地域密着型金融機関 東春信用金庫の歩み

               1.はじめに
                  私の生まれは、多治見市であり、地域密着型の金融機関は、東濃信用であった。今でもそこの
                 通帳があり、取引をしている。

                  二十歳を過ぎて、この小牧市に居を構え、桃花台ニュータウンに住むようになって、早 30年余
                 に成らんとしています。そして、桃花台の中央部にアピタができ、便利になった。反面、陸の孤島とも
                 揶揄され、自家用車がないと、不便極まりない所であった為、朝夕の道路の混雑は、半端な物では
                 ありません。今もその弊害は残っています。

                  しかし、やがてこの地域も、一戸建て住宅が多く、老人の街と化していく事でしょう。成長した子等
                 が、この地域に残ればいいが、若い者にとっての魅力的な就職先も無く、どんどん他所へと転出し
                 ていく事でしょう。我が家の娘も、ご多分に漏れず、あの東京なる都会へと転出して行きました。

                  地域密着型の金融機関は、この先、地域の商工業者を助けるだけではいかんともし難い局面に
                 遭遇する状況でしょうか。私の家では、家にお金を置いておくことは心配だし、さりとて、出し入れが
                 歩いていける所でないと大変だしと言う事で、当初は、東海銀行(現 東京UFJ銀行)でありました。
                 その後、東京UFJ銀行は、当地の人口増に限界があるとして、当地からの撤退を決断し、ATM機能
                 のみ残し、完全撤退していきました。それ故、我が家は、アピタ内にある東春信用金庫を金庫代わり
                 に利用させて頂いております。何せ、私は、アナログ人間、カードを利用する事は、ほとんど致しませ
                 ん。

                  お金の出し入れは、銀行窓口で、対面でしかいたしませんし、金庫代わりですから、定期預金には
                 一切いたしません。普通預金のみであります。

               2.東春信用金庫の設立と歩み
                  この地域の金融業は、昭和20年代になって初めて姿を表したようです。小牧市史によれば、昭和
                 25(1950)年頃から経済が発展し、この辺りの経済界でも資金需要は増大の一途を辿ったと記され
                 ていました。

                  この当時の金融機関は、昭和20(1945)年に設けられた東海銀行(現 東京UFJ銀行)小牧支店
                 と昭和25(1950)年に新設された大垣共立銀行小牧支店のほか、小牧町農協ほか4農協と郵便局
                 でありました。その為、この地域の中小零細商工業者への融資は、融資条件が厳しく、とてもこの地
                 域の振興を図るには適していませんでした。そこで、地域密着型の金融機関が必要とされるようにな
                 ってきたという。

                  そうした高まりの中で、春日井市、小牧町、高蔵寺町、坂下町、守山町、旭町の1市5町の市長、町
                 長、商工会議所会長等、商工団体、市、町の行政当局を巻き込みながら信用組合の設立準備が進め
                 られたという。

                  その結果、昭和27(1952)年3月、出資金350万円で東春信用組合が発足し、初代組合長には、
                 小牧商工会会長で、愛知紡織株式会社々長の杉本明氏が、就任したという。そして、氏の本宅に本
                 店を置いて営業を開始したようであります。

                  その後、当地以外にも支店を開設し、昭和37(1962)年には、大名古屋信用組合を吸収合併し、
                 昭和47(1972)年に東春信用金庫と社名を改変し,現在に至っているという。

               3.雑感
                  確かに初期の頃は、地域密着型の地域金融機関であったでありましょうが、これだけ地域経済が
                 冷え込んでくると、或いは、落ちこんでいる平成の世になっては、この金融機関もその有り様が問い
                 直される時期に来ていると言えましょうか。存亡の危機といっても過言ではない状況かと推察いたし
                 ます。

                  銀行といえども、所詮は、人様のお金を元手にして濡れ手で粟の筋肉労働を伴わない金儲け企業
                 である事には変わりがないと言えましょうし、巷にある金貸しと基本は変わりがない存在でしかないの
                 では。

                  そのうち、銀行は、定期預金や、会社関係の利息の付かない口座には、預かり料を取らないが、普
                 通預金には、1口座当たり、何がしかの手数料を取る時代が来るのでは・・・。送金手数料と同様に・・。
                 そうすれば、普通預金口座数の手数料だけでも毎月入れば、塵も積もれば何とやら。そんな時代にな
                 るのでは、おそらく一方的に自分の所だけ先にする事は、しない筈。するとすれば、一斉に銀行が揃っ
                 て実施しなければ、出来ないのではないか。そうした時、預金者は、どのような行動にでるのでありましょ
                 うか。もしかすると、かって起こった銀行への預金一斉引き落とし騒動も起こりうるやも知れません事を
                 憂慮しますが・・・。

                  参考文献
                   ・ 小牧市史  通史