紅 1〜12話

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第1話「極夜」

なぜOP、EDがあんなにPOPなんだ?

 そんな今回のお話は…
 平凡な高校生活を送りながら、あらゆる揉め事を解決する裏稼業・揉め事処理屋を営んでいる紅真九郎。
 ある日彼は、同じ揉め事処理屋として憧れの存在である柔沢紅香から、謎の少女・九鳳院紫の護衛を依頼される。
 紅香に認められたい思いと、少女の悲しげな表情に打たれ、悩みつつも引き受ける。
 翌日、紫を部屋にひとりで待たせることに不安を感じながらも、真九郎は学校へ向かう。
 しかし、彼が学校から帰ると、紫は姿を消していた…。
 以上公式のあらすじ。

 珍しく原作は既読なのであります。
 まぁ、この紅がアニメ化すると聞いた時「なんで?」と思ったのでした。
 だって、自分の中ではそんなアニメ化するほどおもしろいお話ではなかったのだけど、まだこの部屋にちゃんと最新刊まで揃っている(といっても3冊ですが)のを考えると、それなりに気に入っているのかもしれません。
 そんなことはさておき、このアニメの方ですが、率直な感想といたしましては原作よりおもしろかった(笑)。
 といっても読んだのはもうずいぶん昔なので、こんな始まり方だったかなぁというのもあるのかもしれませんが、少なくとも原作読んだときよりかワクワクして見た。
 まだ1話だし、もう記憶も曖昧なので間違っていたらすまんが、やっぱり始まり方はあんなんじゃなかったような気がする。
 逆にそれがよくって、いろいろと気にさせるように作ってあったのが好印象。
 原作はたしか終盤まで「のへー」っと進んでいって最後にドタバタしだした上に、割とトンデモなことがひょっと出てきて面食らった記憶があるので、そうならないようになのかはわからないが、ちゃんと気配りしてあるような雰囲気があるのもよい。
 また、原作でまったく出番がないのに関東のカラーページでちゃんとキャラ紹介されている環や闇絵さんが、ちゃんと主要キャラっぽいことをしてくれそう(だってまだ1話だしわかんないんだもん)なのはちょいとうれしいですな。
 だってあの二人なんかありそげなくせに、全然出てこないんだもん。

 個人的な所ではこのアニメがプレスコだということで注目している。
プレスコがよくわからない人はWikiなどで検索してみて下さい。
 ということで、アニメーション的に絵を合わせるだけでも大変だろうに、これまたしっかりと動いているんで大したものだなぁと思う。
 というか、下手アニメよりよっぽど上手くアニメーションしていたなぁ。
 この調子で最後まで行ってくれれば良い作品になるかもしれません。

 というわけで、次回以降も期待していきたい。
 っていうか、冒頭にも書いたけどなんでOP、EDはあんなPOPなんだろうなぁ。
 どー考えてもワザとなんだろうけど、全然物語の雰囲気とちがうもんな。
 別に悪くないんだけど、OPはさすがに面食らってしまったよ(笑)。

第2話「溝と流れと」

紫がいいよね。

 そんな今回のお話は…
 紫を置いて学校に行った真九郎は、心配のあまり度々紫に電話をかける。
 一方、留守番中の紫の前に、同じアパートの住人・環と闇絵が現れる。
 その間も真九郎は電話を鳴らすが、話に夢中な紫は着信に気付かない。
 そんなことを知る由もない真九郎は電話をかけ続け、何度目かでやっと電話が繋がる。
 だが、聞こえてきた声は、紫ではなく闇絵だった。
 闇絵に紫の居場所を聞くが、知らないと言われ真九郎はついに学校を飛び出してしまう!!
 以上公式のあらすじ。

 って別にロリだからじゃないよ!紫の子供らしい仕草が実に上手かったと言いたかったのです。
 すごく7歳の子供っぽい動きをするんだよなー。そのへんをとても感心しました。
 そんな年相応の仕草も良かったのですが、彼女のいた特殊な環境が伺いしれるようなところもしっかりと描かれていて好印象。

 そんな所を感心した今回ですが、お話的にもすごくおもしろかった。
 というのも、原作がほとんど真九郎視点で描かれているので、彼がいない所って言うのがわからなかったんですよ。
 真九郎がいないときに五月雨荘で紫が何をしていて何があったのかが描かれたのはとても興味深かった。というか、五月雨荘の変な住人、環と闇絵が紫と遊んでいるのは、原作でちょっと紫が言うくらいのことしかわからなかったのだが、きっと端から見ていておもしろそうなことをしているんだろうなぁと思っていただけに、今回のそのシーンがとてもイメージ通りで見ていて楽しかった。

 そこから真九郎と銭湯にいったり新しい布団を買ったりというほのぼの話から、揉め事処理屋という真九郎の裏の顔を見せる話へ移行するのが上手い。
 記憶が正しければ、柔沢紅香から振られた揉め事処理の話は原作にない。たぶん。
 本来真九郎はそっち側人間で、ああいった裏のある人間であるということをしっかり見せていて、それまでのほのぼの話とのギャップを作って今後を気にさせる作りが見事だ。
 そもそもこのアニメのお話は、今ちらっと原作を読んでみて、大筋くらいしかあっていなくて、今の所上手いこと再構成されていて見ていてとても面白い。
 アニメーション的な所も文句の出る所が全くなくて、もしかすると原作より面白い原作付きアニメになるかもしれないなぁ。

