百花繚乱 サムライガールズ 1〜12話

[indexへ] [かんそーへ]


第壱話「はじめての忠」

アバン、カッコいいなぁ。

 そんな今回のお話は…
 霊峰富士の裾野に広がる巨大学園、武應学園にやってきた柳生宗朗。宿所となる柳生道場を訪れた彼は、そこで真田幸村、後藤又兵衛と出会う。
 徳川と反目する彼らとの出会いに驚く宗朗。しかし、そこに幸村らを捕えるため徳川生徒会の風紀委員長、服部半蔵が乗り込んでくる。
 宗朗の機転で何とか脱出に成功する三人だったが、生徒会の執拗な追跡にすぐ追いつめられてしまう。
 絶体絶命───と思われた、まさにそのとき、空に閃光と雷撃が走る。
 激しい衝撃はの後に彼らが見たもの、それは全裸の少女が舞い降りてくる姿であった…。
 以上公式のあらすじ。……コピペが出来ないとつらいんですけど、なんとかなりませんかね?
 実はちょっと期待しているアニメ。というのも、公式PVのアクションがカッコよく、登場人物が可愛い女の子ばっかりとあっては、女の子好きに関しては三国一と自負する自分としては見逃すわけにはいかない。
 それにしてもこのアニメ、公式を見て女の子がチャンバラやるぜ!くらいに思っていたのだが、実際に見てみるとそれほどバカっぽくなくなかなかおもしろそうな導入部であった。
 お話としては引用したあらすじ通りで、劇中の世界観や徳川と豊臣の対立構造、今回登場人物の人となり、主役であり謎の人物「柳生十兵衛」の登場で引っぱり、まぁ確かに女の子たちの露出は多く、エロいシーンなどもあったけれど、凡百の萌えアニメのようなあざとさは無く、お話の方を気にさせる作りになっているのは上手く、武應学園にやってきた早々に騒動に巻き込まれた宗朗がどうなって行くのかということと、謎の主人公「柳生十兵衛」は一体なんなのかということに興味を引かせていて、この後この物語はどうなっていくのだろうと思わせてくれた。
 ちょっと残念なのは、アクションが殆どなかったことで、最初なんだからガシガシ動いてくれるんだろうと期待していた自分としては、その辺は物足りないところではあった。
 
 お話以外のところで興味深かった事と言えば、画面である。
 和風な異世界ファンタジーであるので、ワザと奥行きの無い背景や毛筆っぽい線で描かれていたりしているのもおもしろいが、私としてはキャラクターに太い黒の縁取りがなされていて、線の強弱をつけているのが印象的だった。
 他にも筆の線や墨を落とした跡の画面効果を多用しており、和風テイストである事を強調していておもしろい画面構成であった。

 一発目なのでキャラの紹介というのもしなくてはならないのだが、それも上手いこと説明していて、「こういう人物である」というキャラクターの特徴と関係をすんなりとさりげなく説明している。
 個人的には主役の一人である宗朗が、最初なんだかよく分からない人物であるのだが、後半に「武士の志」を語るシーンで、彼が一本筋の通った「出来る漢」であることを印象付けているのが感じが良く、凡百の萌えアニメの野郎が、理由無く女の子に言い寄られているのが気に入らない自分としては、彼が同性の私から見てカッコいいなぁと思うキャラ設定はやはり必要だと思うし、お話としても、宗朗の高い志が重兵衛の降臨の原因としてあることはなかなか良く出来ているのではと思う。

 さて、なんだかんだ言いつつも、このアニメは女の子というところがメインのひとつであることは間違いなく、やはりそこも語らねばなるまい(笑)。
 無類のお姫様好きを自称するわたくしとしては、徳川千と言いたいところではあるが、ビジュアル的にもキャラクターとしても真田幸村の方がお気に入りだ。
 小学生のような体躯のくせに自信満々で一人称が「わらわ」だし、常に又兵衛という従者を連れていて、「カッコいい姫さま」という感じが良いのだ。
 千の方はと言うと、確かに姫さまであるのだが、いわゆるステレオタイプの姫さまであり、高慢で下の身分のものをいいように使うのはまぁいいのだけど、そこに「かっこよさ」がないのは私としてはあまり好みではない。のだが、半蔵とのSMな関係を示すシーンはとてもエロティックで興奮したので、むしろ千は半蔵とセットとした方が、いろいろと妄想が膨らんで良いだろう(笑)。

 ともあれ、これからお話としても、どうなっていくか興味深いところではあり、これからが楽しみなアニメだ。
 お話もさることながら、エロやバカっぽさもあり、さらには戦闘でのアクションも期待できるとあっては、ヲタクを自認する者として気にせざるを得ない。
 上手いことバランスを配分して、最後まで行ってくれる事を期待している。

第弐話「裸体転生」

アクションは最初の3分少々かよ。

 そんな今回のお話は…
 空から舞い降りてきた少女は自らを”柳生十兵衛”と名乗った。
 襲い来る服部半蔵を一蹴する十兵衛。その力は圧倒的であり、古来より日本を守護してきた”剣姫(マスターサムライ)”とどう描くと言っても過言でないほどであった。  だが、戦いが十兵衛の勝利に終わろうとしたその瞬間、十兵衛はその場に倒れてしまう。
 好機とばかりトドメをさそうとする半蔵であったが、そこに現れた生徒会副会長、徳川千(千姫)に制止される。
 千姫の命で道場へと戻る一同。だが、目覚めた十兵衛は、先ほどの戦いで見せた姿とは別人のような女の子になっていた……。
 以上公式のあらすじ。……コピペしたい。

