学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD 1〜12話

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ACT.1 Spring of the DEAD

いきなりクライマックスみたいであったが、とても興味深く見た。

 そんな今回のお話は…
 私立藤美学園は、たった一人の侵入者−<奴ら>によって地獄の坩堝と化した!
 <奴ら>は人を襲い、喰らい、新たなる<奴ら>を生みだし学園を席巻。
 悪魔の世界と化した学園内で、小室孝と幼馴染の宮本麗、親友の井豪永は、一時避難する。
 しかし、麗をかばい<奴ら>に噛まれた永は<奴ら>と化してしまう・・・・
 以上公式のあらすじ。
 お話はいきなりゾンビのような<奴ら>に学校が襲われ、<奴ら>に喰われると死ぬ、死んだらその人間は<奴ら>になって蘇る。だが、<奴ら>は頭を潰せば死ぬ。という某ゲームのような事が起きてしまった。という内容で、パニックサヴァイバルと言った様相だ。
 どうして<奴ら>が生まれたかという所は全く語られず、たったひとりの<奴ら>がねずみ算式に<奴ら>を増やし、学校という箱庭がパニックに襲われ地獄と化す様子や、そういう状況で壊れていく人の心を残酷に描いている。
 おもしろいのは状況に主眼が置かれていない事で、なんで<奴ら>が現れたのかという所が語られず、その状況に置かれている主人公達の心情がメインとなっている事だろう。
 なんでこんな状況にななっているのかこちらも分からないので、主役達の気持ちに同調できるし、パニックさを演出しているように思う。
 そのパニックというところがとても印象に残って、そういった状況下で他人よりも自分を優先してしまう人間のドス黒さを描いているのもリアリティがあって良い意味で気持ちが悪く、手をつないで逃げる名も無き女子生徒ふたりが「一緒なら大丈夫だよね?」と言いあいながらも、片方が<奴ら>に捕まると、捕まっていない方がものすごい表情で「離せって言っんだよ!」と、ついさっきまで「一緒なら〜」と言っていた片方を蹴り落としたり、現実逃避して自ら後者から飛び降りる体育教師(?)であったり、主要人物である麗も、恋人である永が<奴ら>になってしまい、孝が彼を殺した後に言い放つ言葉や、その後に出て行こうとする孝を泣いてすがって止めたりする。
 その豹変ぶりは、よくある物語のどんな状況であっても他人を思いやるフィクションらしさは全く無く、見ていて「嫌だな」と思いはするけれども、あんな状況であらばそうであっても仕方が無いと思わせる強烈なリアリティが画面に引き込ませる。
 <奴ら>という化物をを撲殺したり突き刺したりの残虐描写も多かったが、それもほんのひと時で地獄と化す学園を演出しているし、それ故に人の心情という部分を際立たせている。

 個人的な所では、孝が<奴ら>になってしまった親友を殺してしまってからが、すごく良い意味で気持ち悪く印象に残っており、上記したように恋人であった永が亡くなり、孝に随分と酷い言葉をぶつけるのだが、孝はそれに反論するでもなく、自分は邪魔だから外に出てヤツらを減らしてくると言ってバリケードから出ようとする。
 要するにこれは逃避だろう。思い人の恋人を殺し投げつけられる言葉、もうそこには居たくなかったはずだし、助かるアテも見込みも無い。もういっそ死んでしまっても良いと思ったのかもしれない。だが彼は麗が止めてくれるとも思っていたはずだ。
 なぜならば、麗も一人でそこに残されてもどうにもならないからで、孝が出て行くという前に行った麗の言葉はまぎれも無く本心だ。しかし出て行こうとする孝に、今言った事は全部ウソだから行かないでと泣いて引き止める。
 どう考えてもその言葉こそウソなのだが、孝も、麗も、生への執着という部分でのみ合致し、抱きしめ合うのである。
 恋人を殺した男を泣いて懇願し引き止める女と、親友を殺し、自分に侮蔑の言葉を吐いた思い人を抱きしめる男。なんてむなしいシーンなんだろう。
 これだけでも今後この二人がどうなる描きになってしまう。
 
 <奴ら>が一体校門に現れてから、一気に駆け抜けていったような印象であったが、あっという間に<奴ら>だらけになり地獄の様相になる学園や、主要キャラも心情をしっかり描いているのは見事であった。
 これから生き残った彼らがどうなっていくのかを注目していきたい。

ACT.2 Escape from the DEAD

生き残りが合流。役者が揃う。

 そんな今回のお話は…
 小室孝と宮本麗は<奴ら>の巣窟と化した学校を出る事を決意し行動を起こす。
 校医の鞠川は剣道部主将で昨年の全国大会優勝者である毒島冴子の協力を得て、車で抜け出そうと職員室を目指す。
 孝の幼馴染みである高城沙耶はミリヲタ平野コータと学校からの脱出を目指す。
 三組は図らず合流し、外の情報を得ようと職員室でTVを見て、街全体が<奴ら>に襲われていることを知り愕然とするのであった。
 って感じ。公式あらすじの掲載遅いよー。なんとかして!

