閃光のナイトレイド 1〜13話

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第1話「救出行」

なんとな〜く、な感じ。

そんな今回のお話は…
魔都と呼ばれた1930年代の上海。
雑多な人種や国籍、階層、さまざまな人々が入り乱れる混沌とした、だがエネルギー溢れるその街で、日本人の財閥が誘拐されるという事件が起こる。
駐留する日本軍との武器取引を目論む地方軍閥の仕業らしい。人質を救出すべく、軍閥の本拠に潜入する四人の若者たち。
葵、葛、棗、雪菜、とそれぞれに花の名を冠し、桜井機関と呼ばれる諜報機関に属する彼らは特殊な能力を持っていた。
以上公式のあらすじ。

お話的には、桜井機関と呼ばれる諜報機関に属する4人が人質の救出任務にあたっており、彼らの特殊能力を披露する、という話。
なので、物語として何かをがっちり説明したわけでもなく、なんで徒手能力を有しているのかとか、桜井機関がなんなのかとか、そーゆー説明的なことは一切なく、物語の雰囲気を紹介するPVのようであった。
と書くと否定的だが、私としては興味深く見たし、なんだかよく分からないことが、これから分かるようになっていくはずなので、その辺を気にさせる作りが上手いと思う。
私としては、なんで特殊能力を主要キャラ4人が有しているか分からないことと、その特殊能力に制限を設定してあるのが良い。
いわゆる超能力な彼らの能力だが、困ったときのスーパー必殺技で困難を解決ってのはまぁいいんだけど、諜報機関である彼らが普通の人より多く遭遇する危機に際し、能力を使用できない状況が産まれることによって、
彼らが絶対無敵のスーパーマンでなくなっているのが良いし、制限のある能力を、話の中のどこでどう使用し、色々な局面を切り抜けるか、という所で興味を引かせているのだから見事だ。
物語的にも今回は、4人の超能力者が軍に属して諜報活動を行ってますよ、という事を紹介しただけなので、この物語が今後どう展開していくかも気になる所で続きが気になります。

と、いうわけで今回はさほど書く事ないんだけど、とりあえずは期待して見ていく所存です。
どーでもいーんだけど、主役「葵」の能力って、時計をしきりに気にしていたので時間をなんやする能力かと思ったら、使える能力はサイコキネシスで、使える時間に制限があったのね。
てっきり時間を操作できる時間が決まっているのかと思ったよ。

第2話「回想のロンド」

割と落ち着いた感じ。

そんな今回のお話は… 演奏旅行で上海を訪れたユダヤ人ヴァイオリニスト、クライネフ。
彼が某国の諜報員だという疑いがあり、その証拠を掴むため行動を起こす桜井機関の四人。
クライネフの握っている情報を能力で探ろうとする葛と棗。
雪菜と葛はヴァイオリンを教わるという口実で彼に近付くがやはり情報は簡単に掴めない。
そして演奏会当日、ヴァイオリンの音色は葵や雪菜たちそれぞれの過去を浮かびあがらせるように響き始める。
以上公式のあらすじ。

 というのも、前回のように派手にミッションインポッシブルみたいな事(映画見てませんけど/笑)をしたわけでもなく、基本的に今回は、ドイツの諜報員かもしれないヴァイオリニストを調べるメインキャストらの行動と、彼らの過去の一部を紹介するという話。
 なので、スパイものの派手さという所はないのだが、一つのお話としては上手く落ちているし、上手く次回へ引っぱっている。
 ユダヤ人である事と見事な記憶力を持つが故に、やむなくスパイをしているクライネフに、特異な力があるが故に人の運命が変わるという部分で、メインキャストとの事をだぶらせて、ただ単に葵らがスーパーマンでイエー!ってだけではなく、一人の人間としてその能力が故に持つ過去がある事を見せていて、むしろ能力で得している事の方が少ないのではないかと思わせる。
 そういうスーパーマンとしてではなく、彼らが一人間である事をうまく見せているように思う。

