映画ふたりはプリキュアMax Heart2 -雪空のともだち-

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やっぱなぎほのプリキュアは良い。兎にも角にもその一言が出てくる劇場版の第2弾。
これを見ずしてなぎほのプリキュアを語る事なかれ。

 と、思わせる今作のあらすじは……
 冬休みに、みんなでスキー場にやってきました!あたりは見わたす限りの白銀の世界。
 こんなロマンティックなシチュエーションで、藤P先輩とウフフフフ・・・!!
 なんて浮かれていたら、スッテンコロリン。あたしってば、 スノボーのセンスないのかも…トホホ。
 ほのかはスキーでステキなシュプール描いちゃってるし、アカネ先輩の出張タコカフェは大繁盛だし、ひかりは不思議なたまごを見つけるし…って、たまご!?しかも中から生まれたのはとってもかわいい鳥のひな!
 突然あらわれた雲の園の老師っていうおじいさんとお付きのムタさんによると、「鳳凰」っていうだいじな鳥なんだって。
 ひかりはその子を「ひなた」って名づけるんだけど、ひなたをめぐってたいへんなことが!
 たまごを見つけたお礼に雲の園に招待してもらったとたん、闇の世界のヤツらにひなたがさらわれちゃったの!!
 待っててひなた!プリキュアとルミナスが、きっと助け出してあげるから!
 以上東映公式のあらすじ。

 上記しましたが、MaxHeartの劇場版第2弾で、公開は12月の第1週であったと記憶しています。
 TVシリーズも残り10回もないという期間であり、前作と違って我が愛しのシャイニールミナスにもしっかり役所があり、ひかりんを愛してやまない私としては、その辺も満足な逸品であります。
 お話としては、まずなぎほのの喧嘩があり、そこへ闇の者達がひなたをさらって……という展開になり、そこから今作の注目所として、操られてのキュアブラックVSキュアホワイト、百合仲直り劇場、プリキュアスーパーバージョン、ルミナス、クィーンの力発動と、プリキュアファンとして見所満載なのです。
 無論、親子でというところも考えてあると思うので、大人も楽しめる内容になっているのではないでしょうか。

 さて、そんな今作の感想ですが、まぁ、何はなくともこの映画から百合を取ってしまうと、魅力八割減ってなくらい、相変わらずのなぎほのの百合が良い。
 スポーツ万能のくせに、何故かウインタースポーツだけは苦手ななぎさが、金持ちのお嬢さんらしく上手にスキーをを滑り、藤P先輩と一緒に滑っていたために嫉妬してしまい、なかなかスノボが上達しないなぎさが八つ当たりしてしまう。
 その原因ってのが、ほのかが「藤村くん(藤P先輩)と一緒に滑りたかったんでしょ?」等と言ったところを、偶然リフトで上を通りがかった彼に聞かれてしまったかも?となってなぎさが怒ってしまう(図星なのだが、なぎさはそんなこと一言も口に出していないため)のだが、ほのかのその辺の頭の回転が速い割りに空気を今ひとつ読み切れていないところが実に彼女らしくて面白く、無印TVシリーズの第8話でもそうだったように、これはほのかの困った個性の一つで、その後、ああ、自分はなんでいつもこうなんだろう。と自責して落ち込んでしまう辺りの、彼女のお節介な割りに人付き合いの下手さがほのからしくて良い。
 なぎさもなぎさで、旅館でウジウジしながらも、莉奈に「ふたりは偽物の友達だったんだ」などと挑発され、「そんなことない!」と怒って出ていってしまうあたりの単純さも彼女らしい。
 しかし物語は彼女達をあっさり仲直りさせることはなく、タイミング悪く日なたの鳴き声を聞いたふたりとひかりんは、雲の園へご招待されてしまうのである(笑)。
 ちなみに旅館での莉奈はみょーに大人っぽくて(志穂にも「おっとなー!」と言われていたが/笑)、ウジウジしているなぎさをワザと挑発して行動に移させたり、その後、すごく客観的な物言いをしたするので、ちょうどお風呂上がりで髪をおろしていたこともあり、莉奈はきっと髪をおろすと性格が変わるのではないかと思います(笑)。

 雲の園へ着いてからは、友達という言葉に過敏に反応してしまうなぎほのを堪能しているところで悪役二人のご登場。
 ひなたがさらわれ追いかけたところ、操られキュアブラックVSキュアホワイトとなってしまうのだが、ホワイトが操られているときはブラックが正気で、ブラックが操られればホワイトが目を覚ますといった具合で、ふたりともほのか、なぎさとは戦えないといいようにやられてしまうのは、ふたりの気持ちを見せているだけに見ていてつらい。
 が、その分ふたりが正気を取り戻し、落ちていった先での仲直りは感動がひとしおだ。いや、感動というかホッとしたというかだが。
 ちなみに仲直りのシーンの後に上へ登って行くシーンになってしまうのだけど、やはりそのシーンとの間にキスの一つでもしちゃったんでしょうねぇ(笑)。
 その後は百合パワーで悪役ふたりをコテンパンにと思いきや、あっさりやられてしまうのが残念。
 その後にスーパーバージョンになるので、その前に通常プリキュアが悪役の二人には劣っていない所を見せてもらいたかった。これだと通常プリキュアがとても弱いように見えてしまうんだよなー。スーパーバージョンはとってつけたような力なので、プリキュア自身の力をある程度見せて欲しかったです。
 まあ、その辺は上手いことやらないと見せ場のスーパーバージョンがおまけとなってしまうので、さじ加減が難しいところですが。