 今回のお話は、冒頭書いたように生き残りが合流するという話で、小室孝と宮本麗、高城沙耶と平野コータ、鞠川静香と毒島冴子の三組の行動をザッピングで見せつつ合流するまでの流れを描いている。
 前回あまり出番のなかった高城沙耶と平野コータ、鞠川静香と毒島冴子のひととなりなどを見せる話でもあり、個人的には自称天才の才女高城沙耶とミリヲタの平野コータが見ていておもしろかった。
 平野は散々高城にバカにされておりましたが、ガス式の釘打を手に取ってからの豹変っぷりがイカす。
 それまでただのデブで浅はかだった男が、得意分野の銃器を手にしてアグレッシブになる様がいかにもヲタらしくて良いし、それでいても、女の子に弱いのもらしくてどうしても共感してしまう(笑)。
 高城沙耶の方も、自分は天才だと言ってしまうほどの強気で自信満々で、逃走中に<奴ら>の特性を調べようとするくらい冷静であるのだが、いざ<奴ら>に襲われた時の狼狽っぷりや、三組が合流した際の言動や、毒島に諭されて号泣してしまうのを見て分かるように、随分と強がっていたのが分かり、彼女も普通の女の子である事を示していてとても興味深かった。
 毒島冴子と鞠川静香は……今の所は特に面白味がないなぁ(笑)。 

 前回は突如パニックに襲われ壊れる人の心を描いていたが、今回はそういう状況になったんだという事を前提に、パニックにならないよう努める人の心を描いていた。
 上記の高城沙耶もそうだし、小室孝も宮本麗にどこへ向うのかと問われ、生き残った者達でそれぞれのうちへ行こうと言い出す。
 自分の母が小学校の先生なので、おそらくは同じような状況であると分かってはいても、それはおくびにも出さず、今はとりあえず側にいる宮本麗とこの窮地を脱しようと、努めて不安を出さないようにしている。
 それは三組合流した後に自己紹介するのもそうで、生き残った者に出会えたという安堵感もあるが、今のこの状況を脱しようと全員が心にセーブをかけている。
 そこでただ一人、高城沙耶が直前にあった窮地から本心を吐き出して泣いてしまうのは、本当は誰もが彼女同様に泣いてしまいたい状況に晒されていることを如実に表していて、見事なシーンだったと思います。

 とりあえず、これでメインキャストが全員揃ったので、これから彼らがどうして、物語はどういう方向へ向かって行くか楽しみ。
 元凶をぶっ潰して<奴ら>を殲滅しないと物語は終わりそうもないけど、その辺どーなるんですかねー。


ACT.3 Democracy under the DEAD

おお、なんか意外な展開に。

 そんな今回のお話は…
 学校からの脱出を試みる小室たちは、出来うる限り行きの頃を救って行く事にする。
 正面玄関を抜け、マイクロバスを確保した彼らに、3-Aの教師と一部の生き残りがやってきた。
 それを見た宮本麗は「あんなヤツは助けなくていい!」と言い放つが……。
 って感じ。あらすじ書くのめんどいんですけど、なんとかならんですかね?

 お話はその後、あからさまに嫌な感じでリーダーになりたがりの教師がマイクロバスの中で、メインキャスト以外を上手く誘導してリーダーにおさまり、彼を異様に嫌っている宮本麗が行動を共にするのを嫌い一人下車、それを止めようと小室も降りた所、奴らに襲われた循環バスが横転炎上し、小室、宮本とマイクロバスの連中が分断されてしまう。
 毒島と落ち合う場所を決め、小室と宮本は二人で東警察署へ向う事となった。って感じ。
 
 今回はなんと言っても新キャラのあからさまな悪役教師であろう。
 世界中で彼らの学校のような状況だというのが分かったのだが、そんな状況だというのにその教師ときたら妙に自分がリーダーになるのに固執しているし、足をくじいた生徒を蹴っ飛ばして見殺しにするしで、その悪役さっぷりの気持ち悪さは逆におもしろい。
 宮本麗が異様に嫌っているのも興味深い所で、「あんなヤツ死んじゃえばいい!!」とか「助けた事を絶対後悔する」などと、今の所そこまで嫌う理由は分からないが、彼女がそこまで言うのだし、何より今回見ただけでも今後の生き残りたちに悪影響を及ぼすであろうことは想像に難くない。
 あの何もかも壊れた世界で、<奴ら>という共通の敵だけでなく、生き残った人間の中にも敵がいるという、法と秩序が崩壊した混沌の中でのサバイバルが、一体どうなっていくのか否が応にも興味をそそられる。
 さらに展開的には上記の通り、小室宮本と他のメインキャストが分断されてしまったのが意外であった。
 メインキャスト6人が、その結束力で困難を乗り越えて行くのかと思っていた自分としては、これからどうなっていくのか全く想像がつかない。
 小室と宮本はこれから合流するまで立った二人きりだし、残りのメインキャストの方にはあからさまな爆弾である教師がいる事だしで、どちらも簡単に事を進めさせてはくれなさそうである。
 しかしこの物語、パニック物として上手い所を付いてくる。
 こういった物語の流れで、生き残りが一致団結してというのはお約束であるが、ただでさえ周囲がパニック状態で、それだけでも生き抜くのが困難だというのに、さらにその中に不安要素をぶち込んでくる。ちょっとした安堵の後に何かしらの不安材料を放り込んで、それまでの緊張状態を落ち着かせないように工夫している。
 今回で言うのなら、まず正面玄関を抜けるシーン。
 高城の<奴ら>は目が見えず音に反応するという説を小室が試し、無駄な戦いを避けようとするが、直前にあった生き残りの一人が不意に音を出してしまう。そこから一気に駆け抜けマイクロバスを確保したと思ったら、あの教師が登場する。さらに教師を嫌がりひとり下車する宮本を説得している間に分断されてしまう。
 と、緩和と緊張を繰り返して見ている者に、劇中の状況を慣れさせない工夫が見事だ。さらには「緩和と緊張を繰り返し」というのが重要で、緊張しっぱなしだと疲れてしまうので、どこかで何となく落ち着かせる所があるのが上手いな。

