true tears 1〜13話
第1話「私…涙、あげちゃったから」
なんて事ないゆるい恋愛青春ものかと思っていたら、すごく良い出来だったので見ていく事にしました。 そんな今回のお話は… 造り酒屋のひとり息子である仲上眞一郎。絵本作家に憧れる彼は、ある夜、天使の絵を描いていた。 絵を描くことに没頭する彼の脳裏には、いつしか天使の鮮明なイメージが浮かぶ。 その天使はふわりとした巻き毛の、あどけない少女だった。 翌日、学校の裏庭を通り抜けようとした眞一郎は、樹上から鼻歌が聞こえてくることに気づいた。 顔を上げると、そこには赤い実を取っている少女がいた。彼女は、昨晩眞一郎がイメージした天使にそっくりだった…。 以上公式のあらすじ。 感想の前にあらすじではよくわからない基本設定を書いておかなければならないので書く。 仲上眞一郎の家には湯浅比呂美という同級生がいる。眞一郎の父親の知り合いが死に、その娘である比呂美を預かっているのだ。 その比呂美に好意を抱いている真一郎であったが、その立場から家で小さくなっている比呂美とはうまく話せないのだった。 また、真一郎の母は突然預かる事になった比呂美をあからさまに疎んじていた。 …この仲上家の設定はとても大事な気がするので書き記しておく事にします。 さて、お話の方ですが、物語の導入部分としてとても良くできていて、最初は想い人比呂美となぜ同居しているか語られず、しかも母親が比呂美を良く思っておらず、関係を気にさせてくれる。 その後に学校内での出来事があり、基本設定の紹介や学校と家の比呂美の違い、そして不思議少女石動乃絵との最悪の出会いがある。 学校から戻るとまた比呂美との壁のある関係や、思春期特有の母親との確執等が描かれ、最後は最悪の出会いだった乃絵との2度目の行動が、おそらくこれまで不変だったであろう日常から、少し変わっていくように感じさせたところで終わり次を気にさせている。 次を気にさせる要素も色々あって、まず、比呂美比呂美との関係はどうなっていくか、乃絵と出会った慎一郎がどう変わるかとても気になるが、個人的にとっても気になるのは母親だ。 よくあるアニメ的な母親として突然現れた居候に「娘ができたみたいでうれしいわ」などと言っちゃうご都合主義がないのが良い。 普通、夫の知り合いとはいえ突然年頃の娘を預かる事となって良い気はしないだろう。 それにあれだけあからさまに疎んじられていると、比呂美の両親と慎一郎の両親はなんかあったんじゃないのかと深読みしてしまう。 それに母親は酒蔵を息子が次ぐものの思っているが、父親はそうでもないらしく、当の本人も絵本作家になる夢を持っていて、今後の波乱の展開を予想させてくれて楽しい。 あと、私的にうまいと思わせたシーンがあって、比呂美と風呂場でばったりあってしまった後。 慎一郎がティッシュ箱を取り出してナニするかと思いきや、乃絵に当てつけるためにそれで鶏を作るのが上手い。 別にそこでオナニーするのもリアルで良いのだが、そこで鶏を作らせちゃう「外し方」が上手いのだ。 べた褒めだけだと何なので気になったところも書いておくと、慎一郎が絵本作家を目指しているのがよくわからなかったので、 母親が勝手に封を開けてしまった手紙が、何の不合格通知なのかわからなかった事と、二度目の乃絵との件で授業を全部さぼっちゃった風に見えてしまったことくらいか。 と、全く期待せずに見たらとても良く出来てあって度肝を抜かれた格好になってしまいました。 毎回こんな感じで続くなら良作になるかもしれないと思わせるような、久々に第1話で今後を期待させてくれるお話に出会ってちょっとうれしいです。 ところで、例によって事前情報を全く仕入れていないのだけど、これってPCゲームかなんかが原作なんですかね? キミキスもこれくらい上手くやったら良いのに(笑)。 |
第2話「私…何がしたいの…」
すごく俺好みです。 そんな今回のお話は… 眞一郎に心を許し、自分は涙を集めていると打ち明けた乃絵は、翌日から眞一郎を見かければ、人目もはばからず全身で喜びを表現する。 そんな乃絵と眞一郎の関係が気になる比呂美は、彼女を紹介して欲しいと眞一郎に頼む。 乃絵と友達になることで、比呂美に笑顔が戻ればいいと思う眞一郎だったが…。 以上公式のあらすじ。 恋愛青春ものとしてとても良く出来ている。と思う。 人目もはばからず接触してくる乃絵に慎一郎のまわりが少し変わり、比呂美の気持ちが視聴者的に少し分かってくる様子がいい。 それはもう嫉妬なんだけど、「木に登って通りがかる男を逆ナンしている」といったと思えば、慎一郎に彼女と友達になりたいから紹介してほしいといってきたり。そこからの乃絵と比呂美がとても興味深い。 乃絵が前回狸に殺されてしまったニワトリ「雷轟丸の墓」のプレートをニワトリ小屋の金網につけたのは≠ィそらくわざとで、空を飛ぼうとしていた(と乃絵が思っていた)雷轟丸を土に埋める格好にしたくなかったのだろうと思うんだけど、それを比呂美は勝手に土を盛ってそこへさしてしまう。 それを見た乃絵は慎一郎の比呂美が友達になりたがっているという情報をあわせて、敵対心であり牽制と判断する。 