蟻の這う音も聞ゆる程までに心澄まして場に入るべしおりしきて礼を行う時もよく敵の眼に心とどめよ
道場に入るべき時は身を正し心の鏡曇りなきよう
立ち向う時の心は名月のくまなく照らす姿なりけり
身構 身構えは我が立ち走るそのままに爪先立てて踏むをよしとす
足の踏方 あちこちに踏みたる足を直さねばこれぞ進まぬ初めなりけり
掌中作用 只持つと打つとは握り違うなりよくみよ巫女の鈴の手元を
発声 掛け声は敵の心を挫くまで成るべく高く勇ましくせよ
打太刀 打つ太刀は両の拇 薬指 小指の三つで絞る心地で
体当たり 二の腕と腰の定まるそれまでは打ち込む度に体当たりせよ
受け方 受け留むる太刀を我が身に引き付けず構えあるまま受け流すべし
恐懼 打ちながら受くる心の起こるのはこれぞ恐るる初めなりけり
立ち合わぬ前に破るる気のするは嵐に花の散る心もて油断 立ち向かう相手を何時も大敵と思うて心おそれゆるまず
切先の働 太刀先に心なくして立ち合えば敵の心の恐ろしきかな
太刀調子 我がつかう太刀の調子を覚えしは先ず其の道に入りし者なり
気落付 すきもなく無闇やたらに打ちたきは心みだれと省みるべし
組打 組打を仕掛らるれば仕方なし我より行くな太刀を忘れな
打つ時心残りなきよう打ちたる時残心あるよう
打ちすきたる時残心あるよう
打つ太刀は一技、二腕、三気合、四腹、五心とこそ知れ身体不動 お突きにて勝たんと思う気のするは我が身体の利かぬ為なり
両刀 両刀に立ち向かいたるその時は小太刀に心うつすべからず
抜き面 抜き面は打たるるものと覚悟して打たれても行け打たれても行け
片手受け 片手にて受け始めたら止りにてそれより業の進むことなし
精神衰え おさえたる太刀にねばりの無い時は敵の手元へくつろげるなり
上達 無理という無理なる業をしつくしてまことの業に入るが業なり
位 名月を覚える雲の知らぬ間に遠く消え行くありさまにして
色影 色影は孤狸の業よりおそろしはよく気を止めて働きを見よ
検証すべきこと:無我、果断、勇気、明瞭、記憶
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