 お話としましては、今回はドイツのスパイであるクライネフの事よりも、雪菜のいなくなった兄の話としての前フリの様であった。
 菜のいなくなった兄というのがあって、このお話があり、彼が得た情報とその後の行動が今後の物語を引っぱっていきそうだ。
 今回のお話としてはそんなものだが、気になった所としましては、葵らが属する「桜井機関」とやらは、夏目の回想から見て、どうやら軍属ではなさそうなのだが、だとして、彼らと話すあのメガネのおっさんは何者なのか、また「桜井機関」はそういう立ち位置なのかが気になる所。
 まぁ、その辺は追々分かってくるであろうので、次回以降に期待だ。


第3話「ビッグフォーに影は落ちる」

さぁ〜て、今週のスパイ大作戦は?(サザエさん調で)

 そんな今回のお話は…
 ビッグフォーと呼ばれた上海の四つの大きなデパート。その一つ、永安デパートの食堂に雪菜と棗がいた。
 数時間前、雪菜の許に大陸に姿を消した兄、勲からの手紙が届き、指定された再会の刻限をそこで待っていたのである。
 同じ頃、葵と葛もビッグフォーへ向かっていた。四つのデパートのどこかに爆弾を仕掛けたという犯行声明が届いたというのである。
 直後、予告通り、そのデパートの一つで大きな爆発が起こる。
 以上公式のあらすじ。

 内容としては、雪菜の兄は葵らと同じ能力を持った者を配下に置き、なんかしようとしているといった事が分かれば良い。
 今回のお話としては、上海の四つの大きなデパートを爆弾テロを起こそうとするのを止めるというお話。
 葵らが爆発の阻止に成功する事は展開的に分かりきっているので、見所としてはそこではなく、同じような能力を持った敵がいて、その親玉が雪菜の兄らしい、という事が今回の言いたい所なんだろう。  というわけで、特に……何もないな(笑)。
 能力バトルのアクションが特に良かったわけでもなく、お話の展開に何か捻った所があるわけでもなし、爆弾云々のタイムリミットがどうこうとかもないしで、こう、なにかドキドキするような何かが全く無かったな。
 一応仕掛けとしては、爆弾を守っているのが三人と思いきや、能力を持った一人だったということもあったが、個人的にはむしろ敵が能力を持っていない方が良かったような気がしますな。
 能力は主役らの個性と繋がっているし、その能力を使って一見不可能な特殊活動などなどをしていくところがおもしろいと思うのだがな。
 敵も能力を使えるのであらば、大きな括りとしたら週刊少年ジャンプの能力バトルマンガと同じになってしまう。
 制限がある能力を使ってどう事を有利に進めるか。相手を出し抜くか。を、個人的に期待しているんだけどなー。
 敵が能力を使えるんなら最後の方で出せばいいのにと思ったよ。

 そんなわけで、今ひとつ物語に乗り切れんなー。
 なにか感情移入できる何かが欲しいところなんだけど、それがなんなのか自分でもよく分からなかったりします。
 もう一つ何かが足りない気がするのよね。


第4話「カメラと包子(パオズ)と野良猫と」

閑話休題的なお話。

 そんな今回のお話は…
 ライバル店が精巧な食品サンプルを店頭に展示して大繁盛。
 対抗心を燃やす風蘭に、メニューに載せる食品写真の撮影を頼まれる葵と葛。強引な風蘭の押しにやむなく引き受ける二人。
 だが、葛と葵の息が合わずに撮影はなかなか上手く進まない。
 そんな時、他の顧客の依頼で撮影した写真のフィルムが無くなったことに気づき愕然とする葵。
 手分けしてその写真の行方を捜す葵と葛だが、二人の息はここでも合わず・・・。
 以上公式のあらすじ。

 話としては、葛と葵は対照的な存在で、それ故トラブルもあるけれど、だからこその強みがある事を見せるお話で、風蘭に頼まれた写真のフィルムが無くなり、それを追っかけってという割と良くあるドタバタもの(?)。
 そんななので特に私としては何もなく……、なんというか、まぁとにかくよくあるお話なのである。
 水と油とはいかないまでも、軽い葵と真面目な葛、なかなか相容れない性格のふたりが、口喧嘩しながらもなにかをこなし、最終的に第三者が「なんだかんだでいいコンビよね」といって終わるホントよくある構成で、面白味という所を私としては見いだせなかったな。
 もしかしたら今回のお話の中に、今後に続く何かしらのフラグがあったのかもしれないが、それもあったのかどうか分からないし、この物語のキーポイントの一つである能力も使わなかったしで、葵と葛の関係を紹介したくらいの内容にしか思えなかった。
 それも今回初めて分かった事柄でもなく、これまでを見ていて分かる事なので,正直このお話はいるのかなと思ったよ。
 どうせなら毎週スパイ大作戦みたいな事をしてくれた方が面白いような気がします。まぁ、その辺好みですが。

