囲んで食事を始めたのです。それもお客様の見えるところで。 それが、営業時間前のまかない食中なのだと気が付くのに、それほど時間がかかりませんでした。 フランス人の労働時間に関しての知識がありましたので、お客様の食事はまかない食が終ってからなのだと 納得することができたのです。いくらお客様が待っていようが、自分達の食事のほうが優先するようです。

 空腹のお腹を飲み物で紛らわせながら、果して他のお客様はいったいどうしているかと見回すと、 そんなことは当たり前と言った様子で、会話を楽しんでいるではありませんか。 “ここは日本じゃないんだ”とせっかちな自分を反省しながら、ゆとりのある心を持つ事も、 旅を楽しむ上で大切なことの一つなのだと気付き、そして飲んだビールは、今までに増して美味しく感じました。
           
フランスファッションは、シック!!

 街歩く女性、バス・地下鉄に乗っている女性達のファッションチェックをしていると、 総体的にシックな装いが多いことに気が付きました。季節も左右されるのでしょうが、 黒などモノトーンかダーク系のコートにパンツ、そしてブーツと落ち着いたカラーでコーディネイトしている女性が多く見られました。 また、メイクもナチュラル、持っているバッグもシンプルで、シックなのですがハッとするような美しさが感じられ、 本当のおしゃれとは、こういうものなのかと気付かされました。ブランドもので飾り立てることが、 けっしてハイセンスなオシャレとはいわないのですね。本来持っている自分の美しさを、 いかんなく引き立たせるフランス女性のファッションテクニックは、一体どのように培われるのでしょうか。 フランスの観光地を団体で歩いている日本の卒業旅行、ゼミ研修の女性達のフリフリ、チャラチャラ、 メイク過剰の姿を見て、ブランドショッピングだけでなく、フランス女性のファッションテクニックなども学んでほしいと思いました。
と言っている私のファッションを見直して、とても偉そうなことを言えないことに反省することしきりでした。

 街のショーウィンドーには、スプリングファッションが花盛り。でも、やはりそこには、落ち着いたカラーが多かったように思いました。

Fukiko   
春のカラー若草色の
シースルーのアオザイ
春風に揺れる裾と
ストールが印象的