 しかしこれからどうなっていくのいうのだろうねー。先が全く見えないこの物語は最終的にどうなったら終わりになるんだろうなぁ。


ACT.4 Running in the DEAD

エピソードが短過ぎたのか、それとも制作進行上の問題なのか。

 そんな今回のお話は…
 毒島たちを分断された小室孝と宮本麗は、バイクを拾い彼女たちとの落ち合う集合場所へ向う。
 バイクのガスを補給しようとガススタンドへ赴いた彼らは、そこで生き残った人間と出会うが、その男の心は<奴ら>の蠢く状況に崩壊し、宮本麗を犯そうとする。
 宮本麗を人質に取られた小室孝は……。
 って感じ。あらすじ考えるのめんどいんですけど……。

 Aパートは何故かこれまでのおさらいで、上記話はBパートからという冒頭のような事を思ってしまう話。
 個人的には制作進行上の都合というよりは、話の都合という印象で、分断された小室宮本組で一本収めようとしたが、原作がどうかは知らないが、Bパートからのエピソードで一本丸っと問い迂愚愛にはいかなかったのではなかろうか。
 それはともかく、今回のそのエピソードとしては興味深く、奴らの巣窟と化した街の中で、一人生き延びた男の崩壊した倫理道徳という点はリアリティがあり、すごく嫌な感じではあるものの、そうなってしまうのも仕方がないと思わせる力があった。
 家族が<奴ら>と化し、彼らの頭を潰して外に出れば、街は<奴ら>しかいない。警察も機能しておらず、法も秩序も崩壊した。
 そんな状況で一人きりであったならばどうだろう。あるいは彼も小室と宮本のように、仲間が一人でもいればまた違ったのかもしれないが、一人で<奴ら>から逃げ回っていたら、自分の欲望に走るのも無理からぬ話ではある。
 当然本来ならば、そういう状況だからこそ自分というものをしっかり持つ事が大事ではあるが、そう強い人間ばかりでもない。と、そんなふうに思わせてしまうよう誘導しているし、またそんな彼を嫌だと思わせるようにもしているのが上手い。
 もしこのアニメのような状況になったとしたら、こんな事も起こるだろうと思える、フィクションなんだけど「ウソ」っぽくないというのは素晴らしい。

 それ以外にも小室と宮本の法もおもしろくて、男に襲われる前にちょっとした事でケンカしている。
 彼らは表面上は仲が良いのだけど、小室は宮本の恋人を<奴ら>になったとはいえ殺しているしで、宮本はこの状況を乗り切る為に妥協しているふうに見える。まぁ、もともと宮本は小室を選ばなかったわけだから、小室とくっつくに至らない何かがあるのでしょう。この二人は、今この状況だからこそ繋ぎ止められているのではなかろうか。
 とりあえずここまで見てきて、彼らが結ばれるような要素が全く無いっていうのもおもしろい所だ。お約束ならば、そこでラブが生まれそうなものだし。
 しかしどうせなら、宮本より高城とくっついた方が何となく落ち着く感じがすますが、そーすると平野コータが可哀想ですな。
 同じオタクという人種として、彼にはがんばっていただきたい所だ。

 次回はもう一方のバスの方の話ようだが、悪役である教師がどう事態を引っ掻き回してくれるのかが楽しみだ。
 しかしこの物語はどうなったら終わりとなるのか、全く読めないなぁ。


ACT.5 Streets of the DEAD

割とあっさり合流したなぁ。
 
 そんな今回のお話は…
 渋滞で遅々として進まないバスの中で、状況を的確に分析する沙耶たちは混乱の中で生き残る方法を考えていた。
 一方の孝たちも合流を急ぐが、他の生存者からの襲撃や当局による交通規制などで思うような動きがとれない。
 そんな中、鬱屈としたムードのバスでは教師の紫藤を中心に不穏な勢力が出来上がりつつあった…
 以上公式のあらすじ。公式に追いつかれた!(笑)

 お話の方はバスに残った一行が意を決しバスから降りて、その後小室たちと合流し、鞠川の友人である警官の部屋へ行くまで。
 前回は小室と宮本の方だったが、今回はバスに残った毒島・高城・平野・鞠川の方が中心で、雰囲気の怪しいバスから降りて小室たちと合流するまでの流れを描いている。
 その中で、<奴ら>を押し込める為にも交通を規制し、橋を渡らせない自衛隊らであったり、暴徒化する一部の一般人という所を見せている。
 橋が封鎖されたという事は、劇中にも語られたが、安易に受け入れて<奴ら>が被害を拡大しないようにする為に、超法規的措置がとられているという事と同時に、メインキャストが川を渡れず身動きができない状況を説明している。
 そんな今回、Aパートの最初で警察の射撃手のシーンがあったのだけど、なんでいきなり洋上空港にいるそんな人が出てくるのかと思っていたら彼女は鞠川の友人で、小室たちがとりあえずの寝床と、軍用モデルの装甲車のような車というアイテムを手に入れるためであったのだな。
 またそこでは、とりあえずの安住の地を手に入れるために、初めて攻めに転じたという事を大きなポイントとして説明している。劇中にもあったが、もう5週目なのだが劇中時間はまだ1日目であり、たったそれだけに時間で彼らの意識が大きく変わった事を印象付けている。のだが、個人的にはやっている事はそう変わらないので、あまり「攻めに転じた」という印象はなく、言われて初めて「ああ」と思ったくらいであった。
 というのも、悪役教師紫藤(しどう)の為に不穏な空気のバスからはさっさと降りてしまうし、まぁ、一応落ち合う場所が川の向こうと行き先が一緒だった事もあるが、割と都合良く合流してしまった印象があるからかもしれない。
 とはいえ、平野の手作りガス銃の音を聞き、小室たちが駆けつけて、<奴ら>を一掃する辺りの高揚感は気持ちよく、バスから降りた一行が立たされた窮地が、メインキャストが勢揃いし、協力して難なく片付ける様は見ていてとりあえず一安心という気にさせてくれる。実用性のある車も手に入れた事だし、次回から彼らがどう行動するか楽しみである。
 そんな中、今現在どういう状況にあるのか、という事もしっかり説明していて、特には勝手に橋を渡ろうとするヤンキーに、警官らが容赦無く放水し川へ落とすシーンは、警察機構の人たちも必死であり、橋を渡る事すら困難であるという状況を強く印象付けている。
 
