Sing... うたう          Aug. 2014    
 今年の梅雨明けは、例年より少し遅かったようです。
でも夏は確実に訪れ、暑い日が続いております。
皆様は。いかがお過ごしでしょうか。

 私は、先日脱水症が原因で体調を悪くし、2日間家に閉じこもっておりました。でも、決して暑い炎天下にいた訳ではありません。冷房の利いた室内にいたのにです。

 その前々日は神戸市で、その次の日は群馬県水上市でニットの講習会を開催してきました。両会場ともしっかりと冷房が利き、寒いくらいです。秋冬物ニットの講習会ですから、暖かい毛糸を持つには適温なのかもしれませんが、夏の装いの参加者には、過酷な室内でした。室温を調節していただいたのですが、あまり変化はありません。おそらく背広姿の男性に合わせた適温に設定されているのでしょう。
また、会場から会場・自宅への移動の新幹線の中も、同じような状態です。いくら上着を羽織ったり、体をさすったりと自衛しても、その冷え過ぎには用をなしませんでした。でも。外は猛暑、多治見市では39度を記録した日でした。

 そんな環境の中にいた私は、水を飲みたいという欲求が起こらず、水分を補給する回数が少なくなってしまっていました。講習会終了後は、暖かいコーヒーが美味しく、また夕食にはアルコールが付き物です。そんな生活が2日間続きました。
 帰宅するまでは、何とか持ちこたえた体も、翌日悲鳴を上げました。頭痛と倦怠感です。徐々に進んでいた脱水症状に気付かず、30度以上の我が家に戻り、熱中症になってしまったようです。楽しみにしていた盆踊りにはとても行くことができません。食事をしては横になり、お水を飲んでは横になりながら、頭痛と身体のだるさと格闘しておりましたが、3日目にやっと元気を取り戻すことができました。重度の熱中症の吐き気や体温の上昇はなく、病院のお世話にもならずに済んだのは幸いでした。

 私のように体の水分量が不足しているけれども、喉の渇きや体の異変も感じない症状を「かくれ脱水」というのだそうです。このかくれ脱水の話題は、昨今テレビや新聞で見聞きしていましたが、まさか自分がそうなるとは思いもよりませんでした。コーヒー・アルコールは利尿作用のある飲み物です。汗は出なくても、尿や呼吸で体の水分量は少なくなっていきます。それなのに利尿作用のある飲み物を体にいれたのですから、脱水症にならないはずがありません。その後室温が高いところにいて熱中症になってしまったようです。連日熱中症で病院へ搬送される人の話題を聞きます。一歩間違えれば私もそうだったかもしれないと思うと、認識の甘さに反省することしきりです。

それからは、小まめな水分補給を心がけ、同じ過ちを繰り返さないようにしております。
皆様もお気を付け下さいね。
Fukiko
さとみさん
 さとみさんは、15年程前からお世話になっている美容師さんでした。その美容師さんが、6月に辞められました。毎回席に着くと、手際良くカットして下り、安心してお任せしていたのですが、残念なことです。

 さとみさんは、ただ今35歳で独身。将来は「美容師になろう!」と決意され、中学校を終えるとすぐに、美容師専門学校に入学、資格を取られました。その後、私がお世話になっている美容室に就職。20歳そこそこで店長に抜擢された実力の持ち主です。それからの彼女は、たくさんのスタッフをまとめ、後輩を育て、皆さんから頼りにされる美容師さんに成長されました。
 
 なのにです。あっさりと美容師を辞められてしまいました。彼女いわく「20年美容師をしたら辞めようと決めていました。これからは、東京へ行って、新しいことを学ぼうと思っています。」との言葉。「な・なんで!?この安定した生活を捨てて、いったい何をするの?」と私。「エクステの勉強をします。将来はドイツへ行けたらいいなあ!」との彼女。「エクステだったら美容師をしながら勉強することもできるのに・・・。」と言うと、「でも美容師は20年で辞めると決めていたから。」とのこと。あまりにも、サバサバとした決断に、びっくりしてしまいました。
きっと多少の迷いはあったことでしょうが、でも「新しい人生を切り開いていきたい。」という思いが大きかったのでしょう。
 
 昨日、さとみさんからMailが届きました。まだモデルさん相手に練習中とのこと。でも1からの挑戦というもどかしさを感じながらも、楽しそうな息づかいが行間から伝わってきました。入社を希望されているお店は、表参道ヒルズの近くだそうです。無事採用が決まれば、一度お会いする約束をしています。
 
 きっと彼女のことだから、「20年後には、また違うことを勉強しよう。」と思われていることでしょう。そして第2の人生は35歳から、第3の人生は55歳からと思っていらっしゃるかもしれません。
 
 15歳の頃の私は、将来の夢も描けない幼稚な中学生。
その20年後は、子育ての真最中。そのまた20年後は、やっとささやかな夢に向かって歩みだした頃。
人それぞれの人生があるにしても、さとみさんの生き方を羨望のまなざしで見ている自分に気付きました。

 これから大輪の花を咲かせ、益々輝きを増して行かれるであろうさとみさんに、エールを送っていこうと思っています。