 お話としては上記あらすじ通りで、十兵衛はマスターサムライとしての十兵衛と普通の女の子の十兵衛がいるよーって事と、真田の風水で出た大日本を覆う影は十兵衛の事っぽいよねーということと、千姫の兄、徳川慶彦はなんか知ってるよねーという事を説明した、という感じ。
 まぁつまり状況を説明したわけで、正直に言ってしまうとさして今回としてインパクトと言うモノはなかったな。
 冒頭書いたように、強い十兵衛を見せるアクションは3分ほどしかなく、特におもしろい動きがあったわけでもなく、戦闘力五百万とか数字出したり、そんなのと戦ったら半蔵は骨も残らないとか台詞があった割には、それほど半蔵を圧倒したように見えなかったりで、むしろその後の状況を説明した事や、幸村と半蔵の小競り合い、そして十兵衛の裸(ら)がメインであったように思えて、アクション好きとしてはちと物足りないのであった。
 とまぁぶっちゃけあんまり書くことがなく、どうも徳川慶彦がラスボスっぽいよねーとか、それに十兵衛が関わってくるんだろうなーとか、その辺分かれば良いような内容であった。
 敢えてそれ以外に何か書くとすれば、戦闘シーンで十兵衛が、このアニメでこれでもかと出てくる落とした墨の跡のエフェクトを足場に、空中を走り回っていたのがなかなかおもしろい演出であった事くらいだ。
 後は女の子がワイワイやっているのを眺めて楽しんでいれば良かろう。みたいな内容だったなぁ。
 なんかこのアニメは、女の子が肌色見せる事の方が大事だぜ!と思っていそうで怖い(笑)。

 個人的には物語やアクションを期待しているんだがなぁ。
 裸(ら)も臆面もなくほいほいと出すくらいなら、ここぞという時に出してくれた方がエロくて良いと思うのだがどうだろう。
 なんかフツーに裸(ら)が出てくるので肌色に対してなんとも思わないんだよなぁ。


第参話「剣姫(マスターサムライ)の正体」

あれ?悪い人じゃないんだ。

 そんな今回のお話は…
 身体の一部に剣姫(マスターサムライ)の証拠である”しるし”を持っていた十兵衛。
 だが、剣術は素人以下、覚えているのは自信の名前と宗朗が”お兄ちゃん”であるということだけ。宗朗達は十兵衛が何者であるのか、計りかねていた…。
 そんな中、千姫は兄・徳川慶彦に追われている幸村と又兵衛を道場から追い出し、かわりに自分が十兵衛の監視役として道場に寝泊まりすると宣言。
 たじろぐ宗朗をよそに、次々と荷物を運び入れていくのであった。
 そして、十兵衛の事を一時保留した千姫は、宗朗に学園を脅かしている”神隠し事件”について話始め…。
 以上公式のあらすじ。

 お話としては、十兵衛は悪い人じゃないね、十兵衛の将は宗朗だね、徳川慶彦は何かしているよね、と言う話。端折りすぎ?
 まぁ、強くない十兵衛(以下マスターサムライの十兵衛と区別するために以降『十兵衛ちゃん』と呼称)の将は宗朗で、マスターサムライの十兵衛は悪い人とかと思ったら、むしろ良い人だったって感じで、そういった流れを含め、今ひとつどこが見所なんだかよく分からなかったよ。
 なんか十兵衛ちゃんの無知故の無邪気と、それにイライラしてる千を眺めていたような印象で、最後にあった戦闘までは実にほのぼのした感じであった。
 戦闘もせっかく幸村と又兵衛が颯爽登場!したというのに十兵衛はそのマスターサムライパワーで圧倒してしまい、彼女らの良い所はまるでないし、かといって十兵衛がぬるぬる動くアクションを披露したわけでもないしな。
 特に戦闘という事で言えば、アクションはこのアニメにおいてエロに次ぐ見せ場のひとつなのだと私は思うのだけど、どうもそうではないらしく、ここぞと言う所で筆線のエフェクトであったり、「気」がドカーン!だけってのはどうかと思うぞ。

 お話の方も、サブタイが「剣姫の正体」と言う割に、最後は「結局何も分からなかったな」で終わってしまうし、その通りに分かった事と言えば十兵衛はどうも悪いヤツじゃないみたいだという事くらいで、今回出てきた「神隠し事件」も前フリだし、徳川慶彦も何をしようとしているさっぱりで、物語の進展度は全くと言っていいほどない。
 でも十兵衛ちゃんが見た夢(?)を見るに、ミスリードを誘ってはいるが、どうも幸村の予言である「大日本を覆う影」ってのは、十兵衛と見せかけて、公式のキャラ紹介にある「柳生義仙」なんだろうな。と、一応物語を進める上での前フリはしっかり行ってはいるので、最後にゴタゴタとまとめる気はなさそうではある。
 ゴタゴタはともかく、今回の話の流れとしては、十兵衛ちゃんと十兵衛、そして千がどういった人間なのかを見せてはいて、とりあえず前回を含め主要キャラ10名の内6名を紹介した格好になっているので、「神隠し事件」の前振りもあった事だし、次回辺りから話は少しくらい進みそうだ。
 
 個人的にはもう裸(ら)は十分なので、お話進めていってもらいたいなぁ。書く事ねぇよ。


第肆話「ねぇ忠してよ?」

これくらいバカだとおもしろいなぁ(笑)

 そんな今回のお話は…
 ”十兵衛”は宗朗とキスを交わすことで剣姫(マスターサムライ)になる”───
 驚きの事実が判明すると、千姫は宗朗にむやみにキスをしないとうにと厳命を下す。だが幸村はこれを真っ向から意を唱えた。
 大日本を覆う影の驚異がある以上、宗朗のキスが剣姫を生むのであれば、その力を封印するのは間違いであると。
 そして、その事実を確認するために自分にキスせよと迫るのであった。
 しかし、千姫がこれを黙って見過ごすわけもなく、幸村と徳川生徒会の当たらな戦いが始まってしまう。
 そんな戦いの中、幸村の胸には暑い何かが生まれつつあった……。
 以上公式のあらすじ。

 お話としては、宗朗と幸村がキスをして、彼女がマスターサムライになるまでで、内容としてはキスする過程でのドタバタ劇だ。
 そんなお話なので、まぁ何がどうという事はないんだけど(笑)、キスするだしないだという割とどーでもいーことをおもしろ可笑しくするならば、冒頭書いたようにこれくらいバカでちょうどいい感じである。
 そもそも、どうも宗朗とキスしてマスターサムライになるのは、彼のことを好いていなければならないようで、自らキスしろと言ってきた幸村が、なんでかいつの間にか宗朗を好きってことになってしまっている。
 それまで特にそんな要素はなかったように思うのだけれど、今回のドタバタ騒動でそういうことに結構強引にしてしまっているのにもかかわらず、なんだかんだで恋愛経験値のない幸村がキスしようと奮戦するのを千姫が妨害するという楽しいドタバタを繰り広げている隙に、幸村は宗朗を好いているということをストンとはめ込んでしまっていて、よく考えてみれば「いつ幸村がそんなことを思うようなことがあったっけ?」と思うのだが、その楽しいバカっぷりが整合性の無さを覆い隠している間に話を強引に進めてしまっているのはある意味上手い。

