ぼくらの 1〜12話

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第1話 ゲーム

原作の雰囲気がしっかり出てて面白かったよ。

 そんな第1話のお話は…
 神奈川県・御友島。ここで開かれている自然学校には、15人の少年少女が参加していた。
 合宿が始まってから1週間ほどたったある日、彼らは退屈しのぎに島の洞窟探検を思いつく。
 洞窟の奥には、蛍光灯の光に明々と照らされ、何台ものコンピュータがずらりと並んでいた。
 それらの持ち主である怪しげな男はココペリと名乗り、新しいゲームを開発中なのだと説明する。
「 地球を襲う15体の敵を、巨大ロボットを操って倒す」というココペリのゲーム。
 その内容に興味を持った子供たちは、テストプレーヤーとしての契約を交わし、いつの間にか元の浜辺へと転送されてしまう。
 宿舎への帰りを急ぐ彼らの目の前に現われたのは、黒い巨大なシルエットだった。
 以上公式のあらすじ。

 原作は前から知っていて読んでいて、内容知っている分あまり楽しめないかなと思ったんですが、どっこい、なかなか面白く仕上がっていて感心しました。
 まだ、原作の方は連載中なので(放送当時)、どうやらアニメオリジナルの展開になっていくようですな。ま、当然といえば当然だが。それはともかく、原作のあやしくそしてなんかヤヴァそうな雰囲気がとてもいい感じでした。ココペリとかどう見てもあやしいし(笑)。
 つかマンガ読んでいて判らなかったんだけど、洞窟でのココペリの喋り方は、思いつきで嘘を言っているって事だったんだな。映像になって初めて分かる事実(苦笑)。俺は漫画のそれをよくある外国人のかたことな日本語的なものだと思っていって、もうそれだけで、「はぁー、そういうことだったのか」となってしまった。別に鬼頭莫宏先生の表現不足という事ではありません。一応念のため。台詞のアクセントとかニュアンスなんて文字じゃ完全に伝わりっこないもの。
 
ともかく、なんかあやしげな話のこのアニメ。鬼頭莫宏先生原作なので、当然これからどんどんと陰鬱で胸くそ悪い話になっていくはず(笑)。
 まぁ、いい話もあるんですけど。原作とどう違っていくのかも楽しみですな。
 本田千鶴の話をそのままやるかどうかが、とりあえず一番気になる所。
 あれは精神的にキツすぎる。また「なるたる」みたいにトラウマ作る人がたくさん出そう(笑)。

 それはそれとして、この話のキーポイントでもある巨大ロボ。
 ポリゴンだったのですが、あのモッサリ感が逆にいいですな!狙ったどうかは判らないけど。
 500mほどあるので遠くから見たらゆっくり動いているように見えるはずなので、なんかリアルだなーと感じましたよ。まぁ、くどいよーだが、狙ったどうかは判らないけど。
 どーでもいーけど、「ゆっくり動いているように見える」と書きましたが、実際500mの物体が普通に歩いたとすると、それだけでいろんな所が音速超えています。って原作のおまけページに書いてあったよ(笑)。

第2話 ジアース
このあやしい雰囲気がたまらないよな。

 そんな今回のお話は…
 昨夜の巨大ロボットと怪獣との戦いは、テレビのニュースでは地震として報道されていた。
 2体の怪獣を見たという目撃情報もあったが、誰も真面目に取り合ってくれない。
 当事者である子供たちも、大人たちには内緒にしておこうと決めていたのだった。
 そんな子供たちの前に、コエムシというぬいぐるみのような物体が現われる。
 コエムシは子供たちに契約の解除が不可能なこと=戦いからは逃れないことを確認させ、巨大ロボット・ジアースのコックピットへと転送する。
 子供たちが普段使っている椅子が形となって浮かび上がる不思議な空間。椅子によるルーレットが行われ、ジアースのパイロットにワクが決定する。意気込むワクだったが……。
 以上公式のあらすじ。