 どーでもいーですけど、この物語の中で主要キャラ「雪菜」はビジュアル的に結構お気に入りだったりするんですけど、声がすごい浮いているなぁと思っていたら、中の人「生田善子」さんは声優初挑戦なんだそうな。
 ああ、どうりで素人ぽかったり口パクとあってなかったりするわけだ。
 まぁでもせっかくなんで、がんばっていただきたいですな。まだ若いし。などとおっさん的発想をしてしまうのであった(笑)。


第5話「夏の陰画」

地味に面白かった。

 そんな今回のお話は…
 葵が撮影した集合写真に写っていた男の姿。それは葛の旧友、西尾だった。
 何故か西尾に固執し、その行方を追っていた葛は自分も尾けられていることに気づく。
 追っていた女、愛玲もまた西尾の姿を追い求めているらしい。
 そんな彼女に巻き込まれる形で、国民党の諜報機関に捕らえられてしまう葛 。
 国民党が追っている相手もやはり西尾だった・・・。
 一体、西尾とは何者なのか? 灼けるような夏の日差しの下、葛はその影を追い続ける。
 以上公式のあらすじ。

 最初見た時は、どうも薄ぼんやりとしか分からなかったが、この感想を書くにあたってみ直してみると分かる事が多かった。
 そんなお話は、旧友西尾を偶然葵が撮影した集合写真の中に見つけた葛が、一目会おうと西尾の行方を探るが……というお話。
 写真を頼りに西尾の行方を調べて行くうち、情婦のアイリンと出会う葛であったが、国民党の特務にアイリン共々捕まってしまう。
 そこでリンチを受ける中、西尾が共産党のスパイで国民党に入り、金を着服した事が分かる。西尾は共産党員になっていたのだ。
 桜井機関が国民党と取引し、葛らは解放されたが、西尾には関わるなという事になってしまう。
 葛的な観点からすると、ここまでが前フリである。
 桜井からも西尾に関わるなと言われたのにも関わらず、葛はアイリンを尋ねに行ったりし、何故そうまでして西尾を追うのか?
 追うというよりは、こだわっているように思えるのだが、初見ではそれが今ひとつぼんやりとして分からなかったのだが、アイリンの部屋での会話や、せっかくの再会だというのに、二言三言、言葉を交わして終わる西尾と葛、再開後にアイリンの部屋をこっそり見に来る葛、アバンと西尾の最期で分かる葛との共通の足の傷を改めて見るに、葛は劇中あったように、ただ単純に旧友に会いたかったというだけであるのだが、アイリンとの話にあった腕の傷や、最後に分かる葛との共通の傷でも分かるように、西尾という男は、それが計算づくかもしれないけれど人を魅く。アイリンも葛も彼に魅かれた、アイリンは女として、葛は竹馬の友として。
 それだけであったのだが、西尾は劇中アイリンの台詞にあったように、激しくて熱い夏のように彼らから去って行ってしまう。
 それ故、去ってしまった夏を惜しむかのように、彼らの心に西尾を強く残ったのであろう。
 アイリンが西尾に魅かれているのは劇中よく分かるようになってはいるが、葛に関しては西尾が暗殺され、彼の足に葛と同じような傷がある事でようやく分かる。
 傷の事もあってアイリンが自分と同じく西尾という男に魅かれた身として、思う所があったのであろう。
 それは、やっと会えた西尾と会話でアイリンが待っていると伝えた後、彼女の部屋を見に来る事でも分かる。
 ひょっとしたら西尾はただの一時でも、彼女の所へ戻ってくるのではないか、そうあって欲しいと思ってのあの短いシーンだろう。
 しかし彼は戻らず、暗殺されて話は終わりを迎え、西尾は彼らの前に姿を現す事はもう二度と無くなったこととなってしまう。