 どーでもいーけど、このアニメのDVDのCMが、銭湯で外国人が笑顔で背中を流し合っているだけというもので、思わず吹いてしまったよ(笑)。
O Pといい、次回予告の間の抜けた三味線(?)の音といい、このCMといい、人を食ったようなコトするのが好きだなぁ。(CMはリリースが始まってから本編の絵が使用される普通のCMになりました。/2008.7.4追記)


第3話「偽者の顔」

学校内の話が秀逸でしたな。

 そんな今回のお話は…
 真九郎が銀子から仕事の依頼を受けていたその頃、環に連れられて学校へとやってきてた紫。
 まるで遊園地や動物園に来たかのように、興味津々な表情で学校中を探索して回る。
 そしてしばらく歩き回っていると、紫の前に夕乃が通りかかる。
 互いに簡単な自己紹介を済ませると、紫は夕乃のことを半ば無視しながら再び学校探索を始める。
 だが、夕乃が九鳳院の名を知っているとわかった途端に、紫は彼女に対して不信感を抱き始め…?
 以上公式のあらすじ。

 恋愛もののドラマを環と見ながら恋愛談義(?)する紫からはじまる今回もとても楽しく見ました。
 しかし、環は7歳の子供に何を教えているんだか(笑)。
 それはそれとして、そんな環につれられて真九郎の学校へやってきた紫ですが、これがまた秀逸。
 何が良いかって思いっきりずれたまま話が進んでいくのがとてもおかしくて笑ってしまった。
 理科室のところも面白かったのだが、個人的には給仕と球児のところがケッサクでありました。
 全く同じポーズで給仕と球児というまったくずれた事を話しているのにも関わらず、会話が成立しているのが可笑しい。
 初めての学校訪問に興味津々な紫が微笑ましくって良かったです。
 あ、そうそう、新体操リボンをひらひらさせながら夕乃の前を通り過ぎるシーンもツボった。あの絵面がなんか異様にシュールに見えたんだよ。

 さて、今回はほとんどが学校内の話だったので、面白い所がそこに集中していまして、上記以外にも、真九郎、紫、夕乃が会ったシーンでの会話のごちゃごちゃ感も素晴らしかったのだが、私としては、銀子が夕乃を良く思っていないってところが好き。
 多少のヤキモチもあるんでしょうが、なんといいますか、見事な女の勘だなぁと思って。
 夕乃はたぶん化け物の類いの人物なんですが、人前では思いっきり猫をかぶっているわけで(もともとあんな性格なのかもしれませんが)、そんな美人で優しい彼女を「なんか嫌」とか「いやらしい」とか感じとっているあたりが銀子らしい。
 まぁ、情報屋として彼女の素性を知っているのかもしれませんが。

 そういえば、紫は夕乃の名字「崩月」に気付きませんでしたな。
 表三家裏十三家っていう設定が原作にあって、後に崩月家に行く際にそれを紫が知っていいないと、原作のようには話が進まないのですが、その辺はどうするつもりなのか。
 まぁ、個人的にはその裏十三家とかって別にいらねーんじゃねーのかなーと思っているんで別にいーのだけど。

 最後に「柔沢の犬めっ!」と言われて即座に「犬ですっ!」と答える事の出来る今週の犬塚弥生さん。
 今回も相変わらず五月雨荘の前でひっそりと真九郎と紫の監視をしておりましたが、やっぱり暇なのか携帯でゲームやってて「よしっ!」と言わせちゃうのはずるいだろ。
 あんた忍者なんだから壁の影で体育座りで携帯ゲームなんかやってないで、もっと格好良くしていてください(笑)。
 そーいや、エンドカードは今の所ずっと弥生さんですね。ま、あんま本編で出番ないしね。

 どーでもいーけどDVDのCM、またやってくれたな。なんで銭湯で外人さんなんだろうなぁ。作中の絵とか全く出てこないし(笑)。

 うぉ!書き忘れていたのだが、今回のポイントは学校の話ではなく、電車降りたとの真九郎と紫の口喧嘩なのだが、紫の言う事もわかるし真九郎の言う事ももっともだしで、すごくもやもやしますな。
 確かにあのDQNはゆるせないのだが、真九郎の力でねじ伏せてしまっては彼らとやっている事が同じだし、かといって見過ごすのも気分が悪いもので、なんていうか、こう、すごく、もどかしい。ですなぁ。


第4話「才物」

おぉ、上手くアレンジしてあるなぁ。

 そんな今回のお話は…
 かつて自分と銀子が通っていた幼稚園を救うため、土地の権利書を奪ったグループと交渉を行う真九郎。
 しかし、その交渉の最中に、真九郎の後をつけてきた紫が相手側に捕まる。
 それでも、真九郎がめげずに粘り強く交渉すると、相手グループのボスがすんなりと権利書を渡してきた。
 受け取って真九郎が帰ろうとしたそのとき、紫がボスの態度が怪しいと言い出した!
 怒ったグループは二人を窮地に追い込む。気絶した紫をよそに真九郎は・・・!
 以上公式のあらすじ。