比呂美がそれをそう思ってやったかといえば、おそらく無意識的になんだろうが。 私はこれで喧嘩じゃないけど言い合いというか、ぶつかり合うのかと思っていたんだけど、まぁ、確かにぶつかってはいたけど、ものすごーく静かな感じというか、逆にすごく今後を気にさせる。 たぶん乃絵と比呂美が気持ち的に交わる事はないんだろうなぁ。そんな以後の波乱の展開をやんわりと予感させてくれるが良い。 個人的に他好きなところがあって、それは慎一郎が反抗期っぷりと母親。誰しもが通る道なのですごく共感できる所があるわけですよ。 母親のちょっとした一言にむっとしたり、弁当に文句つけたりと、「あー、俺も昔そうだった」と思ったよ。(苦笑) 前回の手紙の封切られるのもやられたことあるしな。さすがに勝手に封切られるのは今やられたとしてらそれは怒るけど。母親ってたまにいくら母親だといえどそれはやり過ぎだろってことしてくるよなぁ。今ならもうこの人はホントしょうがないなぁで済むけど、10代の頃はカッとなるよねー。 それと母親がなんであんなに比呂美を疎んじているのかとても気になります。 そうそう、それに関連して、まだ2話なので上記の母親と比呂美のように分からないところが多々あるんだけど、その謎部分をみせるのがとてもさりげなくて好感触。 機動戦士ガンダム00みたく、キャラが訳知り顔でそれっぽいことを断片的に言うわざとらしさ、といいますか、意図的なところが見えないのが良いのです。こーゆーのはあくまでさりげないのが気持ちいいんです。 と、いうわけでまた絶賛ですよ。だってすごく俺好みなんだもん。 |
第3話「どうなった? こないだの話」
だめだ、おもしろすぎる! そんな今回のお話は… 赤い実で執拗に餌付けしようとする乃絵に腹を立てた眞一郎は、彼女を追いかけているうちに、見知らぬ男に甘える姿を目撃してしまう。 また、愛子から、乃絵を紹介して欲しいという比呂美の真意をほのめかされた眞一郎はひとり舞い上がってしまうのだが… 以上公式のあらすじ。 いやぁ、上手いわ。画面に引き込まれました。恋愛ものとしてとても良く出来ています。 お話も一つ一つが積み重なって今回のラストシーンまできれいに流れていて、しかもすんごい良いところで引っぱるのが心憎い。どうしたってあれは次回が気になる。 個人的に所では慎一郎の青さというか若さが良いな。 彼はおそらく、というか間違いなく「いいひと」だ。いや、「とてもいいひと」なんだろう。 赤い実で餌付けしようとする乃絵に腹を立てながらも、飛び降りて足を挫いた(という嘘をついた)彼女をおんぶしてしまう。 そう彼はなんだかんだ言ってもとても優しいのだ。そしておんぶしたまま比呂美がいる体育館へ行ってしまう若さ。 その後の比呂美への言い訳を考えている様を見て分かるとおり、慎一郎的には怪我人をおんぶしてあげているだけで、なんのやましさも感じていない。 だから、そのまま比呂美がいる体育館へ行ってしまうわけだが、その無鉄砲さ(?)が若さを感じて良い。 大人ならそーゆーことはまずしない。どんなに正当性があっても、その後何を言っても取り繕っているように聞こえてしまうし。 そんな慎一郎の若さがおもしろかったのさることながら、今回ラストのおもしろさは秀逸。 比呂美が親友朋与に言った「私が好きな人は蛍川高校の4番」という嘘は、慎一郎が知り得る情報、「友達になりたいと言った比呂美を断った乃絵」「比呂美曰く『見透かされた』」「愛子曰く『どんなことをしても好きな人のそばにいたい』」「蛍川高校男子バスケ部の4番は乃絵の兄」が、思いっきり間違った方向できれいに繋がってしまう上手さ。 つまり、比呂美は乃絵の兄が好きでなるだけそばにいたいので、好きでもない乃絵と友達になろうとしたが乃絵に見抜かれ断られた、と間違った正解(変な日本語だが)を導き出してしまうわけだ。 ここからいったいどうなるというのか。次回が気になって仕方が無い上に予想もつかない。 そんな見ている人を術中にはめる上手さはすばらしいとしか言いようが無い。 他気になったところといえば、愛子も慎一郎が好きなんですねぇ。 っておい!三代吉はどーなるんですか。ってゆーかなんで愛子は三代吉と付き合ってるんですかね? それとやっぱどーしても気になるのが慎一郎の母親。どーしてそうも比呂美を毛嫌いするのか。なにがあるのかなぁ。 というわけで、次回がとっても楽しみです。わくわく。 |
第4話「はい、ぱちぱちってして」