 そんな寂しいような侘しいようなお話と、いつもクールな葛がこだわりを見せるなぞの男西尾とその女アイリンのミステリーと、冒頭にも書いたが、何か派手なアクションがあるでもない地味な展開ではあるものの、なかなか面白いお話に仕上がっておりました。


第6話「乱階の夜」

なんか盛り上がりに欠けるんだよな。

 そんな今回のお話は…
 上海在住の日本人哲学者、三木の邸に書生として潜り込んでいた葵。
 そこに右翼の大物と目される老人が訪れる。二人はアジア各国の独立運動家を上海に極秘裏に集めようとしていた。
 なおも詳しい情報を探ろうと潜入を続けていた葵は、突然、その姿を消してしまう。
 何か事件に巻き込まれたのか? あるいはどこかへ拉致されたのか?
   葵の行方を捜すべく上海の街を探し回る葛、雪菜たち。そんな彼らの前に勲の部下、久世が再び現れる。
 以上公式のあらすじ。

 お話しといては、重要人物「高千穂勲」(この字だったっけ?)がどんな考えを持っているかを紹介したって感じ。
 まぁ、ぶっちゃけそれだけなんで、特に話の展開で書く事はなかったりするから困る。
 前回、前々回とあんまり本編と関係のない話であったが、一応今回は物語の本筋であったものの、何故か、こう興味を魅かれる所がないんだよなー。
 冒頭にも書いたように、何か盛り上がるような所もないし、今の段階では分からない部分も多く、これからどうなるんだろうという今後の展開への期待もないので、ただぼんやりと画面を眺めていただけになってしまった。
 もうちょっと「ここ」っていう見せ所が欲しいなと思う。
 例えば、せっかく諜報員なんだから、毎回スパイ大作戦みたいな事をするとか、能力云々が根底にあるんなら、その能力バトルを前面に押し出してみるとか。
 そういった「ここがいい」という所が見えないので、見ていてちょっと退屈してしまったよ。
 せっかくの諜報員とか能力の設定が、あんまり活きてきていないのがちょっと気にかかりますな。今の所、能力云々の事は無くっても、同じようなお話を進められそうだからなー。
 まぁ、そのうちそれらが関係する展開になって行くのだろうと思うんですけど、それではちょっと遅い気がしますなぁ。
 毎回それなりにワクワクするような何かが欲しいです。


第7話「事変」

無料ストリーミング配信の第7話を見ました。

 そんな今回のお話は…
 中国東北部、満州に移住してきた日本人たちの取材で、南満州鉄道に乗り込んでいた二人の若い新聞記者はそこで一人の将校と出会う。
 彼の名は石原完爾といった・・・。1931年9月、満州で歴史の歯車が動きだそうとしていた。
 日本が戦乱の泥沼に足を踏み入れるきっかけの一つとなった満州事変である。
 そこに至る過程で何が起きていたのか?満州に集った日本人たちの視点を通し、事変勃発に至る道のりを描く。
 以上公式のあらすじ。

 お話はあらすじ通り、満州事変が怒るまでを描いていて、葵らは登場しない。
 公式なので口うるさく書いてあるように、新しい解釈というものではなく、「閃光のナイトレイド」という物語を乗っけるといった格好で、南満州鉄道の爆破の決行の前に、この物語のキーパーソンである予言者が現れた。
 という事を示し、この事変から桜井機関の彼らがおおきく動き始めるであろうことを示唆していて、閃光のナイトレイドというアニメの物語的に特に興味深い話ではなく、物語上でのキーポイントとなる歴史的事件であることを示しただけのように思う。
 中国からなんか突っ込まれて、あらぬ所へ飛び火しないように「新たな解釈をしようとするものでない」とているが、それならむしろ、このお話はなくても良いような気がしますけど、その辺どうなんでしょう。
 満州事変が起こりましたよと、次回なりに説明すれば良いだけの話だと私は思うんですけどね。
 事変がよく分からなくて詳しく知りたいのなら、自前で調べればいいわけだし。


