おーとばいザムライ書庫3

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おーとばいザムライのぼやき   2009年4月1日(水)

 手元にある「画報躍進之日本」(昭和17111日発行)を見ると,井上匡四郎なる人の興味深い言葉が載っています。「現在南方において過剰と認められてをる天然ゴム,もしくは砂糖等,これらはいづれも航空ガソリンおよび航空用潤滑油として精製しうることは既知の事実である」というのです。松根油といい,この天然ゴムといい,当時の日本が必死であったことが伝わってくるというもの,と思うのは,拙者だけ? 

 

 

おーとばいザムライのぼやき   2009年4月4日(土)

 松根油は,「航空燃料として使用されたという記録はなく,これをジープに利用しようと試みたアメリカ陸軍は,数日間以上使用すると,エンジンに支障をきたすことに気づいた」としているし,天然ゴムからのガソリンも,「ゴム含有率が高かったために,モーターをすぐに詰まらせた」(どちらも前出の『日本における戦争と石油』)としています。そういったものを「ガソリン」と呼べるのかな,と思うのは,拙者だけ? 

 

 

おーとばいザムライのぼやき  2009年4月8日(水)

 そもそもガソリンとは何なんでしょうか。日本語では揮発油と書くことが多いようですが,前回でも紹介したように,「自動自転車」(大正5年,奥泉欽次郎)という本には軽油と紹介されています。また,新しく入手した「図解説明 自動車講義録」(昭和7年,大月豊著)には,「引火点は摂氏十二度乃至九・五度なり」などと書かれています。現在のガソリンの引火点はマイナス40℃以下という常識からすると,同じものとは思えない,と思うのは,拙者だけ? 

 

 

おーとばいザムライのぼやき   2009年4月9日(木)

 石油といえばロックフェラー,ロックフェラーといえばスタンダード石油ですね。あまりに大きな企業のため「独占禁止法」と切っても切り離せないような企業であることは有名ですが,この企業がエジソンの発明した白熱球のために倒産の危機にあったというのは意外,と思うのは,拙者だけ? 

 

 

 

おーとばいザムライのぼやき   2009年4月9日(木)

 石油といえばロックフェラー,ロックフェラーといえばスタンダード石油ですね。あまりに大きな企業のため「独占禁止法」と切っても切り離せないような企業であることは有名ですが,この企業がエジソンの発明した白熱球のために倒産の危機にあったというのは意外,と思うのは,拙者だけ? 

 

 

おーとばいザムライのぼやき  2009年4月10日(金)

 ガソリンには製造方法によって,実に様々な種類があるのですね。雑誌「オートバイ」(19675月号)を見ると,直溜ガソリン,天然ガソリン,分解ガソリン,重合ガソリン,人造ガソリンの名前があがっています。そのなかで興味深いのは,人造ガソリンについて,「石炭を液化したり,あるいは一酸化炭素から合成して得られる。」とあることです。石炭からつくることは前にも述べたとおりですが,ナント一酸化炭素からもつくることができる,ですと〜お。これは初耳,と思うのは,拙者だけ? 

 

 

おーとばいザムライのぼやき  2009年4月11日(土)

 ガソリンエンジンといえば,現在は4サイクルエンジンが主流で,原型はオットー機関というのは周知の事実ですね。しかし,このオットー機関は,最初はガソリンではなく,石炭ガスを使った(1876年)ようです。他に,当時は水素ガスを使った4サイクルエンジンがフランスでは発明されていたというのですから驚き,と思うのは,拙者だけ? 

 

 

おーとばいザムライのぼやき  2009年4月12日(日)

 石炭ガスというのは,コークスをつくるために石炭を蒸し焼きにしたときに出るもので,19世紀にインフラの都市ガスとして整備されていたようです。ガス灯をともしていたガスがこの石炭ガスらしいですね。ですから,オットーのつくったエンジンは工場などに据え付けられていたことになります。ホームページやブログのなかで,オットー機関が開発されたことをもって,即ガソリンの4サイクルエンジンの開発,としているものがありますが,それは正しくありませんよ,と思うのは,拙者だけ? 

 

 

おーとばいザムライのぼやき  2009年4月15日(水)

 オットー機関をクルマや飛行機のような移動体に載せるために、燃料を気体の石炭ガスから液体のガソリンにしたのですから、かなり野心的です。おかげでオートバイ、クルマ、飛行機など様々な小型の移動体が生まれてくるのですから。しかも当時のガソリンは石油精製の副産物で、扱いが危険なために使い道がなくて困っていたというではありませんか。こういうのを本当の大発明というのでしょうね、と思うのは、拙者だけ?

 

 

おーとばいザムライのぼやき  2009年4月17日(金)

 今日の日本経済新聞の朝刊に、天然ガスから石油製品を製造するというGTLの実証プラントを新日本石油など6社で構成する日本GTL技術研究組合が完成させた、という記事が載っていました。実は、このGTLこそが、かつて「人造石油」と呼ばれた技術なのです。そして、偶然なのかこの記事と見開きの中に、天然ガス関連の記事が他に2つも載っていました。天然ガスへのシフトが、日本の進むべき道のようですね、と思うのは、拙者だけ?

 

 

おーとばいザムライのぼやき  2009年4月19日(日)

 今回はずばり、腎臓石油に関する記事が日本経済新聞に載っていました。「石炭液化プラント 日立造船、南ア大手と提携」だそうです。この石炭液化はもちろん「人造石油」のことで、南ア大手というのは「サソール」のことです。この企業はドイツから技術供与を受けて、戦後、人造石油をつくっていたことで有名です。日立造船がこのプラントの中核機器を得意としていて、サソールに8基の納入実績があると書いてあります。先日の天然ガス関連のGTLと言い、この石炭液化と言い、この人造石油の技術は脈々と受け継がれて生きており、決して過去のものではないんだ、と思うのは、拙者だけ?

 

 

おーとばいザムライのぼやき  2009年4月20日(月)

 1878年と言えば、エンジンに関して他に重要な出来事があります。それは2ストロークエンジンのガソリンエンジンが製造されたとされる年でもあるのです。つくったのは、スコットランド生まれのデュガルド・クラークで、クラーク機関(サイクル)という呼称のもとになった人です。オットーがこの年に燃料をガソリン化したという記述を他のHPなどで見かけますが、ひょっとしたら、このクラーク機関の製造された都市と混同されているのではないでしょうか。もっと調べる必要がある、と思うのは、拙者だけ?

 

 

おーとばいザムライのぼやき  2009年4月11日(火)

 ダイムラーと言えば、イギリスにもDaimulerというクルマメーカーがあったそうです。しかし、発音はデイムラー、または、ディムラーで、知る人ぞ知るといった存在だそうです。1896年に創立されたイギリス最古の自動車メーカーで、実はジャガーのブランド名になっています。それにしても、クルマやオートバイの歴史をひもとくと、当時のドイツは間違いなく世界をリードしていたことが分かる、と思うのは、拙者だけ?

 

 

おーとばいザムライのぼやき  2009年4月22日(水)

 人造石油には、石炭油のほかに、頁岩油(けつがんゆ)とうのがあります。油頁岩(ゆけつがん 別名オイルシェール)から頁岩原油を取り出して、石油産品を製造するものです。満州でも生産されていた(満州経済年報昭和12年下)のようです。しかし、イギリスでは1865年に石炭油と頁岩油工場がすでにあわせて120以上あった(中國石油産業史)というのですから、驚き!と思うは、拙者だけ?