 お話としてはそんなものではあるが、キャラクターを見せるという事では結構良く出来ていて、まぁ上記したように「いつそうなった?」というのはあるものの、幸村というキャラクターがどういう人物かを上手く紹介していると言える。
 ちびっ子の風体でありながら大人びた態度の彼女は頭でっかちな少女で、むしろ千姫よりも姫さま然としている彼女は、その体躯に似た子供らしさを持っているのがベタだが可愛らしく、それでありながら実年齢の思春期の少女らしさも持っていてそのアンバランスさがその手の趣味人(笑)としては良く、また、知将という設定ながら意外とどこか抜けていて、それでも姫様らしい尊大さが微笑ましい。
 それに比べ本職「姫さま」である千は単に宗朗が好きなわがまま娘という印象しかなく面白味に欠けるなぁ。
 やっぱ彼女はドMの半蔵がそのMっぷりを発揮してくれないと、今ひとつその設定が生きてこないので、ここはひとつ半蔵にはがんばってその変態っぷりを大いに発揮していただいて、千共々魅力を発揮してもらいたい所だ。

 と、お話としてはかなりベタなキスを廻るハーレムモノのドタバタで、面白味というものはそれほどでもなかったにせよ、これくらいバカなら見ていて気にならないので割と楽しく見れた。
 むしろ、こーゆー話のほうがこの物語の本懐なのかなと思ったが、せっかくサムライだなんだと言っているので、物語が差し迫った頃に良いアクションをしてくれることを、女の子の可愛さ共に期待していきたい。
 次回は直江兼続が登場か。どんなキャラクターか楽しみだなー。


第伍話「愛の戦士、登場」

まさか幼女の放尿プレイとは(笑)。

 そんな今回のお話は…
 突如、道場を襲う轟音。それは巨大なハンマーが門を破壊する音であった。
 そこにいたのは”愛”の文字が入った巨大なハンマーを携えた少女。幸村の幼馴染みでもある直江兼続であった。
 非常識な来訪者に唖然とする一同。これに対し、兼続は幸村の顔を観た瞬間、幼いころに幸村にされたひどいイタズラを思い出していた。
 だが、彼女がここへと送り込んだ生徒会長・徳川慶彦の命を思い出した兼続はぐっと怒りを堪えるのであった。
 しかし、幸村のあまりに横柄な態度にすぐにキレてしまう。
 幸村に襲いかかる兼続。だが、剣姫(マスターサムライ)となった幸村には全く歯が立たず……。
 以上公式のあらすじ。

 お話はあらすじとはちょいと趣が違う感じであり、流れとしては直江兼続がやってきてからのドタバタを含め、好きな相手とキスするという事を何となく真面目に語り(笑)、線画マスターサムライになるという話。
 サブタイで「愛の戦士、登場」と銘打っている割に、その兼続はあんまりメインではなく、どちらかと言えば幸村や千が宗朗スキスキみたいな話の方がメインではあるような気がするが、話としては新キャラの兼続登場と、そういったキス云々の話を上手いことまとめてありすんなり見ることが出来た。
 今回から登場の兼続は、愛の戦士と言うからには、漢気のあるカッコいいヤツかと思っていたら、田舎娘のアホの子であった(笑)。まぁ要するに、田舎者であるが故に純真である、という事を良い意味で言って「愛の戦士」であるとしているのは、キャラクターとしては引っ掻き回し役として特徴が良く出ていてなかなか良いのではないだろうか。個人的にあーゆーどこか抜けているアホの子は見ていて愛らしい。
 そんな兼続登場によって引き起こされ始まる今回のお話は、しっかり起承転結していて上記したように話としてはまとまっていて、兼続登場から、幸村・千・十兵衛ちゃんの想い、宗朗の将と男しての器、兼続と宗朗の決闘、好きな相手とキスをするとは、と色々あることを綺麗な流れで組み上げているのは見事で、ちゃんと兼続を引っ掻き回し的役割をさせつつ、それ以外が薄くならないようになっている。

 とはいえ、今ひとつメイン所がはっきりせず、特に兼続が良い所を持っていったわけでもなく、千のマスターサムライ化も全てであったわけでもないし、主役のはずの十兵衛は十兵衛ちゃんである以上はどうも影が薄いし、せっかくの兼続と宗朗の決闘も止め絵ばっかりでアクションがあったわけでもなくと、すんなり流れ過ぎたのが難点と言えば難点。
 ハーレム物のテンプレのような展開も妙にわざとらしい感じもあり、決闘のシーンも、宗朗が幸村が受けた痛み云々とか言って全く攻撃しないのも、すごく唐突過ぎて全体的に今ひとつ乗り切れねぇ。ちょっとウマくまとめ過ぎて味が薄くなってしまったような印象だ。
 どうせなら何かに突き抜けてしまった方がおもしろいような気がします。何かここって言うインパクトがあるといいなぁ。

 そういえば、毎回無駄に多い裸(笑)ですが、もう多過ぎてなんとも思わないですな(笑)。
 せっかくエロもこの物語を形作る要素としているんだから、「ああ、エロいなぁ」と思わせるようにすればいいのになぁ。そういった意味では、幸村と兼続の回想シーンは良かったんじゃないでしょうか。
 次回は「裸(ら)」が付き物の物語としては外せない、いわゆる「水着回」のようで、こういう時こそどこかへ突き抜けてバカで楽しい話になってくれるといいなぁ。

 しかし、大日本を覆う影とかの物語の核とする部分は話が全くと言っていいほど進んでいないので書く事ないなぁ(笑)。
 キャラ的に幸村とか、今回からの兼続とか好きなのでその辺で大いに語れば良いような気もするのだが、上記したようにハーレム物のテンプレ過ぎて、なんか「萌えたら負け」っていう気分になってしまうのはオレだけなんだろうか。どーでもいい?ですよねー。