 個人的にちょっと気になったのは紫藤と平野コータだ。
 紫藤の方は、新興宗教の勧誘のように、自分を信頼する生徒を虜にしていて、とても嫌な雰囲気であったのだが、平野の活躍もあって難なくバスから降りてしまったのはちょっと拍子抜けであった。
 あからさまな悪役っぽい彼だったので、もうちょっと何かあっても良かったが、そこは平野がおいしい所を全部持っていってしまった感がある。
 校医である鞠川を引き止めようとする紫藤に、平和だった頃、普通に生活がしたい為に我慢に我慢を重ねてきた平野が、こんな状況になり、普通である事に何の意味もなく、自分は生きている者だって殺せるんだと紫藤にガス銃を向ける様はカッコよく、またそんな彼の態度に動揺する紫藤が滑稽でとても胸がすいた。
 私も彼と同じオタクという人種なので、彼には今後もがんばっていただきたい。

 最後にちょっと気になっているのだけど、OPに出てくる少女はなんなんでしょうね?いつ出てきてどんな役割があるんでしょうか?
 その辺りも楽しみにしていきたい。


ACT.6 In the DEAD of the night

サービス回?

 そんな今回のお話は…
 鞠川の友人宅でひと時の安息を取る小室たち。
 その一方、封鎖している橋では、警察が治安維持のために更なる超法規的措置を取っていた……。
 って感じ。

 今回はあらすじに書いたように、鞠川友人宅で休息と銃と弾薬を手に入れる小室たちという所と、橋での警察の超法規的措置をザッピング的に切り替えながら見せていて、話の展開的に大きく動いたという事はない。
 冒頭にも書いたが、お風呂に入る女性陣をよく映していて、割とサービス回要素が多いが、地球に優しいお胸を推奨する自分としては、ボッヨンボヨンで不自然な形の巨乳見てもあんまり嬉しくなかったり。
 おっぱいの話はともかく、今回のポイントとしては、鞠川友人宅でライフル数丁と弾薬というアイテムを手に入れたことと、橋を封鎖する警察に不満が募り集まる一般人に対し、治安維持のため殺人も辞さなくなった警察というところだろう。
 これで小室たちが橋を渡るのはさらに困難になったという事と同時に、あまりの非常事態に<奴ら>対人間という構図の他に、人間対人間という不毛な争いまで勃発してしまっていて、壊れた世界というものを演出している。
 お話の展開的にはそれだけだが、小室たちが休息を取っている間にも、刻々と情勢が変わっていく様子を見せていっており、つかの間の休息の話ではあるものの、見ているこっちをたるませない気配りがされているのは上手いと思う。

 お話的な所は上記くらいなのですが、個人的に気になる所があって、それは宮本麗のことなのだが、彼女が一体何を考えているか今ひとつよく分からない。  今回を見ると宮本は小室を好いているようにしか見えないのだが、何かにつけて殺した親友(名前なんだっけ?)の話を出すし、設定としても小室でなくてその親友と付き合っていたわけだしで、たった2日で小室に鞍替えなんて割り切れる物だろうか。
 ということを考えると、元々小室が好きなのだが、気に入らない所が多々あって、小室に対する当てつけでその親友と付き合った、という事なのであろうか。その辺の真意がさっぱり分からなくて、どうも宮本が尻の軽い女というか腹黒い感じがしてしまうのだよなー。
 それともうもうひとつ。これは今回の事ではないのだけど、次回予告でOPに出てくる少女が映っていた。
 ようやく登場するであろう謎の少女がどういった役割を持っているかが楽しみである。
 お話の方としても、これから彼らがどのように動くかも楽しみな所で、車とライフルというアイテムも手に入れた事だし、ここからの動きに注目したい。


ACT.7 DEAD night and the DEAD ruck

女の子たちはまず服を着るべきだと思います(笑)。

 そんな今回のお話は…
 鞠川の友人宅であるマンションから双眼鏡で偵察を続ける小室と平野。
 眼下に広がるのは<奴ら>が跋扈し生きている人間を襲う地獄絵図であった。そんな中、小室は少女とその父親らしき人物を見つける。
 彼らは<奴ら>から逃れ、灯の付いているとある民家に逃げ込み、家に入れて欲しい助けて欲しいと懇願するが、家の住人は危険を避けるため、少女の父親を刺し殺してドアを閉めてしまう。
 父の亡骸を前に泣きじゃくる少女の声に反応し、<奴ら>は少女めがけ動き出した。
 全ての生き残った人達を助ける事は出来ないと知りながらも、その一部始終を見ていた小室たちは少女の救出に向う!
 って感じ。