ちょっとコメディタッチだったけど…なんか波乱の予感がするぅ! そんな今回のお話は… 比呂美の意中の人を知ってしまった眞一郎。以来二人の関係はどこかぎこちない。 愛子は鬱々とする眞一郎をショッピングに連れ出す。抑えていた彼女の本当の気持ちが明らかになってゆく。 一方、健気に励ます乃絵の真心は、眞一郎を束の間の安らぎと、利他的な諦観へと導く。乃絵が語った涙の秘密とは? 以上公式のあらすじ。 今回もとても楽しく見させていただきました。 最初は分からなかった乃絵の涙の秘密や愛子の想いがはっきりとした形で表れ、でも今度は比呂美の母親のことや、乃絵の兄である純が慎一郎に絡んできて、よくわからないことを引っ張りすぎず、新しいことを出してくる流れが気持ちいい。 お話の方ですが、相変わらず慎一郎が若さ全開で微笑ましいというかなんと言うか。 それプラス、比呂美のこと乃絵のこと、そして愛子と実に見事に流れていって、最後まで気を抜かせない作りが見事。 個人的になところでは、愛子とショッピングにいく前の海岸でのシーンが秀逸。カット割りがすごい上手いですよね。 背後からロングで引いたカットを上手く入れているのが印象的でした。 愛子と言えば、乃絵と慎一郎が歩いているのを見てしまった愛子の表情も好き。 慎一郎とあんな風に一緒に歩けていいなぁという羨望のまなざしと、それに自分がなることがないという寂しさだが出ている良い表情でいた。またそれを見た三代吉がなんとなく感づいているような?三代吉は愛子の想いを知っているんですかね? 慎一郎の前で「愛子ちゃん愛子ちゃん」と惚気るはそういう想いを知ってのことかもしれませんな。 今回一番気になったのはやっぱ慎一郎の母ですよ。 やっぱ比呂美の母親となんかあったらしく「その目、母親そっくり」と嫌みですよ。こ、こえー。 次回予告では写真の比呂美の母親らしき人物の顔が切り抜かれているし。うあーどんな関係なのかなー。 っていうか、比呂美可哀想です。慎一郎じゃありませんが、なんとかしてあげたくなります。 最後に乃絵ですが、彼女は元気でいいなぁ。赤い実を食っちゃってのあの顔がなんとも愛らしい。 しかし、トウモロコシとカボチャ、どっちが天空に近いかって…基準がさっぱり分からんな(笑)。 そして兄である純はもしかして乃絵のことが… うひょう!(なんだコレ)しかし食えない人物ですな(苦笑) と、いうわけで、今回も画面に引き込まれましたよ。 今回の感想を書くにあたって公式の5話のあらすじを思わず読んでしまい、サブタイの「おせっかいな男の子ってバカみたい」からして波乱の幕開けを予想させてくれます。 あーもうっ!慎一郎は若いなっもうっ!次回が楽しみです。 |
第5話「おせっかいな男の子ってバカみたい」
ぬおっ!また良いところで引っ張りおって。 そんな今回のお話は… 乃絵の兄、純の唐突な申し出。その返答に窮した眞一郎は、御座なりのとんでもない交換条件を突きつけるが、予想外にあっさり受け入れられてしまう。 あまりに無自覚な眞一郎の行為に苛立つ比呂美。 友達になろうと比呂美に近づく乃絵、自分の想いを抑えきれなくなる愛子、事態は大きく動き始める。 以上公式のあらすじ。 お話的にはあらすじが非常に的を得ているなぁ。まぁ、だからあらすじなのだが。 それはそれとして、今回の目玉はやはり慎一郎が石動純と会った後の比呂美の部屋での出来事か。同じシーンを慎一郎視点と比呂美視点で2回やるのがニクイ演出だ。 一瞬、慎一郎が戻った後かと思わせておいて、比呂美の心情を見せてくるとは思わなかったな。 比呂美としては、慎一郎が思った通りに、あんなヤツやめとけと言って欲しかったんだろうと思いますが、慎一郎にそれが分かるはずもなく…若いなぁ慎一郎は。「真心の想像力」を働かせるなら、別にあんなこと言いにいく必要は全くないですよねぇ。 ホント、お人好しと言いますか、なんと言うか。なんか思いっきりすれ違っている感がなんとも良いですな、ドラマ的に。 乃絵の方は相変わらずの元気&素直で愛らしい。 個人的に好きなのは、踊りの稽古を見に来た後の、お弁当を持って笑顔でじっと見つめてくる乃絵が好き。 しかし、乃絵と慎一郎は不思議な関係で、別にお互い好きってわけじゃないんですよね。 このふたりはどうなっていくんだろう。比呂美とすれ違っていく中で慎一郎が彼女に魅かれていくのか、はたまた乃絵の方がそういう気持ちに変わっていくのか。気になって仕方がない。 そーいえばもうひとつ。学校での比呂美と一緒にお弁当を食べるシーンは、一触即発なような気もしながらもコミカルで思わず笑ってしまった。 翌日にまた乃絵が同じ場所に行ったら比呂美はいないっていうのも違った意味でおもしろく、いたらやっぱりおかしいし、いなかったらいないで「まぁ、そりゃそうだけど」と思いつつ、乃絵を思うと、こう、もにゅもにゅした気持ちになるな。彼女に悪意はないわけだし。 おそらくはそれは作り手側の思惑通りに自分が思わされているんだけど、それはそれで気持ちよい。 愛子の方はもう、完全にやる気満々ですなぁ。手編みのセーターは最初から慎一郎にあげるつもりだったのかしら。 しかもいーところで引っ張るし。うあー三代吉はどーなるんだよぅ。 最後に毎回気にしている慎一郎の母親ですが、やっぱ比呂美の母親となんかあるんだ。慎一郎と一緒に歩いて欲しくないとか比呂美に言うし。 彼女の行動が慎一郎と比呂美のすれ違いに拍車にかけていて、この母親を最終的にどうもっていくのか、それも気になって仕方がない。 っていうか、もしかしたら一番気にしています。だってたぶん一番の強敵ですよ? ああ、次回が楽しみだなぁ。 |
第6話「それ…なんの冗談?」