 崩月の角をこの段階で出したのはおそらくは正解であろうな。原作はこれが最後に出てくるもんだから、エラい面食らった記憶があるから。
 それを含め、ヤクザの事務所のシーンはかなり変わっていたけど、個人的にはこっちの方が断然に良い。
 それはそれとして、これまで見てきてこのアニメの特徴というか、紫がいるときのほのぼの感とそうでない時のギャップがおもしろい。
 紫を守るという仕事を請け負いながら、彼女を危険にさらしてしまった大失態から、五月雨荘の掃除と銭湯へ行くシーン、そして真九郎の過去の話と、割とゴロッと感じの違う言っているのにも関わらず、それが全く気にならない流れが見事。
 紅香の車の中で逆上した弥生さんなんて、人に怒られてばっかりな人生の私としてはすんごい心が痛くなって、あぁ嫌だなぁと真九郎と同調してしまうわけですよ。
 学校では夕乃さんにも未熟とか言われてしょんぼりしてしまっている所に、7歳ながらも気を使ってくれる紫ですから、こう、なんというか癒されるとかとはちょっと違うんだけど、なんと言いますか、まだ真九郎はやっていけるぞ、ありがとな紫って感じになるわけですよ。
 と、失態から真九郎に感情移入させておいて、彼の過去の話では一歩引いて客観的に見れるような作りになっていて、21分30秒、すごく入り込んで見ている事が出来ましたよ。
 すごいブツ切れ感を感じさせてくれるアニメもある中で、これは上手く作ってあるなぁと感心した。

 さて、個人的に好きなシーン。
 基本的に紫が出ている所はみんな好きです。紫は実に子供らしくて良いなぁ。
 特に銭湯のシーンは秀逸ですな。いや、別にようじょの裸の事を言っているのではありません。数を早く数えちゃうのとか可愛らしいじゃないですか。
 あと銭湯帰りに真っ直ぐ歩かないのとか、子供の行動よく見て作っているなぁとか思う。
 紫以外ではやはり闇絵さんか。
 窓から突然ガッと出てきてさっと去る。あのタイミングが絶妙で可笑しいです。

 そして「柔沢の犬めっ!」
と言われて「犬ですっ!」と答える今週の弥生さんですが、真九郎の失態にキレてましたね。
 すいません弥生さん。怒られっ放し人生を送っているものとしては、あーゆー言い方ちょー怖いです。
 そーいえば紅香さんが弥生さんがガチ百合なのかもしれないような発言しておりましたな。
 おぉ、なんかますます気になって参りましたよ弥生さん!監視がんばってください。


第5話「望み」

あーもう!紫ったら!

 そんな今回のお話は…
 日曜日。仕事で不覚をとってしまった真九郎は、未熟な自分を鍛え直してもらうため、紫を連れて崩月家へ向かう。
 真九郎が夕乃と稽古をしている間、夕乃の妹・散鶴と遊ぶ紫だが、誤って散鶴の人形を壊してしまう。
 壊れた人形をどうにかしようと、真九郎のところへ急ぐ紫。
 しかし、真九郎の鬼気迫る稽古姿に圧倒されて、思わず見つめ続けてしまう。
 真剣な眼差しで稽古する真九郎の求める本当の強さとは・・・?
 そして五月雨荘に戻ると・・・!!!
 以上公式のあらすじ。

 お話は崩月家に行って稽古してDSと人形ぶっ壊して帰ってきて湯豆腐喰う話。間違ってはいない。(笑)
 そんな今回は割とほのぼの話であり、おそらくは、紫の五月雨荘での幸せな時間を見せておこうってことなのだろう。
 紫が崩月家を知らないので原作通りなのは「崩月家に行って稽古」くらいしかなかったが、もはやそれは大したことではあるまい。
 お話としてちょっと気になったのは、真九郎が崩月の角の否定ともとれるような言い方をしたこと。
 彼が強くなりたいと思っていることと角は結びついた物だと思っていたのだけど、こんなもの(崩月の角)を使わなくてもいいようになんて言われると、最後は一体どうなってしまうのか予想もつかん。
 でもまぁ、角はあるわけだから最終的には似たような感じになるんでしょうが、それはそれとして。

 さて、ほのぼの話であった今回、やっぱり気になる紫の行動。
 夕乃の妹、ちーちゃんこと散鶴と遊んでいるシーン(遊んでいるというかだが/笑)では、もう紫を止めたくって仕方がなかったよ。
 結果が案の定、DS・人形を壊すしで、冒頭に書いたように「あーもう!だからダメだといって(ry」みたいな気分になる、見事な子供っぷりが素敵。
 紫はアニメ的な子供っぽさではなくリアルな子供っぽさを感じられて良いですな。
 他では崩月家から帰ってきた後の湯豆腐宴会(?)か。
 真九郎と環、闇絵の会話が絶妙すぎる。あの辺の雑多な会話はプレスコであることが活かされていて良い。
 最後に特殊な生活環境から日曜日を知らなかった紫が、「日曜日とは良いものだな」と笑顔で終わるのが素敵だ。
 こんな幸せな時間が、後に登場するであろうサドでペドな方に壊されるのかと思うとゾクゾクする。
 どーでもいーけど、崩月家にいたカメが気になるんですが(笑)。もっと大きいの…見たかったなぁ。

 さてさて、「柔沢の犬め!」と言われて即座に「犬です!」と応えることの出来る今週の犬塚弥生さんですが、相変わらずいい味を出しておられましたな。
 スポーツ新聞のエロ広告(?)に反応、五月雨荘隣りのラブホテルに入るカップルに文句&私の方がいい女発言、ラストでは闇絵の飼い猫ダビデのくわえていたソーセージを奪おうとするが逃げられ「お腹すいたぁ〜」ですよ。
 そーいえば弥生さん、食事とかトイレとかお風呂とかどーしてるんでしょうか?ホントお勤めお疲れさまっす!