 お話はあらすじに書いた通り、OPに出てくる少女の救出と、鞠川友人宅から出て、橋の向こう側へ行く為に動き出したという内容。
 メインは少女の救出で、戦う術を持たない少女の為に小室らが団結し、行動を起こして次の段階へ進む様子を描いている。
 内容的にはそれだけなんだけど、全ての生き残った人達を助ける事は出来ないとしながらも、一部始終を見ていた事もあって、それでもあの少女だけでも助けたいと、危険を冒して救出に向う小室と援護する平野や、ベランダからの援護射撃音によって、これ以上鞠川友人宅には居られなくなり、これからの為の行動と、少女の救出には成功したものの<奴ら>に囲まれてしまった小室の救出の為の作戦は、抜群のチーム力を発揮し難関を乗り切る様は見ていて高揚感がある。
 またその時にバックで流れている曲がカッコよくて気持ちよく、一仕事し終えた達成感と高揚感がさらに増して良い。CD買っちゃうぞ、ちくしょう。
 どーでもいーけど、毎回変わるED曲は今回のがすごく好みの曲でありました。ホントどーでもいー。

 個人的にはやっぱり平野コータが最高だ。
 天才的な銃器の才能と、ある意味狂気とさえ思える表情で次々と<奴ら>の頭を打ち抜く様は実にカッコいいが、それでいてそれ以外の時のしょうもなさ具合のギャップが、この殺伐とした物語の中でとても和む。
 おそらく制作側が狙って和ませキャラにしようとしているであろう鞠川は、むしろあざとくて萎えるが、平野のそのキャラクターはその愛嬌がやらしくなくていいですな。
 もうひとつ、物語の方では「謎」の少女が全然「謎」ではなかった事だ。
 今回を見るまでは、もしかしたら<奴ら>の出現に何かしら関連のある重要人物の一人なのではないかと思っていたのだけど、とりあえず今回を見る限りはそんな事もなく拍子抜けしてしまった部分もあるが、これからの物語の流れとして、全く戦力にならず、ただ守らなければいけない人物を加えた事で、今後、何かしら障害が発生しそうであり、彼らがどうなって行くか楽しみである。
 とりあえず、装甲車のような車と武器弾薬というアイテムを手に、前途洋々の旅に出たような印象のラストであったが、これからどうなっていくか全く読めませんな。
 つか、まだ劇中では2日しか経っていないし、とりあえずの「橋を渡る」という目的も、現在警察も指揮系統がダウンしていて超法規的措置を執っているので、そう簡単にはいかなさそうだしで、彼らがこれからどのような行動をとっていくか注目していきたい。


ACT.8 The DEAD way home

あっさり川を渡っちゃったな。かと思ったら絶体絶命だし。おっぱいは揺れるし(笑)。

 そんな今回のお話は…
 車で川を渡る事に難なく成功した小室たちは、一番近い高城のウチへ向う。
 夜明けから<奴ら>に出くわす事無く、街は人っ子一人居ない。だが、高城の家に近づくにつれ、多くの<奴ら>を見るようになっていく。
 高城の誘導に従って一路家へ向うが<奴ら>は増える一方なので、<奴ら>を轢きながら突っ切る事にするが、道にワイヤーが張られていて急停車を余儀なくされた。
 その衝撃で宮本は車の上から放り出され、車もエンストしてからエンジンがかからない。
 大勢の<奴ら>に押し寄せられ、しかも退路を失った小室たちは……。
 って感じ。

 前回から今回の途中まで意気揚々としていたのに、後半からは急転直下の大ピンチですよ。
 絶体絶命の状況下、小室と毒島が囮になろうとするが<奴ら>は付いてこず正に四面楚歌、という時に、ワイヤーを張っていたと思われる一団が助けにきてくれて、しかもその一団のリーダーとおぼしき人物は高城の母だった。
 自ら囮を買って出た小室と毒島は分断される形になってしまった為、別ルートで高城の家を目指す。というのが今回の流れ。
 その今回は、これまで強い結束力で困難を乗り切ってきた彼らが、ある意味初めて敗北したという状況を見せている。
 多過ぎる<奴ら>の数にどうしようもなくなって、もう最後まであがくことくらいしかする事が無い所まで追い込まれる。
 窮地を脱する術が無い彼らが無駄とも思われる抵抗を続けるのは、日曜朝のアニメのような「決して諦めない」というところではなく本当の最後のあがきで、どうしようもない状況ながらもただ死を待つのは、これまでの経緯からいって意地でもしたくないというのが本当の所だろう。
 それと、前回救出した少女アリスだけでもワイアーの向こう側へ行かせようとする平野に、彼女がずっとみんなと一緒にいたいんだと泣き叫ぶ姿は、彼らの終わってしまった世界で生き抜くのだという決意を、ただ生き抜くというだけでなく、何が何でもに生き抜くというこれまでと少し違う方向へと変化したように見えた。
 だからこそ、もう助かりそうも無い状況でも抵抗し続ける彼らに、運良く救いの手が差し伸べられたことにあまり違和感を感じなかった。
 そういうことから物語の展開を考えると、これまで掴まりさえしなければ動きの遅い<奴ら>を一蹴してきた小室たちが、ここで事実上の敗北をしたことは、銃器も車も手に入れたし、なんだかんだで彼らの力で乗り切るんだろうと思う期待を良い意味で裏切っているのは上手い。