第8話「凍土の国で」

どうもお話としてはパッとしないよな。

 そんな今回のお話は…  満州事変の勃発からわずか半年。日本は中国東北部に満州国の建国を宣言する。
 しかし、世界のほとんどの国が満州国を独立国家とは認めようとせず、国際連盟はその実情を調べる為、リットン伯爵を長とする多国籍の調査団を満州国に送り込む。
 だが、その一行が忽然と姿を消すという事件が起こる。
 手口の大胆さから、それが高千穂勲の仕業によるものではないかと推測した桜井の命を受け、葵と葛は北へと向かう。
 以上公式のあらすじ。

 今回のお話としては、事変から桜井機関が動きだし、高千穂勲が核を持っているかもしれないこと、予言者が死んだと思われていた葵の婚約者(だったっけ?)だった、という事が分かれば良い。
 というか、その説明の為のお話であったような気がするからか、今回としてなにかこれというのがないのが寂しい。まぁ、それは今回に限らずなんですが。
 そんなわけなので特になんも書くことがなかったりするから困る。
 一応、予言者が葵の関係者だという事が分かったのだが、もうそれはこれまでそうとしか思えない事を見せていたので、今ここで別段驚く事ではないしなぁ。
 高千穂勲の核保有も、彼が能力者を使っているし自信がそうである事もあって、調査団がみたものの真偽は確かでないしで、感想としては、ホント「途中を見た」というくらいしかない。
 これまで一話完結のお話であった所から、次回へ引っぱる形にはなっていて、これから本筋に入っていくのであろうが、今回の引っぱり方も、諜報員ともあろう者が、躊躇なく任務をほっぽり出すってのもどうかと思うし。そもそも物語として、何か興味を引く所がないのがもったいないですな。
 なにか「これからどうなるんだろう?」と思わせる仕掛けが欲しいところだ。
 まぁ、それはこれから起こるのかもしれないが。


第9話「新しき京」

う〜ん。分かっている事を話されてもなー。

 そんな今回のお話は…
 満州国の国都、新京で葛は預言者と呼ばれる女性の警護にあたっていた。
 古来から日本の歴史を裏で操っていたと言われるその存在に満州国執政溥儀が興味を抱き、面会を希望した為である。
 葛はそこで奉天に向かっていた筈の葵の姿を目撃し、驚く。葵は預言者を追っているのか・・・?
   一方、雪菜と棗は奉天のヤマトホテルで高千穂勲の計画と関係があると思われる物理学者、市ノ瀬を探ろうと張りこんでいた。
 だが、そこに現れたのは・・・。
 以上公式のあらすじ。

 前回から引っぱった葵の単独行動は、予言者であるしずね自身が幕を引いて終わった。
 その頃、任務を続行していた雪菜と棗は高千穂勲出会い、雪菜は彼の心を読んで彼の使用としている事を知った。という内容。
 ま、仕方なくはあるのだけど、当然全体の大きな流れの中のひとつのお話であって、無論最終回でない今回は「途中」であるのだが、その「途中」を見事に切り取った感じがどうも乗り切れねぇ。
 一応今回の見せ所として、対峙する葵と葛というのがあるんだけど、それも切羽詰まった感がないし、葵と予言者の事も、今の段階でどうこうなる問題でもない事は、これまでを見ていて分かる事だしで、1話内でここっていう盛り上がりに欠けるんだよな。
 というのも、どうも個人的にこの物語に興味を引かれなくて、劇中としては、葵と予言者の事を知っているようである桜井の事とか、任務を無視し単独行動をとった葵の今後とか、高千穂勲の使用としていう事を知った雪菜とか、これからどうなっていくか分からない事は多いのだけど、それを「ああ、どうなるんだろうなぁ」と思わせてくれない。
 それは歴史的事実に沿った形でもあるからか、そういう事実の沿った形の最後になるんであろうという予想もあって、高千穂勲の計画はおそらくはメインキャラの活躍で頓挫するのであろうし、葵と女のどちらにも感情移入する何かしらがない自分としては、正直、くっついてもくっつかなくてもどーでもいい。
 そんな頭があるから乗り切れないのかもしれんなぁ。