第陸話「襲い来る、海の怪物」

幸村分かってるなぁ。
それはそれとして兼続がバカで良い。らめぇ(笑)。

 そんな今回のお話は…
 神隠しの首謀者が、生徒会長・徳川慶彦ではないかと疑う宗朗と千姫。
 二人はその真偽を確かめるべく、徳川幕府の全ての情報が集うデータサーバーが置かれている徳川家の別荘に向うことを決める。
 皆を巻き込まないようにと秘密裏に旅立とうとする二人だったが、あっさりと見つかってしまい結局、皆で行くことに。
 バカンスだという千姫の言葉に、プライベートビーチに到着するやいなや水着になって遊びだす十兵衛達。千姫も宗朗に水着を見せつけようとし……。
 そんな浮かれ模様の彼女たちを監視するメイド姿の兼続は、義彦から与えられたカプセルを手に一人ほくそ笑むのだった……。
 以上公式のあらすじ。

 お話は基本的に水着回でキャッキャウフフな感じではあるものの、ちゃんと物語の流れをしていて、徳川慶彦は怪しいよねーという事を説明している。とは言え、内容的にはそれだけで、基本的には兼続がエロくてバカやってる話ではある。
 それでもメインであるエロコメに終始しながらも、最後の戦闘ではマスターサムライ三人の連携攻撃で盛り上がりどころを作っており、一本のお話としては良くまとまっている。
 とまぁ今回のお話の感想としてはそんなもので、エロコメがメインなのはアクション好きの私としてはさびしい限りだが、そのメインとしているエロコメは、エロコメとして良く出来ており、また兼続のバカっぽさも相まって楽しく見させてもらった。
 兼続は引っ掻き回し役で十兵衛ちゃん、幸村、千の配役的にマスタークラスの連中と比べると脇ではあるのだが、彼女ががいなければ幸村と千のケンカくらいしか見所が無い分、兼続の役割は大きく良いアクセントになっているのではなかろうか。彼女がいなかったらこう楽しくはなっていないだろう。
 そんな兼続は今回エロコメのエロ部分を担当しており、風呂場でのエロ妄想はあまりにベタだが笑ってしまったよ(笑)。また慶彦の間者である彼女は自ら慶彦との繋がりを口走ってしまい墓穴を掘る様があまりにバカで愛嬌があって良い。
 個人的には「柳生」と「野獣」をかけて、「野獣宗朗」との言葉を思いついた兼続が、自ら「上手いこと言った!」とひとりごちてイヒヒと笑う様子がアホな子らしくてよい。自分で上手いこと言ったなんて言わなければいいのに、言っちゃう辺りのダメさがむしろ可愛らしい。きっとこんな娘が側にいたらいじり倒して遊んでしまうことだろう。それを狙ってやっているんだからその辺のキャラ設定はウマいこと作ってあるし、今回のメインがエロとコメなんだから、やっぱり今回は兼続が引っぱっていったと言っても過言ではないだろう。

 さて、今回は久々のような感じがする戦闘もありましたが、あいかわらずの良い部分を墨で誤摩化してしまうのだから、アクション好きとしては寂しい限りだ。
 無数の触手をかいくぐり動く愛の式神ちゃん(兼続談)の核だけに一撃を喰らわす、という作戦であるならば、せめて式神ちゃんがそう動いている様子を見せていただきたかった。
 しかし式神ちゃんに捕われた兼続を救うため、マスターサムライ三人が連携攻撃で式神のみを倒す件は見事な盛り上がりを作っているし、何より全体を通して、地下サーバールームから情報を引き出すのに幸村たちを巻き込むのはどうかと躊躇う千という所を、この戦闘で難なく収めている話の流れも良く、それがあっての今回のまとまりということを考えるとなかなか良く出来た話の構成具合と言えるのではなかろうか。
 しかし、一点気になったことがあって、それは兼続救出のための立案時に、十兵衛ちゃんが「十兵衛ならできるよ!」とか言い出すのである。
 十兵衛ちゃんは十兵衛になった時の記憶は無かったんじゃなかったっけ?なのに上記した式神ちゃんの核だけ狙うという難しい作業を「出来る」と言い出すのはおかしな話である。
 まぁそれは今後何らかのフラグになるのかもしれないが、これまでを見ているとそんなことはあんまり考えてはいないように見受けられるので、きっとお話の都合上なのであろうな(笑)。

 なんにせよ、今回の一件で兼続も慶彦に利用されていたことが分かったであろうし、彼女も宗朗ハーレムに参加することになるであろうから、今後のエロコメ部分をいっそう楽しくしてくれることだろうから楽しみではある。
 しかし、物語としては進んでいるようであんまり進んでいないよなぁ。まぁ物堅い敵に大掛かりな仕掛けがあるわけでもなさそうなんでこれでいいのかもしれないが。


第漆話「大日本を覆う影」

サブタイがあんま関係無いのだが……(笑)。

 そんな今回のお話は…
 別荘から戻った宗朗達一行。道場の犬小屋には兼続が眠っていた。
 兼続を叩き起こすと、兼続は犬小屋を拠点とし宗朗の動向を監視すると宣言。
 あまりにアホすぎる兼続が可哀想に思ったのか、何となく受け入れる宗朗たち。
 そんな兼続はさておき、宗朗たちは別荘から持ち帰った徳川家のデータのなかに不振な音声データを発見する。
 聞き覚えのない謎の声の主はなにやら外国語をつぶやいていた。
 その音声を解析した幸村は、その声が禁制の福音書の一文であることを発見したが……。
 以上公式のあらすじ。

 あらすじは、さも「大日本を覆う影」の事で今回が進んでいくふうに書かれておりますが、むしろそっちはさらりと流され、護衛役の自分よりも強くなってしまった千に思う所がある半蔵の方をしっかりと描いているし盛り上がりどころを作っている。
 「大日本を覆う影」の方は、相変わらず遅々として進まず、特にこれといった展開もなく、音声データが福音書の一部だと分かっただけでそれ以上はなにもなく、分かった事も少ないので覚えておけばいいだけの話だろう。
 それよりもメイン所は上記したように半蔵の方で、捻りは無いもののベダで熱い展開は良い。
 まぁいきなり見えないモンスターが襲ってくるという唐突感はあるし、マスターサムライとなり幸村他の友達も出来て、もうお役御免かと思っていた半蔵の回想は、彼女が命をかけて守ろうと誓うほどのエピソード足り得ない物ではあったが、半蔵が見えない敵に対し、自分を巻き添えに拘束し自分もろとも切ってくれと千に頼むシーンは見ていてやはり自己犠牲系の話はぐっとくるモノがあるな。あ、ちなみに半蔵の自己犠牲を回避するために千が兼続を使うのだが……バカとハサミは使いようである(笑)。
 その前に見えない敵をメガネで唯一捕捉できる半蔵に、宗朗とキスしてマスターサムライになるようにという展開があるのだが、見ていててっきり半蔵や又兵衛、兼続もそんな感じで次々とマスターサムライ化していくのかと思ったら、さすが半蔵はドM百合っ娘、宗朗とキスする事はなかったのは、劇中の台詞「私の将はおひぃさまだけです」でも分かるように、半蔵の千に対する想いがあって上記シーンに繋がっていく盛り上がりの作りも良いな。