 プリキュアと言えば戦闘!
 というわけで、戦闘シーンの方ですけど、前作のような派手さはないのだが、かっこいいことには違いない。
 最初のVS雪だるまザケンナー戦では動きがダイナミックでかっこいい。
 またこの戦闘は喧嘩直後と言うこともあって、息の合っていないプリキュアの戦闘というところでけっこうレアであり、またルミナスのハーティエルアンクションで助けられるというのもめずらしい。
 個人的にお気に入りなのは、雲の園へ行ってからのキュアブラックVSキュアホワイト。
 やはり派手さはないのだけれど、ここでは関節技を使うんですよ。殴ったり蹴ったり投げたりってのはいつもやってますけど、関節は今までになくって新鮮でした。
 スーパーバージョンになってから、すこし格闘が入っているのも嬉しいところで、圧倒的なパワーを見せつけてくれるのが気持ちがいい。のだけど、それがホワイトだけだったのが残念な所。もう1分、2分くらいあってもいいような気がしました。
 アクションシーンは全体的にあまり尺を使ってはいないのだけれど、相変わらずいい動きをしています。
 けども、そんなに期待するところではないでしょう。むしろお話の方を堪能していただきたい。

 さてさてお待ちかね、我が愛しの輝く生命!シャイニールミナス!ことひかりんですが、公開が12月ということもあり、前作と違ってちゃんとした役所が用意されております。
 なぎほのはふたりの仲直りで話が進んでいきますが、ひかりんはゲストキャラのひなたとのことで話が進んでいきます。
 しかしまぁ、ひかりんの愛らしさは健在で、ひなたに頬ずりしたり、たこ焼き落っことしてしょぼーんとしたり、雪だるまザケンナーに追われ、ひなた・ポルン・ルルンを抱えながらトテトテと走ったり、プリキュアのファーストヒットが極まって「わぁ」となった笑顔など、愛らしさを挙げると枚挙に暇がない。
 それはそれとしても、一応、話の本編を担って(?)いる彼女の見所としては、ひなたがさらわれてからだ。
 クィーンの力が発揮しない限りは非力なルミナスが、氷の鳥かごを懸命に引き抜いたり、攻撃力のが全くないというのに、その鳥かごを手刀で割ろうと試みたりとその健気さが心を打つ。
 そんなルミナスに「もういいよ」と言いあきらめかけるひなたに、「私たちは友達でしょ。友達は友達を絶対見捨てたりしないのよ。」と諭すルミナスを見ると、Max Heartの第1話で突然発生し何も知らなかった彼女が、今やこんな事を言えるのかと思うとちょっと感慨深い。
 圧巻は悪役を倒した後、ひなたが死んでしまった?となった時の、ルミナスの泣きシーンは何度見てももらい泣きしそうになる。中の人、田中理恵さんの演技に拍手です。
 その後クィーンの力が顕現し、ひなたを生き返らせ(と私は思っている)、鳳凰に変化させるルミナスの姿が実に神々しく、スーパーバージョンになってバックにクィーンを背負うルミナスがとても美しい。
 しかし思うのだが、プリキュアがひなたの力でスーパーバージョンになるのに対して、ルミナスは自らそれになるのよね。
 ひなた=鳳凰が何かする描写がないし、となるとルミナスのそれは自力での力の顕現ですなぁ。
 今作のルミナスは公開時が12月ということもあり、ひかりんとクィーンはどーなる?といった話をしていた頃(だと思う)なので、前作から比べると、とても成長した姿を見せており、そのクィーンらしさが何とも言えず気持ちが良い。
 個人的には鳳凰との別れのシーンで「力を貸していただきありがとうございました。心より感謝申し上げます」と言ったところ、ひかりんが「ひなた。友達は友達にそんな言い方しないわ」と諭すところが印象的。
 鳳凰がひかりんに対しすごく畏まっていた所だっただけにドキッとさせられましたよ。
 ちなみにどーでもいーけど、その別れシーンはポルンがとても感動的にしてくれるのだけど、劇中ポルンとひなた(=鳳凰)に特に何かこれといったところはないのよね。泣かせにきている分、その辺が気になってしまいました。
ともあれ、今作のひかりんはとてもいいところを持っていくので、ひかりんを愛してやまない自分としては満足です。

 全体としてみてみると、とても良くまとまっていて、楽しく見させていただいた。
 とても1時間10分もあるとは思えないくらい、見ていて時間を忘れるようなプリキュアらしいおもしろさがある。
 上記したように、プリキュア自身が悪役より優位に立たなかったことや、別れでのポルンという消化不良的な所もあるけれど、まぁ、些細なことかなーと思います。尺の都合もあろうし。
 私としては、なぎほのプリキュアの最高峰と位置づけてもいいんじゃないかと思っているほど評価が高いです。
 まだ見ていない方は是非一度ご覧あれ。


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