Sing... うたう       

 いずれの御時にか女御更衣あまたさぶろひたまひけるなかに、いとやむごときなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありにけり・・・

 という書き出しで始まる「源氏物語」は今から約千年前に「紫式部」が執筆した長編小説です。皆さんもこの文は教科書などで読まれたことあるでしょう。ハイ私も高校生の時に古文の時間で勉強しました。でも当時は長編恋愛小説を読むという感覚ではなく、け・け・ける・・・下二段活用・・・などと、文法中心の授業のため、難解な源氏物語という印象しかありませんでした。
 そして映画化やテレビドラマ化されても、あの面白くない文法のトラウマのせいか、P1141009.JPG見ようという気持はおきてきませんでした。また、源氏物語絵巻を鑑賞する機会があってもあまり感動もなく、世界に誇る物語に背を向けていたように思います。

 そんな私が、源氏物語千年「源氏物語と平安王朝の世界」という京の旅に参加したのです。「十二単」の着付けと古式ゆかしき王朝貴族舞の鑑賞に引かれての美しいもの見たさの単純な動機でしたが・・・
 最初に訪れたのは、「廬山寺」。紫式部が育ち、結婚生活を送り、物語を執筆した邸宅があったといわれているところです。写真の庭のところに紫式部邸があったそうです。当時式部は何に思いをはせながら執筆していたのでしょうか。

P1141025.JPG 次に訪れたのが、糺(ただす)の森の奥、広大な境内にあり、世界遺産に登録されている「下賀茂神社」です。その神社は、平安時代以前に創建され、源氏物語にも度々登場してくるそうです。そこでは私の目的だった十二単の着付けと舞を鑑賞。雅な世界に浸ってきました。でもあの長いおすべらかしと何枚も重ねた衣では、夏はさぞかし暑かったでしょうね。お香を焚きしめないと、とても我慢できなかったのでは・・・なんて雅な世界に浸りながらも現実的なことを思いながら鑑賞してきました。

 次は、平安遷都の際に創建された京都の南にある城南宮。ここには、源氏物語に出てくる草木100種余りが植栽され四季を通じて物語に触れることができます。春秋には「曲水の宴」が披露されるそうです。物語の中にそんなに多くの草木が出ているなんて・・・と驚いてしまいました。

 恋愛・政権争いなど今と変わらない人間模様を物語から読むのもいいですが、十二単など登場人物の衣の色・草木の種類などを見つけながら物語を楽しむのもいいかもしれないと思った旅でした。千年たった今でも読み継がれている物語に、紫式部もきっと驚いていることでしょうね。でも全54帖の長い物語となると、読みたい気持ち半分読み切れないかもしれないと躊躇する気持ち半分で、今まだ本屋さんに行けない私です。

Fukiko
 
冬のウグイス

ウグイスと聞くと・・・
春になって、どこからともなくやって来て
「ホーホケキョ♪」と鳴くイメージですが
冬でもわりと身近にいるんですよ♪
笹藪などの人目のつかない場所に
いることが多いです。
冬は「ヂャッ ヂャッ」と鳴きます(地鳴き)
色はとても地味なので見つけにくいのですが・・

すぐ近くの「ヤツデ」にいたところを
とらえました!
とても可愛いお顔をしています。

ねえねえ 君・・・
あとどれくらいで 春が来る?

写真・文 坂井ルミ
春の予感 シースルーの軽やかな
ワンピース
深いV衿に
花のモチーフをプラスすれば
春の風に揺られて
心もはずみます