 でもまぁ振り返ってみると内容的にはそれくらいで、アクションは相変わらずだし、本筋は進まないしで、それで「大日本を覆う影」のサブタイはないだろう。サブタイに偽りありとは正にこの事だ(笑)。
 どうせ半蔵メインであるならば、回想シーンももっと彼女が命に代えても千を守ると思うに至る事が分かるようなインパクトのある話にすればいいのに。
 ちょっと上級生に陰口言われたくらいで命かけて守るにはならないだろうよ。千が徳川の姫であるが故のしがらみをその立場から堪えていて、それを見た半蔵がなにも出来る事がないのを悔やんでとか、千が半蔵に対し中世を得るに足る二人だけのエピソードとかそういうのがあればもっと良かったのになぁ。
 しかしもう折り返し地点も過ぎたので、そろそろ次回辺りから本筋が動き出しますかね?

今週の自称愛の戦士・直江兼続
 兼続のバカっぷりがあまりに可愛いのでコーナー化してみましたよっと。
 今回も相変わらずのバカっぷりが愛らしい彼女ですが、見事に三枚目どころか四枚目五枚目な扱いがステキです(笑)。
 犬小屋を拠点としたからか、十兵衛ちゃんに捨て犬扱いされ、「ちゃんとゴハンあげるしお散歩も連れて行くから」と宗朗に頼まれているのを見て思わず笑ってしまいました。兼続はここでもっと怒ってもいいんじゃないか?(笑)
 今回の兼続は……というかこれまでもずっとそうでしたが、見事にバカ侍扱いな上に良い所無しでギャグ要員になっておりますが、なんか逆にそれが可愛くて、自分のバカっぷりに自覚がなく、妙に自信満々なのがバカな子犬を見ているようで愛らしいですよねー。
 又兵衛や半蔵はもっと活躍しても良いと思っているのですが、兼続にはこのままでいて欲しいです(笑)。


第捌話「忠の奴隷」

なんか直球でエロい人出てきた。

 そんな今回のお話は…
 徳川慶彦の思惑、そして謎の敵の襲来、柳生道場の訪れる危機に対応する為、幸村と千姫は、半蔵と又兵衛に宗朗とキスしマスターサムライになる契りを為替と命ずる。
 しかし乙女心がそうさせないのか、なかなかキスには踏み切れない。だが命令とあっては聞かぬわけにもいかず…。
 見かねた十兵衛は好きでない人とキスをするのはダメだと反対し感情が高ぶる。すると突然、夜空に青紫の光が広がる。
 以前にも見た光景、そう十兵衛が降ってきた時とおなじ光景…。
 そして宗朗の元に降りてくる眼帯をした全裸の少女。目覚めた彼女は宗朗とキスしようとすると…。
 以上公式のあらすじ。

 お話はあらすじにあるように、柳生義仙が唐突に降ってきて宗朗にエロいコトする話。うん、あんまり間違っていない気がする。
 珍しくサブタイの内容に触れた話ではあって、義仙が「侍と将の関係は奴隷契約と同じ」と言って自らを宗朗の奴隷と名乗りエロイ事をするのを、他のみんながどう論破するか、という事がメインではあるのだが、その辺の話は数分で終わってしまうし、何よりその義仙の考えを十兵衛ちゃんが指して説得力のないことを言って何故だか義仙が折れてしまう謎な展開。正直結構グダグダである。
 個人的にはむしろ又兵衛と半蔵がキスするかしないかという話で引っぱってくれた方がおもしろいように思えた。
 
 物語的にもおそらくは超重要人物であろう義仙がどう登場するか楽しみにしていたのだが、あらすじにあるように突然で唐突であり、見ていて「なんじゃい」と思ってしまったが、その辺は十兵衛と義仙がどこから来たのかという所へ繋がっていると思うので、良いと言えばいいのかもしれないが、これまでそこら変の事は全く見えてきてないので、やっぱり唐突なもんは唐突であったりする。
 義仙というキャラクターとしては、これまでの奴らと違って直球なエロスを押し付けてくるし、なにより上記した「侍と将の関係は奴隷契約と同じ」といって憚らない彼女の様は悪者っぽくて良い。
 ここまではなんとなーく徳川慶彦が悪いヤツなのは分かるんだけど、直接何かを仕掛けてきたわけでもないので、宗朗達の敵が薄ぼんやりとしていたが、ようやく敵っぽい人が現れたのは物語として良いだろう。しかし、8話でこんな悠長な事しているんだけど、ちゃんと1クールで終わるのかしらね。ってゆーか1クールなのかしら?
 なんか最後にドタバタと締めにかかりそうでイヤだなぁ。

 さて、「百花繚乱 サムライガールズ」と言えば「肌色衝撃!」とCMで言っているので(笑)、なんやかんや言ってもこのアニメのメインはエロスなのである。
 何せ公式HPにも「忠(チュウ)するアニメーション、チバテレビ他U局系にてハァハァ放送中!」などと書いてあるのだから間違いない。
 ちなみにその下には「縦横無尽!豪華絢爛!美しい国・大日本を揺さぶるサムライ美少女アクション、ここに開幕!」などと書かれているが、こっちは看板に偽りありだな(笑)。
 まぁそれはともかく、これまでのエロスは自然を装って不自然に乳なりケツなりを見せ、むしろその装っている所が逆にあざといわ!と思い、なんかエロさを感じなかったが、そこへ来ての義仙の直球ど真ん中ストレートのエロスはエロをエロスと捉えていてエロいなぁと思ってしまった。まぁそんなんばっかりだとそれはそれでどうなんだと思うわけですが、その辺エロスもメリハリが大事だという事ですよね。何かにつけておパンツ見えていたら、そらそのうちなんとも思わなくなるわ。
 まぁ義仙という所では、他の奴らがサムライがどうこうとか、大和撫子云々と乳やぱんつ見せながら言うところの対局として、彼女らとは全く逆のそのストレートなエロスはそれを表していて物語として上手くキャラ付けしてあると言える。
 このアニメ、節々ではいい所出しているんだけどなぁ。どうも話が散漫としてるような気がするのよね。