わぁ…ドロドログチャグチャになってきたぁ。 っていうか、慎一郎の母親がやってくれたな。 そんな今回のお話は… 愛子と三代吉のあやうくも微妙な関係は、セーター事件によって急激な展開を見せる。 純の強引さに戸惑いながらも、態度を保留にしていた比呂美は、彼の耳を疑う一言に激しく動揺する。 追い討ちをかけるような眞一郎の母の叱責に激昂してしまう比呂美。 彼女には絶対に隠し通さねばならない秘密があったのだが・・・。 以上公式のあらすじ。 6話でこんな状況になってしまうという事は1クールなんですかね? それはともかく、お話の方はお昼のドラマみたいな展開になってきたな。 愛子は三代吉との事は終わらす気満々。なのはもう前回で分かりきった事だから良いとして、私はショッピンクモールでの三代吉がすごく印象に残りました。 愛子が心中を告白した時の彼のあの狼狽ぶりは見事な表現でしたな。 言われた事に混乱してあたりをきょろきょろ見てしまったり、最上級に引きつった顔といい、彼の受けたショックがどれほどのモノかを見事に表していて、とてもよく出来たシーンでした。 今回の目玉はやはり慎一郎と比呂美。 なんで比呂美が慎一郎への想いを封印したのか、慎一郎の母親がどうして比呂美を邪険に扱うか、比呂美の母と慎一郎の母の関係、とりあえず全て出そろった形になりましたな。 それに乃絵の兄、純がとってもいい感じに引っ掻き回し役になっていて、比呂美がとにかく辛い状況に追い込まれていくのが見ていて辛い。 っていうのを作り手側がそう思わせようと見事にこっちを操作してくるのが上手い。見事に術中にはまってしまったよ。 なんとなく、見ていて慎一郎と比呂美は兄妹なのか?と思っていたんだけど、ラストの比呂美の告白シーンで「ああ、やっぱりな」とならなかったのは、ショック演出が見事だったからで「うわぁぁっ!ホントにそうなのぉ!?」と慎一郎とショックを共有してしまったよ。もう、あっぱれ見事なりとしか言いようがない。 しかし、あの兄妹の件だが、ホントにそうなのかはすごく疑問が残りますな。 比呂美は「かもしれない」と言ったし、慎一郎の母親の「まだあの事を覚えて…」みたいなこと言っていたし、私としては慎一郎の母親の意地悪のような気がしますがね。 可能性は全くゼロじゃないというくらいなのを、嫌がらせで誇張して言ったんじゃないかと推測しているんですが、はてさて。 見事と言えば、比呂美を第1話で見たときに「幸薄そうだなぁ」と思ったのですが、やっぱり幸が薄くて、見事なキャラデザインだなぁと今回感心しました。ホント見事に幸薄そうな造形だもの。上手いわ。 最後に乃絵ですが、他の主要キャラがドロドログチャグチャの泥試合になりそげな中、ひとり元気で愛らしく癒されますな。 特に弁当を差し出し「はいっ!」と屈託のない笑顔の彼女はこんな話の素晴らしき清涼剤です。 こんな話の中で彼女が出てくるとコミカルになって思わず笑みがこぼれてしまいます。 今回のラストのラストでのアブラムシの歌を歌い腰をフリフリしながら料理する様はすんごい衝撃でしたよ(笑)。 な、なんという愛らしさっ! 書き忘れましたが、今回私が一番素晴らしいなぁと思ったのは三代吉と慎一郎のショックの受け方の違い。 三代吉の方は愛子がはっきりとそういったのではないのだが、慎一郎との会話や、今現在の状況から判断して答えとしてそれしかないのだけど、それを否定したい気持ちと、やっぱりかという想いがこんがらがって、いわゆる「混乱」状態になり上記のようなことになるのだけど、慎一郎のほうは全く動けない。というのも、彼の場合はとっても分かりやすく言うと、一撃必殺のクリティカル攻撃を喰らったといった様相で、三代吉のように状況が積み重なっていない分、突然の大ダメージに「思考停止」してしまって動く事が出来ないってことなんでしょう。 驚愕の事実にショックを受ける、と、言葉にすると同じなのですが、ショックの受け方で行動が違うわけです。 いやはや、全く見事な技量です。拍手を送りたい、パチパチ。 しかし、最終的にはどうなっちゃうんですかね?先が全く読めませんよ。私としては比呂美に幸せになって欲しいのですが。 |
第7話「ちゃんと言って、ここに書いて」
まるで昼ドラのようですな。昼ドラちゃんと見たことないけど。 そんな今回のお話は… 眞一郎は比呂美の話を容易に受け止めることができない。 眞一郎と悩みをも分かち合いたい乃絵は、比呂美と大喧嘩になる。 そんな乃絵の真剣さが、眞一郎の心に変化をもたらす。 初雪が校庭を白く染めた日、雷轟丸の墓の前で乃絵は、言葉以上の誠意を求める。 降りしきる雪の中、眞一郎は愛子の店に向かった。 以上公式のあらすじ。 どんどんと昼ドラの様になっていってますが、「なんかぐちゃぐちゃしてるなぁ」と一歩引いてしまわないように、ちゃんとお話の続きを気にさせているのは見事だ。 さて、今回見所はたくさんあったのだが、順を追って比呂美から。 もうとにもかくにも彼女を取り巻く状況は良くならず、相変わらずの幸の薄さが素敵。 せめて最後は幸せになって欲しいのだが、今のところそんな気配もありませんなぁ。 いつだったかの感想に書いたが、やはり乃絵とは気持ちが交錯してしまい、取っ組み合いを初めてしまう。 乃絵の無垢であるが故の真っ直ぐな感情にカッとなってしまった格好だが、本来の比呂美はそんな感情の起伏が激しい性格なんじゃなかろうか。 