Sing... うたう          Jul.2012    
 梅雨真最中のこの時期、うっとうしい毎日が続いておりますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
 先月は、チェコ・スロヴァキア・ポーランドへ行って来ました。チェコは昨年も訪れましたが、昨年と同様に今年も美しい景色に感動の毎日でした。
あとの2カ国も、素晴らしい景色のオンパレードに、魅了されてきました。

 チェコのブルノでは、ハプスブルク帝国時代の1860年に創立された国立ブルノ服飾学院を訪問してきました。ブルノは、社会主義時代までは、“ハプスブルク帝国のマンチェスター”と言われるくらい繊維産業で栄えていた都市だったそうです。その伝統を今も継承し、この学院が150年以上続いているのだそうです。毎年20名の学生が入学し、4年間の勉学後、アパレル会社に就職していくそうです。学費は全額国が負担してくれるそうです。

 当日は、女性教授のマルツェラ先生に,学院内を詳しく案内していただきました。6月初旬は、学年末試験の期間中、それも私たちが訪問したのは午後からだったため、学生は午前中の試験を終え帰宅してしまっていました。でも少数の学生は、熱心に作品製作をしていました。
 この学院に入学して1年間は、人の手・足から各部位のデッサンをじっくりと学び、2年目から人体のデッサンを学ぶそうです。衣服のデザインの基本は、まず人の体をよく知ること。
その基礎があって素晴らしい衣服のデザインができるのですね。学院内には、多くのデッサンやデザイン画が掲示してあり、これらのデザイン画からどんな服が誕生していくのだろうと想像しながら、一点ずつ見せていただきました。
 
 学院には、ニット専科があるのですが、今のところ休講状態。ここ数年学生は入学していないそうです。日本と同様に、チェコもニット人口が減ってきているのかなと、少し淋しさを感じましたが、来年は学生を入学させたいとの先生のお話に、希望が持てそうで安心しました。
教室には、何台も工業用編機や家庭用編機が設置してあり、受け入れ体制は整っているように見えました。でもシルバー編機はまだいいのですが、もうとっくに生産されていないトヨタ編機が置いてあり、講座を再開される際の機械のメンテナンスは、いったいどうされるかしら?と少し心配に思ってしまいました。
 
 案内終了後、“来年是非ともニット科を再開させてください”との願いを込めて、持参したニットのキモノを学生さんに着ていただき、また日本のニットの本・ファッション雑誌・ニット小物をプレゼントしてきました。そしていつの日か、学院でニットをレクチャーさせていただければ・・・と思いながら学院をあとにしてきました。

 先月は、旅行中のためSingをお休みさせていただきました。
Fukiko
トイレいろいろ
 日本の製品で世界に誇れるものの一つに、ウォシュレット付きトイレがあります。
 今は、各家庭はもちろん多くの施設に当然のごとく設置されています。先月訪れた国では、この様な優れもののトイレは目にしなかったのですが、ひと工夫された機能の便座に遭遇してきました。

 まず便座に座り立ち上がるまでは、何の機能も働きません。でも次からがすごいのです。
便座から立ち上がると直ぐに、蓋と便座がつながっている位置からウィーンと小さな四角い容器が便座の上に出てくるのです。そしてその容器の下を楕円形の便座だけが右回りにウーンと一回りし、動きが止まると容器がカパッと元の位置に納まるのです。
“一体なにが起こったの?”と身支度するのを忘れて便座の動く様子を眺め、その後もしばらく“???”とにらめっこ。“・・・!!!そうなんだ!”と理解するのにしばらく時間が掛かっていました。そうなのです。便座を自動でアルコール消毒していたのです。
 まさに目が点になり、“こんな方法もあったのか!何という優れもの!”と感心することしきり。身支度を整えながら、自分自身を清潔にする日本と便座を清潔にするヨーロッパのトイレとの視点の違いの面白さに気付き、この二つの機能が合わされば、より快適なトイレになること間違いなし、と思ったりしました。そして、ひょっとしたらTOTOもINAXも既にリサーチ済みかも?などと思いながら・・・。
 (左の絵)は、右から左に手を動かすと、手拭きの紙がでてきます。左から右や手をかざすだけでは出てきません。また右の絵は右から紙を破いて下さい。の説明図です。

 また、人が使用した直後に便座に座ると、アルコールが乾ききっていないので、濡れている感触が気持ち悪く、“工夫の余地あり!”と評論し、そう言えば、フランスでは、ドアを開けると香水が噴霧されるトイレもあったよね・・・これもプラスするといいかも・・・といろいろな思いが駆け巡ったトイレタイムでした。

 
 他にも、写真の様なペーパーホルダーもありました。

 動く便座の動画を、撮ってきました。お土産がわりに、どうぞ!!
でもここには、載せられません。欲しい方は連絡くだいませ。
美しい寄せ目模様と

大振りのパイナップル模様が

オシャレなプルオーバー

ワインカラーで

一段と華やかに。



 日本ヴォーグ社「2012すてきな手編み」に掲載中