おーとばいザムライ 書庫17             →おーとばいザムライ

 

3月21日(水曜)

 無限軌道とは何かという質問をいただいた。イメージとしては、ブルドーザーの足の部分であるキャタピラーが最も適していると思うが、キャタピラーは商標であって確かに一般名詞ではない。無限軌道は、タイヤの代わりに車体を進ませるための「金属やゴム製のベルト」のことで、タイヤよりも広い接地面を生み出した。履帯とも言う。この場合、軌道とはレールのことで、列車とは異なり、レールの方を車体に備えて回しているという意味になる。キャタピラーとは「芋虫」のことで、現在キャタピラー社が巨大企業になったことから、創業者のホルトが発明者として認識されている向きもある。しかし、実際はイギリスのリチャード・ロヴェル・エッジワースが1770年に、ポーランドのハーネー=ウロンスキーが1830年にアイデアを残していることがわかっている。商業化で成功した実用的な無限軌道は、アルヴィン・ロンバードとされている。ホルトはこのロンバートの特許の使用権を取得したのだった。また、スキッドステア(左右の回転差や片方を停止させて進行方向を変える)方式については、リチャード・ホーンズビー・アンド・ソン社から特許を買い取り、キャタピラー(芋虫)という呼称も、この車体の動作を見たイギリス兵のつぶやきから採用したも

のだった。

 

 

3月17日(土曜)

 ブルームバーグのニュースを見ていると、バイク人口が減っているのは何も日本だけでなく、実はアメリカも同じであるということが報道されている。「ハーレーは売上高予想を下方修正し、工場労働者の解雇計画を明らかにした」としており、その原因が、ベビーブーマーの高齢化を挙げている。そこへ、EUの報復関税の話がもちあがってきたわけだ。日本では一人勝ちの様相だったハーレーも苦しい状況に追い込まれるかもしれない。

 

 

3月3日(土曜)

今日の産経ニュースで、埼玉県教委が<高校生のバイク利用を禁止した「乗らせない・買わせない・免許を取らせない」の「3ない運動」を37年ぶりに廃止する方針を固めた>と報じている。通学で認められるバイクは、原則として排気量50cc以下ということ。田舎では自転車よりもバイクの方が機動力があることは明らか。どんなバイクが許可されるのかも興味がわくところだが、安全のことを考えると、全国のバイクを許可している高校のようにスーパーカブ系か、電動バイクになるのではないか。順調に実施されることを祈る。もし、事故や生徒指導上の問題が多発なんてことになれば、頓挫することになりかねないからね。

 

 

2月24日(土曜)

前回に触れた「ケッテンクラート」が、『ストライク・ザ・ブラッド』の16話にも出てきて驚きです。一応、ここではレプリカという扱いのようですが、まごうことなきケッテンクラートです。登場させる理由が少し弱いのは確かですが、ワゴン車やトラックよりは雰囲

気がいいかも。

 

 

2月4日(日曜)

 アニメ『少女終末旅行』に、何やら変わった乗り物が出てきますね。一見、オートバイなのに、後輪部分がキャタピラーのついた荷台のようです。これは、「ケッテンクラート」というものなのだそうです。ドイツ語でクライネス・ケッテンクラフトラート(: Kleines Kettenkraftrad)と言い、日本語にすると、「小型装軌式オートバイ」となります。二本のキャタピラー(無限軌道)で駆動することから、無限軌道オートバイとも呼ばれます。エンジンは、オペルのクルマのオリンピアのガソリンエンジンをベースにしたものだそうです。ドイツのNSU社などによって1941年から1944年にかけて生産されました。東部戦線の泥道ではオートバイやサイドカーが使い物にならず、急遽開発したのがケッテンクラートだったようです。確かに廃墟をさまようには適した乗り物かもしれません。

 

 

1月3日(水曜)

 交換した台湾ユアサのバッテリーが、これで22か月も問題なく使えている。バイク屋で交換してもらっていた当時仕様のバッテリーだと、よくもって1年半だったのにである。値が1/81/10程度だったことからしてみると、大変すばらしいコストパフォーマンスということになる。このことについて、身近な人に話しても、誰もが怪訝な顔をするのがおもしろい。それだけ技術が発達したということなのだろう。

 

 

12月23日(土曜)

 『秒速5センチメートル』というアニメに、ホンダのスーパーカブが出てくる。このアニメは3部作になっていて、登場するのは、第2部の「コスモナウト」(宇宙飛行士)のなかで、舞台は種子島だそうだ。高校生の通学の足として登場してくる。バイクは使用禁止になっている高校が多いなか、鉄道やバスなど公共交通機関の整備が不十分な地方ではまれに許可されているところがある。種子島高校では、実際にこのスーパーカブが許可されているようで、ホンダの公式HPにも紹介されている。実は、一般社団法人日本自動車工業会の調査(2016)では、通学を許可されている高校生は、@鹿児島県(2,718人)、A茨城県(2,585人)、B山梨県(2,008人)という結果だったそうだ。

 

 

12月9日(土曜)

