今年の夏は、例年にない天候不順な毎日、気象予報士さん泣かせのこの夏でした。![]() そんな中でも、行く夏を惜しむがごとくツクツクボウシが鳴き、秋の虫が涼やかな声を聞かせてくれるこの頃です。 10年以上前に教室へ来て下さっていた方に、先日久しぶりにお会いしました。80歳を過ぎてから、機械編みに挑戦され、熱心にニット作りをされておりました。帰宅後は、教わったことをノートに記帳し、次回の教室ではそのノートを見ながら次のステップへとチャレンジされておりました。当時は幼い曾孫さん(今は20歳になられました)の服を作られていたのが印象に残っています。 でも、ご主人の介護が大変になり、3年程で辞められました。 お会いした日は、「ショートステイから帰ってきたところです。」と、柔和な笑顔で話してくださいました。髪はきれいに染め、薄くお化粧していらっしゃるのかしら?と思うくらい艶やかなお顔で、とても95歳には見えないくらいお元気です。 その方とお話をしていて、誰かと雰囲気が似ている・・・と思いながら、しばらくして、「あっ!渡辺和子さんの微笑みと同じだ!」と気が付きました。あの150万部以上のベストセラー「置かれた場所で咲きなさい」の著者の方です。 渡辺さんは、9歳の時に2・26事件に遭遇されました。当時教育総監だったお父さんが、渡辺さんの1mのところで、青年将校の発した43発の銃弾で命を落とされたのを目のあたりにされたという体験をお持ちです。その後18歳でキリスト教の洗礼を受けられ、36歳という異例の若さで岡山県のノートルダム清心女子大学の学長に就任され(1990年に退任)、長年にわたり教壇に立ち、学生の心を支え指導されてきました。でも、決して順風満帆な人生ではなく、若くして学長になれた故の苦労が多かったようで、うつ病にもなられたとか。現在は、多々の役職を務めながら、多くの人の心の支えになっておられ、たくさんの著書も出しておられます。 ![]() 生徒さんだった方も、最初のご主人を戦争で亡くされました。その後再婚されましたが、体に少しの障害を抱えながらも、お子さんを立派に育てられ、ひたむきに懸命に生きて来られました。80歳を越しての編物に取り組まれる姿勢や一語一語の言葉から、謙虚さや優しさ感じられる方でした。 「置かれた場所で咲きなさい」の「置かれたところとは、つらい立場・理不尽・不条理な仕打ち・裏切り・病気・加齢などの境遇です。その境遇を選ぶことはできないが、生き方を選ぶことはできる。“現在”というかけがえのない時間を 精一杯生きよう。」と渡辺さんは、言われております。 そして、「どんなところに置かれても、花を咲かせる心を持ち続けよう。」とも。 お二人の雰囲気が似ているのは、きっとその場その場で素敵な花を咲かせて来られたからでしょうね。 |
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Fukiko |
金 魚 | |
この夏は、二つの金魚の芸術作品を鑑賞する機会がありました。![]() 一つは、アートアクアリウム展です。約5000匹の金魚が、古き良き日本の情緒が感じられる水中空間を艶やかに優美に舞い泳いでいます。 プロデュースは、木村英智さん。金魚は、日本随一の生産地として名高い弥冨を中心に集められました。 LEDライティング・音楽・香りなど最新の演出技術を施され、五感で楽しめました。写真は、花魁です。 フラッシュ無しで写真撮影ができます。 でも、動画は禁止です。 テレピアホールにて10月8日(水)まで開催中。 もう一つは、片岡鶴太郎さんの金魚の絵の屏風です。 画業20周年と還暦を迎えられた記念の展覧会です。 ![]() その記念展のテーマは、「金魚」。ヒレをゆらゆらと動かして泳ぐ金魚は愛らしく、人の目を楽しませてくれる存在。華やかだけれども隔離された世界で生きる花魁の様だそうです。 生きているように見える金魚は圧巻でした。 松屋銀座店にて9月8日(月)まで。 夏らしい金魚の饗宴を楽しめた夏でした。 |
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肩側から編み下げ |