 どうせなら、歴史と言う縛りなんかなくって、痛快能力者スパイアクションやっていた方が楽しめたかもしれないな。
 などと終わってしまったかのような事を考えてしまったですよ。
 むしろ、このアニメノチカラ枠の後番のアニメのCMの方が気になってしまったよ(笑)。


第10話「東は東」

意外な展開になっておもしろかった。

 そんな今回のお話は…
 預言者との面会が叶わなかったことで溥儀の不興を買った満州国政府は、その機嫌を取るように、皇帝即位の式典を予定より早めて執り行うことを決める。
 葵たちはその頃、ドイツから大連を通って兵器が国民党に運ばれているという情報の裏を取る為、大連港にいた。
 だが、そこに現れた高千穂勲によって葛が拉致される。連れていかれた先で、葛は勲の野望の一端を聞かされる。
 そして、そこで葛が見たものは・・・。
 以上公式のあらすじ。

 冒頭おもしろかったと書いたんですが、それはようやくこれからどうなるんだろうなーという事が出てきたという意味でのことで、お話として見ると、割とそうでもなかったような気がしないでもない。  というのも、前回単独行動した葵が特に何もなくみんなの元に戻ってくるのがどうもな。
 個人的には何かあっても良さそうだとも思うし、そのまま単独で女を追っかけていくうちに、桜井機関のみんなと合流しちゃうという形でもよかったように思う。
 とは言え、宝刀に原子爆弾の精製をしているであろう事が分かった高千穂勲に連れて行かれた葛が、彼の言葉に乗って葵たちと袂を分かってしまったという展開は上記の通りで、これからを気にさせてくれて良い。

 今回のお話としましては、葵の合流から、みんなで星を見て仲良くなったと思ったら、高千穂勲に連れて行かれた葛が、彼についていってしまったという内容なわけですが、これまで割とチームという感じではなかったメインの4人が、ようやくひとつにかと待った感を見せておきながら、能力を有している故に軍人としての本分を全う出来なかった葛の過去から、彼が高千穂勲に魅かれ逡巡しつつも結局ついていってしまうという、4人の中で、最も裏切らなさそうなヤツが裏切ったというどんでん返しは見事にハマった感がありますな。
 しかし、これはちょっと前にやってもよかったような気がするのだけどどうだろう。
 これなら最初の方のどうでも良い話を削って、こっちに尺使えば良いと思うんだけどなぁ。
 7月からの後番が決まっているので後3回となるが、そんなあっさり終わらせれるんだろうか。


第11話「闇の探索」

う、う〜ん……。

 そんな今回のお話は…
 高千穂勲と葛の行方を追う葵たちは、大連で身柄を確保したイギリス人スパイから得た情報と、棗の調査によって、勲たちが計画の準備作業を行っている場所を突き止める。
 だが、葵たちの行動は何者かによって洩れ、彼らがその場所へ着いた時には、勲たちは計画の中核となる兵器を運びだそうとしている所だった。
 彼らの逃走を阻止する為、必死で追った葵たちは勲と預言者が行動を共にしていることを知り、驚く。
 以上公式のあらすじ。

 色々分かった事もあったし、スパイ大作戦していておもしろくはあったが、今ひとつ印象が薄いのは何故なんだろうな。
 高千穂勲が婚約者であった先代予言者から、日本の未来を聞き行動に至っている事が分かったのだが、このアニメが実際の歴史に沿って乗っかった形になっているので、第二次大戦に負ける日本をどうにかしようと画策する高千穂勲、というところは結局、彼の思うようにならないのだろう。
 という頭があるので、なんとなーく終わりが読めてしまっているからか、何がどうしようと「ふーん」という感じにしかならないな。
 どう高千穂勲を止めるとか、今回明らかになった高千穂勲と桜井の繋がりとか、葵と予言者という気にさせる所はあるのだけれど、どうもそれらは私の興味を引いてくれなくて、一体何でそんなに興味がないのか自分でもよく分からん。
 そもそも、一番最初に特徴的に見せた各人の能力も、それが物語に関わってくるものでもないし、正直な所を言えば、別に能力云々が無くっても、この物語にさほど影響があったとも思えんしなぁ。
 むしろ特殊諜報員アニメとしてない方がリアリティがあったかもしれんとも思う。
 どうせ能力云々があるのなら、もっと派手に使えば良いと、そういう考えがあるから興味を引かないのかもしれないな。
 振り返ってみれば、そういう能力の発動が全く無かった第5話「夏の陰画」の方がおもしろかった。
 それと、今回のサプライズとして、ラストでの高千穂勲と桜井の繋がりという部分を見せたのだが、それも桜井に内緒で動いていた青いたちを見ていた、いつも桜井の近くに居る黒服や、高千穂勲が基地(?)からの脱出の前に電話していた所から、その繋がりを読めてしまった。
やはりここもどうせなら、それがそこに至るまでフラグがフラグと分からないように見せなければいけないのではなかろうか。
 もういっその事、1話完結のオムニバス形式の方が、上手くハマったんじゃないかと個人的には思うな。