 電気自動車とならんで、今、注目すべきは燃料電池車です。現在、日本では、トヨタの「MIRAI」が市販車として、ホンダの「クラリティ フューエル セル」がリース販売車として開発されています。圧縮水素タンクについては共通化していて、どちらも燃料電池で水素を燃料として発電してモーターを回すクルマです。航続距離は、MIRAI650km、クラリティが750kmということなので、現在のガソリン車と比べても遜色ありません。値段もMIRAI7236000円と、思ったほどは高くないですね。もう少し値段が下がってきて、燃料の水素を入れる水素ステーションがもっと増えてくれば購入の候補に入れたいところです。

 

 

12月3日(日曜)

トヨタがやってくれましたね。「トヨタ、世界最大の燃料電池発電所 カリフォルニアに建設、水素インフラ整備」(日本経済新聞2017/12/1夕刊)。EV(電気自動車)のニュースオンパレードのところで、水素社会への布石です。港湾施設のインフラの一環として整備するようですね。そのため、水素は一般の自家用車ではなく、燃料電池トレーラ―に供給するのだとか。原料も畜産場のバイオマスからであれば、安価だし、環境にもよさそう。この試みが広がっていくことを願っています。

 

 

11月26日(日曜)

 最近の家電は、いわゆるマイクロ・コンピュータが内蔵されているものが多くなりました。このマイコンの基盤は直流で動く上、家電そのものも直流で動くものが多いので、最初から直流電源があると便利なはずです。そういえば、太陽光発電は直流ですし、蓄えるバッテリーも直流、ハイブリッド自動車も電気自動車もやはりバッテリ―を使うため直流です。大規模なマンションなどの住宅は送電の関係から交流が続くのでしょうが、一部の家庭用電源は直流になっていくのでしょうか。

 

 

11月19日(日曜)

家庭用電源の交流を直流に変えて、直流用の家電を作動させていると言われればなるほどと理解できます。では、交流用の家電はそのまま家庭用電源の交流をそのまま使っているのでしょうか。かつてはそうでした。しかし、現在は事情が異なっているようです。それがインバータという技術であり、装置なのです。家庭用電源の交流を、一旦直流に変換(コンバータ)し、それをさらに交流に変換(インバータ)する技術なのです。かつての家電はONかOFFしか使用しなかったので、家庭用電源からそのまま使用すればよかったのですが、現在の家電は、このインバータ技術のおかげで、「強弱」と「周期の変換」が可能になったのです。しかも、使用電力もそれに合わせることができるようになりました。つまり、強弱については直流のように使用でき、周期の変換については例えば蛍光灯のチラつきを抑えることができるようになったのです。

 

 

20171112日(日曜)

「ダイナモ」と「オルタネーター」のほかに、オートバイの古い文献を読んでいると「マグネトー」という発電機があることがわかります。これは、永久磁石を用いた高電圧の交流電気を発電するもので、バッテリーが組み込まれるようになるまでの、主な点火用発電機だったようです。今でも、草刈り機やチェーンソーに使われていると言えば、イメージができるのではないでしょうか。つまり、バッテリーからの電気がなくても発電でき、プラグを点火できることから、オフロードレース用のオートバイにも使われています。(市販のオフロード用はバッテリーはあります。)信頼性が高いことから、レシプロエンジンの航空機にも使われているとか。ちなみに、手動式の電話機もこれでした。

 

 

20171028日(土曜)

発電機は、そもそも直流から始まりました。名前を「ダイナモ」と言い、機構は直流のモーター(電動機)と同じ。これは、ダイナモにモーターの機能があることが、後に発見されたという歴史がある。また、ダイナモは、別名DCジェネレータともいう。初期のオートバイや自動車の発電機と言えばダイナモだった。しかし、ダイオードを使った交流から直流への返還が容易になったことやより高速回転が容易という構造上の問題から、今は交流発電機である「オルタネーター」になっている。自転車は今でもダイナモである。

 

 

20171021日(土曜)

オートバイの電気系統は素人では大変わかりにくいもののうちの1つです。そもそも発電は「交流」なのに、バッテリーは「直流」なのですから。同じ電気でも、交流と直流は全く異なります。しかし、変換が可能ときている。オートバイが積んでいる電気装置は直流のため、発電した交流を直流に変えて使って

いるのです。これは家庭でも同じで、発電所で発電した交流が家庭まで来て、交流としてコンセントが設置されている。しかし、家電の多くは直流用なので、それらはACアダプタで直流に変えなければならないわけです。まずは、この交流・直流について調べてみます。

 

 

20171015日(日曜)

電気系統というのは、どんな機械にしてもなかなか難しいものです。思い起こしてみれば、電気の初歩である中学校の理科程度の知識も、電気を扱う職業についている人でなければほとんど忘れていることでしょう。また、電化製品などは、専門の知識などなくてもコンセントに差し込めば使えるので、普段は電気のことをそれほど知る必要はありません。オートバイにしても、ふつうに乗るだけなら全く同じです。しかし、オートバイは電気系統のトラブルが多いのも事実。少しでも理解しておくと、役に立つこともあるでしょう。そこで、しばらく電気系統について整理してみたいと思います。


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