 話の方で気になった所としては、何故あの周辺に<奴ら>が集まっていたかという事だ。
 音に敏感な<奴ら>が、小室と毒島が派手に音を出して誘っても付いてこないのは、やはりワイヤーで張られた先に<奴ら>を引きつける何かがあると思うのが普通だろう。
 そこで今回から登場の高城の母だ。これまで分からなかった何かの情報を得ていそうで、状況がどう変わるかが楽しみ。
 あと、<奴ら>のことと言うか、物語の最初から気になっている所があって、それは<奴ら>に噛まれると死んで<奴ら>になる、という設定なのだが、それだと何かおかしいような気がしませんか?
 そう、噛まれてダメならなんで返り血を浴びるのは大丈夫なのだろうか。
 普通に考えて、<奴ら>の体液が体内に入るのはマズいという事なんだろうが、これまで結構な寮の返り血を浴びているので、口の中にちょっと入ったとか、唇のような粘膜に付いたりはしてもおかしくないことを考えると、今ひとつ<奴ら>になるメカニズムがよく分からんな。その辺ちょっと説明でもしてくれないだろうか。

 気になったで思い出したのだが、今回描写的に気になる所というか、そりゃねーよ(笑)と思う所がありまして。
 それは小室が宮本の身につけていたライフルを撃つシーン。ダプンダプンと揺れる巨乳をスローで映しすぎだろ(笑)。
 毒島の揺れる巨乳の間を弾丸がすり抜けていくとか、さすがに「何だこりゃ(笑)」と思ってしまったよ。
 このアニメはダプンダプンと揺れる巨乳を異様に推しているのが妙に気に喰わないんだよなー。普通でいいよ、普通で。


ACT.9 The sword and DEAD

オレってあんまり毒島って好きじゃないんだよねー。

 そんな今回のお話は…
 分断された小室と毒島は、迂回して高城の家へ向う。
 <奴ら>をかわし、また殺しながら進んでいたが、毒島は突然<奴ら>を攻撃するのを躊躇ってしまう。
 その理由とは……。
 って感じ。あらすじるのがすごく面倒なんですけど……どーしたらいいですかね?

 正直あまり気持ちのいい話ではなかったな。まぁこれまで気持ちのいい話などはなかったが(笑)。
 お話としては、分断された小室と毒島が高城の家へ辿り着くまでを描いているのだが、その道中で毒島の過去や人となりを紹介し、それを知った小室の行動という所を見せている。
 その毒島の方はというと、まぁ簡単に言えばその剣の腕故に、遺憾なくその腕を発揮したい攻撃衝動の固まりのような自分がいる事と、そんな自分を恐れている自分がいるという事なのだが、これまでそれとなく、<奴ら>への攻撃の際に、いかにもそれを楽しんでいるかのような毒島の表情というのを見せていたので、この事実に特別な驚きはなかったな。
 むしろそれを受けての小室の方が興味深かったし、そちらがメインどころではないかと思う。
 攻撃衝動を押さえられない自分は人としてどうなんだと壊れそうな毒島を小室は受け入れ、絶対あの後に二人きりなのを良い事にやっちゃったことは明白で、「野郎、意中の女がいて、さらに高城に惚れられて上に、その上毒島を喰っちまうか」などと思わせておいて、最後の小室のモノローグでそれをひっくり返すのだから上手い。
 要は、彼は自分が生き残る為に、大きな戦力である毒島を敢えて受け入れた、という事だ。まぁ簡単に言うと嘘をついたわけだな。
 と書くと、小室がすごく悪い人物のように思えるが、この物語の世界で毒島の戦力を失うのは痛いし、その小室の行動によって彼女は持ち直した、というかより元気になった(笑)のだから、「生き残る」という観点において大成功であるし、ああなってしまった世界でのこの小室の行動を誰が責められようかという話だ。
 とはいえ、見ているこっちとしては、<奴ら>が存在する世界でもないわけで、倫理道徳的観点からして、やっぱり見ていていそれは気持ちのよいものではない。のだが、この物語の世界では誰もが生き残るのに必死で、こんな事もするんだぜというような、「壊れてしまった世界」で「生き残る」為の行動に、倫理も道徳もないドロドロながらもむしろ純粋な生への執着が垣間見えるのと同時に、それでも生きている人間として、小室はそんな自分もどうなんだろうと思っている事が窺える。
 そんな「壊れてしまった世界」を見事に演出していて、そういう観点からして見るとなかなかおもしろかった。

 だが、個人的に冒頭書いたようにキャラクターとして「毒島」があまり好きではない自分としましては、お話としてあんまり面白いモノではなかった。
 「小室たちはどう生き残っていくのだろう?」という興味もあるのだけど、<奴ら>が生まれた経緯であったり、高城の母が組織していたであろう消防のような人達はなんなのかという事や、なんで高城の家に近づくにつれ<奴ら>がたくさんあつまっているのか、という話の組み上がりの方が気になっているので、さして興味のない毒島の事なんかより、他をもっと知りたい所ではあった。
 でも、この物語は「なんだか分からないけれど」<奴ら>が跋扈して世界が終わった、というパニック状況がおもしろいのであって、案外、上記のような細かい事が知れるとおもしろさが薄れるのかもしれないな。
 分からないからこそ怖いし興味を引くのは、死後の世界だとか幽霊とかお化けだとかも一緒で、「幽霊の 正体見たり 枯れ尾花」なんて事にならないように配慮して作ってあるのなら大したモノだと思う。

 最後にちょっと苦言。小室の乳揉みで元気になっちゃった毒島(笑)のシーンで、あの「濡れる!」は必要ですかねぇ。
 あーゆーのがどうも変に大袈裟で気に喰わないんだよなぁ。変な所で変に大袈裟なもんだから、妙にそこで萎えてしまうのはオレだけだろうか?