慎一郎の家ではもちろんの事、学校でも何かあれば慎一郎の家に迷惑がかかるわけだし、彼女としては感情を発露出来るところがなくて耐えに耐えている。っていうことをあの取っ組み合いのシーンで思いましたよ。 次回はまたショックなことが起きる模様で、純と家出でもしちゃうのかな?ああ、彼女の不幸は続く。 乃絵は相変わらずの天真爛漫だが、上記の通り、それ故に比呂美と大喧嘩をやらかし、慎一郎に言われ始めて自分の恋心に気付き、彼の心境の変化から付き合うことになったのだが、慎一郎的にホントに乃絵の事を好いているかというと、どうも煮え切らなくて、多分好きだ、きっとそうなんじゃないのかなー?ってな感じで、そういうことにしておこうみたいなところがあって、やたら勘のいい乃絵がそれにどう応えるのかが見物。 なのだが、それはさておき、やっぱり今回は乃絵が可愛いのである。 慎一郎本人に言われて初めて気付いた恋心に赤面しつつ「むーっ」とした表情や、翌日、慎一郎に会って思わず逃げてしまったり。 そんな中で一番のお気に入りのシーンは、改めて慎一郎が好きだというシーン。 ロングで引いたカットなのに、ちゃんと乃絵の顔が赤くなるのが微笑ましくて思わず笑ってしまった。 しかし、上記したように前途多難を予感させるこの恋はどーなってしまうんですかね。 とりあえず、比呂美の方が慎一郎とくっつかない限りは幸せになれそうもない事を考えると、最終的に乃絵がどんな役割になるのかが楽しみなところ。 最後に愛子ですが、ラストで実力行使ですよ。 視聴者的にはだいぶ前から彼女の気持ちを知っているので、乃絵と付き合う事になったと言われ、突然キスし出すのも解らんでもないのだが、当の慎一郎的には突然降ってわいた事なので、彼の事後の表情からして彼の困惑ぶりがよくわかるという物だ。 それはそれとして、私から見て愛子はかなり勝算が薄いと自覚している風に見えるのだが、ここへ来て慎一郎と三代吉との仲良し関係を壊してまでもそうする理由がよくわからなかったりする俺はきっと恋愛をロジックで考えてしまう人間なんだろう。 彼女がかなり出たとこ勝負しているのが今ひとつ理解に苦しむのですよ。まぁ、そんなんだから私はつまらない男だと言われるのであろうなぁ(苦笑)。 最後にちょっと気になったところ。 慎一郎の父親が母親に何か言われたか?と聞いてきたのに慎一郎はスルーしちゃったな。 どー考えてもあれは大チャンスで、あそこで比呂美との兄妹問題を問いただしておけば、どっちに転がろうとも今よりは悪くはならないどころか、好転する可能性すらあるというのに、聞かない聞けないのはやはり慎一郎の若さか。 それと、乃絵と比呂美の喧嘩で比呂美の親友朋与と共に止めに(加勢に?)きた女の子二人。 箒とバスケットボールをもっていましたが、彼女らはそれで何をしようとしていたんですかね?すごく気になっちゃいましたよ(笑)。 |
第8話「雪が降っていない街」
比呂美が黒くなっていってるぅ。 そんな今回のお話は… いくつもの曖昧な感情が絡み合う奇妙な関係が始まった。 しかし比呂美は、その状態が続くことに耐えられなくなっている。そんな彼女にゲームを持ちかける純。 乃絵が見せてくれる空に導かれるように、眞一郎は絵本を描き続ける。 二人で紡ぎ始めた物語はどこへ向かうのか。それぞれの葛藤は、新しい段階へと発展を見せるのか。 以上公式のあらすじ。 乃絵と比呂美の対比が上手いな。 前半に慎一郎と付き合い始めた乃絵を見せておき、その後の比呂美との差を印象づけている。 乃絵と慎一郎の見ていて微笑ましいのだけど、ドラマ的になおもしろさとしては、やはり比呂美のほうだろう。 取り巻く環境からどんどんと追いつめられている感のある彼女は、悪い方へと自分を追いやって、軽く自虐行動に出ているのがおもしろい。 比呂美は今、希望が持てなくて考えが悪い方にしか向かなく、発想が常にネガティブなっていっている感じがよく出てる。 それが顕著に出ているところが、純とゲームして勝利した際の質問で、乃絵が今まで付き合った男の数を知ろうとしたところ。 あれはきっと後で慎一郎にいってやろうと思っていたんだろうなぁ。く、暗い。暗すぎる。そんなことしたらますます慎一郎の気持ちが離れちゃうと思っていながらも、上手い事いっちゃっている乃絵と慎一郎を見て、いろいろな方面のものすんごい嫉妬心からそういう事しちゃう。それは学校で乃絵に「あなたの事見直した」と言われ、思わず自分が慎一郎の母親に言われたのと同じ事を言ってしまったことでもわかる。それで比呂美は自分で「あー私はイヤな女だわ」と思ってしまってまた落ちていってしまうんだねぇ。 学校からの帰り道に純に「思わず出た言葉が本心だと思う?」「そんな風に思いたくないの」という台詞はそういう事なんだろう。 そうして落ちたまま家に帰ったら、自分の母親の写真の顔の部分が切り取られ焼かれていたのを見つけ、ついに爆発して自暴自棄になってしまいましたな。 ホントは彼女はあんな性格ではないのだろうに。もっと積極的に前に突っ込んでこれるんなら、また違った展開になったのであろうが、そうしないところが彼女らしいというか、おもしろいところ。 