Sing... うたう Dec. 2018
         
 行く秋を惜しむかのように、紅葉した葉が舞っております。
カレンダーもあと1枚となり、気忙しい師走となりました。
平成最後の師走です。しっかりと噛みしめて過ごさなくては、と思っております。

 先日、久しぶりに愛知県半田市に行ってきました。
社会人1年生をスタートした地、主人と巡り合った地、新婚時代を過ごした半田市です。もう45年以上も前のことです。
当時は、さして観光スポットもなく(半田市に失礼です!私の関心が薄かっただけかもしれません。)、ただ新美南吉の出身地、生家を訪れた記憶があります。またミツカン酢(中埜酢店)があるところとも聞いていました。

 当日は、知多半田駅の一つ手前の住吉町で下車。徒歩5分くらいのところに、明治31年に建てられた加武登麦酒(カブトビール)が製造されていた赤レンガの建物があります。1900年のパリ万博では最優秀を受賞したビールだそうで、全国に出荷されていたそうです。ビールは昭和18年まで製造され、その後コンスターチの製造工場になっていましたが、それも閉鎖となり、建物の解体がささやかれた時期もあったそうです。でも建物保存の声が市民から上がり、保存されることになったそうです。現在は建物の見学ができ、レストラン・ショップも併設され、オシャレな空間となっていました。今は明治と大正期の2つのビールが復刻され、販売されています。もちろんレストランでも飲むことができます。
 私は、明治のビールを購入してきました。色は濃く、味は少し苦味がありますがコクがあり、黒ビールのような味わいでした。黒ビールが好きな私には、ぴったりの美味しさでした。

 赤レンガ建物から、15分ほど歩いたところにミツカン酢ミュージアムがあります。古くから続く運河沿いの黒壁の風景の中に、その建物があり、酢作りの歴史・醸造の技術・酢の種類や効能・ものづくりへのこだわり・食文化の魅力まで、見てさわって、嗅いで五感を使いながら見学する施設です。ミュージアムの隣には、ミツカン本社ビルがそびえ建ち、世界のミツカンといわれている所以を見るができます。それもそのはず、収益の半分は輸出からとききました。ですからミツカンから「MIZKAN」に社名変更されたのですね。
 酢はお酒から作ると聞いていましたが、お酒からなぜ酢に変身するのか疑問でした。館内で詳しく案内してもらいその謎が解けました。酒のアルコール分が酢酸菌の力によって酢酸にかわるそうです。酢酸菌は空気の中にいるそうで、日常たまにお酒がすっぱくなることがあるのは、その菌が混ざったからだそうです。
 ミツカンの創業は江戸時代。当初はお酒を造っていましたが、そこから出る酒粕を生かす道はないかと考え、酢を作るきっかけにとなり、1804年から現在まで作り続けられています。酒粕のリサイクルが生んだ酢なのですね。

酢、味噌、醤油、納豆、ヨーグルト、酒など、発酵食品を作る菌たちの威力を感じながら、また1つ知識が増えた(忘れてしまわなければ・・・)と思った、秋の日の半田散策でした。
Fukiko
ゴーンショック
 先月、日産自動車の元会長のカルロスゴーン氏が逮捕されました。
自身の報酬を少なく申告した疑いが強まり、東京地検特捜部が金融商品取引法違反容疑での逮捕です。何十億という報酬を貰い、就任当初から批判がでていました。存亡の危機にあった日産を、辣腕手法でよみがえらせた手腕は、称賛に値するでしょうが、その陰で工場閉鎖や退職勧告で泣いた人が多くいらしたと聞きます。果たして退職を余儀なくされた人たちは、この逮捕をどう思われたでしょう。
 また、ゴーン氏は、ルノーのCEOを兼ねていします。そのルノーに融資をしているフランス政府にも「ゴーンショック」の影響があり、フランスのマクロン大統領も苦悩気味のようです。

 凡人では、理解できないゴーン氏の強欲さ。高額のお金があってもまだまだ欲しくなるのが、お金持ちなのでしょうか?そういう気持ちがないとお金持ちになれないのでしょうか?あの世へは、持ってはいけないのに・・・。絶対死なないと思っているのでしょうか?理解できません。
と言っている言葉を聞いて、ゴーン氏には、貧乏人の犬の遠吠えのように聞こえているかもしれません。

 寒さ厳しくなってきた狭く冷たい拘置所の中で、ゴーン氏はいったい何を思っているのでしょうか?
 ブリューゲルレースを

渦巻き状に編みつないだ

個性的なプルオーバー

まるで宇宙の青雲のような

ギャラクシープルです

デザイン/Fukiko