春日井市内にある天王社
春日井市内にある天王社(かすかいしないにあるてんのうしや)は、愛知県春日井市に存在する天王社(てんのうしゃ)、および津島神社(愛知県津島市)系統の神社(こちらも天王社と称される)の一覧記事である。
概要
愛知県春日井市には、天王社(てんのうしゃ)が複数存在している[1]。天王社とは、牛頭天王・スサノオを祭神とする祇園信仰の神社である。東海地方においては、津島神社(愛知県津島市)系統にもこの名称が使用される場合がある。なお春日井地区の村々から、津島の津島神社の祭礼の日である6月15日に代参が出されるという津島詣が行われたという[2]。
江戸期の神仏習合や明治期の廃仏毀釈の経緯から、かつては異なる社・祠だったが現在は天王社であるとか、元々は天王社だったが現在は異なる社・祠になっているものも存在する。そのため、ここには天王社だけでなく、津島神社や天王神社系の神社と祠も掲載する。なお、順番は順不同である。
春日井市内にある天王社
天王社(六軒屋町)[3]- かつて2つあり、その間だから「天王間」という字名となった。現在は公園名。
天王社(勝川新町)- 元々は山王社。春日井市立山王小学校の校名の由来[4]。
天王社(神明町)
天王社(八田町)- 敷地のなかに八田開拓記念碑[5]がある。
長池天王社(八田町)
天王社(角崎町)
天王社(下市場町)
天王社(大泉寺町)
天王社(大手田酉町)
天王社(木附町)
天王社(内津町)- 内々神社の境内社[6]
津島神社(稲口町)- 鳥居・社標・常夜灯・蕃塀・社殿をもつ稲口新田の本格的な津島神社。
津島神社(下原町)
津島神社(神領町)
津島神社(外之原町)
津嶋神社(鳥居松町)
津島神社(上条町)
津島神社(柏原町)
津島神社(玉野町)- 五社神社前で夏祭り。山車(恵比寿と大黒、唐子のからくり人形)が1輛曳き出される[7]。
津島神社(桃山町)- 八幡社の境内社。天王祭が行われる。
津島神社(松河戸町)- 白山神社(しらやま)に合祀されている。津島神社例大祭(祇園祭)が行われる[8]。
津島神社(大留町) - 神明神社・八幡社・天伯社・稲荷社と合祀
津島神社(西本町)- 神明社の境内社。秋葉神社・皇大神宮・白山神社との相殿で合祀されている。
津島社(柏井町) - 八幡社の境内社。茅の輪くぐりが行われる[9]。
津島社(気噴町) - 八王子社と合祀。茅の輪くぐり、祇園祭が行われる。
津島社(上田楽町)- 伊多波刀神社の境内社
津島社(二子町) - 白山神社(はくさん)の境内社。総天王祭が行われる[10]。
津島社(白山町) - 白山神社(しらやま)の境内社。津島天王祭が行われる[11]。
津島社(牛山町) - 天神社の境内社。御嶽山開山を果たした覚明上人の誕生地として祀られている[12]。
津島社(坂下町) - 坂下神社の境内社。祇園祭が行われる[13]。
津島社(中切町) - 八幡神社の境内社。山神社・秋葉社・水天宮社・熱田社・神明社との相殿で合祀されている。
津島社(八光町) - 山神社の境内社
津島社(如意申町)- 六所社の境内社
津島社(南下原町)- 八幡社の境内社
津島社(東野町) - 八幡社の境内社
津島社(大泉寺町)- 八幡社の境内社
津島社(松本町) - 諸大明神社の境内社
津島社(明知町) - 日吉神社の境内社
津島社(高蔵寺町)- 五社大明神社の境内社
津島社(神領町) - 三明神社の境内社
津島社(桜佐町) - 八龍神社の境内社
津島社(下市場町)- 神明大明神社の境内社
津島社(篠木町) - 神明社の境内社
津島社(下津町) - 熱田神社の境内社
津島社(下条町) - 八幡社の境内社
祇園社(玉野町) -五社神社の境内社
以前は天王社であったもの
稲荷社(牛山町)- 牛山町新田地区にある元天王社。目の前に天王橋[14]があり、かつてあった天王社を偲ばせている。
小木田神社(小木田町)-関田村の鎮守であり、別名天王社ともいわれた[15]。「源氏天流関田棒の手」が伝承されており、県指定文化財無形民俗文化財[16]に指定されている。
脚注
[1]いのぐち泰子「尾張の天王信仰」『郷土誌かすがい 第56号』春日井市教育委員会文化財課
[2] 櫻井芳昭「春日井を通る街道14 西へ向かう参詣者でにぎわう下街道」『郷土誌かすがい 第53号』春日井市教育委員会文化財課
[3]富中昭智「六軒屋の『天王間公園』に鎮座する祠を追って」『春日井郷土史 第9号』春日井郷土史研究会
[4]富中昭智「山王(さんのう) 春日井の地名80」『広報春日井』平成29年1月1日号 現在、春日井市の公式HPに掲載されていない。HP『春日井の歴史を発掘する!』所収
[5]近藤雅英「春日井の発展に尽力した 永楽屋藤田與七」『郷土誌かすがい 第81号』春日井市教育委員会文化財課
[6]「境内社・境外社」『摂社・末社』神社本庁 本来は摂社・末社と呼ぶべきとは思うがその区分は難しいので、ここでは見た形としてはっきりしている「境内社」を使う。
[7]「春日井市・玉野祇園(天王)祭り」『尾張の山車まつり』
[8]長谷川浩「松河戸の夏祭り」『松河戸の沿革』人間文化科学研究所
[10]「総天王祭2024年7月13日」『白山神社』公式HP
[12]「覚明霊神誕生地」『春日井の歴史と文化財』春日井市教育委員会文化財課
[13]『春日井市史 地区誌編1』春日井市、昭和59、161頁。
[14]富中昭智「牛山町の新田地区にある天王橋を追って」『春日井郷土史 第8号』春日井郷土史研究会
[15]「小木田神社」『春日井の神社』春日井市教育委員会社会教育課
[16]「小木田の棒の手 小木田町源氏天流関田棒の手保存会」春日井市教育委員会文化財課
参考文献
『春日井市の神社』春日井市教育委員会社会教育課 昭和58年 『愛知県宗教法人名簿』(愛知県総務部学事課 昭和47年)記載の神社を対象として、春日井郷土史研究会の会員が文献資料をもとに、古老や神職からの聞き取りなど調査して、執筆している。