第6話「貴方の頭上に光が輝くでしょう

オリジナルのお話でしたが、すんごいニヤニヤしたよ。

 そんな今回のお話は…
 地元の祭で行われるミュージカルに、ボランティアで出演してほしいと頼まれる五月雨荘の住人たち。
 真九郎が断り続けるものの、環たちが強引に出演を決めてしまう。
 しかもそのミュージカルのヒロインに、なんと闇絵が大抜擢される!
 真九郎は、大きな不安を抱えながらも、仕方なく練習を始める。
 しかし、その練習の中で、闇絵がすさまじい音痴だということが発覚。
 いらつく紫と環をよそに、どうにかしなければと悩む真九郎は、夕乃に代役を頼むのだが…?
 以上公式のあらすじ。

 ミュージカルをやることとなった五月雨荘の住人の話なのだが、最終的にホントにミュージカル形式で話が進んでいくという意欲作。
 か、どうかは知らないが、各人がミュージカルに入り込みすぎてしまって…っていうオチのほのぼの話。
 原作では目立たない闇絵や環、弥生さん、夕乃がとても活き活きとしていて、とてもおもしろかったですよ。
 難点があったとすれば、ホントにミュージカル形式になった時の作画がヘニョヘニョしてた事くらいか。
 さて、そのミュージカル形式だが、私は知らなかったのだが、監督の前作RED GARDENでもやったそうな。
 まぁ、そっちの方は紅と違い、何の前触れも無く突然歌い出したらしいがそれはさておき、今回のそれがリベンジなのかは知らないが、個人的には「ああ、これやりたかったんだ」といった感じで、良いか悪いかで白黒はっきりつけるようなもんではないと思っている。ま、ぶっちゃけ好みだろ、そこらへんは。
 見た人間が判断すればそれで良し。私としては「こういう流れなのね」と冷静に受け止めながら見ましたよ。

 今回の目玉としては、本来はそこなのでしょうが、個人的な所では絶妙な会話がとても印象的であった。
 まぁ、プレスコだからと言ってしまえばそれまでだが、五月雨荘という限定空間で繰り広げられる、各キャラクターの会話の応酬が実に小気味良く、何度見てもニヤニヤしてしまう。
 各キャラクターがそのキャラクター性を存分に発揮していて会話の面白さを堪能した。
 特には闇絵の音痴が発覚して、真九郎の部屋から出される際の環のあの嫌らしさ(なるほどあれはモテそうにない/笑)や、その「悪女」闇絵お得意の嘘、その彼女の嘘をなぜか知っている犬塚弥生さんの所の会話の流れは秀逸。
 限定空間内での話や上で挙げた所のような会話は三谷幸喜を連想するなぁ。
 また、ラストシーンでのバカバカしいオチもインターミッションな今回としては気持ち良い終わり方でありました。
 どーでもいーけど、夕乃さんはホント「痛い子」だな(笑)。
 ああ、夕乃で思い出したんだけど、中の人新谷良子さんはED歌っているしで普通に歌える人なのだけれど、ワザとはずして歌うってたぶん難しいと思うんだよなぁ。それ故なのか、ホントに夕乃の歌は聞くに堪えない歌になっていて見事です。

 さてさて、「柔沢の犬め!」と言われて即座に「犬です!」と返す事が出来る今週の犬塚弥生さんですが、お話として予想通りの展開で歌が上手いんだろうなぁと思ったら、中の人の歌ホントに上手いし。
 そんな犬塚弥生さんのカラオケでの自己最高得点はなんと95点!無駄にすげぇ!(笑)。
 そして「暇なのかね」と聞かれ「暇じゃありません!」などと言いつつ、「ちょっと歌ってみてくれ給え」と言われ、歌っちゃうところがかわいいよなぁ。
 最終的には即座に「犬です!」と返す事が出来るほど忠誠を誓っている柔沢紅香の電話にもでないくらい、ハマっちゃってるあたりの真面目さというか一途さもまた可愛らしいのでありました。
 きっとひとりでカラオケ行ってノリノリで歌っているんだろうなぁ(笑)。


第7話「女」

環は紫にいらん事吹き込みすぎだろ(笑)

 そんな今回のお話は…
 紫に女としての喜びが何かを熱弁する環。
 彼女は、より深く知ってもらうために、紫を大学に連れて行く。
 そこで環は、五月雨荘にいるときとは少し違う姿を見せる。
 しばらく歩き回った後、座って休んでいると、ふたりの前に環のボーイフレンドである里志が現れた。
 和やかな雰囲気で話し始めるが、里志は「もう会うのはやめよう」と。
 へこむ環のことを懸命に励まそうとする紫だったが、ふと夕乃のことを思い出し真九郎の元へ急ぐ・・・!
 以上公式のあらすじ。

