Sing... うたう          Apr. 2015    
 桜の季節も終わり、春たけなわのこの頃です。
 そして、少し緊張気味のピカピカの一年生の姿が、眩しく見られる季節でもあります。

 先日、久しぶりに映画を鑑賞し、大きな感動を得てきました。その映画は「風に立つライオン」です。
1987年に発表されたさだまさしさんの名曲「風に立つライオン」に感銘を受けた俳優の大沢たかおさんが、さださんに小説を依頼し、時を経て2013年に出版されました。そして、今回の映画となったそうです。もちろん主人公の医師役は、大沢たかおさんです。
 主人公のモデルとなったのは、ケニアの長崎大学熱帯医学研究所に1978年から5年間赴任し、国際医療ボランティア活動に従事した実在の医師「柴田紘一郎先生」です。さださんは、先生からその時の話を聞いて、あの名曲が誕生したそうです。
 先日、柴田先生が医療活動をされていた場所を訪問するドキュメンタリー番組が放映され、当時の思い出話をされていました。

 小説の内容も知らず、歌詞とドキュメンタリー番組に触発されての今回の映画鑑賞となりました。きっと柴田先生の人生を描いたハッピーエンドに終わる映画だと思っていたのですが、
最後に主人公が亡くなり、涙が止まらないラストになっていました。近年、年のせいか人が亡くなるような悲しいドラマを避けてきた私です。おそらく映画のあらすじを知っていたなら、観ることを避け、今回の感動もなかったでしょう。知りすぎないことも大切ですね。
 
 映画で印象に残ったシーンがあります。家族をゲリラに殺され、復讐するため兵士になった少年の話です。その少年は、記憶が残らないように麻薬を打たれ、狙撃兵として戦い9人を殺害しますが、自分も打たれ入院してきます。傷と麻薬の治療は完治しますが、心の傷は完治できません。しばらくして「9人殺した僕に医者ができるか?」と主人公に問いかけます。「9人殺したなら、10人の命を救えばいい」と答えます。そして、徐々に心が癒されていき、最後には医者を目指すことになります。
 このような少年兵は、実際に世界中にたくさんいると聞きます。銃を持たされる以外に地雷原を歩かされたり、人間の盾にされたりと、悲惨な目に合わされる少年兵です。その現実と映画の中の少年がオーバーラップし、心が苦しくなりました。
 戦争で幸せになれるのは、ほんの一部の人です。私たちが住んでいるこの日本も、どこか大切なところで違った方向へ舵取りをしてきているのでは、と心によぎります。

 映画は淡々とストーリーが展開しますが、どのシーンも心に残りました。ラストはさださんが歌う「風に立つライオン」と「アメージング・グレイス」。涙なしでは、聴けませんでした。
 現在もなお、医療を志す人や海外ボランティアの人の心に強く響き、長く受け継がれてきたこの歌だそうです。そしておそらく今回の映画も同様に長く受け継がれていくことでしょう。
Fukiko
風に誘われてニット展 & 春の風コンサート
爽やかな春の風が吹き抜ける和の空間と手作りニットの洋のコラボレーションを お楽しみください。

17日(日)には、中村ゆみこさんの二胡と杉浦充さんの筝のコンサートを開催いたします。

優美な二胡と筝の調べを聴きながら 春のひとときをお過ごしください。


 ■日時/5月14日(木)~20日(水)9:00~17:00
       (初日は13:00~、最終日は16:00まで)
       ※18日(月)は休館日
            
 ■場所/中山道鵜沼宿脇本陣 
       岐阜県各務原市鵜沼西町1丁目137
       058-379-5055


    春の風コンサート

二胡(中村ゆみこ)・筝(杉浦充)

17日(日)11:00~,14:00~

              無料です