 とまぁ、不満ばっかり出てきてしまって、なんか終わったアニメの感想のようになってしまったな。


第12話「夜襲」

結局、能力云々は物語の根底に関わってくるんだろうか?

 そんな今回のお話は…
 皇帝即位の式典を数日後に控え、溥儀は奉天にある祖先の陵墓を訪れていた。
 高千穂勲たちが行方を絶ってから、数ヶ月。溥儀の赴く先に勲が現れるのではないかと僅かな可能性に賭け、葵たちもその地にいたが収穫は無い。
 だが、そこで商売をしていた風蘭と暫くぶりに再会。ひととき嵐の前の静けさのように穏やかな時間を過ごす葵たち。
 そして遂に式典当日の夜。大勢の群衆が集まる中、突然、会場が闇に包まれる・・・。
 以上公式のあらすじ。

 お話としては、溥儀の皇帝即位の式典に合わせ、高千穂勲は列強諸国が植民地政策を止めないので、抑止力として核を上海に落とすと宣言。
 そうはさせないとする葵たちであったが、彼らの前に葛らが立ちふさがる。と言った内容。
 格を落とすと言っておりますが、実際には最後の数式が分からず、それを予言者の神託で導き出すという流れなのだが、まぁ、個人的にその辺の話の流れはどーでもよく、なぜならば歴史の上に乗っかったか格好の話なので、上海に格が落ちることもなければ、神託によって原子爆弾が完成を見ることはない、と思っている私としてはあまり興味を引かない。
 私としては、このアニメがこの物語を通して、どんな所を見せたかったのかという所の方が気になる。
 気になると言うか、むしろ分からないと言った方がおそらく正しく、この物語が、歴史の「if」を楽しむべきなのか、諜報員という所での、桜井機関や関東軍などの、対組織としての戦いと、各キャラクターの個人の思いという所を見せたいのか、特殊能力をメインとした能力系のお話なのかがさっぱり見えてこない。
 つまるところ、私にはどの辺を楽しんだら良いのかさっぱり分からないのだ。
 特に「能力」のことなんて、どうしてそれを身につけることが出来たのかとか、能力とはといった事は全く語られておらず、これまで見てきて、その能力がこの物語に置いてどうしても必要だったかと言うと、そうでもないような気がしてならない。別になかったとしても、これまでの流れを壊さず進むことも出来たはずだ。
 一体何の為に葵らが能力を持っているかがよく分からない。ま、最後に何かしら意味のあることがあるのかもしれないが。
 それと、今回予言者が神託を得るということで、いきなりファンタジックになってしまうのも気にかかるというか、すごくこれまでとマッチしない。
 一応、現実の歴史という枠があってこの物語のリアリティにしているんだと思うのだけど、今回予言者がなんか聖域みたいな場所へ行って、床がピャーと光ったりされても正直困る。
 見ていてなんでいきなりこんなんになってしまったのかと思ってしまったよ。
 どうも全体的に狙いが定まっていないような、そんな雰囲気を感じてしまうのであった。