今週の愛の戦士・直江兼続
 相変わらずの扱いっぷりで、今回は無視か(笑)。劇中の奴らが言うほどウザくないと思うけどなー。
 彼女は彼女なりにがんばって、そして見事にすべっている(笑)のだが、それでも全くめげる事がないのが可愛い。バカな子ほど可愛いとは良く言ったものね(笑)。


第玖話「将の帰還」

なんか中二っぽいな(笑)。

 そんな今回のお話は…
 生徒会長・徳川慶彦の大日本帰国まで一週間と迫り、幸村と千姫は焦っていた。
 半蔵と又兵衛が宗朗とのキスの契りを躊躇しマスターサムライ化できず、具体的な案も無く、また、新たな厄介者・柳生義仙にも手を焼いていた……。
 そんな矢先、宗朗の姿が見当たらない。どうやら義仙に連れ去られてしまったようだ。
 義仙はキスがダメなら身体の契りをと宗朗に迫り、手練手管の限りを尽くし宗朗を籠絡しようとするが宗朗に断固拒否される。
 すると義仙は最終手段を使う事に……。
 十兵衛たちがやっとのこと宗朗を見つけるが、なにやらいつもと様子が違うようで……。
 以上公式のあらすじ。

 いつもと違って今回はエロ要素の方が少なく本筋が随分進行し、ミスリードさせていたのは意外であった。
 話としては、サブタイ通り徳川慶彦が大日本に帰国し……という話ではあるが、ラスボスと思われていた慶彦がラスボスを語るという内容なのだが、単純にラスボスVS大日本という構図ではなく、三つ巴の様相を呈してきた。
 本筋のあらましとしては、「大日本を覆う影」は慶彦ではなく天草四郎、義仙はその尖兵であった。3年前に復活した天草と差し違え、現存するマスターサムライはいなくなり、慶彦は大日本を守ろうと人工的にマスターサムライを作る計画である「イザナミ計画」によりマスターサムライの家系の女子を攫っていた。そのイザナミ計画の先駆けがダルタニアンであり、彼に捕われた十兵衛ちゃんと宗朗はマスターサムライ量産化のための被検体になってしまった。
 というのが今回のメインどころであり、ラスボス天草と大日本を守るために非人道的な計画を遂行する慶彦、そしてメインキャラクター達という三つ巴のパワーゲームになったのは意外であった。
 その辺はここまでエロコメで押し進めてきた事もあり「どーせ捻った事はしてこないだろう」とタカをくくっていた私のミスリードを誘った点は上手くやったと言えるが、分かってみるとこれはこれで結構中二っぽい展開ではある(笑)。
 今回の戦闘はまさにそんな感じで、対して動きもせず必殺技(?)の応酬はこの歳になると見ていて恥ずかしい気がしてしまうな。
 話の内容としては、上記ラスボス天草とイザナミ計画が分かれば良く、正直ラスト5分を見れば事足りるのではあるが、まぁ物語の展開としては、そのまま真っ直ぐ行くかと思わせておいての変化球に見事にハマってしまった格好ではあり、これからどうするかを気にさせている点は良かった。

 ラスボス天草については、以前福音書のフラグを立てていた事もあり唐突感を感じさせず天草の存在を出したのは良いのだが、なんか展開がSNKの格闘ゲーム「サムライスピリッツ」みたいだと思ったのはきっとオレだけではないだろう。なので目新しさというか意外と思う事は全く無かったが、今後天草をどう使ってくるかは楽しみではある。
 物語としてもエロコメが終わり本筋メインで進んでいく事だろうので、これからどうなっていくか読めなくなっておもしろくはなってきた。
 まぁ結果としては十兵衛たちが天草やっつけることは分かり切ってはいるんだけど、どういう過程でそうなるようにするのかは腕の見せ所だな。
 でもなんか、あんま大した事しなさそうな雰囲気なんだよなぁ。残りあと3、4話で上手く折り畳んでくれれば良いけど。

今週のチーム愛戦士のチームリーダー・直江兼続
 無視の次は気絶タイムか。コイツは一体いつ活躍するというのだろうか(笑)。
 宗朗と義仙がいなくなって皆が探すシーンで、何か知っていると思ったら、新たなる住処「ロフト」の下見とか言うし、慶彦の部下にあっさり気絶させられるしで、兼続がこれから物語の本筋において、何かしら活躍する場が与えられているか不安になってきましたが、まぁそれはそれで「兼続らしくていいかも」などと思ってしまいました(笑)。
 そもそも兼続は気絶していたから、今回のメインどころの話を聞いてないからなぁ。きっと幸村にいいように使われるんだろうなぁ。
 まぁ、そーゆー所がバカで可愛らしいんだけど(笑)。

 どーでもいーけど、色々あったような気がするけど、書く事あんまりないな(苦笑)。


第拾話「魔眼の牢獄」

おお、なんかそれっぽい。

 そんな今回のお話は…
 慶彦に捕われてしまった宗朗と十兵衛、千姫。
 そして、幸村たちもまた柳生道場に軟禁状態となっていた。幸村たちに、慶彦の進める”イザナミ計画”について、そして幸村たちの処刑命令について語るダルタニアン。
 これを聞いた幸村は自らの身よりも宗朗の身を案じ、涙ながらにダルタニアンを問いつめるのであった。
 その姿に処刑を一時中断するダルタニアン。だが、彼女が何かに思い悩むその隙をついて幸村たちは脱出に成功する。
 そして、宗朗の居場所を探るため、強い繋がりをもつ将と剣姫同士だけが使えるという秘術”波動霊視”を行った幸村は宗朗の心の中に潜入する事に成功するが、そこには義仙の姿が……。
 以上公式のあらすじ。

