カレル橋とプラハ城
 うっとうしい梅雨空・・・と憂いていたところでしたが、ギラギラ太陽がまぶしく一気に猛暑日となってきました。梅雨明けはもう直ぐでしょうか。節電しなくては!と思ってはいても、ついクーラーのスイッチをONにしてしまっています。

 5月下旬から6月初旬まで、チェコ共和国を旅行してきました。
 チェコでは、ダニエル・フォルローさんと日本のアーティストによる「日本の美」演奏会を、また、プラハでは「春の音楽祭」を鑑賞する機会に恵まれ、本場のクラシック音楽を堪能してきました。もちろんプラハ・テルチ・チェスキークルムロフなど世界遺産の数々も観光し、長い年月を経た歴史のあるチェコの文化に触れてきました。

 プラハは、ゴシック・バロック・ルネッサンスなど中世の雰囲気が感じられる教会や広場・建物がそのまま残っています。何といってもヴルタヴァ川(ドイツ名はモルダウ川)に架かる「カレル橋」からのプラハ城の眺めは印象深かったです。でも、これらの美しい景観を眺めながらも、私の心をよぎったのは1968年の旧ソ連による軍事介入です。ソ連軍の戦車がプラハ市内を走るテレビ映像は、今も暗く心に残っています。そして「プラハの春」・「二千語宣言」に署名したチャスラフスカさんなどの情報も思い出されました。そんな暗い歴史があったとはとても思えない、美しい街並みのプラハでした。

チェスキー・クルムロフ
 そしてもう一つ印象に残った街がありました。チェコの南西に位置し、1992年に世界遺産に登録されたチェスキー・クルムロフです。大きく屈曲して流れるヴルタヴァ川に優しく抱かれたこの街は、世界で最も美しい町のひとつと言われ、実際に訪れてみてその言葉を確信しました。屋根のオレンジ・壁のホワイト・ボヘミアの山のグリーン・空のブルーとカラーコントラストの美しさに心奪われ、しばしその景観を眺め続けてしまいました。
                        
 チェコは、これまで多くの国に支配されてきました。でも、そこには辛く長い歴史に耐えながらも、街の美しさを保ち続けながら、ひたむきに生きてきた人々の生活があり、文化がありました。
ゆったりと構え、優しく、物静かなチェコの人たちだからこそ、それができたのでは・・・と思った旅でした。


 このチェコ旅行のため先月はSingお休みさせていただきました。申し訳ございませんでした。

Fukiko
ダナさん
 6月のチェコ旅行の際に、ジュジャール・・ナド・サーザボウ在住のニットデザイナーダナさん」の店舗兼工房にお邪魔させていただきました。

 ダナさんは45歳の長身の美女。多くの店舗の外にネットショップやブライダルサロンも運営されているバリバリのキャリアウーマンです。もちろんショーも年に数回開催されマスコミにも度々登場されているそうです。
  
 起業されて17年になるダナさんですが 編物はお母さんに教えてもらわれ、そしてその上に独学で習得した技術をプラスして、これまでになられたそうです。
 ちなみにチェコでは、編物教室がなく編物技術は母親から娘へと伝えられているそうです。でも年々編み物をする人が減少してきているとのこと、何処の国も同じなのですね。「日本には、編物教室がありますよ。」と伝えると、びっくりされ「カルチャースクールもやってみようかしら?」と言われました。今度お会いする時には、ニットインストラクターの肩書きがプラスされているかもしれません。
 ダナさんのニットは、簡単な編み地のニットと布を組み合わせたものが多くシンプルなデザインが印象深かったです。使用されている糸は ほとんどがイタリアからの輸入品、たまに自国のものを使用されるそうです。

 歴史的に多くの国に支配されてきたチェコの人達は、無駄な抵抗はせず、気が長く、静かに暮らしてきた人が多く、ダナさんのような積極的に仕事をされている人は珍しいとのこと。おそらく民主化されて以降には、このように積極的に人生を切り開いていっている人達が活躍してきているのでしょう。

 いつの日か ダナさんとニットのコラボショーができればいいなあと思いながら お別れをしてきました。
 昨年11月に放映されたNHK土曜ドラマ「心の糸」が、海外のテレビ映画コンペで高い評価を受けました。

   ●第51回モンテカルロ・テレビ祭「AMADE/ユネスコ賞」授賞

   ●第47回シカゴ・ヒューゴ・テレビ賞≪長編テレビ映画部門≫金賞授賞

 このような素晴らしいドラマに協力させて頂けた喜びを、今ひしひしと感じております。