時刻よし!19セイコー

道具のメモ

 

@裏蓋閉め器

19セイコーのうち、戦後の21石やクォーツの時計は、裏蓋が大変堅い。手ではなかなかはめられない。無理をすると、風防ガラスや筐体に傷をつけかねない。

 そんなとき、この道具を使うとよい。わずかな力で裏蓋がうまく閉まる。この道具はネットで購入できる。いろいろなタイプがあるが、多くは腕時計に対応しているので小さな時計にしか使えない。

重要なことは、19セイコーの大きさ、直径5cmの筐体に対応しているものを購入しなければならないということ。

定価は5000円ぐらいだが、今なら3000円ぐらいで購入可。

 

 

 

A裏蓋開け(こじ開け)

19セイコーの戦後のものは裏蓋がはめ込み式である。比較的古いものは簡単に開くので、堅い平らなもの、たとえば、精密ドライバーでも代用は可能。しかし、時計の筐体にキズがつくかもしれないという危険があり、裏蓋が堅いと掌に力がかかるため手が痛くなったり、力が入らなかったりして開けることができない。この裏蓋開けを使うと、比較的簡単に、無理なく裏蓋を開けることができる。ぜひ備えておきたい道具である。

写真を見ればわかるが、刃先は金属製で、先は薄くなっている。ここを、時計の裏蓋と筐体の境目にあるスキマに差し込んで、文字通り少しずつこじ開ける。刃先はいくつかタイプがある。写真は、左が刃先が狭い型、右が刃先が広い型であり、時計に合わせて使い分ける。裏蓋の堅い戦後21石の19セイコー後継機でも開けることができた。価格は数百円といったところ。

 

※注意しなければならないのは、戦前と出車式中三針、そして24型の19セイコーの裏蓋は「スクリュー式」になっているということ。無理をしてこの裏蓋開けでこじ開けようとすると、裏蓋や筐体にゆがみが生じる。ネットを見ていると、19セイコーのことをよく知らない時計屋は、これをよくやって裏蓋をゆがませ、うまくはまらなくなっている個体があることを紹介している。

 

 

 

B ゴム手袋

スクリュー式の裏蓋が堅いときなど、うまく開閉ができないときは、ゴム手袋が有効だ。手がすべらず、いい具合に裏蓋が手に吸い付くので、うまく開閉ができることがあるのだ。決して万能ではないが、うまく開閉できないときには一度試してみることをお勧めする。

私の使っているものは、エステー社製の「使い切り手袋 天然ゴム 極うす手 Lサイズ」だ。手にぴったりフィットして使いやすく、これに何回も助けられている。

 

 

 

 

 

 

C 潤滑剤

 時計を入手したときに、不動のものであることがある。故障していれば、それはもう修理するしかないのだが、時計油が切れていたり、固まっていたりして動かないこともままあるのだ。そういったときに、この潤滑剤をテンプまわりや香箱の軸に少しだけさしてやると、一時的にではあるが時計が動き始める。もちろん潤滑されるということなのだが、固まった時計油を溶かす効果もあるようだ。写真のように、私はクリンビューの601K48(タイホーコーザイ株式会社)という製品を使っているが、呉工業のKURE5-56でも同じ効果があると思う。ただし、狙ったところに少しだけさすので、注油口がストローになっていることが大切。

 ただし、これはあくまで応急処置であることを忘れてはいけない。また、時計を大切にしたい人にはお勧めしない。この潤滑剤で時計が動くようになっても、なるべく早く時計店に出してオーバーホールしてもらうことをお勧めする。

 

 

 

 

 

 

 

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D巾着袋

 懐中時計をカバンなどに入れて運ぶときに、時計にかぶせると時計を傷つけることが防げるというもの。時計本体を袋に入れて、チェーンは外に出し、カバンの金具に固定するという使い方をする。

 時計の大きさに合う、小さな巾着袋をずっと探していたのだが、ちょうどいいものがなかなか見つからず、自分で作ることも考えた。しかし、思わぬところにいいものがあった。名古屋の栄生にある「トヨタ産業技術記念館」の売店にそれはあった。たて14cm弱×よこ11cm弱の小さなもので、19セイコーを入れるのにちょうどよい大きさだった。しかも、これは豊田織機の織機で織った布でつくったものだそうだ。値段も手ごろで、普段使いにちょうど良いと思って購入した。結果、重宝している。

 

 

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