 そんなわlけで、なんだかあやしい雰囲気がたまらなくいいね。なんかこう、すごく不安になるような感じが。
 ま、それはそれとして、お話の方は基本、マンガと同じですけど、やっぱ細かい所で違いますな。
 個人的にはそれぞれ椅子と選ばれたものの体に出来たマーキングが気になる所。
 特に椅子の方はデザインが違うヤツがいるし、マンガではベビーベッドがあるのだがそれがない。
このベビーベットがマンガの方ではすごく展開的に「臭い」んだけど(読んでない人の為に詳しく書きませんが)、それがないってことは「それ」関連の話はアニメではないんだろうなぁ、たぶん。(一応ありました。/2007.10.11追記)まぁ、本田千鶴の話はけっこうトラウマなんで別にいーのですが。
 マーキングの方は今の所全然わからないのだが、どうやら人によってマークが違うっぽい。それに1戦戦い終わったら操縦者は死ぬので、マーキングの意味が今ひとつよく分からないんだよな。ただ単に次ぎ操縦するのが誰なのかってことだけなんだろーか。

 お話とかのことはまだなんとも言えないので、今回すごく気になってしまった事でも。
 今回から登場の謎の生物(?)「コエムシ」。フツーの声でしたな。
 個人的なイメージとしてはもっと人間ぽくない声、例えばドラエモン2.0とか、プリキュアの小動物とか、そーゆーイメージがあったのだが、あまりにふつーに喋っていたので面食らってしまった(笑)。個人的にはフツーの声だとムカツキ度が足りないんだよなぁ(笑)。


第3話 秘密
これは…色々とおもしろいですねぇ。

 そんな今回のお話は…
 ワクが海に転落した翌日、子供たちは警察の取調室にいた。
 刑事の狭山に事情を聞かれる子供たちだったが、一連の事件との関わりについては本当のことを隠し通していた。
 そんな中、ワクの遺体が浜に打ち上げられたという知らせが入り、子供たちの間に動揺が走る。
 しかし、コダマだけは刑事を前に「ワクは昨夜の犠牲者に過ぎない」と、はっきり言い放つ。
 実は前日の夜にも、子供たちは戦いの後にワクが海に落ちたことや、その事情を正直に大人に話すべきかを話し合っており、そこでもコダマは当たり前のように自己中心的な発言をしていたのだ。
 それに納得できないコモは意を決して、自分たちがあのロボットを操縦していたと刑事たちに打ち明ける。
 以上公式のあらすじ。

 原作には無い展開になってビックリしたし面白かったな。
 ちなみに今回のこのお話は原作では全く触れられていない部分だし、色々と違った展開も見れて興味深かったな。
 確かに、ワクが死んだ後の話は原作ではあっさり流された感があったので、こっちの方が恐ろしく異様な謎のゲームに巻き込まれたことが際立って良い。
 つか、あんまかくことねぇ。というのも、大体の基本的な設定は原作と同じなのだろうけど、ここから先が一体どうなるのか全く読めない。そーゆー先の読めなさや、ジアースや敵がどこから来て目的は何かってのが分からないところが、先を知りたい欲求を刺激すると同時に、訳の分からないモノへの不気味さが面白い。

 のだが、それはお話の中の一側面で、核心は主人公達少年少女そのものなんだよね。
 前述の先の展開やらは彼らを引き立たせる演出に過ぎない。「操縦すると絶対死ぬ」。まだこれが明かされていない今はまだまだ序章。
 次回のコダマが闘った後、彼らがどうなってどうしていくか楽しみ。知らない話を見るのはそれだけでワクワクしますな。


第4話 強さ
さぁて、ようやく本編が始まりましたって感じ。

 そんな今回のお話は…
 ワクの葬儀が終わり、コダマは父が経営する不動産会社を訪れていた。
 そこでは、先のジアースとの戦いで削り取られた辻見山を利用してのゴルフ場建設を計画している父と、そんな父のやり方に反発する兄との口論が繰り広げられていた。
 成り上がりの父は、人に勝つことしか考えない、欲しいものを手に入れるためには手段を選ばない性格。
 そんな父を嫌う兄とは反対に、コダマは“選ばれた人間”である父を尊敬していた。
 父のようになりたいと願うコダマは、誰もいない社長室の椅子にゆっくりと腰を下ろす。
 すると、気がついた時にはジアースのコックピットに転送されていた。
 床の文様はコダマが座る椅子を指し示している。次のパイロットはコダマなのか!?
 以上公式のあらすじ。

