居合に関する調査項目



 

三角の曲尺(さんかくのかね)
 英信流の古文書に『三角の曲尺』とした所にある図を略記すると上図のようになる。左側は不可、右側は正とありますが、説明は図にありませんけれども目標に対しての刀の斬切力が、右手と刀身の関係位置や角度から自分の体の中心から右拳の位置と剣先の成す三角形の基本的な要素を規定したものと考えられます。切れる居合の条件を満たす抜き付けの要領といって良いのでは。腕と刀身がつくる角度が小さい左の方は不可、大きい右側は正ということです。
 なお三角、四角という文字について、刀法に三角とか四角とか五角というのがある。そして三角というところの説明は次の通りである。
 
三角
 三人並び居る所を切る心得也。彼様(かよう)の時深々と勝たんとする故に遅れを取るなり。居合の大事は浅く勝つこと肝要也。三人並び居る所を抜き打ちに紋所の辺りを切っ先外れに払う時はピクとする也。その所を仕留る也。三人を一人ずつ切らんと思う心得なれば必ず仕損ずる也。一度に払うてその遅れに付け込んで勝つ也。

  

3/7/00 記


 

 

 帰省中、館長に居合を見て頂いた時の指導事項は以下の如し。尚、今回は正座の居合だけを見て頂いたが、受け流しと付け込みは根本からやり直さねばならないと指摘を受けた。再度稽古に励むべし。受け流しは受け流してから斬りつけるのが同時である事。また、付け込みは、すりあげてから斬りつけるのが同体である事、及び二度三度と斬りつける気持ちが続いていく事。この3点。

 

居合三體(サンタイ)の事<序、破、急>

心をおさめて静かに座して霧、霞などの立つごとくすらすら抜きかかる 序也

鞘ばなれして剣が出るところは 破也

あてかへり必至と載断(セツダン)する所は 急也

 

居合三所の位

抜きかたを行うに居ずまいして構へたる所 一之位也

抜付、載りたる所                一之位也

引きとりたる所                  一之位也

居合は一刀法一息の中で練習すべき也

 

昔、森茂樹先生の居合を見た時、顔が苦しそうに歪むのを子供心にも不思議だなと思っておりました。あれはご老体になられてからも森先生は忠実に、一息で一つの業を抜いておられたのだと理解しました。

 

8/13/01 記


 

 

『根元の巻』に対する回答 (AcrobatReaderが必要)

海外からの質問に対する回答。海外での技の伝わり方については、企業のグローバル化と相通じるものがある。指導者がしっかりしていないと混乱をきたすという意味で。

8/22/02 記


 
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