MRIは大きな磁石による“ 強い磁場”とFMラジオに使われているような“電波”を使って画像を得ます。ですからMRIは放射線による被曝がなく、小児や健常な方も安心して検査を受けることができると言われています。
 ただし強い磁場を使っているので、CTには見られないMRIならではの制限や注意があります。

 整形外科でMRIが有効な疾患の一例では、頚椎症、胸椎・腰椎のヘルニア、脊髄腫瘍、脊髄奇形骨軟部腫瘍、関節の靭帯損傷、半月板損傷などがあります。レントゲンでは写らない靭帯、腱、筋肉、神経、水分、脂肪、軟部組織などを撮影することができます。

 MRI検査は一般的にCT検査よりも時間がかかると言われています。検査部位や撮影の種類にもよりますが、数年前では1時間以上かかっていたような検査内容も、新しい装置では30分程度で終了します。

 MRI検査を受けられるまえに
 MRI検査は磁石を用いて人体の情報を得る装置です。体を傷つけることがありませんので、どなたでも安心して、何度でも検査を受けることができます。しかし、強力な磁石を使用するが故に、磁性体が引きつけられる危険性も合わせ持っております。MRI装置で検査を受けられる皆様には、以下の点について必ず注意いただきますようお願い申し上げます。

 磁石架台が設置され磁場が発生している部屋には、磁性体を持ち込むことのないように、検査を行う前に必ず磁性体を身につけていないか確認を御願いいたします。身近なものでは、例えばシャープペンシル、ボールペン、ベルト、鍵、装身具(ネックレス、イヤリングなど)、ヘアピンなどです。引きつけられた磁性体は磁石架台に跳び込み、思わぬ事故に繋がることがありますのでくれぐれもご注意ください。

 心臓ペースメーカーをつけている方は検査を受けることができません。(強い磁気の中ではペースメーカーが正常に作動しなくなるからです)心臓ペースメーカーをつけた方は事前に必ず、医師や技師にお申し出ください。また、体内に金属物のある方も事前に医師や技師とよくご相談ください。

(例:脳手術クリップや金属プレート、人工関節、避妊リング、入れ歯、インプラントなどがあると検査ができない場合や、きれいな画像を写すためにさらに詳しい調査をさせていただくことがあります)


 骨密度を測れば骨の状態を正確に診断できます。測定時間はわずか十数秒です。かかとを乗せるだけで簡単に測定できます。当院にてご相談ください。
 
 骨が弱ってきていませんか?
 女性は閉経を過ぎると(50歳ごろを境に)急速に骨密度が低下し骨そしょう症にかかりやすくなります。男性でも50歳代を過ぎる頃から、骨密度が徐々に減少してきます。骨量の最高を100%(20歳でピークに達し、40代半ばまでそれを維持する)として、骨量が70%未満になった人を骨粗しょう症と考えます。加齢と共に骨はスカスカになり、70歳になると約半分の人が70%未満の骨量になってしまいます。しかし、お年寄りだけの病気というわけではなく、閉経を向かえた女性に多く見られる病気でもあります。

 女性の場合は、閉経を迎える50歳前後から女性ホルモンの分泌が急激に減少するため、閉経を境に骨量が年間2%位少なくなってしまいます。これは、骨の溶かし過ぎを防ぐ役割をしていた女性ホルモンが減少することによって、骨吸収が進んでしまうためです。逆に、男性はもともと女性ホルモンがないため、女性よりも骨の減り方は少なく、骨折なども女性より少ないという調査結果が出ています。

 また、骨粗しょう症はビタミンDやカルシウムの不足によっても起こります。その他、体質や遺伝などによる原因も考えられ、遺伝子の研究なども進められています。

 人間は最も多くの骨量を20歳までに得て、その骨量を40代半ばまで維持して生活しています。20歳のピーク時にどれだけ高い骨量があったかは重要で、元が少ない場合、同じ骨量の減り方をしていても、骨粗しょう症になる危険性が高くなってしまいます。そのため、小・中・高校生の頃から骨の健康について考えておくことが大切です。