 どうせ1クールなのだから、もっと狙いを絞って攻めても良かったような気がするなぁ。
 正直な所、お話として思う所はなんもないのだ。


第13話「せめて、希望のかけらを」

思っていたよりは綺麗にまとめたな。

 そんな今回のお話は…
 高千穂勲の野望を食い止めるべく国務院へ向かう葵たち。
 行く手を遮るいくつかの障害を乗り越え、地下へ入り込んだ葵たちは勲のもとへ辿り着く。
 そこで明らかになる勲の目的と真意。
 預言者、桜井、市ノ瀬・・・それぞれが思惑を秘め、破滅へ向かう歯車は勲もあずかり知らぬ所で廻り出す。
 最悪の未来を回避する為、葵と葛は新京の飛行場へ向かう。
 災厄をもたらす兵器を乗せた飛行機は今まさに彼らの前で飛び立とうとしていた・・・。
 以上公式のあらすじ。

 お話は割と今回でバタバタッと色々なことが起きて折り畳んだという印象だが、物語としては冒頭書いたように綺麗にまとめてはある。
 いわゆるハーッピーエンドな大団円という結末ではなく、高千穂勲と棗は死亡し、桜井と予言者は記憶を消され、この新型爆弾騒動に関わった者どもは散り散りになり、高千穂勲が未来を知って変えようとした我々が知っている歴史を歩んで行くであろう劇中の日本軍を見ながら、雪菜のモノローグがサブタイと繋がり締めており、予想してあった歴史は変わらないということと、誰も知らない歴史の裏の事件というところに綺麗に落ち着いた格好だ。
 全体通しての話である新型爆弾騒動は、物語の核である話なので綺麗に終わった感があるものの、能力がどこからきてどういうものだったのかという事や、桜井と予言者の記憶を消した男は一体何者だったのか、という事は全く語られなかったの残念で、能力についてはおそらくは詳しく語るつもりがなかったように見受けられるが、記憶を消した男の関連は説明があっても良さそうなものだが、尺的に足りなかったのであろう。
 おそらくは、葵たちがそうだったように、日本以外の国にも能力を駆使し、歴史の裏側で動く機関があったのだ、という事なんだろうが、その辺の強引さが気になってしまったので、ここまでの間に何かしらあっても良かったろうと思う。
 とはいえ、最後の締め方として、やったぜ!イエー!とはならず、関連した者がいなくなって、それが本当にあった出来事だったのか、そして前任の予言者の神託は正しかったのか、またその未来を変えようとした高千穂勲の計画を止めたのは、その予言通りに歴史が動くなら、果たして正解であったのかと、割りかしスッキリしない終わりではあるものの、終わり方としては、この大人向けの物語の雰囲気にとてもマッチしていたんじゃなかろうか。

 最後なので全体的な感想としましては、前回の感想にも書いたが狙い所がよく分からなかったという印象。
 第二次大戦に至るまでの歴史をモチーフに……というところに主眼を置いて、誰も知らない歴史の裏に存在する事件という、「もしもこんなことがあったなら」を見せていて、変わりようのない歴史というリアルにフィクションを織り込んだ試みを見せたかったのだ、ということを最後まで見て、ようやくここが本懐かと理解したくらいで、それが途中までよく分からなかったのが、そんな印象を与えたのだろう。
 そうと分かって最初から見れば、また違った印象を得るのかもしれないが、最初にそういったことは分からず、というのも、最初は葵たちが持っている「能力」を印象的に見せたので、てっきり能力を有する者たちの物語かと思ってしまい、そのズレを最後まで引っぱってしまった格好になってしまった。  実際最初の方は能力者というところで話が動いていたし、その能力が話の根幹に関わるかと言うと、それは予言者の神託以外は関係性はなく、能力についても語られないので、むしろ能力云々は無かった方が物語として上手く運べたのではないかと思う。
 それと人物関係においても何か中途半端でキャラクターに感情移入できなかったのも残念。
 特には葵と予言者のことは、高千穂勲とも関連があることなので、もっと深く描いても良いだろう。  彼らのことは、知っても知らなくても良いようなサブエピソードのよう見えてしまった。
 そういうことを総合的に考えると、最初から新型爆弾の話をガッツリ見せて行くか、そうでなければ、最初の能力を有する諜報員という設定をを活かして、一話完結のボトルショーを続けて行った方が良かったかと思う。
 どちらも上手くやろうとして妙な中途半端感が出てしまったのかなぁ。
 なんにせよ、もっと狙い所を絞ってしっかり見せて欲しかったです。


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