自暴自棄になってついに家を飛び出してしまった比呂美がどうなるか目が離せませんな。 前回、実力行使に出た愛子の方は、やはりもともと勝ち目の無い勝負でしたから降ふられた格好になりました。 が、それですっきりと思いきや、店にきた三代吉を追っ払って(苦笑)嫌そうな顔していたし、まだまだ波乱含みですな。 そしてやっぱり気になる慎一郎の母親ですが、爆発しちゃった比呂美を見て何か思うところがありそうですがはてさて。 彼女の出方ひとつでお話が大きく動きそうなんですが、どうなりますかね。次回慎一郎がついに父親になんか言うようだし。 どうやらこのtrue tearsは1クールのようで、残り後5回なわけですが、クライマックスに入ってどう決着がつくのか楽しみです。 |
第9話「なかなか飛べないね」
意外とあっさり雪解けしましたな。 そんな今回のお話は… 眞一郎の母の言葉で、ゆるやかに比呂美との関係は変わり始める。 比呂美の停学処分を巡って、眞一郎は学校で大喧嘩をする。体を張ってその喧嘩を止めたのは意外にも乃絵だった。 絵本に描いたことの本質に、眞一郎自身もまだ気づいていない。 一人乃絵だけが静かに受け止めている。 以上公式のあらすじ。 比呂美と慎一郎の母のことはもちっと引っぱるかと思っていたら、今回で終わらせてしまいましたな。 全体的に盛り上がっていくかと思っていたのだけど、割とするーんと落ち着いてしまった印象。 うまーく全てにケリつけて、エピローグがあったら今回最終回でもいいような落ち着きっぷりなのでありました。 でも、比呂美と慎一郎の母のことが落ち着いて、比呂美から黒さが抜け、笑顔が戻ってよかったよかった。 個人的には慎一郎の母の心情がとてもおもしろかった。 慎一郎と兄妹かもしれないなんて、そんな突拍子もないことを比呂美が本気で信じると思っていなかったんでしょうね。 比呂美の母と何かあったかは解りませんが、よっぽど腹が立つようなことをしたのであろうことは想像に難くない。きっと生前に負けっ放しで終わったんでしょうね。だからせめてそっくりな子供に意地悪しちゃう。 でも、前回比呂美が爆発して家を飛び出しちゃって、自分は馬鹿な事したと気付いて、非を認め、態度を改めるんだから大人。 両者のわだかまりも(一応)なくなって、比呂美もいつもの彼女に戻って、お話は慎一郎をめぐる恋愛模様一本に絞られました。 ようやく明るい兆しの見え始めた比呂美が気持ちよくスタートラインに立ったのと裏腹に、乃絵の方は、慎一郎の気持ちが比呂美にあると感づいてしまったご様子で、ふて寝(?)しておりましたな。 いやしかし、乃絵と比呂美はどっちかが浮いたら片方は沈みと見事に対照的に作ってありますね。 個人的には慎一郎と比呂美がくっついてほしいんですけど、そうすると乃絵が宙ぶらりんになってしまって、最終的に大団円を迎えられないんですよねー。まぁ、別に全てを上手くいかせる必要もないのだけど。やっぱ、慎一郎は乃絵と、比呂美は純と、っていうのが順当なのかな? 愛子はどー考えても三代吉です。だってあんな漢な彼を不幸にするのもったいない。っていうか、慎一郎より三代吉のほうが中身的に男前だよねー。 なんにせよ、後3回?でどう決着付くのか見物です。 |
第10話「全部ちゃんとするから」
また途中まで最終回みたいだったな。 そんな今回のお話は… 事態の流れに翻弄され続ける不本意な関係。 そんな自分を断ち切ろうと、乃絵、比呂美、愛子は、それぞれの選択を決意する。 眞一郎の自転車は、全てを吹っ切るかのように疾走する。 長い間のわだかまりは確実に溶けだしたかに見えた。 しかし、彼らを取りまく環境は、複雑に絡み合ったままだ。 以上公式のあらすじ。 これまで暗く陰鬱とした比呂美の方の話はわだかまりが一応無くなって、とてもさわやかに青春していて見ていて気持ちがいいですな。 特に引っ越しを決意し、軽トラで去っていく彼女をチャリで追っかける慎一郎のシーンなんか、あのままくっついて終わっちゃうのかと思いましたよ。 見るからに幸薄かった比呂美が、今、慎一郎普通に話して笑顔でいるのはよかったなぁと思うのであります。 あとは慎一郎とくっつけば言う事なしなんですが、乃絵の方がどうなるか。 その乃絵は今回、すごく思わせぶりな態度や台詞ばっかりで何を考えているのやらさっぱりです。いったいどーゆーつもりなのだが。と、思わせるように作ってるのは見事だなぁ。 愛子と三代吉はきっちり別れた体ではありますが、愛子が慎一郎に卒業宣言したので、慎一郎との絡みはなさそう。 私としてはやっぱり三代吉がかっこいいのであります。あれだけ一人の女性を一途に想えるのは素晴らしいことだよねー。 まぁ、愛子にとっては迷惑なのかもしれませんが、慎一郎よりは絶対に男前です。 さて、問題の慎一郎はなんといいますか、 「あなたはあまりに優しくて残酷」と女性に言われた事のある弊社といたしましては、若いなこの小僧は、と思わざるを得ませんな(苦笑)。 踊りの稽古から愛子と帰るシーン。三代吉と別れた事を気遣ってか、愛子の持っていた荷物を、「重いだろ、持ってやるよ」とか言っちゃうあたりがもう、まったくこの若造が!って感じですよね。それがいかんちゅーに。 そんな若造、慎一郎がどう「全部ちゃんとする」のか楽しみでありますな。 物語としては後2回かな?最終的にはみんなそれなりに上手く行く大団円になるのかなー。 と、漠然と思っているのですが、落としどころを間違わずにいって気持ちよく終わってほしいな。 |