 サブタイ通り、女性のお話。「男にとって女とは」みたいなテーマだったように思います。
 それは紫の母「蒼樹(そうじゅ)」を表しているような、そんなお話。なのだけど、それよりも環と紫の会話の方がおもしろかった(笑)。
 無垢故に無知な紫の質問に、環が7歳の子供に言わんでもいいような答えを返し、頭の良い紫が自分の知識範囲内でそれを受け止めて返すというやり取りが、ズレているようで微妙に合っていてたまらない。
 また紫は一般常識は無知に等しいが、生まれの境遇から変に大人の知識を持っている事からくる、年相応でない部分がそれに拍車をかけていて思わず笑ってしまう。
 ファミレスでの「こんな時ビールのひとつでもごちそうできれば良いのだが、今の紫にはそれもできない…」なんて神妙な顔で言われてはな、笑うほか無い(笑)。
 またここは、その紫を受けて、環が7歳の子供に気を使わせている事に気付いて、一回いつもの自分を取り戻す所が上手いところでもある。
 環はすぼらでいやらしい女であるが、根はとてもいいひとなのだ。
 その後の環のどーせ男はこんな女が好き論(?)に紫が夕乃を当てはめ場面が真九郎と夕乃に変わるのだが、またそれが見事に当てはまっているのが可笑しい。ってゆーか、夕乃さんはなんていうか、ホント痛い子だよな。
 アレを天然でやっているんだから質悪ぃよ。真九郎は大変だな、ホント。

 さて、そのファミレスを出る際に、九鳳院関係者に紫を見られてしまい、紫をかくまっている場所「五月雨荘」がバレてクライマックスへのフラグを立てていて感心。
 そこからの流れで原作であまり語られなかった蒼樹の事を見せていて、そういった流れは実に上手い。
 そして犬塚弥生さんに「柔沢の犬め!」と罵る張本人リン・チェンシン初登場。
 勝手にショートボブなイメージがあったのだけどロングでしたな。でも前髪パッツンはイメージ通りだ。

 さてさて、「柔沢の犬め!」と言われ即座に「犬です!」と応える事の出来る今週の犬塚弥生さんですが、いつも携帯でゲームしているのかと思いきや、どーも運勢を見ていたようで。なにやってんですか(笑)。
 しかし、五月雨荘に見張りがいるとの報告に、九鳳院のトップ蓮丈に話しかける事が出来るクラスのリン・チェンシンが、犬塚弥生だろうと断定してくるあたり、弥生さんの実力が伺いしれます。
 さすがです!お仕事がんばってください!そろそろ忙しくなりますよ!


第8話「慈愛と臆病と」

あれ?鉄腕もしかして出ない?
ってゆーか、サドペド野郎出てきましたな。

 そんな今回のお話は…
 紫の七五三を祝うため、真九郎たちは神社へ行くことに。
 紫たちが着付けや、お化粧の準備をしている最中、七五三のことを弥生に報告すると、行動が軽率だと怒られてしまい、仕方なく人の少ない駅前の神社に行き先を変更する。
 出店がないことにうなだれる環と闇絵。初めて訪れた神社に目を輝かせる紫。
 記念写真など撮りながら平和なひとときを過ごす。
 しかし、その陰で紫の動向を注意深く監視している謎の男たちが…。
 以上公式のあらすじ。

 平和な日々も、おそらくは今回で終わりで、ラストのクライマックスへ動き出しましたな。
 急転直下に動き出した感があった原作よりも、こっちのようにジワリジワリと九鳳院が近寄ってくる感じが、手を回されている感があり、今回ラストの悲壮感が良いな。
 お話としては紫の七五三と九鳳院家、そして迫ってくる追っ手の三つの視点が上手く折り重なっていて、じわじわとお話が動いていく様子がこれからの波乱を予感させるな。
 五月雨荘の連中で行く七五三参りもこれまで通り、ちょいととぼけた会話が秀逸ながらも、犬塚弥生さん追っ手の気配に気付いたり、紫がおみくじで凶を引いたりと、所々に平和で幸せな日々がもう長く続かない事を暗示して不安を誘う。
 その後、銀子から九鳳院家に紫の名前がないと言う情報をもらい、そして五月雨荘の前で襲われ、真九郎と紫にとっては急な出来事に恐れるふたりってところで引っぱってくれるので、次回がとっても気になります。

 私としましては、やはり今回もほのぼの部分の会話が秀逸に思いました。
 神社での狛犬話のバカっぽさ(褒め言葉です)はついつい闇絵さんと一緒に突っ込んでしまったよ。
 次回はおそらくサドペド野郎こと竜二が紫を連れて行く事だろうが、原作のような感じになるのなら「ムキーッ!」となりますけどはてさてどーなりますかね?

 さて、「柔沢の犬め!」と言われて即座に「犬です!」と返す事が出来る今週の犬塚弥生さんですが、狛犬に興味津々でしたな(笑)。
 そんな弥生さんの為にwikiで調べてみたけど、うーん、あんまり大した事が書いてなかった、残念。
 それはともかく、今回は神社で追っ手の気配に気付いたり、五月雨荘で襲われた真九郎を助けたりと大活躍!さっすが弥生さん!
 次回はどうも五月雨荘に原作の「鉄腕」ではなく、リン・チェンシンが出向くみたいで、「柔沢の犬め!」「犬です!」が早くも聞けるかもしれませんよ!楽しみー。ってゆーか、弥生さん大活躍の予感?ワクワク。


