映画ふたりはプリキュアMax Heart

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アクションが最高!お話も今見るとそんなに悪くないな。
そしてあのお方の声で割とげんなりします(笑)。

 そんな今作のお話は…
 うららかな日曜日、アカネさんのたこやき屋で至福の時を過ごしていたら、謎の男が現れた!
 男は、あたしたちの目の前で七人の妖精に分裂!?こわいっつーのッ!しかも妖精たちは「希望の園を助けてほしい」を言い出した。
 希望の園の象徴であるダイヤモンドを、ドツクゾーンが狙っているらしいの。そういうことなら、いざ希望の園へ出発!
 妖精たちとダイヤモンドが輝くステキな宮殿へ。そこにはダイヤモンドくらいキレイな女王様がいたの。
 しかも藤P先輩にソックリな王子様が現れたり、舞踏会パーティーが開かれたり…気分はまさにお姫様!
 メップル・ミップル・ポルンまでセレブ気分を満喫していると、そこへドツクゾーンの魔女が現れた!
 こんなステキな園を狙うなんて絶対に許せないッ!!みんなの力をひとつに合わせ、希望の園を守るのよ!!
 以上東映公式サイトのあらすじ。

 さて、プリキュア映画第1作目のこの作品ですが、劇場で見たときはやっぱりお子様向けだなぁと思ったのですが、この感想を書くにあたって、DVDを見返してみたら(何回目かですが)これはこれでちゃんと見れる内容であった。
 内容的には単純で、希望の園に向かったなぎほのひかりんが悪いヤツをやっつけて終わるんだけど、なぎさのミスで守らなければいけないアイテム「ダイヤモンドライン」を奪われてしまい、「守ってくれるって約束したじゃないか」と避難され凹むなぎさに、「奪われたものは取り返すしかないじゃない」とほのかに促され敵地へ乗り込んでいく展開は熱い。
 その後、敵陣へ乗り込んでラスボスを倒しあっさり終わるかと思いきや、ラスボスとの戦闘で一矢報いるもやられてしまい、一時的にプリキュアがいない状態を作り、ピンチ感を出しているのはなかなか上手い。
 その後はプリキュアが奪い返した「ダイヤモンドライン」をもった7人の妖精(妖精なんだねぇ)をラスボスが追っかけるという構図に。
 前半で攻撃力を全く持たないためにあっさりやられちゃった我が愛しのひかりんと弱虫王子を合流するも、案の定追いつかれ愛しのひかりんは弱虫王子の盾になってやられてしまうのは、ひかりんを愛してやまない自分としては涙を誘う。っていうか、この映画の公開が5月のGWということもあって、まだひかりんの全てをさらけ出すわけにもいかないからか扱いが悪すぎです。正直、今作のひかりんは盾にしかなっていません。悲しすぎる。そのかわり(?)第2弾は見せ場があるからいーけど。
 それでも、今初めて気付いたんだけど、2回目の盾になるときは一瞬ひかりんが光を纏ったりしていて、割と芸の細かいことをしていたりして、ちゃんと考えてあるなぁなどと思いました。
 そんなやられちゃったひかりんを見て、怒りのパワーを発揮するプリキュアですが、本体を現したラスボスには歯が立たずやられてしまうのですが、王女が「希望の園のダイヤの奇跡の力を信じるのです」とか言っちゃって、割とご都合主義にプリキュアスーパーバージョンとやらになってHP全回復です。
 まぁ、ご都合主義はこのアニメのメインターゲット的には仕方のないところですけど、せめて「このダイヤには奇跡の力が云々」等と前フリくらいしておいた方が良かったような気がします。
 その後は黄金色のコスになったスーパーバージョンとやらでエキストリームルミナリオを極めておしまいです。
 そのスーパーバージョンなんですが、もう映画第4弾までずっとそうなので、きっとワザとやっているんだろうけど、スーパーバージョンとか、次回作以降のスーパープリキュアに特に意味がないんですよね。それになったらすぐ必殺技出して終わっちゃうんですもの。
 そこで強さを見せつけてそれのおかげで相手を倒せるぜ!という風にするべきなんでしょうが、たぶんそれやっちゃうと、主役達がなんにもしていないように感じられるから、作り手側としてはあんまり強調したくないんだろうなぁ。
 スポンサーからは映画の見所の一つとしてそーゆーのを入れなさいと言われているんでしょうねぇ。昔も今もアニメ作るのは大変そうです。とまぁ、お話はそんな感じでそこそこ見れる内容になっております。

 この映画の一番の見所はアクションといっても差し支えなかろう。というくらいアクションシーンはかっこいいのです。
 始まって割とすぐの希望の園からやってきた7人の妖精(住人じゃないんだねぇ)が、プリキュアを試す為に攻撃してくるシーンからもうかっこよい。
 早く動いて攻撃を避けた後はゆっくり動いたりして、動きにとてもメリハリがある。
 攻撃が飛んできても動かず直前でさっと動いたり、画面に向かってパンチを放つブラックが、インパクト瞬間からは背後から写していて画面奥に吹っ飛んでいく相手等々、このシーンは画面の奥行きを感じさせる戦闘がとても良い。
 その後の敵地へ乗り込んだ際の戦闘シーンはブラックの動きが秀逸。
 次々とコウモリザケンナーを倒していく様や「だだだだだだっ!」でおなじみの連続コンボは見ていて気持ちがよい。
 特に連続コンボ極めながらジリジリと前進していく様や、VSラスボスとの戦闘はプリキュアらしい動きがとても格好良い。主役の面目躍如です。
 しかし、これらの戦闘が長く続かないのが残念。見ていて「良いアクションキタァー!」と盛り上がったところで一旦切れてしまい、ちょっと消化不良な感じ。
 それにラストバトルで格闘がなかったのがそれに拍車をかけた感じがする。
 上記しましたが、やはりスーパーバージョンになったのなら、それで格闘して欲しかった。
 とはいえ、アクションシーンはホント秀逸なので是非見ていただきたい。

 最後にちょっと気になるところとか。
 物語の冒頭、守るアイテムがダイヤということで、あかねさんが前フリとして、自分で自分にプレゼントしたといってダイヤのネックレス付けているんですが、さすがにちょっとそれは寂しいです。
 あかねさんはとてもいい女なので、もうちょっと扱いを良くしてあげて下さい。(いまさらですが/笑)
 あと、もうこれは失敗だったとしかいいようがないのだけど、希望の園の王女の声を工藤静香さんにやらせちゃったんですよね。
 なんといいますか、もう全然王女って感じじゃない上にやはりものすごく下手です。はっきり言って王女が喋るたびにテンション落ちる。
 不幸中の幸いなのが王女のセリフがほとんどないことか。個人的に素人を使うのはホントやめていただきたい。んだけど、販促的にはそーゆーの入れないとダメなんだろうなぁ。残念です。
 あと設定が気になるんだけど、希望の園の住人は皆、獣人系か二足歩行の動物なのに、なぜか王女と王子だけが人間そのものなんだよね。しかも王女と王子はいれども王様がいないという矛盾。この辺も残念なところでした。

 というわけで、この「映画ふたりはプリキュアMax Heart」は、個人的な評価としてはあまり高くないのだけど、今見てみたら割といけるって感じでした。
 どうせ見るなら次回作の「映画ふたりはプリキュアMax Heart-雪空のともだち-」の方をお勧めしますが、なぎほのプリキュアのいちエピソードとして悪くないので、プリキュア好きな方で見ていないのならば是非一度ご覧あれ。


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