第11話「あなたが好きなのは私じゃない」
まったく慎一郎ときたら… そんな今回のお話は… 祭りの準備で賑わいを見せる町。眞一郎は絵本を書きあげたものの、乃絵に見せることをためらう。 一方、乃絵と比呂美は、自分以外の存在が眞一郎の心の中で揺れ続けていることに、やり場のない焦燥感を募らせるばかり。 そんなある日、真夜中に比呂美の携帯が鳴った。緊迫した純の声に、比呂美は複雑な戸惑いを覚える。 以上公式のあらすじ。 まず最初に慎一郎と比呂美の良好な関係を見せておいて、だんだんと慎一郎が今のままではダメなのだということを見せていくのは上手いな。というか、このアニメはそーゆーやり方にこだわっているのかはわからないが、明を見せたら暗、みたいな対比した構造を随所に見せてきますよねぇ。 さて、あらすじが要領を得ないのでちょいとあらすじの補足をすると、一人暮らしを始めた比呂美の部屋を訪れる慎一郎。わだかまりもなくなり、良好な関係を築きつつあるふたり。比呂美は純とのおかしな関係を清算し、あとは慎一郎が「ちゃんとする」のを待つばかりだが、彼の中でまだ乃絵がいることに焦燥感を募らせる。 一 方慎一郎も自分が何も「ちゃんと」していないことに気付き、夜中絵本を完成させた所、比呂美から電話が。 純から乃絵がまだ帰ってこないとの連絡に、すぐさま探しにいく慎一郎だったが…って感じ。 なにはなくとも、慎一郎がね。もう、それがいかんちゅーの。 乃絵が帰ってこないのは一大事なのだけど、それを仲介してきた比呂美のことを考えてしかるべき、なのだけど、それを聞いてすぐさま探しにいっちゃうのと、何かわかったら連絡してくれとか言っちゃうあたりが、なんていうか、若造なわけですが、彼のその辺の読み切れなさっていうのがこのアニメのおもしろい所でもある。 彼のそーいった行動に「だからそれがいかんちゅーのに」と思いながら「まぁ、この頃にそんな気の回し方出来ないよねー」と、自分の若気の至りを思い出すのが楽しいというか、ほろ苦さを楽しむわけですよ。 そんなオレのじじぃ的な楽しみ方は置いておいて、この夜中の電話シーンは話している時に、ふたりを映すのではなくて住んでいるアパートと家を映しているんですよね。わざとふたりの表情がわからないようにしているのが上手い。 電話で話すのと会って話すのが違うように、声だけではわからないことってのはあるよな。おそらくは、それを見ている人に擬似的に体験させているのであろう。 電話を切る際には比呂美を映しているのだが、彼女はむっと思い詰めた表情をする。それは他の女を捜しにいく慎一郎へ向けたものか、それとも彼を奪っちゃうかもしれない乃絵に対するものか。 通話中の表情がわかれば、もしかしたらわかるかもしれないが、それを見せてくれないのがニクい。 見せないという所で思い出したが、乃絵が帰ってこないという話がでるまで彼女が出てこない(回想除く)ってのもおもしろいな。 おもしろいといえば、お話冒頭での比呂美の部屋に来る慎一郎のシーンって気になりませんか? 普通に見れば慎一郎が様子を見に来た、なんだけど、なんか朝食みたいなの用意されていたよね。ふたつのマグカップを意味ありげに映したり。これって「やっちゃった」ともとれなくもないんだよなー。 まぁ、たぶんそんなことはないのだろうけど、室内で比呂美が妙にテンション高かったり、外出て突然キスしたりするのも、そういうことがあった後だから、と言われればそんな気になりません? なんかわざとそういう風にも取れるように作ったんじゃねーかと思って、おもしろいなーと思ったのでした。 まぁ、そーすると泊まったことになってしまうので、あの慎一郎の母親を考えるとそんなことはないのだろうけど。 さて、今回は比呂美がかわいらしくて、のっけから眼鏡装備していたり、お風呂上がりに裸でブラを足で取ろうとしてすってんころりしたり、眼鏡に頭にタオル巻き巻きパジャマ姿でアイスがぶりんちょと、異様に愛らしい姿を披露してくれたのでありました。 本来はこういった明るい性格なのと同時に、夜中の電話の件であんな顔する黒い部分もみえて、彼女はすごく女の子らしい女の子なのだなと思ったのでした。 あ、そーいえば、愛子と三代吉は珍しく予想が当たって、いい具合に元の鞘に納まりましたな。よかったよかった。 次回は最終回、なんだよな?どー決着つけるのか楽しみです。 |
第12話「何も見ていない私の瞳から」
