たまねぎについて

    1.はじめに
       我が家では、既に自家製の玉ねぎをかれこれ3拾有余年作り食している。自ら種から苗を育て、作れば本百姓でありましょうが、職業人でありましたから
      苗屋さんから200〜300本の苗を購入して育て、軒先に吊るし、端境期から使用し始めていた。そうすると、使い残した玉ねぎから芽が出てくる物が出て、
      廃棄する事も多々ありました。最近では、そうした弊害の無いように収穫してから直ぐ食してみたが、結局今度は、足りなくなり、スーパーで買うはめになっ
      た。
       今年は、思い切って苗を400本にしてみた。どうなるのであろうか。

    2.玉ねぎのルーツ
       はっきりとはしていないかのようです。
       僅かに玉ねぎの起源ではないかというHPに遭遇した。http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~shigyo/newhp/onion.html であります。
       それによると玉ねぎの起源は、「タマネギ(Allium cepa L.)は天山山脈西部の中央アジアの山岳地帯が原産と考えられる野菜です。タマネギの原種は発見
      されていませんが、トルクメニスタンとイランの国境付近に自生する野生種 Allium vavilovii M. Pop. et Vved. が現存する種の中でもっともタマネギに近い生
      理・生態ならびに形態特性を示します。現在、タマネギの起源解明に関する研究が世界のいろんな研究機関でなされています。」と。

       現在は、玉ねぎの起源は、中央アジアとの説が、有力なようです。玉ねぎは、ネギ属の植物で、大蒜(ニンニク)・らっきょうもその仲間であるという。

     3.玉ねぎの食糧化
       上記 HPからの引用ですが、「タマネギの栽培の歴史は、エジプトのピラミッドでの壁画にも記載があったことから類推すると、少なくともBC3200〜2800年に
      さかのぼります。その後、タマネギ栽培はBC600年頃にインドに伝播し、ギリシャやローマにはBC400〜300年に伝わったとされています。このようにタマネギが
      古くから人類に利用されていた。」とも記述されている。

       何故このように古くから食用にされていたのか。推測として、「玉ねぎの持つ成分背景が、いわゆる独特の内容化学成分特性が深く関っていると思われます。」
      と。
       上記HPの著者は、私見として、4つの成分をあげておられた。
        ・ 辛味・・・・・含硫化合物(血糖値を下げる。中性脂肪の代謝促進)
        ・ 苦味・・・・・ポリフェノール(ケルセチンと言うようです。老化防止・血液洗浄作用)
        ・ 旨味・・・・・グルタミン酸(料理の味を引き立てる。)
        ・ 甘味・・・・・オリゴ糖(低カロリー・整腸作用)  とか。

       玉ねぎやニンニクは、古くから食べておいしく、戦闘には不可欠な食材だったとか。
       少し長い引用になりますが、「タマネギは、ニンニク、シャロット、ラッキョウなど700種あまりの仲間が知られるネギ属の一種。感覚を強烈に刺激するタマネギと
      その仲間は、歴史的に悪霊や吸血鬼、ヘビ、トラ、ペスト、風邪にいたるまで、ありとあらゆる厄介者を撃退すると信じられてきた。

       タマネギの仲間は戦いとの関係が深い食材だ。古代ギリシャではオリンピック競技への出場をめざす運動選手にタマネギを食べさせていたし、古代ローマの剣闘
      士はタマネギの汁でマッサージをしてから闘技場に入場した。

       ネギ属の植物をヨーロッパじゅうに広めたのはタマネギ好きの古代ローマ軍だったという。専門家によると、ニンニクの栽培地の広がりからローマ帝国が拡大する
      様子がわかるらしい。敵と戦う力と勇気を高める作用があると信じられていたタマネギやニンニクは、ローマ兵にとっておいしいだけでなく、軍事上も有用な食材だっ
      た。人々は闘鶏や軍馬の闘争心を高めるためにニンニクを食べさせていたし、アリストファネスの紀元前5世紀の喜劇『騎士』には、兵士たちが戦いに備えてニンニ
      クを腹いっぱい食べる場面がある。」( http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20141208/427415/ より引用)とか。

       更に次のような逸話もあるとか。「(玉ねぎを傷つければ、・・私の注)われわれをひどい目にあわせるタマネギだが、役に立つ面もたくさんある。タマネギやニンニク
      の汁は、あまり強くない抗生物質である。米国の南北戦争の時代には、タマネギの汁は銃によって負った傷の治療によく用いられていた。北軍のグラント将軍はタマ
      ネギがなくなったときに、ワシントンの陸軍省に「タマネギがないかぎり私の隊は動かさない」という怒りのメモを送っている。もちろん陸軍省はすぐに荷車3台分のタマ
      ネギを将軍に送った。ニンニクは第一次・第二次世界大戦中にも殺菌に用いられた。

       医薬品がないときにはこれらは悪いやり方ではないことが、現代の研究により証明されている。例えば、ニンニクの汁は連鎖球菌、ブドウ球菌、発疹チフスを引き
      起こすリケッチア、赤痢菌を抑制することがわかっている。ネギ属の植物を投与することは、最適ではないにしても、なにもしないよりはましなのだ。 」と。
       確かに、現代でも、長ネギは、薬味として用いられていますが、かっては薬として使われていたとか。その名残りが、薬味として残ったのであろう。

    4.感想
       上記のような歴史を持つ玉ねぎではありますが、その有り難味は、昔ほどではないにしろ、その有用性は、計り知れないものがありましょう。
       我が家では、犬を飼っています。味噌汁に入った玉ねぎは、犬には、悪影響があるとかで入れられなくなって久しい。自然に味噌汁として体内に取り入れていた
      のが、久しく摂取されないでいる。毎日のこと故、由々しき事ではあります。

       更に今年からは、庭先の畑地に大蒜(ニンニク)苗 7本を植えた。本来は、種から育てるのが一般的な植物であるようですが、私のような生皮者には苗が丁度
      いい。その苗は、一本 60円也。スーパーで食用にんにく買えば、1ヶ 100円相当。種からすれば、相当安く手に入れる事が出来ましょうか。今後の課題ではあり
      ます。我が家の1年分の大蒜(ニンニク)を確保する手始めであります。

       数年前には、らっきょうを庭先の畑地の脇に育て、6月頃収穫、一個一個ラッキョウの根をカッターナイフで切り、茎を切り落として祖母伝来のらっきょう漬けをしま
      したが、愛妻には、残念ながら祖母伝来のらっきょう漬け方法は、伝授されなかった。作り方を忘れてしまったからですが、その後私もラッキョウを育てなくなりました。
       今は、祖母伝来のらっきょう漬けを近くの農協スーパーに出品される方から購入して過ごしています。祖母伝来のらっきょう漬けは、氷砂糖入りで、ややらっきょうが
      固め。普通のスーパーの出来あいは、あまり甘くないし少し柔らかいのが難点。年を取ると、幼少期の食生活に戻るのであろうか。