第9話「貴方と私と」

あれ?竜二のサドペドっぷりがないですな。

 そんな今回のお話は…
 九鳳院家を敵に回すという事の重大さに気付き、紫の護衛を続ける自信を失ってしまう真九郎。
 そんな真九郎に対し、紅香は紫と九鳳院家の隠された真実を語り始める。
 紫が背負っている運命の重さを知った真九郎は、どんなことがあっても彼女を守り通すことを、改めて心に誓う。
 そして、紫をより確実に守り抜くために、五月雨荘を離れる決心をする真九郎。
 しかしそんな矢先、五月雨荘に竜士たちが!
 以上公式のあらすじ。

 お話としては前半は紅香と話をした真九郎が紫を守ると決意し、後半はそんな決意とは裏腹に紫が連れ去られてしまうって言う流れ。
 前半であんだけ時間をかけて真九郎に決心させておいて、後半あっさり紫を奪われちゃう。
 しかも、九鳳院家の女はまるで道具だ、という話をしておいた上で、紫を言うがままにする竜二ってのがもー、こ、この外道がっ!って気分にさせてくれて、物語の流れ的にはいい意味でとても気分悪い。(変な日本語だ/笑)
 真九郎が紫のためにと思って五月雨荘の環と闇絵にお別れさせようとしたのが裏目に出るのもポイント高し。
 また、焼肉後の紫と真九郎のシーンは、九鳳院という大きな存在に対し、ちっぽけなふたりが押しつぶされそうな不安を、一縷に小さな希望にすがるような悲壮感が漂っていてぐっときたですよ。

 話の流れとしては大体同じなんだけど、なんかもう原作と全然違うね。いい意味で。
 原作の割と突飛と言うか、現実離れしたところを極力排除しているような印象を受けますな。
 まぁ、確かに変な感じはするものな。監督としたらホントは崩月の角も出したくないんじゃなかろうか。
 原作のその辺のスーパーサイヤ人みたいな違和感あるもんなぁ、突然降ったわいたような感じだったし。
 そう考えると、途中で崩月の角見せたのはいいと思っていたんだけど、今回あれだけの危機で真九郎が崩月の角使わないことに違和感を感じちゃうよなぁ。
 そりゃ崩月の角はラストの見せ場なのだけれど、見ていて普通ならここで使うよなと思ってしまったですよ。
 まぁ、真九郎は崩月の角を移植したことをあんまり良く思っていないようだから、敢えて使わなかったのかも知れませんが。
 あ、そーいえば、五月雨荘には「不戦の協定」だったっけ?とかいう設定もあるのだったけど、それも完全スルーしましたな。

 その他気になった所というと、冒頭に書きましたが、竜二はサドペドなヤツだったんですけど、さすがに今のご時世ではまずかったのかな。
 あの外道っぷりのおかげで紫たちにすんごい感情移入したんですが。
 それはそれとして今回は暗いお話でしたが、五月雨荘での焼肉は和んだな。
 霜降り肉をよく知らない真九郎が「脂身ばっかりだな」といぶかしむのを見て、それは安い肉を掴まされたのであるから、そんな脂ばっかりの安い肉は我々が全て食べてやろうなどと、普段絶対やらないようなことを言い出すもんだから、それは嘘ついてますって告白しているようなものだよな。
 ある意味素直なヤツらであります。(笑)

 さて、「柔沢の犬め!」と言われて即座に「犬です!」と返すことのできる今週の犬塚弥生さんですが、
 リン・チェンシンにあっさりやられてしまいましたなぁ。原作では実力は拮抗しているはずなのだが…。
 むうぅ、弥生さん、こうなったらクライマックスあたりでリベンジですよ!と、思ったが、その辺の役は真九郎に持っていかれそうだなぁ。
 どーでもいーけど、「柔沢の犬め!」「犬です!」のやりとりはやってくれるのだろうか?
 いや、別に良いシーンでもなんでもないのだけれど、「犬です!」がすごい印象に残っているので是非ともお願いしたいところ。


第10話「慣れの恐怖」

真九郎、愛されてるなぁ。

 そんな今回のお話は…
 紫を九鳳院家に連れて行かれてしまったことに、ショックを隠せない真九郎。みかねる環や闇絵。
 そんな真九郎に弥生は、過去に自分が仕事で犯してしまった失敗を語り、紫のことはすぐに忘れたほうがいい、とアドバイスをする。
 それを聞いても吹っ切ることができず、どうにかして気分転換しようと試行錯誤する真九郎。
 そんな折、紅香から突然電話がかかってくる。
 新しい仕事のために、五月雨荘から出ろと…。
 以上公式のあらすじ。

 お話としては、紫のことを忘れようと思えば思うほど思い出してしまう真九郎が、九鳳院に乗り込む決意をすると言う流れ。
 なのですが、冒頭書いたように、真九郎が周りからどれだけ愛されているか、と、いうのを見せていた様な気がします。
 彼が落ち込んでいるのを無理に強がっているのを見て、各キャラクター達なりに元気づけようとするのが良いですな。
 それがまた各キャラクターでやり方が全然違うのが面白い。
 闇絵と環は食い物で、弥生さんは自分の失敗談を語り、紅香は新しい仕事を持ってきて、銀子は敢えて嫌みを言って突き放し、夕乃はとにかく優しくする。
 特に面白かったのが銀子で、まぁ、あれは励ましているかというとそうでもない様な気がしますが、無理に物わかりの良い所を演じる真九郎に、アンタはそんなヤツじゃないでしょうがと、そんな彼を否定するんですよね。
 銀子は真九郎がどうあれど、彼らしくあって欲しかったんでしょうね。きっと。
 彼女がそういう仕事をいているのならこうあれと言っても聞かないのが真九郎なので、「なによ、無理しちゃって。ふん。」って感じですかね。
 銀子は彼が揉め事処理屋をやっていること自体を嫌っていますから、ホントの所は二人で平和に暮らしたいんでしょうねぇ。

