Sing... うたう        Jul. 2017
 7月に入り、梅雨明けまでひと月足らず、月末にはさんさんと照り付ける太陽の出番となります。今年も猛暑になりそうです。

 「皆様にも、今日 笑顔になれることがありますように。」とうメッセージを残して、小林麻央さんが亡くなれました。
乳がんの治療を続けながら、家族と過ごす闘病生活を綴ったブログ「KOKORO」は、昨年9月1日に開設され、多くの闘病している人に勇気と希望を与えました。
 一生懸命生き抜こうという力強さ、周囲への感謝の気持ちが伝わってくるメッセージの数々でした。
 そして最後の記述は、6月20日、亡くなられる前々日です。体力の衰えや口内炎の痛みに悩まされながらも、少しでもよくなるようにと新鮮なジュースを飲まれ、笑顔になれたとの記述。
 そして最後のメッセージが「皆様にも・・・。」の言葉でした。涙がにじんでしまいます。がんの後ろに隠れてしまわない生き方をしたい、ステージ4のがんを克服したい、皆様の役にたつことをしていたい・・・などの思いからのメッセージだからこそ 皆さんの心に響いたのでしょう。ご冥福をお祈りいたします。

 「このハゲー!」「生きている価値ないだろう!」の興奮した女性の金切り声がテレビから聞こえてきます。どこのヤンキーが怒鳴っているのかしら?と画面に目をやると、そこには、ボイスレコーダーの映像が写っています。それからも続く、聞くに堪えられない暴言の数々。思わず耳を覆いそうになりました。また、相手の娘さんに対しての、よくもそんな残忍なことが平気で言えるのかと思えるような「頭がグチャ・・・」の言葉が続きます。聞いていて気分が悪くなってしまいました。その上暴力もあったとも言っています。
 続いて次の画面には、ピンクのスーツを着てにこやかな笑みをたたえている女性の姿が映りました。その女性こそが、暴言を吐いていた本人だといっているのです。そして、何と国会議員だと言っているではありませんか。それも東大出身・ハーバード大学出の厚労省キャリヤという華々しい経歴を持つ人だとも言っています。ウソでしょう?
 暴言をはいている相手は、自分の男性秘書です。パワハラ・クラッシャー上司です。いくら高学歴でも、人格に優れているかということは、別のようです。

 「ことばは言霊」と言います。言霊とは、言葉ひとつひとつに力が宿っているといわれ、良い言葉を使うといいことが起き、悪い言葉を使うと悪いこと起きると言われています。そして、それは聞いた相手にも、影響するとも。
 小林麻央さんと国会議員の女性の言葉は、周囲にどのような影響を与えたのかは言うまでもありません。
                   
 私も、心して言葉を発しなくてはと思った梅雨の日でした。
Fukiko

わけあり記者

 中日新聞記者の三浦耕喜さんが、「わけあり記者」という本を出版されました。
 三浦さんは、ご両親を介護されている様子を新聞に掲載されおり、毎回興味深く読んでおりました。その記事からは、「大変!」という雰囲気はあまり伝わってこないで、なぜかホッとさせられ、微笑んでしまうような記事が多いのでした。
 きっと多くの人の反響があり、今回の出版となったのでしょう。

「何が、わけありあの?」と早速本を購入。読みやすい文章と内容で一気に読んでしまいました。そして、その「わけあり」は3つあったのです。
  一つ目のわけありは、 過労でうつ病になり、半年休職
  二つ目のわけありは、 両親のダブル介護
  三つめのわけありは、 パーキンソン病に罹かる
  
 三浦さんは私が住んでいる各務原市の出身です。京大卒・東京中日新聞政治部・外報部勤務。5年前うつ病を発症され治療後、ご両親の介護のため名古屋に転勤現在生活部記者をされています。
 ご両親は、私の父がお世話になっていた介護施設に入居されており、在住の名古屋市から、毎週ご両親を訪問され様子を見守っておられます。
 昨年、パーキンソン病に罹られ、治療中です。


 次から次へと降りかかってくる出来事「わけあり」に、驚き葛藤しながらも、逃げることなく現実を冷静に受け止められ、そこから発せられる言葉の数々が、心に響いてきました。わけありの方の暖かい目線は、私たちが生活していく上で原点を見つめ直す指針になるのでは?と思いました。
 
 本の最後に、こんなことを書かれております。
「わけあり」とは、人生の経験値が高い人のことではあるまいか。職場においても組織においても、もっとも大切な「気付き」をもたらす宝ではないのか。
「わけあり」の人生とは、制約する鎖に見えて、実は多くの人を励ます翼になり得るのではないか。
 これからのわが人生は、それを実験、証明することに費やされるであろう。今のところ、実験はうまくいっている。
 実験の推移は、記事に掲載されると思うので、ぜひ読んでいただきたい。読めば元気がでる。勇気が出る。そういう新聞にしていくことを、私の人生にかけて誓う。
 これからも、三浦さんの日々の暮らしからの発信を読ませていただけること、そして、実験の結果がどうなるのかも楽しみにしております。