 お話を簡単に説明すれば、義仙の術で寝ている宗朗を千と幸村が起こす、という話。簡単過ぎますか?まぁ、行き着く先はそうなんですけど、そこまでに色々あって中二っぽい話の展開はなかなかおもしろい。
 宗朗と十兵衛の復活が今回の目的ではありますが、内容としては「サムライとは?」「将とは?」という所を描いており、宗朗の救出の中で、又兵衛・半蔵が幸村・千と、幸村・千が宗朗と将とサムライの絆を見せつつ進んでいくのに対し、イザナミ計画という非人道的な行為でもって大日本を守ろうとする慶彦を対極としてみせており、先に述べた問いに論戦を繰り広げる。
 まぁあからさまに悪役的である慶彦とメインキャラクター達というのがありますので、サムライは将を守る盾、将の力は全てがひれ伏す力だという彼に、将とは人々を魅了し、束ねて信頼を深い絆を得る者であると、なんかそれっぽい事を言って返すわけですが、それだけだと考え方の違いで平行線であるのだが、大日本にマスターサムライが出現しないのは、マスターサムライの資格を有するサムライがいなくなったのではなく、将足り得る者がいなくなったのだとなったので、メインキャラクター達が慶彦をひっくり返した感が出ていていい。
 また、サムライを盾などという慶彦に対し、幸村たちが自らを省みず将である宗朗を想う彼女らに触れたダルタニアンが、慶彦の命に背いたこともひっくり返した感に一役買っているのと同時に、慶彦の悪役っぷりを際立たせている点も見事だ。
 とまぁ褒めてきましたが、中身としては「こんな感じになるんだろうなぁ」と思った通りに進み、衝撃の大どんでん返しがあったわけでもなく、メインキャラたちがそれっぽいことを言って悪役を凹ますという中二っぽい展開であり、十代くらいの若い人たちなら燃える展開であるのかもしれないが、この歳になるとこーゆーのは見ていて結構こっ恥ずかしい(笑)。
 どうせならとことん勧善懲悪してくれれば、そういうストレートさを分かって見るのだけど、なんか変に論戦ふうにしてあるし、戦闘は技の応酬という子供っぽさが全体的に中二っぽく、まぁもっと簡単にいえばちょっとひねくれた勧善懲悪が子供でもなければ大人でもない思春期っぽい青臭さを感じてしまって微妙に乗り切れんな。
 とはいえ、宗朗の道中に又兵衛・半蔵がいわゆる「ここは俺に任せて先に行け」的展開であったり、ボスその1である慶彦を凹ます論戦的な展開であったりは、そのストレートさは物語の後半としての盛り上がりを作っていてなかなか良い。のだけど、やっぱり中途半端で、論戦の方はまぁ良しとしても、又兵衛・半蔵の方はどうせならもっと見せ場があっても良かろうと思う。この二人はこれまで特に戦闘という所でも見せ場がなかったから、ここいらで良い思いさせてあげてもいいのではなかろうか。

 物語としては上記流れの中で、ラスボス天草復活のための準備を着々としており、終劇に向けた話の構築としては良く出来ている。
 今回としては、まず捉えられたメインキャラクター達というのがあって、将とサムライとはという事から、脱出劇、義仙に精神を捕われている宗朗、救出劇、悪役との論戦、ダルタニアンの想いと反乱、幸村と千の想いがあっての宗朗の呪縛の解放と、とりあえずの宗朗の救出という話には、将とサムライの関係や、徳川家の将軍としての慶彦という人物とその行動を織り込んであり、それらは物語の目的である大日本を覆う影の討伐に内容されている格好になっていて、各々が話としてバラバラに物語上に存在しておらず、本来の目的が丸め込んでいる形にしてあるのは良く作ってあると思う。
 個人的なことを言えば、物語前半のお色気コメディなんぞはいらんので、最初っからこんな格好で進んでくれれば良かったのにと思わずにはおれん(笑)。
 まぁ基本的に「何かにつけてエロい」が根底にあるんだから仕方ないのかもしれないが。

今週の愛戦士・直江兼続
 前回こいつに見せ場はあるのか?という話をしたらあったじゃないですか、見せ場。ほんの数秒でしたが(笑)。
 でもシリアスな雰囲気を壊す役目としては健在で、場にそぐわないアホっぷりは愛らしい。
 個人的には「ここは俺に任せて先に行け」な又兵衛に巻き込まれてしまった兼続がらしくて良い。愛用のハンマーがでか過ぎてエレベーターに入れなかったからなんだが、ハンマーを縦にすればエレベータに乗れるのに、それに気付かないあたりのバカっぷりと巻き込まれ体質がステキだ。
 だからこそ、又兵衛・半蔵とともに、その「ここは俺に任せて先に行け」的展開で、その場を死守する彼女らを見たかったなぁ。
 もう彼女らに見せ場があるかどうかわからないからなぁ。ここまで全く良い所のなかった兼続にはせめて戦闘で良い所を見せていただきたいのだが、はてさて。


第拾壱話「仏蘭西から来たサムライ」

クライマックスな感じがでています。

 そんな今回のお話は…
 千姫と幸村の心からの声が、宗朗にかかる義仙の精神呪縛を解き放った。
 目覚めた宗朗は徳川慶彦に、天草に対抗するため、自分達が協力すべきだと訴える。しかし提案を一蹴する慶彦。
 兼ねてより進めていたマスターサムライを人工的に作る計画”イザナミ計画”が成功した慶彦は、宗朗たちを不要と排除するのであった。
 宗朗を守るため、慶彦の前にたちは黙る十兵衛。そしてダルタニアンもまた慶彦を守るため剣を取る。
 激しい戦いを繰り広げる二人のマスターサムライ。だが、そのとき、義仙の天草復活の宣言とともに、学園塾は霊的エネルギーによって包み込まれようとしていた……。
 以上公式のあらすじ。

 お話は前回から引き続きの宗朗たちと慶彦に天草復活を織り込んであって流れとしては良く出来ている、が、やっぱり中二っぽい(笑)。
 展開的にも、まぁそんなこったろうなぁと思う所から出て、想定外に発展するわけでもなく、この歳になるとあんまり思う所がないな。私としては最後はどうやって締めるのかなーくらいの興味しかなかったりする。
 さて、今回としましては、基本的にサブタイ通りダルタニアンを通しての慶彦との関係を描いており、大日本の安寧を任されているが故の孤独とダルタニアンの愛を、マスターサムライ同士の激突を通し表していて、お話の見せ方として上手く作ってある印象。
 これによって慶彦の非人道的なイザナミ計画や、人を人と思わないような行動に理由をつけ、またその彼の行動を非難しつつも、それが将軍であるからこそくる孤独である事を理解し、彼の盾となるダルタニアンの愛を最後にようやく理解する慶彦は、元々はそんなヤツではなく、正義感あふれる仏蘭西のサムライが惚れる男だという事を示すと共に退場させてしまう辺りのドラマは、それまで慶彦が見事な悪役を演じていただけに印象に残るシーンとなっている。
 それに加え、慶彦か退場したことで、これまで話に付随していた天草と義仙の事が入れ替わるように本筋となって、物語の本来の目的に向わせているのは話の作りとして良く出来ていると言っていい。
 まぁ個人的なことを言えば、これが出来るのなら最初の方のエロコメ止めて、ずっとこんな感じで進んでいって欲しかった所ではあるな。