 その真九郎はというと、なんといいますか、ドラえもんのドラえもんが帰ってしまう話ののびた君みたいというか、学校から帰ってきても、紫がいないとなんにもすることがなく、何をしても紫とのことを思い出してしまう。
 最終的には紫を守ると約束したことを思い返し、九鳳院へ行くことを決意する。
 プロとしての自分と本当の自分の間で揺れて、無理して明るくしたり、部屋の掃除をして逃避したり、そういったうだうだ加減が、人間臭くていいですな。

 個人的にとっても好きなのは、やはり五月雨荘での話。特に闇絵さん(笑)。
 闇絵さんが「よぅし、今日は私がおごってやろう!」と札束(偽物)を取り出してからの流れが最高。
 牡蛎を食ったことのない真九郎に「あれは悪魔の実だよ」とかいったり、「少年に勇者の剣を授けよう!」とかいって札束(偽物)をわたしたり。
 なんでこの人はあんな台詞がぽんぽん出てきますかね(笑)。
 それと、真九郎が九鳳院へ行く際のお別れのシーン。
 握手してくださいと言う真九郎に、抱きついてくすぐる彼女らはとても五月雨荘らしくていいですな。
 きっと今生の別のようなことをしたくなかったんでしょう。それにそんな湿っぽいのはあのふたりも望む所ではないであろうし。
 かなりのダメ人間ではあるものの、このふたりはなんだかんだ言ってもとても大人で、少年紅真九郎を彼女達なりに見守っているのです。

 というわけで、次回からはクライマックス。展開も九鳳院へ直接乗り込むといったオリジナルの展開です。
 あと2回、楽しみだなぁ。

 さて、「柔沢の犬め!」と言われて即座に「犬です!」と返すことのできる今週の犬塚弥生さんですが、真九郎に話した失敗談はなかなか興味深かったですな。弥生さんは何でもソツなくこなしそうですもんね。
 そしてリン・チェンシンにリベンジする気満々ですな!がんばってください!
 次回あたり「柔沢の犬め!」「犬です!」のやりとりがあるかもしれませんな。それも期待。


第11話「われ思考う」

紅香がやられるとなんか変な感じだな。

 そんな今回のお話は…
 真九郎は紅香と弥生と共に、九鳳院の屋敷へと突入を開始する!
 次々に襲い掛かる数多の護衛を倒して、奥へと歩を進めていく真九郎たち。
 そんな彼らの前に、リン・チェンシンが立ちはだかる!
 彼女の相手を弥生に任せて、真九郎と紅香はついに紫がいる奥ノ院に辿り着く。
 女中や護衛の男たちの抵抗を退けながら内部へ進行する真九郎と紅香の前に、紫と竜士がその姿を現す。
 紫を連れて行こうとする真九郎だが、紫の思いがけない一言が…。
 以上公式のあらすじ。

 あらすじ後がどうなったかと言うと、真九郎たちを殺されないように、紫は「お帰りください」と告げる。
 が、粘る真九郎であったが、そこへ弥生さんをぼこぼこにしたリンが登場。
 戦闘になった隙に竜二が紫を連れ去る。
 劣勢になった真九郎達は女中頭が捨て身でリンに取り付き、その隙の紅香の指示で撤退する事になる。
 紅香が弥生さんを回収している間に、車で待機していた真九郎であったが、どうにも紫の事をあきらめきれず、単身奥ノ院へ向かっていった。
 って感じ。

 要するにお話的には作戦が失敗したっていう事が重要なわけですな。
 紫までたどり着くも、肝心の彼女が一緒に行く意志を示さないので、強奪するわけにもいかず、形的には無駄骨を折った格好になったが、紫の真意を知っている真九郎が、一度侵入した所へまた行くという困難を何とも思わずに、紫を解放しようと立ち向かっていく事がポイントか。
 これまでいろんな意味で弱かった真九郎が、このアニメのキャッチコピー、「守るべきものが見つかったとき、人は強くなれる」を体現しているわけですな。

 さて、ちょいと気になった所として、冒頭に書いた紅香がやられるシーン。
 原作の紅香は西尾維新の「戯言シリーズ」で言う所の哀川潤みたいな役で、この物語的には最強の部類に入るので、今回のようにやり込まれるのを見ると、なんか変な感じがしますな。
 それと竜二が普通に戦えた事も変な感じ。まぁ、だからあんな自信満々なんでしょうが。
 あと、弥生さんはボコボコにされちゃいましたな。
 それはどうも、リンの「紅香はそのように戦うのだろう?」の台詞から、紅香の戦い方を読まれてはいかんと実力を発揮できなかったんですよね?きっと。たぶん。(次回にわかるのだが、竜二が紅香から護身術を学んでいて、それがリンに伝わったために、紅香流では歯が立たなかったということ/2008.7.5追記)
 個人的に好きだった所は、高速SAでのシーン。
 これから九鳳院に乗り込もうって時っていうのに、エラいのんびりしている真九郎に、弥生さんがイライラしている様が素敵(笑)。
 しかし、次回最終回なのですが、OP、ED削ったとして残り約24分で奇麗に収まるのかしらね?