ACT.10 The DEAD'S house rules

相変わらずあざとく肌色見せるなぁ。

 そんな今回のお話は…
 広大な敷地の高城の家にて、あの日以来の初めて心落ち着ける時間を過ごす小室たち。
 だが、その緊張からの解放が小室たちの相賀に不和を生じさせてしまう。
 また高城の家では彼女の両親をトップとし、そのほとんどが大人であり、小室らはそこで吸収されるか、それとも袂を分かつかの選択を迫られる事になる……。
 って感じ。あらすじるのメンドイ。

 お話は全裸の宮本を小室が押さえつけ、鞠川が薬をヌリヌリする所から始まり、軍人みたいな高城の親父が帰ってきて、かつて友人だったけど<奴ら>になっちゃったヤツの首を吹っ飛ばす。それを見ていた平野は「それじゃ効率が悪い」とか言い出し仲間内で喧々諤々。そうこうしている内に、大人が平野の持っている銃器を子供が持っていいもんじゃねーぞコラとか言って取り上げようとするのを小室らが助ける。ってゆーのが大体の今回の流れ。
 内容的にはあらすじに書いたように、緊張から解き放たれたが為に不和が生じてしまう小室たちという所と、高城のスーパーな父母は<奴ら>の騒ぎが起こってから、即時水や食料を集め、組織を作り上げた彼らは、実の娘を助かる見込みが無いとし切り捨てたようなお方なので、ここに留まっていいモノかと思案する。
 とまぁ内容的にはそんなもので、不和が生じてしまうのも、平野の銃器が取り上げられそうになる所で、小室ら全員が平野を庇い、そして留まるのかどうかという問題も、その平野絡みの事から見ても留まるべきではない事は分かるので、きっとみんなで出て行く事でしょう。
 というわけで内容的な所や、話の展開としても特に妙味深い所は無く、さらに言えば、平野との不和というシーンも妙に唐突だった様に見えたし、高城の父ちゃんも妙に一挙手一投足が大袈裟に描かれており、正直あんまり乗り切れなかったな。
 ただ、安住の地に見えた高城家はそうでもなかった、という所はよく見せていて、せっかく強大な組織から抜け出さなくてはならない不安や、高城のパパママが、こんな状況だからとあっさり娘を見切った事への高城の苛立と失望、そしてそんな高城が怒りを露にするのに切れる小室の「お前はまだ両親が無事である事が分かっているだけマシなんだ!」の台詞から、束の間の安息の日々も、本当の心穏やかになれる事は無く、彼らの戦いはまだ継続中である事を示唆している点は上手く描いていたと思います。

 個人的にはED後のCパートで、見事な悪役の紫藤が出てきた事が印象に残っていて、あのあからさまなヤラシさで、今後の小室たちをさらに困難におとしめてくれるだろう事を思うと、いい悪役だなーと思います。
 ああでも、話に絡んで来たら来たでイライラするんだろうなぁ(笑)。まぁ、そこが彼のポイントなんですが。


ACT.11 DEAD storm rising

ええっ!?あっさり退場しちゃったなぁ。

 そんな今回のお話は…
 上手いこと言って高城家に入ってきた紫藤たちであったが、そんな彼を見つけた宮本は銃剣を突きつけ、自分の過去と共に彼の本性を晒す。
 宮本はその憎しみで紫藤を殺すのか、そして紫藤は……。
 って感じ。あらすじるのメンドイ。

 お話としては割と多くなく、小室のリーダーとしての資質と、宮本の留年の理由と因縁、と言ったところ。
 興味としては宮本と紫藤の因縁の方で、紫藤は代議士である父を暴君とし嫌っていながらも、公安に五月蝿いのがいるのでその娘を留年でもさせて分からせてやれ、の命令を実行した結果が宮本の留年の理由。
 上手く操作できれば逮捕できるかもしれないという父の事もあり、我慢していた宮本であったが、この状況下では意味も無く銃剣で詰め寄るのだが……オレなら殺しちゃうなー。
 まぁ確かに宮本が言うように「殺す価値もない」が、紫藤は生き残る為に「なら殺すがいいさ、でも一生その罪を背負って生きていくんだぜ」と挑発したわけだし、正直生かしておいても百害あって一理なし、ここで後顧の憂いを絶った方がいいと思ってしまうオレは浅はかだろうか。
 あと紫藤の事もよく分からなくて、上記したように父を暴君として嫌いながらも彼の命令を聞いて宮本を留年させたり、バスの中の生徒を洗脳して、まるで教祖を気取っているのはなんなんだろうな。
 そんな父から逃れられない自分というコンプレックスと、父と同じような立場になれば、その抑圧から解放されるのでは?という思いからの彼の人格なんだろうか?
 ついでに言えば、殺す価値もないと言われ随分悔しそうな顔をしていた紫藤だが、上記した彼の挑発は生き残るため、今ここで宮本に殺されない為の言葉だと思うので、むしろ「してやったり」ではないのだろうか?
 そういったところがよく分からないと言うか、画面の中で結論づけられている事と、自分の気持ちに差があってどうもスッキリしなかったな。
 宮本の「殺す価値もない」は話の進行上、その狡賢さと悪どさで生き抜こうとする悪役紫藤の鼻を明かしてやったシーンではあるのだが、そういうふうには感じられなかったのが残念だ。

