映画ふたりはプリキュアSplash☆Star 〜チクタク危機一髪〜

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可哀想にデジモンと同時上映だったために尺が短いです(涙)。

 そんな今作のお話は……
 あたし、日向咲。今日は「海原市のど自慢大会」!!
 舞とデュエットで出場するのに、寝坊しちゃってマジやばい!!
 なんとか出場できて絶好調ナリーッって喜んでいたら、今度は舞と大ゲンカ!?一気に気まずい雰囲気だよ〜。
 そんな状態でステージに飛び出したから、歌詞を忘れて大慌て!
 「どうしよう!エ〜イッ、時間よ止まれ〜っ!」って心の中で叫んだら、あれ!?本当に時間が止まっちゃった!!
 そこへアワーズとミニッツっていう2人の精霊が現れたの!彼らについて行くと、そこはナント時計の郷!
 世界の時間をつかさどる「無限の時計」を、謎の男・サーロインが世界を手に入れるために止めちゃったんだって!
 みんなの時間を奪うなんて許せないっ!ゼッタイ大切な時間を守ってみせる!!
 以上東映公式のあらすじ。

 お話は時間がどうこう言っておりますが、メインはそこではなく、喧嘩してしまった咲と舞の仲直りの話。
 物語冒頭から咲が遅刻し、彼女を待っていた舞が、ちょっと待ち合わせ場所から離れた時に咲がやってきて、「なんで待ち合わせ場所にいないの?」「咲が遅刻したんでしょ?」とすれ違い。
 その後も、その場のノリで考え無しに進んでしまう咲と、真面目な舞が、ちょっとしたことで見事にすれ違ってしまい、TVシリーズで仲良しなふたりを見てきた者として見ていてつらい。
 基本的には咲が悪いんだけど(笑)、真面目な舞もちょっと待ち合わせ場所から離れてしまった負い目があって、もともとヘタレな舞がびしっと咲に言えないのが見ていてやきもきしてしまう。
 そうこうしているうちに時計の郷にいってサーロインに会い戦闘のなるのだが、TVシリーズの8話でもあったように、二人の気持ちがすれ違っている状態では精霊の力を発揮できずやられてしまう。
 この辺はお約束ではあるものの、それまでの喧嘩が活きていて、サーロインの攻撃に精霊の力でシールドを張ろうとしても展開できなかったり、キュアブルームとキュアイーグレットが同士討ちしてしまったりと、力を発揮できないプリキュアを演出している。
 その後、「パーフェクトな迷宮」(笑)に閉じ込められてしまうのだが、今作のメインはここからだろう。
 迷宮を彷徨って、ついに大喧嘩となってしまい、ウザイナーにも襲われ離ればなれになってしまうふたり。
 自己嫌悪に陥ってしまい、ついには精霊の力を失って変身も解け、お互いに自分は咲に、舞に嫌われてしまったかもしれないと、進む事をやめてしまったふたりに、フラッピとチョッピ、アワーズ、ミニッツが相手を信じる事を諭し、咲と舞がお互いを探し始めるのが感動的で良い。
 特には、またウザイナーに見つかるかもしれない危険を顧みず、パートナーの名前を叫ぶ彼らにホロリときて、聞こえるはずのない咲の「舞!舞ーっ!!」の叫びを聞き取った舞に、その声が聞こえなかったアワーズが、「でも聞こえたんだよね。なら間違いないよ。あの子の声が真っ先に聞こえるのは君以外いないもの」の台詞が胸に沁みる。
 そして互い呼び合い合流して迷宮を脱出し、またサーロインと対峙するも砂の壁に阻まれてしまうが、背中合わせで手を取り合い、お互いの気持ちを確かめ合ったふたりが精霊の力を取り戻し、変身バンクでなく少しずつキュアブライトとキュアウィンディの変身して行く様子を見て、やっとホッとする事が出来ると同時に、それまで散々すれ違っていたふたりを見てきたこともあり軽くカルタシスを覚えるし、ああ、やっぱり「ふたりは」プリキュアは良いなぁと思わせてくれる。もう、ここまでくればサーロインを倒すだけだ。

 尺の影響からか、そのラストバトルや、迷宮に入る前のバトルもちょっとしかないのが残念。
 迷宮に入る前のバトルは小気味良く動いて広さを感じるアクションが見ていて楽しいのだけど、1分くらいしかないのは寂しすぎる。
 ラストバトルも、本来のプリキュアの力をちょっと見せつけただけで、プリキュアスパイラルスタースプラッシュ出しちゃうし。
 もっと尺があれば、それなりに戦闘に使ったであろう事を考えると残念でならない。

 でもまぁ、メインとしてみれば、咲と舞の気持ちのすれ違いから、また迷惑をかけるかもしれないけど、ずっとずっと友達でいたいんだという所の、一番見せたかったであろう部分はよく描かれていて、そういった部分ではよく出来ていると言える。
 プリキュアアクションという所ではほとんど楽しめる所はないけれど、咲と舞のふたりの絆を楽しみたいという人にはお勧め。
 尺も50分程度なので、劇場版だからという気持ちで見るよりは、TVシリーズのいちエピソードとして見れば十分楽しめるのではないでしょうか。

 にしても、S☆Sの不遇さを感じられてしまって寂しいなぁ。


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