剣法秘訣北辰一刀流
(千葉周作述)
第七節 剣道名歌
一、切り結び身に添う打ちは敵(カタキ)なり 付け入ってこそ味方とぞ知れ
一、筑波山 葉山 繁山 繁けれど 木の間木の間に月影ぞもる。
一、極意とは己がますげの如くにて 近くあれども見付けざりけり
一、山川の瀬々を流れるる栃殻も 身を捨ててこそ浮かむ瀬もあり
一、切り結ぶ太刀の下こそ地獄なれ 踏みこみ見れば後は極楽
一、切り結ぶ刃の下こそ地獄なる 身を捨ててこそ浮かむ瀬もあれ
一、雪氷雨やあられとへだつれど 落つれば同じ谷川の水
一、勝つ事を何と答えん言葉は墨 絵にかきし松風のおと
一、打ち寄する浪の請太刀満汐に さし心得て飛ぶ千鳥かな
一、剣術を何と答えん岩間もる つゆの雫にうつる月かげ
以上
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