えーっ!? 予想の斜め上を行かれましたよ。 っていうか、もう1話分あるんだね。 そんな今回のお話は… 最愛の妹が自立しようとする姿を、愛おしく見守ってきた兄の眼差し。抑制のきかない感情に苦悩し続ける純。 麦端祭りの当日、松明に照らし出された舞台で力強く飛翔する眞一郎の雄姿を、群衆が、乃絵が、比呂美が、愛子が見つめる。 自分の本当の姿と向き合うことができた今、眞一郎は何のために踊るのか、誰のために跳ぶのか。 以上公式のあらすじ。 これではまるで乃絵を選んだようではないですか。と、いうようなお話の展開で完全に予想の斜め上を行かれました。 ですが、よくよく考えてみると乃絵と比呂美。まだどちらにも可能性は残っていて最後の最後までどうなる気にさせる作りは見事。 私としましては比呂美に幸せになって欲しいのもあるし、彼女がふられちゃうと、どうも納得がいくようにお話を終わらせられないような気がするので、そうなるんじゃないかなーと思っていたんですが、今回見る限りではそれもどうなるかわかりませんな。 比呂美はダメだった場合ダークサイドに墜ちちゃいそうだけど、乃絵はきっぱり切り替えられそうだしなぁ。 ま、その辺は次回の最終回見ればいいことなので放っておくとして、今回の方はというと、慎一郎が全然ちゃんとしていないことを自分でしっかり受け止めて、一念発起して踊りも絵本も、乃絵も比呂美も全部ちゃんとするぞと決意を新たにする所がポイント。 なのを踏まえて、比呂美と純が乃絵とちゃんと向き合い、ふたりの涙を見て乃絵が自分が何も見えていなかったことに気付く。 っていうのがもうひとつの大きなポイント。 もう、ここまで来ると特に書くことがないわけで(苦笑)、見ていない人に対する言葉としてはもう見ればいいじゃんくらいしか言うことない。っていうくらいここまでよーくできていて感心する。 お話の展開させ方や折り畳み方、引っぱり方はもちろんのこと、とにかく見せ方が上手い。 とにもかくにもシーンをどう見せるかがとても良く考えられていて見ていておもしろい。 あとはもうお話をどう終わらせるかだが、きっとこれらを作ってきた人たちなら上手いことやってくれるに違いない。 というわけで、次回を楽しみに待つのであります。 っていうか、比呂美にはホント幸せになってもらいたいんだけどなー。どうなのかなぁ。 |
第13話「君の涙を」
青春群像劇。だったんだね。 そんな今回のお話は… 理解される喜びも、信じられる喜びも、愛される喜びも、人との係わりの中でしか得られない。 恋はドラスティックに人の内面を曝け出す。 真の自分を知った彼らは、招く結果に関わらず、もう一度大切な人と真っ直ぐに向き合うことを選ぶ。 一度は雪で覆われた大地を、春の訪れが再び開放するように、眞一郎はホントに全部ちゃんとできるのか? 以上公式のあらすじ。 青春群像劇と謳っていたことを今更知ったわけですよ。だから何だという話ですがそれはそれとして。 さて、お話の方はというと、慎一郎が乃絵と比呂美に、自分は比呂美が好きだと伝えた。というだけ。 だが、それがいいのです。彼らにとってそれが重要だったわけですから。 個人的な所では比呂美が幸せになってほっとしましたよ。 さて、もう最終回の感想もひっくるめて全体的なこととしては、一言で言えばよく出来ていた、だろう。 作画は申し分ないし、お話も世間一般的にも概ね良い感じにとらえられたと思う。 誰に見せてもそれなりの評価を得るであろう良い作品だったようにと思います。 個人的な所では一番に画面の見せ方が上手かったなと。アニメ的じゃなくて割と実写の映画っぽい画面のようでしたね。ちょっとした短い時間をちょっとずらしてみせたりするところも、おもしろい見せ方だった。 物語としてはホントはもうちょっと突っ込んだ所までやりたかったんだろうなぁ、と思う所もあるが(例えば比呂美の母と慎一郎の母の確執とか)、全体的にはよくまとまっていたと思う。 田舎の小さな街で起こった小さな出来事は、最終的に特に何かが変わったわけででなく、見ため的には最初と同じだが、各々が最初とは違った方向へ新たに歩き始めたってところできれいに終わった。 私としては主役である慎一郎がギャルゲーの選択肢のようにのように全てを決めていったわけではない所が好きだ。 各々が考えて動いた結果、そうなったというのは現実でもそういうもので、自分ひとりが決定権を持っているものでなく、まわりも動いていてまとまるものもまとまるというものだが、得てして大概物語ってのは主役が決めてしまうことが多いので、そういった所がとっても新鮮に見えた。 が、後にこの物語が群像劇ということを知って、ああ、なるほどなぁとちょっと感心したのでした。 私がちょっとおもしろいなぁと思いつつ見ていたのは乃絵と比呂美。全然違うよねー。 乃絵はとってもアニメチックなキャラクターだ。こんな女の子は現実にいない。少なくともオレは見たこと無いよ。 それに対して比呂美みたいな子は別にいてもおかしくない。それは比呂美に限らずだけども。 乃絵はこの物語の象徴的な存在で、その他の人たちに比べるとかなり異質。そして彼女がいないとこの物語はまったく動かない。 まぁ、それは物語である以上当たり前のことなんだけども、そんな異質があるからこそ、比呂美やその他の人々の人間臭さがうまーく浮き出たなぁと感じたのでした。 なんにせよ、作画も良いし、音楽もそれなりだし、お話も悪くなく、映像的な所でも楽しめて、久々に良いものを見せてもらったと思う作品でした。まだ見ていないのなら見た方がいいよー。と、お進めしたい作品です。 |