Sing... うたう           Jul.2006

 衣替えの季節です。2005年に推奨された“クールビズ”という言葉やファッションですが、 6月に入り度々耳にするようになりました。この夏には、すっかり定着しそうですね。

 先日40年ぶりに、いとこの奥さん“昭子さん”にお会いすることができました。昭子さんは私より10才年上。 いとこは私と同じ田舎で育ち、東京の大学に進学・就職し、東京育ちの昭子さんと結婚しました。 でも、6年前に肝臓ガンで亡くなりました。
 昭子さんとは、二人が結婚した時に会って以後、会ったことがありませんでした。
なぜ急に昭子さんとの再会が実現したかというと、母が亡くなった時に電話で“叔母様のこと大好きでした。”と優しい声で言ってくださったことと、 亡くなったいとこに幼い頃よく遊んでもらったことを思い出し、急に会いたくなって、私の方からお電話を差し上げたのです。

 待ち合わせ場所は、東京駅のプラットホーム。私の乗る新幹線の号車番号をお知らせして、 お互いに人待ち顔でキョロキョロしているから分かるかもしれない、ということになりました。
 当日初恋の人に会うかの如くドキドキしながら、ホームに降り立ちました。キョロキョロとする間もなく、上品な女性が、 そして40年前の面影のある女性が柱のところに立っているのが見えました。“昭子さん”と呼びかけ、劇的な再会?となりました。

 喫茶店に入り、40年の空白を埋めるが如く、いろいろな話をしました。いとこによく遊んでもらい、鉛筆やノートを貰って嬉しかったこと、 おばあちゃんのこと、トムという犬がいたこと、いとこの家は田舎の古い家だったので冬はとても寒かったこと、 いとこの母が掃除とお料理が大嫌いだと言っていたこと、東京育ちの昭子さんには、田舎の古い風習がなかなか理解できなかったこと、 そして都会育ちの私の母も昭子さんと同じ思いをしていたので、昭子さんに優しかったのかもしれない ということなど楽しい思い出話に花が咲きました。

 でも、笑顔で聞くことが出来なかった話もありました。いとこを亡くすまでの10年間は、本当に大変な日々だったということです。 50才で腎臓を患い入退院を繰り返す夫の看病をしながら、2人の娘を結婚させ、夫の両親、自分の父親を見送り、最後に肝臓ガンになってしまった夫を見送るという、 私には耐えられそうにもない話でした。

 その上に、心身共に疲れ、目の不調に気付きながらも、忙しさのあまり病院に行くのを一日伸ばしにしていたところ、 診察を受けたときにはすでに手遅れの状態、結局網膜剥離で片目を失明してしまい、不自由な生活をしなくてはならなくなってしまったことです。

 そしてこの失明がなければ、テニスもゴルフも、憧れていた語学留学もできたかもしれないと話されましたが、友達や娘たち家族に支えられている幸せを、 あの優しい口調と明るい声で話され、私もやっと笑顔になることができました。

 また、“亡くなった主人や親たちに、たくさんのことを教えてもらったことが、私の財産です。”と話されたのには、私も共感することができました。

 40年前に会ったときの昭子さんと変わらない、ピュアな昭子さんと話した3時間は、人生を考えさせる貴重なひと時でした。 そして、急に会いたくなった衝動は、そんな昭子さんのオーラを感じたからかもしれません。

・・・昭子さん、また会いにいきますね。


倉 敷

 先日、母の納骨のため岡山市まで行ってきました。岡山までは、名古屋から2時間足らず、 日帰りが十分できる距離ですが、姉夫婦・私達夫婦の4人で倉敷まで足を伸ばし、1泊してきました。

倉敷に行くのは、今回で4回目ですが、これまでは時間を気にしながらの短時間の観光ばかり。大原美術館は駆け足で、街並み散策も競歩でという観光ばかりでした。 

 でも今回は、夜のライトアップされた美観地区をゆっくりと散策してきました。観光客も少なく、店は閉まっていましたが、 それはそれで昔にタイムスリップしたような街並みを、充分満喫することができました。
 翌日は、昨夜の静かな街並みとは打って変わって、人ごみの中の観光となりましたが、民芸館、大原美術館、 アイビースクウエアーなど時間を掛けてゆっくりと鑑賞することができできました。
 久しぶりに姉達との旅行が実現でき、母に感謝です。

 左の写真は、先回行った時にその美しさに感動した窓です。
大原美術館の隣にある“エル・グレコ”というアンティークな雰囲気の喫茶店の窓。すりガラスに映ったブドウの木のシルエットが美しく、 今回もその美しさに触れたくて一息つく場所として訪れてきました。コーヒーをいただきながら 風にゆれるブドウを眺め、心を癒されてきました。

 タクシーの運転手さんの話ですと、東海地区の観光客で倉敷は潤っています。とのことでした。時間的にも距離的にも訪れやすいところなのかもしれませんね。 そして、また行ってみたくなる魅力が倉敷にはあるように思いました。
私も、機会があればまた訪れてみたいです。あの喫茶店もね。


ハイウエストに配した

きりかえ線

レーシーな衿が新鮮な

Aラインのジャケット
Fukiko