 今回のラストで、コエムシから一戦闘駆動する代わりに操縦者の命を奪う、という事が伝えられて、ようやくこの話が始まったなという印象。
 やはり、このゲームの大前提「操縦すれば死ぬ」というのが劇中にでてきてからが、この話の面白い所だと思うんだ。
 そんなわけで、今回のコダマはいわばそれを説明する為のキャラなんだな。といっても、別にコダマが捨てキャラというわけではなく、彼の話はそれはそれで考えさせられるものですな。
 彼の信じた強さは本物だったのか、それとも偽物だったのか。選ばれた人間だったはずの父親はあっさり死に、選ばれてジアースに乗って地球を守った自分自身も死んでしまう。本当の強さってなんなんでしょうねぇ。後味悪いですねぇ。
これが鬼頭莫宏先生の真骨頂です(笑)。

 原作通りなら次の搭乗者はダイチ。なんだけど、次回は戦闘じゃない話っぽいな。楽しみ。


第5話 弱さ
やっぱカコうざい(笑)。

 そんな今回のお話は…
 ジアースが敵との戦いに勝利したのも束の間、コダマはコックピットに倒れ、そのまま死んでしまった。
 コエムシによると、ジアースでの戦闘が終わるたびに、パイロットとなった者は生命力を消費し必ず死ぬのだという。
 愕然とする子供たち。勝って地球を守って死ぬか、負けて地球を失って死ぬか。彼らにはこの二つの選択肢しか許されていないのだ。
 気を失いかける者、コエムシに対してキレる者、運命を受け入れようとする者、反応はそれぞれだが、残された時間がわずかだという事実だけは、何も変わらない……。
 自宅に戻った後、カコはコエムシにそそのかされた勢いでチズをデートに誘う。
 その時、チズの口から出た言葉は、カコを唖然とさせるのだった。
 以上公式のあらすじ。

 そんなウザイカコですが、そんな状況になった中二なんてあんなもんなのかもしれんなぁ。
 ま、それはさておき、本来ならダイチの順番だがカコになりましたな。それに伴って、チズの設定がどうなっているのか気になるところ。

 さて、お話の方はというと原作の語られなかったところがあったり、全く違うところがあったりするが、おおまかな流れはちゃんと沿っていっていたり。
 次にどう展開していくか分からなくて、原作読んでいる人にも楽しませる要素があるのは良いな。
 少し気になっているのは、操縦者に付くマーキング。あれは一体何の意味があるのかなぁ。今回のカコは顔に思いっきり付いてたし(笑)。

 そういえば、今回は何故かウシロが妹のカナを嫌っている理由が明かされちゃったな。
 カナを生んですぐ母親が死んで、カナが母親を殺したと思っているという話なのだが、
 ウシロの話はまだコミックスで出てきてないんだけど(放送当時)、ここでネタバレしちゃってもい話なんだろーか。
 マンガの方はマンガの方で違う話だったりして。つか、そうなりそうな気がするなぁ。ウシロはマンガと椅子が違うし。

 んあーなんかとりとめのない感想になったので今回はこの辺で。今回みたいな話は感想書きにくいんだよなぁ。


第6話 情欲
こんな形になるとは…

 そんな今回のお話は…
 次のパイロットに選ばれたカコは、恐怖心から逃げ出してしまった。
 子供たちがカコを探す中、チズはコエムシにカコの居場所を尋ねてみるが、「いずれわかるだろう」とはぐらかされるだけ。
 チズは考えた末、カコが行きそうな場所を思い出す。
 その場所・スズガモリ水族館には、今まさに敵が出現しようとしており、コエムシが「カコのいる場所に敵が現れる」と言った通り、カコもその中にいた。
 外では人々が逃げ惑い、国防軍による戦闘が展開されている。それでもなお、戦おうとしないカコ。チズが声をかけるも、彼の耳には何も届かない。
 それどころか、取り乱したカコはチズに思いのたけをぶつけ、強引に抱きつき、自分のものにしようとするのだった。
 以上公式のあらすじ。

 カコが搭乗せずに死ぬとは思いもしなかったな。
 あらすじにないので一応その事を書いておくと、どうせ死ぬと思ったカコはチズをレイプしようとするのだが、抵抗したチズに蹴飛ばされた拍子に階段から転げ落ち気絶してしまう。
 そんな時、国防軍の爆撃等でスズガモリ水族館がくずれそうになるが、チズは気絶したカコを置いて逃げてしまう。
 そしてすぐにジアースのコクピットに転送される子供達が見たものは、無惨にもコンクリートの天井に潰されたカコの死体だった。
 そしてそれはジアースのパイロットが一人足りなくなった事を意味していた。って感じ。

