Sing... うたう Nov. 2018
         
 秋も深まり紅葉の美しい季節となってまいりました。
我が家から見える山々も赤や黄色に色づいてきております。高い青空とのコントラストに目を奪われるこの頃です。

 カレンダーもあと2枚となり、1年の過ぎるのが“はや―い”と、つぶやくのが毎年のこの時期です。
それに拍車をかけるように、クリスマスや年賀はがき・お節料理の予約受付が始まり、私も、早期割引との文字につられて、早々にしめ飾りやお鏡餅の予約を済ませました。ハロウィーンだ!クリスマスだ!お正月だ!と同時進行の昨今、何だかせかせかと急かされ、ゆっくりと秋の季節を楽しんでいられないようなこの頃です。

 “ボーっと生きてんじゃねーよ!”との言葉でブレイクしている“チコちゃんに叱られる”の番組で、チコちゃんから“年を取ると1年が早く過ぎると感じるのは、なぜなの?”と問いかけがありました。本当に一年がひと月のように感じられる私は、ただ首をひねるばかり。
いったいなぜなのでしょうか?すると、「年を取ると感動しなくなるから~」との答えが。「感動しなくなる?そんなはずはないでしょう。好奇心はいっぱいありますよ。」と疑問符が。
旅行でしょ!コンサートでしょ!グルメでしょ!・・・いっぱい好奇心はありますよ。そんなこんなで毎日が忙しいです。楽しいです。感動しなくなっているなんて・・・。

 でもよく考えてみると、若い時のようなワクワク感は薄れてきているのは実感します。観光スポットを訪れてみても、「わあ!きれい!」ではなく「きれい」でとどまっている気がします。また、若い頃は「ジュリー!」「友和!」「太田投手!」と目がキラキラしていましたが、今はイケメンを見ても「いいなあ」でとどまっていて、若い頃のような高揚感が薄れてきている気がします。好奇心=感動ではないようです。日々が早く過ぎるのは、やはり感動不足だからでしょうか?

 以前こんな説も聞いたことがあります。5歳の子と20歳の人では、割合からすると一年が、5歳の子は5分の1になるのに対して、20歳の人は20分の1になるので、早く感じられるそうです。そうかもしれません。
5歳   ―――――――・―――――――・―――――――・―――――――・―――――――
         1年        2年         3年         4年         5年

20歳 
-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
    1 2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20年
 これからも年齢を重ねていくにしたがって、ますます日々が早く過ぎていくように感じることでしょう。でも心豊かに、ワクワク感を忘れずに暮らしていかなければ・・・と思います。
Fukiko
新幹線
  編み物の講習会などで、新幹線を利用する機会がよくあります。
 平日は、ビジネスマンの方の利用が多く、日中の車内は比較的静かです。でもどこからかパソコンのキーボードをたたく音が聞こえてきます。また、書類を触る音も。少し緊張感のある車内です。
 それが、夕方から夜になってくると、キーボードの音にプラスして、プッシュと缶ビールを開ける音が聞こえ、駅弁の美味しそうな匂いも漂ってきます。出張を無事終え、ほっとひと息つかれる人なのでしょう。「お疲れさま。」と声を掛けてあげたくなります。また、スマホで音楽を聴いたり、動画をみたり、ゲームを楽しむ人も。
日中の張りつめた空気の車内に比べ、ほっとした少し緩い空間になっています。
そして、どこからか寝息の音も。
   
 では休日の新幹線は?というと、賑やかな空間に変身します。特に夕方の車内は、ディズニーのお土産袋を抱えた家族やグループ、行楽帰りの人達、イベント帰りの人達。楽しそうな、でも遊び疲れた様子の人達で溢れます。そして、ここにも遊び疲れた人の寝息が・・・。たまーに大音量のイビキも。「相当遊んで、お疲れなのね。
ごゆっくりとおやすみなさい。」とイビキのBGMに、私の息を合わせたり・・・。
 
 先日夕方の東京からの新幹線の車中でのお話です。隣り合わせた40歳くらいのお母さんのスマホに、電話が掛かってきました。どうやら自宅で留守番をしているご主人様からのようです。息子さんが、友達のところへ遊びに行きたいといっていることを伝える電話の様子です。おそらくご主人と息子さんを置いて、東京へ結婚式に出席されていたのでしょう。
「アカン アカン!そんなに遊ばせてどないすんねん?ちゃんと家にいさせて!」
「そないするように、お願いしとったやん。何考えてんのん!」機関銃のような大阪弁が、私の隣から打ち込まれます。そして、息子さんにかわると益々ヒートアップし、「アホちゃうか?勉強もせんと!せんといかんこと、しっかりしいや!」
「わかってる?」「わかってへんやないの!」と炸裂します。
 スマホの向う側のお父さんと息子さんは、どんな表情かしらと思いながら、そして聞いてはいけないと思いながらも、否が応にも飛び込んでくる軽快な大阪弁に思わず笑みがこぼれます。車内でのスマホにエチケット違反ではと思いながらも、大阪のおばちゃんここにあり!の会話についつい許せてしまいました。
 その後、お母さんは、疲れが出てきたのか、左右に体を揺らしながら爆睡されておりました。たくましいお母さんでした。
 
 そして、私の新幹線での過ごし方ですか?日中は本を読むか、編物。夕方になると駅弁にビールかワインを美味しく頂きます。そしてうたた寝タイムです。
イビキかいてないかなあ?もちろん人間ウォッチングを、楽しみますよ。
 でも、わたしもウォッチングされているかも?