 と、お話と展開としては良く出来ていたのですが、謳い文句である所の「サムライ美少女アクション」としては寂しい限りで、せっかくの剣劇ものでチャンバラがおもしろくなくてどうするという話だ。
 技名を叫んでエフェクトがミョーンと伸びているだけではアクションもなにもあったもんじゃない。それに加え、なんか「将」として覚醒しちゃった宗朗がそれを吸い取っちゃうしなぁ。そういう所が中二っぽくて嫌だ。どうせ刀を使うんなら、接近して切り合って欲しいんですがね、私としては。
 このアニメはそれを全て墨エフェクトでまとめちゃっているので、正直これまでアクションらしいアクションはしてないよなぁ。看板に偽りありとはこの事だ。
 せめて第壱話のアバンタイトルくらいの事はして欲しいが、次回からはようやくラスボスとの戦闘なので、それくらいはやってくれるだろうと期待はしているが、はてさて。

 そんなわけでこのアニメ残り後と1回か2回。本筋かエロコメかの比重がちょっと中途半端だったなぁ。本筋もっとがっちりやっていけばもっとおもしろかったかもしれないのに。


第拾弐話「さよならの忠」

なんかすごくそれっぽく終わった。

 そんな今回のお話は…
 霊的ネルギーの決壊に包まれた武鷹学園塾。
 結界の内部では、強大なブロブが群れとなって蠢き、学園に取りついた繭はその大きさを次第に増していた。学生達の恐怖が天草に、義仙に力を与えていたのだった。
 一方、真の将に覚醒した宗朗は、改めて十兵衛達と契りを結ぼうとしていた。
 だが、十兵衛は真の将との契りによって”自分2という人格は消え、”柳生十兵衛”の人格だけが残ることに気が付いていた。葛藤する十兵衛。
 しかし皆を救うため、宗朗と契りを結ぶ決意をする……。
 今ここに大日本をかけた侍と将の闘いが始まる!!
 以上公式のあらすじ。

 お話としましては、みんなの想いで義仙をぶっ倒すぜ!という内容。端的に言えばね。

 最終的に、消えた十兵衛ちゃんと十兵衛が合身して自己犠牲の上で義仙を倒し、とりあえずの天草復活を阻止し、散った十兵衛を想いそしてさって郁美撫で終わった。  展開としてはクライマックスらしく、熱い少年誌的展開で進んでいき、最終的に憎む思いの天草・義仙を信頼と絆の宗朗・十兵衛が打ち破り、義仙と十兵衛は消滅し、天草の行方は杳として知れず、一連の事件が始まりなのか終わりなのかスッキリしないながらも、義仙の百年後、千年後必ずまた蘇るとの言葉に、大日本に侍と将がいる限り我々は恐れないと言い切って事後を未来へ託し、序盤にエロコメをやっていたアニメとは思えないくらい、しっとりした終わりを迎えている。
 一番謎であった部分、十兵衛はどこから来たのかという事も、天草が復活するために、偉大な侍二人分の生気が必要として天草が転生させたと説明があったのは良かったが、義仙が天草に心酔しているのに対し、十兵衛がそうでない理由は語られておらず、その辺は残念であった。
 だが最終回としては、上記したように少年誌的クライマックス展開でベタベタではあるものの熱い展開は見ていて気持ちよく、いわゆる「世界の存亡を賭けた闘い」を演出しており、そういうのが好きな人は熱く燃えるだろうが、まぁそれはティーンなエイジを対象としているであろうことを考えて良いだろう。年寄りとしてはなんかいろいろどこかで見たような展開であるなぁと思わざるを得ないが(笑)。
 残念なのは戦闘がほぼV-MAX状態であったことで、看板である美少女サムライアクションと言うにはちと寂し過ぎることか。
 まぁでも物語の終わりとしては、日曜朝8:30のアニメのクライマックスみたいなことをやっていながら、ラスボス倒してハッピーエンドというあからさまで安易な終わりではなかったのは良いだろう。

 さて、最後なので全体的な感想としましては、この最終回のような感じでずっと行ってもらいたかったかなー。
 正直エロコメが必要だったようには感じられない。むしろエロを押し出した所為で妙な感じである。
 まぁそれは、十兵衛ちゃんと十兵衛のふたつの人格に分けたからであるが、それがこの物語のポイントでもあるので難しいところ。しかしそれ故にどうも中途半端な感じになってしまったとも言える。
 基本的に「エロ」と「聖戦」は結びつかないのでこの二本の柱が独立してしまう。本来ならば二本を一本となるのが良くて、最終的に見せたいもの、一番言いたかったことが見えてくるのだが、結びつかないので「エロ」と「聖戦」のどちらを見せたかったのかはっきりしないのは残念。
 そういうことを考えると、まぁ美少女ばっかり出てくるわけだから、どちらも見せたかったのでしょうけど、どうせならどちらかに突き抜けてしまった方が楽しく見れたかもしれません。
 個人的にはアクション好きという事もあって期待していたのだけど、期待した所はほぼなく、せっかくいる女の子も又兵衛・半蔵・兼続・ダルタニアンは居ても居なくてもいいような扱いだったのもしょんぼりな感じである。
 そんな非常にオタク的なアニメであったので、個人的にはあんまり人にお勧めできるものではないが、おっぱいとかぱんつとか世界の存亡を賭けた闘いとかが好きなティーンなエイジというか中二な人は見てみると意外と楽しめるのかもしれません。
 まぁ正直言うと、いい大人が見るようなアニメではなかったかなぁ。という気がしないでもないです。きっと、すげーつまらねぇという人と、それなりに楽しむ人でくっきり別れるんじゃないですかねー。
 私としては、ホントそれなりに楽しみました。せめて各キャラに見せ場とアクションがあればなー。


[indexへ] [かんそーへ]