Sing... うたう Sep. 2018
         
 あつーい夏が過ぎ、秋の気配が感じられる9月となりました。
一日中、クーラーをつけ続け電気代の請求書が気になる先月でした。

 そんな暑さの中、外出を極力避け全国高校野球とアジア大会の放映を見ながら、編物をして過ごしました。ハツラツとした若者たちの爽やかな姿に、編み針を動かす手が止まってしまうことがたびたびありました。

 高校野球は、今年で100回目。それを記念してのイベントがあり、その一つが、参加校が例年は49校ですが、今年は56校に増えました。憧れの甲子園球場へ行けるチャンスが、増えた今年は、全国の球児たちも大いに燃えたことでしょう。
 また、レジェントと言われている選手達の始球式が毎日あり、こちらも話題を呼びました。
第一日目は、星稜高校の松井秀喜さんでした。当時、我が家の長女と同い年の松井選手の雄姿を見ては「あの子が、息子だったらなあ!」とたびたび思ったものでした。その松井選手は、すっかりおじさんになっていましたが、素敵な笑顔は昔のままでした。

 私の高校3年生当時の選手と言えば、あの三沢高校のイケメン投手太田幸司さんです。高校野球でスター選手の先駆けとなったのは、太田投手ではないでしょうか。テレビを見ては、同級生とキャーキャーとはしゃぎ、「あんな人が彼になってくれたらなあ・・・。」とうっとりとしていた高校時代を思い出しました。そして、松山商業投手の井上明さんとの死闘の決勝戦が印象に残っています。9回では決着がつかず、結局延長18回にまでもつれ込み、最終的に翌日に再試合となりました。結果は松山商業が真紅の優勝旗を手にしました。
 その太田投手と井上投手が21日目に始球式をされました。いい年の取り方をされているダンディなお二人の姿に、人生の年輪を感じ、同じ様に年を経てきた今の私を見つめさせてもらいました。そして高3の夏が走馬灯のように思い出されました。
 
 今年の甲子園も白山高校などたくさんの話題校が登場し、金足農校の吉田輝星選手・大阪桐蔭校の根尾昴など、多くの素晴らしい選手が登場しました。特に根尾選手は、岐阜県出身なのでついひいき目で応援してしまっていました。元気ハツラツ爽やかな選手たち、そして懸命に何かに打ち込む姿は、人の心を捉えて離さない魅力があります。私の孫たちと同年の選手たちを見ては、「こんな孫が欲しいなあ!」と、昔と変わらない自分にあきれてしまいました。

 最近、スポーツ界で様々な問題が表に出てきています。権力・お金・名誉に関連する醜い大人たちのバトルに、純粋にスポーツに取り組む選手たちが、気の毒でなりません。ついスポーツを何だと思っているの?と問い掛けたく なりました。2020年まで、あと2年しかありません。早く膿を出し切って、再スタートして欲しいものです。
 澄み切った青空の下で、爽やかな選手の躍動する姿が、新国立競技場で見られますように。
Fukiko
嫌煙権
 ひと昔前、大人への憧れの一つが、「タバコを吸う」ことでした。親や先生に隠れて喫煙し、叱られた男子が何人かいました。また、20歳未満なのに社会人だから大学生だからと正々堂々と吸っているkっぅkjkm、人も多くいました。
 ましてや、成人男性では、吸わない人が珍しいくらい、TPO構わずスパスパ・・・。
部屋中が煙で霞んでしまっていることなど、当たり前でした。そんな部屋にいようものなら髪の毛から服まで、煙の臭いが染み込み、何度も嫌な思いをしたものです。
 
 先日30年前に出版された編物の本をみていました。その中にモデルが真っ赤なニットを着用し、優雅に足を組み椅子に座っている写真がありました。そして、綺麗にマニュキアをした指でタバコを挟んでポーズをとっています。当時は、女性がタバコを揺らす仕草は、おしゃれのアイテムの一つだったのでしょう。そんな姿を違和感なく受け入れていた時代でした。

 あれから30年。受動喫煙が問題となり、多くの場所で、分煙・禁煙となりました。
 先日テレビで、ある居酒屋さんが禁煙に踏み切ったところ、当然の如く喫煙者には不評だったのですが、女性客やファミリー層には好評で、客数が増えたと放映していました。タバコが離せない娘の旦那さんでしたが、子供が誕生した時に禁煙しました。
お隣のご主人は、ベランダでよく吸われていたのですが、いつの間にかその姿を見なくなりました。
 東京オリンピックに向けて、小池都知事が受動喫煙防止を推進すると言われています。「百害あって一利なし」といわれているタバコですが、好まれている方も多いです。その方たちの気持ちも汲みながら、上手く分煙できる環境や意識が整えばと思います。

 タバコが苦手な私ですが、タバコが大好きだった父が、至福に満ちた顔で煙を揺らす姿を見るのは、大好きでした。

横編みにした模様を身頃中央で合わせ

でき上がったダイヤ型の空間を

アクセントにした個性的な一点

段染め糸の豊かな色彩も魅力です


2018‐2019秋冬
すてきな手編み(ヴォーグ社)
に掲載中

デザイン/Fukiko