 いやぁ、第6話にしてうわぁ(´Д`;)って感じがキタね!莫宏先生っぽくていいです。
 カコが押しつぶされる寸前に気絶から回復する辺りがポイント高し。気絶したままなら、せめて苦しまずに死ねただろうに。
 劇中チズが「わたしが殺したの」なんて言っていましたが、確かに見殺しにした格好にはなりましたが、建物が崩れそうな状況で、レイプされそうになった相手を背負って逃げる女性はおそらくいないだろう。でも、そんな事を言わせちゃう辺りがうまいよなぁ。

 さて、それに伴ってジアースのパイロットが一人足りなくなったわけですが、やはり原作の契約していない者がいるという設定はなさそうだな。チズの妊娠の話もなさそうだし。(両方あるわけですが(笑)/07.10.11追記)
 人数が足りないってのは原作通りにすぐ解決する話だからいいとして、話が違ってくるんですよねー。
 まぁ、今回のカコの時点で違っちゃってるし、それがどうこうということではないのだけれど、原作でもどう転んでいくか分からないこの話を、原作より少ないであろう話数で、どう落としていくのかすっごい気になるのであります。
 とりあえず、次のチズの話が気になるなぁ。


第7話 傷
 放送時間が10分ずれてる… orz
 あらすじ見る限り、チズと先生は関係を持ったみたいだが、妊娠の話はあったのあかなぁ。
 つか、ショックで録画されていた途中までをみる気にならないっす。お察し下さい…

 こんな話だったらしいよ(以下公式のあらすじ)
 カコが戦闘をしないまま死んでしまったため、ジアース内では急きょ次のパイロットが選ばれることとなった。
 回転するルーレットを見つめながら、チズは中学へ入学した頃のことを思い出していた。
 本当は私立を受験したかったが家族の理解を得られず、仕方なく公立に入学したこと。
 入学式の日に出会った教師・畑飼に自分の気持ちをわかってもらえたこと。
 ある日の帰り道、一緒に帰りながら他愛もない会話を交わしたこと。学校にお弁当を作って持っていってあげたこと。
 そのお礼にと、イルカのネックレスをプレゼントされたこと。
 畑飼への想いを募らせるチズは彼の愛を受け入れ、教師と生徒を越えた仲となる。
 しかし、その幸せは長くは続かなかった。


第8話 復讐
あの設定はイキなのか。

 そんな今回のお話は…
 次のパイロットとなったチズは、カコを死なせてしまった罪を償うためにも自分が敵を倒すと誓う。
 しかし、チズが最初にしたことは、敵に背を向け逆方向に歩き出すことだった。
 不可解な行動に仲間たちは困惑するが、チズの表情は真剣である。
 彼女には、敵と戦うより先に成し遂げなければならないことがあったのだ。
 そう、自分や姉の心と体を弄んだ畑飼への復讐だ。
 やがてジアースのコックピットには、チズたちが通う中学校の女子更衣室にいる畑飼の姿が映し出される。
 そうしている間にも敵の影はジアースに迫ってくる。それでもチズの目には、憎き畑飼しか見えていない。
 畑飼を追い詰め、いよいよとどめを誘うとしたその時、チズの姉が現れて……
 以上公式のあらすじ。

 先週時間がずれて見れなかったのだが、置いてけぼり感はあまりなかったな。
 さすがにチズの話は原作通りの「うわぁ…」な感じの話ではなかったみたいだが、基本的な流れとしては同じっぽい。
 まぁ、見ていないわけだから憶測で物を言うのもなんなので、その話はやめておこう。

 そういうこともあってか、個人的にラストの方の事が気になった。
 気になったというよりは、チズの妊娠から派生する「契約していないヤツがいる」という設定がイキになったことにビックリした。
 原作のチズの話はとても公共の電波に乗せられそうもない話なので、てっきり全く別の話になってその設定は外されるものだと思っていたが、この「ぼくらの」という話のなかで、この「契約していないