Sing... うたう             
 11月に入り、紅葉の美しい錦秋の季節となりました。
我が家の庭には、ドウダンツツジ・ウメモドキの赤い葉の下でツワブキの黄色い花が、秋風に揺れております。
私たちの目を楽しませてくれる秋ですが、何となく郷愁を感じてしまう季節でもありますね。

 最近、ほんのちょっとした悲しいことや嬉しいことで、涙が直ぐに滲んでくるようになりました。愛くるしい笑顔の幼い子供の姿を見ただけでウルウル状態になります。また、御嶽山で不運に犠牲になられた方達のことを思うと、胸が苦しくなり涙がこみ上げてきます。涙もろくなってしまいました。

 「人生 楽ありゃ 苦もあるさ・・・」の主題歌で始まる「水戸黄門」のドラマを、父はよく見ていました。黄門役は東野英治郎さん・西村晃さん・佐野浅夫さんの時代、その視聴期間は長かったと思います。黄門様が全国行脚をしながら、様々な事件に遭遇し、佳境に入ると「三つ葉葵の紋所の印籠」が登場して一件落着となり、悪が裁かれ善が報われるストーリーは、毎回同じパターンでした。私が父に「いつも同じで、飽きないの?」と言うと、「最後には、ハッピーエンドで終わり、安心して見ていられるから。」との返事でした。その頃の私は、ワクワク感のないドラマなんて・・・と父の気持ちが理解出来ませんでした。

 その当時は、一生懸命に生きていても報われない人を描いた藤沢周平・山本周五郎や、已むに已まれず罪を犯してしまう人を描いた松本清張の小説を、好んで読んでいました。私の心にも犯罪者になってしまうような心の闇が潜んでいるかもしれないと思い、また人の深層心理をえぐるような暗い映画やドラマも好んで観ていたように思います。人って一歩間違えば善人にも悪人にもなってしまうもの、そんな人生の機微に心動かされていたのでしょう。

 今年「永遠の0」の映画を観てきた友達が、「良かったよ。感動したよ。」と言っていました。
一度観てみたいと思っていた映画でしたが、主人公が亡くなると聞いて止めました。悲しい映画には、なかなか足が向きません。今、「柘榴坂の仇討」「蜩ノ記」が放映されています。観に行きたいのは山々なのですが、最後は悲しい結末になるストーリーと聞き止めました。悲しいこと苦しいことに涙を流したくなくなっています。昨今の私は、こんな心境なのです。
 
 いつの間にか、私は、黄門様を観ていた父と同じ気持ちになっておりました。「夢を持って生きて行こう。」なんて偉そうなことを言いながら、見事に年を取ってしまっていました。ハッピーエンドで終わり安心して観ていられるドラマや映画を、選択してしまっているのは、その証拠です。
涙もろくなってしまった昨今には、今年の夏に観た「アナと雪の女王」のような嬉し涙が流せるような映画が、いいです。安心して観ていられるから。
Fukiko
スマホ
 先月、トルコ旅行に行ってきました。旧石器時代からの遺跡が残る、またシルクロードの中継地でもあったトルコは、東西の文化の融合した魅力ある国でした。
 そんな楽しい旅を終えて、旅行荷物の後片付けの最中に携帯電話を床に落としてしまいました。慌てて拾ったのですが、折りたたむ所から二つに割れてしまい、使用不能になってしまいました。楽しい旅行気分は一瞬に吹っ飛び「知人との連絡はどうするの・・・」「中に入っているデーターはどうなるの・・・」と頭の中が真っ白に。データーがダメになってしまっていたなら、1件ずつ入力しなくてはいけません。その労力を考えただけで、青くなってしまいました。
データーをバックアップしておけばよかった・・・と後悔することしきりです。

 翌日は、真っ先に店に行き、「らくらくスマホ下さい。」と告げ、購入してきました。
壊れた携帯がらくらくフォンだったので、迷わずらくらくスマホにしました。しばらく待つと新機種がと入荷すると言われたのですが、その日まで待てないので即購入です。
一番心配していたデーターは、壊れた携帯に電源が入ることがわかり、スムーズに移してもらうことができ、ホッと胸をなで下ろしました。

 様々なアプリは不要、Lineはしないなど、使用項目は少ないのですが、ちょこっと時代の波に乗ってみたかった単純な理由で、スマホにしました。会話・メール・インターネットが使えれば満足なのです。でも、わからないアイコンや言葉がずらりと並び、マニュアルとにらめっこしながらタッチしまくっています。それにしてもタッチパネルは、パソコンのタッチと同様に、潤いの少なくなった指ではスムーズに反応してくれません。指先を舐めては、ピッ・ピッ・シュ・シュとタッチしています。これからの季節、益々乾燥してきます。タッチに悩みそうです。
幅の広いテープ状の

ファンシーヤーンを

縦に長く編みつないだ

エレガントなストール