Sing... うたう        Feb. 2017
 先日お正月を迎えたと思っていたら、早や如月2月です。
 如月(きさらぎ)とは、寒さで着物を重ねて着ることから、「着更着」からそういうようになったそうです。また、気候が緩んでくる季節で「気更来」「息更来」。草木が生え始める月で「生更木」という説もあるそうです。 
 春の足音がかすかに聞こえてきそうな2月ですね。

 昨年から話題になりベストセラーになっている佐藤愛子さんの「90歳。何がめでたい」を読みました。タイトルに引かれて購入したのですが、愛子さんの痛快でピリッとスパイスの効いた文章が面白く、「うんうん、そうそう」と心の中でうなずきながら一気に読み終えました。
 年齢からくる体のあちこちの不調を嘆き、スマホや普及に怒り、子供の立てる騒音を嫌う人を
叱り、新聞の人生相談の内容に苦笑し・・・。私も日々感じていること、思っていることが取り上げられていて、「我が意を得たり!」という心境になりました。

 愛子さんは、93歳。25歳から小説を書き始められから68年になられます。長編小説を最後に書かれたのは88歳で、もうこれで書かないという気持ちになられたそうです。
 しかし、いざのんびり生活に入ってみると、誰とも会わず、電話もかからず、口も利かずという日が珍しくなったそうです。そのうちに、何に対しても気力が出て来なくなり、だんだん気が滅入ってきて、ご飯を食べるのも面倒くさくなり、人とも話すのがおっくうになられたそうです。まるで「老人性うつ病」のような状態になってしまわれたそうです。
 そんな時に、雑誌社からエッセイ連載の話があり、隔週ならばという条件で書かれるようになりました。連載が始まりしばらくすると、錆びついた脳細胞が動き始め、力が戻ってきたそうです。人間は、「のんびりしよう」なんて考えてダメだということが、90歳を過ぎてよくわかりました。と愛子さんの言葉。見事な復活です。
 
 愛子さんのように、90歳を過ぎても元気で生き生きとしておられる方が、たくさんいらっしゃいます。現に日本で100歳以上の方が、65000人以上、その内女性が87%だそうです。愛子さんがかくしゃくとしていらっしゃるのは、当たり前のことなのですね。
そして、私ですが、愛子さんの年齢まで、約30年。愛子さんのように、これからも生き生きと過ごしていかなくてはと思います。
                   
 でも愛子さん曰く「こんなものが読まれるようじゃ、日本は滅びるじゃないかと思いますよ。」と言われています。これが現実にならないよう、愛子さんのように、いけないものはNO・わからないことはWhat 知りたいことはWhy と声を出していかなくてと思っています。
Fukiko
落語
 NHKの夜遅くに放映されている「落語ザ・MOVIE」を、眠い目をこすりながら毎週見ています。落語家が話す言葉に合わせて、俳優が口を動かしながら演じ、あたかも登場人物たちが、実際に話しているかのようです。初心者の私にも、とっつきやすく面白くわかり易いのです。

 その番組を見て以来、落語が身近な存在となり、先日思い切って落語会に行ってきました。1000人以上の大ホールでの1人だけの話では、間延びしてしまわないかと案じておりましたが、そんなことはなく聴衆の心を掴んで離さない落語家さんでした。観客の反応に合わせて話を進めて行き、自分のペースに持っていかれるのは、さすがプロフェッショナルだと感心してしまいました。
 それもそのはず出演者は、柳家花緑 桂吉弥 桂文三 古今亭文菊さんと中堅のテレビでもお目に掛かれる方たちばかりでした。

 昨今、落語が静かなブームになり、中でも20~30代の女性ファンが急増しているそうです。特に夜の寄席は、たいそう賑わっているとか。
また、喫茶店・お寺・学校などでも開かれているそうです。映像や本では味わえない想像力を掻き立てる魅力が人気の秘密なのかもしれません。

 午前午後と続けて編み物の講習をすることがある私にとっては、落語家の話されるリズム、つかみ、スピード・間など学ぶことがたくさんありました。
2017春夏すてきな手編みに掲載中
3枚の四角で形作った身頃に

袖をつけただけのシンプルな

カーディー

シャーベットカラーの曲線模様で

華やかな印象に

上下を逆にすれば違った表情で

楽しめます
 
           デザイン/Fukiko