さつまいもについて
1.はじめに
我が家では、借りた畑で、「なると金時」と同一品種の苗を購入し、栽培しております。かれこれ数年経ちましょうか。
私が、幼少期、お爺さんが山畑の赤土の畑でかなりたくさん育てていました。お陰で終戦後の食糧難時代には、ひもじい思いはした事が
ありませんでした。
定年後、そうしたさつまいもの味を思い出したく自ら苗を購入して育てています。今は、苗1本 60円弱位でしょうか。小牧山の北側にある
苗屋さんで予約して買いました。平成29(2017)年は、科学の力で栽培された無菌性の苗で、かなり弱々しい苗で、購入後蔓を水につけて
根を出させてから定植しました。その後は、成長した蔓から更に苗用に10数本切り取り、2度目のイモ苗植えをし、大きな段ボール箱5箱分の
収穫ができました。家の納戸に収納しております。掘り出した直後のなると金時は、さほどおいしいとは思われません。しばらく寝かせておくと
本当にホクホクした食感があり、おいしい。
只、なると金時は、発芽性が悪く、我が家では、なかなか出来ないでいます。昨年は、何とか発芽させ、収穫しましたが・・・。今年はだめでし
た。
2.なると金時について
「なると金時」という商標は、四国 徳島の鳴門市のごく一部(海岸に近い海砂の畑地)のさつまいもにしか使用できません。通常のさつまいも
と比べ、同一内容量でも「なると金時」は、一目置かれる存在で、ややお値段は高いようです。
なると金時イモの品種は、「昭和20年、高知県の農事試験場で早掘り用品種として選抜され、高系(コウケイ)14号と命名されたその芽条変異系
統に長ヅル高系14号や紅高系がある。」ようですが、その芽条変異系統の長ヅル高系14号なる品種が「なると金時」芋であります。
高系14号の元は、母 ナンシーホールの花粉(アメリカ合衆国産芋) 父 シャム(良く分かりませんが、シャムから類推するにタイ国産芋カ)の
親株から出来た品種からの交配種カ。「なると金時」芋は、いわゆる高系14号の突然変異品種なのでしょう。
*
芽条変異とは「枝変わり」とも言われ、茎頂(あるいは腋芽)分裂組織に突然変異が起こり本来とは異なった形質のシュートが現れる現象を
言います。突然変異は自然条件下でも低率ですが起こりますし、紫外線、放射線、汚染薬剤などによっても起こることが知られています。*
それ程古い品種ではないようです。私が幼少期食したのは、昭和30年代。なると金時品種のサツマイモ苗が出回ったのは、昭和20年以降であり
ましょうから普及したてのさつまいも品種を私のおじいさんは、栽培したのでしょう。ホクホク感のある食感で、皮は、赤色、中は、外周部が黄色、中
心部はい色にふかすとなります。
「高系14号は早堀りと肥大性、そして貯蔵性が特に高い特徴があります。米が不足していた昔は芋が主食という時代もありましたから、こういう品
種のさつまいもは好まれたことでしょう。
味の特徴としてはねっとりではなくホクホクタイプのさつまいもです。糖度はとても高いのですが、収穫してすぐよりも十分に寝かせる必要があるので、
採れたての高系14号はさほど美味しいとは言えないようです。
収穫時期が9月上旬から11月中旬ぐらいなので、食べごろの旬は11月から2月あたりが美味しいさつまいもですね。」と記述されるHPに遭遇いたしま
した。( http://mame-column.com/food/satumaimo-2 より抜粋) 確かに、私の感覚と同じであります。
3.さつまいもの起源と伝播ルート
・ さつまいもの原産地については、 https://www.alic.go.jp/koho/kikaku03_000276.html に詳しい。以下左記htmlファイル内からの抜粋です。
「中南米のメキシコ、グアテマラに自生する野生種のイポメア・トリフィダが起源とされています。
ペルー海岸チルカ谷遺跡(紀元前1万年〜8千年)で炭化したさつまいもの根が見つかったこと、紀元前1千年頃にペルー遺跡から乾燥した根・葉・花
を描いた綿布、さつまいもをモチーフにした土器が発掘されたことから、中南米が原産地であると考えられています。
また、紀元前3千年頃には、熱帯アメリカでかなり広く食されていたのではないかと考えれられています。」
何とさつまいもは、「ヒルガオ科で、アサガオの仲間」とか。驚きです。
・ 世界への伝播と日本への伝播
世界への伝播には、3通りの説があるとか。
その一つ 紀元前にペルーから太平洋の島々を経由して、ニューギニアへ
その2 コロンブスが、大航海時代にヨーロッパへ持ち帰り、その後アフリカ・インドへ。更にインドネシア・中国へ。
その3 16世紀以降、スペイン人によってメキシコからハワイ、グアムを経由してフィリピンへ。
日本へは、諸説あるようですが、1605年、中国から琉球王国(沖縄県)に伝わったのが始まりといわれています。本州には、1698年の第19代種子島
島主の種子島久基が琉球の国王の尚貞に使者を送り、持ち帰りました。また、1705年、薩摩の山川(現鹿児島県指宿市山川)の船乗りの前田利右衛
門がさつまいもを琉球から持ち帰ったのち、薩摩全域に広まっていった。」と
その後、江戸時代を襲った1833年の天保の飢饉を契機として、青木昆陽が普及に貢献し、救荒作物として全国に普及していきました。このあたりにな
ると、知る人ぞ知る領域かと。
4.現在のサツマイモの品種と特徴
http://mame-column.com/food/satumaimo-2 に譲ります。参照されたい。