 さてさて、「柔沢の犬め!」と言われて即座に「犬です!」と返すことのできる今週の犬塚弥生さんですが、上記の通りリンにボコボコにされてしまいましたよ。あうう。
 次回はクライマックスだから、カッコいい所見せてくれますよね?
 そして「柔沢の犬め!」「犬です!」のやりとりは最後にあるのかないのか。
 とにもかくにも次回が楽しみです。


第12話「われ存在り」

上手くまとめたなー。

 そんな今回のお話は…
 圧倒的な実力を誇るリンと、激しい戦いを繰り広げる真九郎たち。
 彼らの前に、九鳳院家の現当主である蓮丈が姿を現す!
 蓮丈は、話し合いの場を設けたうえで、真九郎たちを屋敷の外へ追い出そうとする。
 しかし、真九郎は紫ともう一度話をするために、単独で再度屋敷への侵入を試みる。
 そして始まる、真九郎たちと九鳳院家との最後の戦い。
 はたして、真九郎は紫の笑顔と平和な日々を取り戻すことができるのだろうか…!?
 以上公式のあらすじ。

 最終的には紫が奥ノ院からは出るが九鳳院の人間であることはやめないという選択を取って、真九郎たちは帰っていって終わった。
 と、書くとなんかバッドエンドのようですが全然違って、紫は九鳳院のしきたりを壊し、自分で見て聞いてそして九鳳院を内から変える為に戦っていく決意を示したことで、蓮丈が九鳳院の女は奥ノ院へ入るというしきたりを自ら無くし、紫を九鳳院の一員として認めたので、決してバッドエンドではなく、むしろ清々しい終わり方をした。
 個人的に好きな所として、まずは蓮丈のことだろうか。
 彼は九鳳院と言うしがらみに取り付かれ、そのために最愛の蒼樹を亡くしたが、紫によって、現当主として守るべきものは家のしきたり等のそういった事ではないと気付き、彼もまた紫と同様に家のしがらみから解き放たれたのは見ていて気持ちのよいものだった。
 それから、流れ的に紫を強奪していく形にならなかったのは良かった。
 真九郎たちが彼女を奪って「ああ、よかった」とはならないものな。
 有名な映画のラストシーン「結婚式で花嫁強奪」と同じで、その瞬間は良いのだけれど、その後を考えるとそれこそバッドエンドと言えなくもなく、あの場の各キャラの決断は、全ては丸く収まってはいないし、全く不安のないものではないけれど、この物語のその後にとても希望を持てるものになったと言う点がすばらしい。

 ちょっと気になった所としては、真九郎が「崩月の角」を完全否定しておりましたな。まぁ、正直な所、この話の流れでは使いにくかったんだと思う。
 原作のような超人によるスーパーバトルってのを排除しているので、ホントは角は無くてもいいくらいなんだけど、無いとこの物語が「紅」である必要がなくなってしまうので、削るに削れなかったのかなぁ。
 そうとも思えるその角を、最後に意味ある形で使ってくるのは上手い。

 さて、「柔沢の犬め!」と言われて即座に「犬です!」と返すシーンは結局無かった今週の犬塚弥生さんですが、弥生さん超カッコいいよ!あんだけいい様にやられていたリンを見事にK.Oですよ!いやぁ、まさかここで崩月流が活きてくるとは思いませんでした。
 それに戦闘前の手をクイックイッとやって「あがってきなさい」とやる弥生さんがかっこいいのよねー。
 原作でほとんど出番のない弥生さんでしたが、実にいいキャラに仕上がっていて、とても素敵でしたなぁ。

 さてさて、最後と言う事なので、全体的な感想をば。
 正直言って、個人的には原作よりこっちの方がおもしろいと思った。
 原作は突然始まる超人たちのスーパーバトルや、九鳳院家の者は近親姦でないと子供が生まれない遺伝子とか、その他トンデモな設定を排除しているので、突然の現実離れした話に本を読んだ時はポカーンな印象があったが、
このアニメではいい意味でのフィクションなリアリティが世界観の違和感を感じさせない。
 さらにはなんかすごい人でありそうなのに、まったくこれといった所の無い環や闇絵さん、そして弥生さんに脚光を浴びせて、主要なキャラクターたちが活き活きとしているのも良い。
 特に好きな所として、会話がとても面白く、五月雨荘でのとぼけたバカ話や、真九郎をたかろうとする環と闇絵、7歳児の紫にいらん事を教える彼女らの会話は秀逸。これはプレスコであることもその面白さの一因かもしれない。
 お話的にもとても良くまとまっていて、紫が五月雨荘に来てからほのぼの話を延々と見せる中で、真九郎と仕事や角の事、紫の成長と恋心、そしてじわじわと忍び寄ってくる九鳳院となどなど、12話内で色々と展開していきながら最終的に見事に折り畳んでいて見事。
と、文句のつけどころがないくらい楽しんで見る事が出来た。
 全くと言っていいほど違ったお話にはなったが、個人的には原作よりもこのアニメの方をお進めしたい。
 ああ、それと五月雨荘にいる時までの紫が、見事に子供していて異様な愛らしさなので、その手の人にもお勧めしちゃおうかな(笑)。


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