若者にふさわしい安価なバイクを

「 若者にふさわしい 安価なバイクを 」     富中 昭智  とみなか あきのり

    

                                 ミスターバイク 2008.4 男のジャーナル掲載

 

 バイクの値段が高い!! と思う人は私だけだろうか。このままの値段が続けば,数十年後にはバイクに乗る若者は天然記念物なみになってしまうのではないか,と本気で心配してしまう。
 退職金を手に入れた人が,夢をかなえるために百万も二百万も出して購入するという話が紹介されるようになって久しいよね。こういう話を聞くと微笑ましく感じるのは事実だけど,バイクは年寄りのためのものかと茶々も入れたくなる。バイクは若者にもっともふさわしいものだったんじゃない? 
 バイクは,安くて,手軽に扱える乗り物だった。そういった意味で,バイクは若者のものだったはずだ。自分の力で買おうと思えば,アルバイトに没頭しなければならなかったかもしれない。大きなバイクは買えなくて,250cc125ccでがまんしなければならなかったかもしれない。

でも,買えた。そして,自転車や原付とは比べものにならないぐらいの行動範囲を手に入れることができた。それが,バイクの教育力として無視できない素晴らしさをもっていたと私は思う。
 今,250ccのバイクでも40万円は下らない。スクーターはもっと高い。私が学生だった頃,40万円もあれば400ccが買えてお釣りが来た。この間,日本はバブルもあったが,デフレが長く続いて物価は思ったほど上昇していない。現に,若者のバイト代はあまり変わっていない。しかし,その間にもバイクの値段は確実に上がってきたのだ。
 そこで,日本の4大メーカーの開発責任者に要望だ。クルマは,低価格カーというのを出すそうではありませんか。バイクでもできるんじゃないの? 
 高い値段の装備なんていらんじゃん。馬力やトルクだって,必要なだけでいいよ。最新式の技術もいらない。そういう余計なものを取っ払って,耐久性と安全性だけは犠牲にしないで,使用に十分に耐える,そして,デザインだけかっこいい,そういったバイクはできないのかな。日本の4大メーカーさんはやった方がいいよ。若者のために,ぜひやってください。(お金のある中高年は高いものを買えばよろし。)
 でも,メーカーさんも理由もなく,今の値段にしているわけではないんだろうな。だから,無理かもね。そしたら,この手はどうだ。 今の中高年がいつまでも乗っていることはできないよ。十年二十年したら,体力の限界からバイクを降りる。七十も八十もなってバイクには乗れないでしょう。そうしたら,今の高値で買われているバイクが,そのうち大量に中古車として市場に出てくるから,大幅に安くなるにちがいないよ。二百万もするハーレーや日本メーカーのバイクが,ン十万円なんてこともあるかもよ。でも,こっちも年をとってるからな,びみょ〜な問題かな。
 ただ,またがったこともない今の若者が乗りたいとは思わないよな。そしたら中古バイクは需要が少なすぎて大暴落もあり得るんじゃない? 

何々? そうなったら,外国に輸出しちゃえばいい?  なるほど,こうして20年もすると,日本にはバイクに乗る若者は絶滅するのであった〜!!
 じゃんじゃん

 ってことがないように,若者にふさわしい安価なバイクをつくってあげてください。お願いします。

 

 

 →おーとばいザムライ