Sing... うたう          Aug. 2013    
 暑中お見舞い申し上げます。
毎日暑い日が続いておりますが、お元気でお過ごしのことと思います。熱中症のニュースをよく聞きます。
皆さんもお気を付けくださいね。

 先日、伊勢神宮の式年遷宮行事のひとつ“お白石持ち行事”に参加してきました。この行事は、伊勢を流れる宮川から白石を拾い集め、洗い清め、川曳き・陸曳きによって新しい神殿に運び入れる行事です。元々は、伊勢の神領民によって行われていましたが、昭和48年から私たちのような一般人も、「特別神領民」として参加できるようになったそうです。今回は、全国から7万人以上の人が参加されるそうです。

 20年後の私の年令を思う時、この行事に参加できるチャンスは、「今でしょう!」と陸曳きで奉献してきました。奉献前日に、二見浦の興玉神社において禊の浜参宮をし、伝統行事へ参加するため心身を清めます。
当日は、全身を白の衣服に包み心を引き締めます。お白石を積んだ奉曳車の綱を、2000人の参加者と共に「エンヤ!エンヤ!」と声高らかに掛け合いながら、おはらい町の端から宇治橋まで800メートルを曳いてきました。午前中にもかかわらず真夏の太陽がジリジリと照りつけます。途中、熱中症予防の給水をしながらの行列は進みます。そんな中、纏をもった神領民の皆様が「エンヤ!エンヤ!」と士気を高めて下さり、自然に心が高揚していきます。
 宇治橋に到着後は、白布にお白石を包み、深い森の緑の木立に包まれた参道を歩いていきます。すると徐々に高揚した心が落ち着いてきます。そして檜の香りのする真新しい正殿に到着。
正殿敷地内に入り「ニ礼ニ拍手一礼」をした後、厳かな気持ちで無事納めることができました。
 この敷地内に、一般人が入れるのはこの時だけ、そして弥生時代から継承されている高床式建築様式の神殿を、間近に見ることができるのもこの機会だけです。茅葺き屋根と檜だけで造られたシンプルな神殿は、日本建築の原点のように思いました。

 今年で62回目の式年遷宮は、1300年前から継承されて
いる世界に例をみないお祭りです(室町時代には100年位途絶えた時期があったそうですが)。江戸時代には、「一生に一度はお伊勢さん」と伊勢参りが庶民の憧れの旅となったとか。私のふるさとでも、「伊勢請」というのがあり、代表者がお伊勢さん参りをしていたことを思い出します。
“日本書紀”にも登場するお伊勢さんは、日本人の心のよりどころなのかもしれません。

 脈々と継承されてきた日本の文化に触れた今回の旅。20年後の遷宮にも、ぜひ参加したい!と思った旅でもありました。
Fukiko
サンティアゴ巡礼
 スペインの北西にあるサンティアゴは、9世紀に聖ヤコブのお墓が発見されて以来、ヨーロッパの各地から巡礼者が訪れる聖地となった町です。1993年に世界遺産登録され、今も中世の人が歩いた道を徒歩で、自転車で、車でたどる巡礼者が多いそうです。先日には、特急列車の大事故があった町です。

 今、そのサンティアゴ巡礼の旅に、主人が行っております。それも徒歩での巡礼です。信者でもないのに、神様からどう思われていることやら・・・。
 先月10日に日本を飛び立ち、フランスの北西にあるカミノという町から出発ピレネー山脈を越え、スペインの北部を横断するように、750キロの道のりを聖地に向かって歩いております。1日おきぐらいに主人から携帯メールが届き、たまに写真も添付されてきます。
 先日は“今のところ500キロ以上を歩き、残すところ200キロとなった。”とメールしてきました。
7月17日
ログローニョに向かって歩いているところ。
昨日、今日と曇り、そよ風に恵まれて息を吹きかえした。一昨日は、熱中症にかかる寸前まで。沢山睡眠を取って楽になった。写真は昨日、イタリアの若い女の子たちと。ケセラ、セラや桜・桜を歌って上げたら喜んでいた。
7月28日
サンティアゴの旅17日目。今日は朝の内小雨、風もあって、レオンまで39キロを歩ききった。   朝6時に出て午後3時半に到着。知り合いになった豪州人とビールで乾杯。これまで460キロを歩き、残り310キロに。写真は、歩いて来た道の一風景。
7月31日
標高1530Mのイラゴ峠でバンザーイ。この旅で一番高い所です。今日、ポンヘラーダのすぐ近くまで来ました。
そちらは伊勢神宮の森で、こちらはスペインの山々に触れて、何かを感じて帰れそうです。
山中で珍しく数人の
日本人に会いました。
 今は、どこを歩いているのでしょうか、無事に帰国できますように。