19セイコー (19型SEIKOSHA鉄道時計) とは?
19セイコーは、「ジュウクセイコー」と読みます。
昭和4年4月に発売が開始されたセイコー(精工舎)の懐中時計の製品の通称です。
本当の名前は「19型 SEIKOSHA」と言います。
ムーブメントの大きさがスイス規格の19型だったためです。
側(ケース)まで含めた時計の大きさは直径約5cmと大きめの懐中時計となっています。約5cmというのは、アメリカの鉄道時計の規格(16サイズ)であり、19セイコーもその規格を踏襲しているところから、服部精工舎は初めから鉄道時計としての認定を目指していたのではないかと思われます。
「19型 SEIKOSHA」は、昭和4年11月に、鉄道省から「鉄道時計」として指定を受けました。それまでは外国製の懐中時計が鉄道運行に採用されてきていたため、この鉄道時計に指定を受けたということは、それだけ正確で、信用に足る時計であると認められたことにほかなりません。
このときから、時計の名は、「19型 SEIKOSHA 鉄道時計」と呼ばれています。
「19型 SEIKOSHA 鉄道時計」は、昭和46年11月まで生産されました。その間に、さまざまなバリエーションが存在したことがわかっています。それらを蒐集することがコレクターの間で密やかな楽しみとなっています。この『「時刻よし!」19セイコー』も、この楽しみを追究したHPです。
以後、鉄道時計は、後継機種として本中三針、そして、クォーツに引き継がれてきていきます。これらの後継機種は19セイコーのムーブメントではないことから、コレクターの間では厳密には19セイコーには分類しないようです。しかし、セイコーの鉄道時計であることには間違いがなく、このHPでは19セイコーに準ずるものとして扱います。
また、機械であることから、できるだけ稼働する状態での保管に心を砕いていきたいと考えています。その際に苦労したことなども合わせて記録していきます。
2017年(平成29年)3月20日