Sing... うたう Sep. 2020
         
 9月に入り、新型コロナウィルスの収束の兆しは見られず、このままコロナさんと仲良く共存していくのかな?と思うこの頃です。テレビでは、毎日コロナ関連の内容ばかり、望まなくてもにわか学者になってしまいました。

 そんな番組の中、NHK大河ドラマ「麒麟が来る」より、優先して見てしまう大好きな番組があります。全国各地の山奥にある建物を捜索して尋ねる朝日放送「ポツンと一軒家」という番組です。
衛星写真を参考に周辺の地域の住民に写真を見せて、行き方を教えてもらいながら、捜索していくのです。写真を見た多くの住民が、「○○さんの家だ」と名前まで教えてくれるのには、驚いてしまいます。
きっと、家が離れていてポツンとだけれど、人々の心はポツンとではないのでしょね。
 曲がりくねった道幅の狭い山道を走り一軒家に到着。そして「ちっとも一軒家じゃないよ。」のポツンとの住人の一言に、「いえいえ、まぎれもなく一軒家でしょ。」と呟いてしまいそうになります。先祖様から引き継ぎ、自分が生まれ育った家だからと住み続ける人。都会の喧騒を離れて大自然の中での生活に憧れての人。自然豊かな中で物作りをしたいからの人。様々な理由で暮らされています。でもどの人も自然をこよなく愛し、楽しみながら生き生きと生活されている姿に心打たれ、今週も見てしまうのです。

 先日、以前から観たいと思っていた「花のあとさき」という映画をみてきました。18年にわたりNHKが記録したドキュメンタリー映画です。撮影場所は埼玉県秩父郡吉田太田部楢尾。山間の段々畑に、花を植え続けたムツばあさんとご主人と住人の小さな村の物語です。
かつて村は炭焼き・林業・養蚕で栄え100人以上住んでいた村でした。やがて石油・外材・化学繊維の時代となり住民の収入源が脅かされ、住民は減少しNHKが取材を始めた平成13年には、戸数5戸・住人9人・平均年齢73才となっていました。
 村と自分たちの行く末を考え、「長い間お世話になった畑が荒れ果てていくのは申し訳ない。せめて花を咲かせて山に還したい。」と夫婦は、誰も世話をする人がいなくなっても咲く丈夫な花を、段々畑に植えてきました。その数、1万本以上。
 春には、福寿草から始まって、レンギョウ、ハナモモ、ヤマツツジ。梅雨には、アジサイ。
秋には、もみじが彩り、その美しさがスクリーンいっぱいに広がります。「いつか山に戻ってきたときに、花が咲いていたらどんなにうれしかろう!」とムツばあさんの笑顔も満開。

 時が過ぎ住民は、ムツばあさん夫婦と住民2人の80才を超えた4人だけになってしまいました。限界集落です。
それでも、山の手入れを怠らず、自然とほどよく折り合いをつけながら自給自足の生活をし、花を植え続けます。
 やがて1人ずつ住人が減り、そしてムツばあさんも亡くなり、村は消滅してしまいました。でも、柔らかな笑顔と謙虚なムツばあさんの望みを叶えるように花は、今も見事に咲き続けています。

 「ポツンと一軒家」と「花のあとさき」を観ながら、日本の農村のあり方としまい方を考えてしまいました。
Fukiko
マスク
 新型コロナウィルス感染拡大で、一時マスク不足で大騒ぎをしました。
 また、アベノマスクの小ささや配布の遅さも話題になりました。でも今では、 市場にたくさんのマスクが出回り、暑さ軽減マスクやご当地マスク・シルクのマスクなど、マスク市場は華やかです。また手作りマスクをしている人も多く見かけます。そして、各国ではマスクの効果が認知されるようになり着用率が上昇してきていると聞きます。
 
 このマスクの必須の時代に、繊維産業や縫製会社、ミシン生産業、またそれらを販売している店舗などは、収益がアップしホクホク顔だそうです。
 それに反して、化粧品業界は、苦戦をしいられているようです。春の口紅、夏のファンデーションのCMはほとんど見ることが無く、そのまま秋になってしまいました。マスクひとつで悲喜こもごもの世の中です。

 マスクをすると顔の半分以上が隠れ、見えているのは目とマユだけ、ほとんど外出しない私は、UV化粧品をつけ目とマユに申し訳程度にお化粧らしきことをするだけ。ニカブをしたイスラム教徒の女性のような魅力的な瞳にようになれば、意気揚々とアイメイクをするのでしょうが、この年齢のこの小さな目では、無駄な抵抗でしかありません。私のように申し訳程度のメイクという女性が多いそうで、化粧品会社の悲鳴が聞こえてきそうです。
 でも、それで手をこまねいている化粧品会社ではありません。マスクに付かないファンデーションや口紅、マスクに似合うアイメイクの方法などを発信し、若い女性をターゲットに売り込み攻勢中と聞きます。
 
 目は口程に物を言うと言いますが、感度の鈍い私には、目だけでは誰なのか判断できない場合が往々にしてあります。諸説では、口を隠すと個性が消えると言われて、個性を出すためにアイメイクをバッチリとしている若い女性が多いと聞きます。
 また、アラブ諸国の女性がニカブつけるのは、女性的魅力を隠すため、また異性を惑わさないため、イスラム教の戒律で決められているそうです。
やはり、目よりも口に個性が表れるのですね。

 私のようにマスクにメガネ、帽子を被っていたらほうれい線が消えるのは、嬉しいのですが、個性も消えてしまい、暗いおばさんになってしまっています。その上にマスク下から発する籠った声では、おばさん度がさらにアップして、おばあちゃんになってしまいます。
 少しでも若返り、個性が発揮できるようにバッチリとメイクした方が、いいようですね。

 それにしても、早くマスクを外し、大笑いをしたいものです。