 そんな宮本の方も気になってというか、この女はなんていうか好きになれませんよね?(苦笑)
 今の小室は頼れるので、自分はどんな事をしたって小室の側にいる。その為には小室にナニされたっていい。なんていうのは正直ズルいだろうと思うし、素直に直球ど真ん中ストレート投げ込みすぎだろ。劇中の小室の台詞通り生々しすぎで、ぶっちゃけちょっと気持ち悪い。
 まぁ、ああいう状況化でというドラマとして見るとリアルらしくはあって、綺麗事が通じない、そんな余裕の無い世界であるという演出ではあるのだろうけど、もちっと可愛げがあっても良いような気がしますな。ただでさえ殺伐とした物語だし。

 さて、物語としては、ED後のCパートで宇宙ステーションからのシーンでは、アメリカロシアがミサイル撃ち合って「アルマゲドンだ……」なんて言って引っぱりましたが、どんどん収拾がつかなくなってきているんですけどいーんですかね?
 正直、何をもって終わりとなるのかが見えないなー。ま、それだけにその見えない最後が気になって見ているんですが(笑)。


ACT.12 ALL DEAD'S attack.

ええ〜っ!?1クールなのっ!?

 そんな今回のお話は…
 放たれたミサイルの電磁パルスにより電子機器が使えなくなった。
 携帯、パソコンはもちろん、車も発電所も全て壊れてしまったのだ。
 そんな混乱の中、<奴ら>が大挙して高城邸の鉄門を押し破った
 って感じ。随分いいかげんだがこんなもんである。

 そんなわけで、冒頭書いたように、まさかの今回が最終回。全てを投げっぱなしで終わるんだからこれは2期目があると見ていいのか?
 まぁそれはともかく、お話としては、<奴ら>強襲の大混乱の中、高城パパとママの後押しもあり、メインキャストは高城邸を脱出し、目的(メインキャストの親族探し)のためなんとか生き残った車と共に走り始める……と言ったところで終わった
 内容としてはいつも通りと言いますか、<奴ら>と対抗しながらとりあえずの目的に向うというもので、今回が最終回であるから、もはや内容云々という問題ではないよな
 というわけで、もうこの際だから以下の全体的な感想へ行ってしまいます。

 この物語はいわゆるパニック物で、そういう観点ではとても良く出来ているという印象だ。
 物語は<奴ら>の発現で失われたこれまでの世界は終わり、法も秩序もものすごいスピードで無くなっていく終わった世界で、生き残った者達がどう生き抜くかを追っていて、その終わった世界で倫理道徳が無くなり、生き残る為の人間の行動を生々しくかつ残酷に描いている。そう、このアニメはそこに注力してる。  原作は読んでいないからどうかは知らないが、1クールという短い尺でこの「学園黙示録 H.O.T.D」という物語のどこを描くのか。それを考えた結果の設定投げっぱなしではないのだろうか
 どうして<奴ら>が現れたのかや、高城邸周辺にどうして<奴ら>が集結しているか、メインキャストのいる街以外では具体的にどうなっているのかは殆ど語られない
 1クールという尺の制限がある中で、それら設定を入れ込み収めるのは、さすがに私でも無理があると思うので、見せたい部分だけを抽出したのだろう。というのはまぁ、私の推論だが(笑)。
 とはいえ、やはり投げっ放しジャーマン感はものすごく、全く終わった気がしないというのはどうもな。
 せめて一応の決着みたいな物はついていても良いような気がします。まぁそれだけに2期があってそこで何かしらの決着がついてくれれば良いと思うのですが。

 お話としては上記の通り、メインキャストがどう生き残るかや、生き残る為に思う心情を描いていて、その生々しさは気持ちのいい物ではないが、<奴ら>が跋扈し混沌と化した世界を踏まえた上で見ると、もし本当にそういう状況であるならば、きっとこんな感じなのだろうと思わせるリアル感があり、下手なハリウッドのパニック物の映画よりも見ていておもしろかった
 まぁ、随分都合が良いところもあったが、終わった世界で生き残ろうとする人間を上手く描いている。
 難点を言えば、無駄に肌色面積やパンツ、巨乳をあざとく見せるところで、正直そんな物はいらんのではないかと思ったし、時折ある妙に大袈裟な演出などが鼻についた。まぁその辺は好みもあるでしょうが、個人的にはそんなことよりも話を進めてもらいたいところではあった。

 そんなわけで、私としてはパニック物としてけっこう楽しく見た。が、物語としては全く途中で終わっており、その辺が残念と言えば残念。
 とはいえ、この物語はいわゆるラスボスであったり、最終目標が存在せず、「生き残る」というのが最大で最高の目的なので、まぁ終わりようが無いというのも事実である。
 <奴ら>というなんだかよく分からないゾンビからどう逃げる、どう戦うといういわゆるパニック物や「バイオ・ハザード」とか好きな人は楽しく見れるんじゃないでしょうか
 ゾンビとはいえ、頭を潰したり銃器で撃ったり刀できったり車で轢き殺したりするので、そういう残虐描写が苦手な人は注意しましょう。


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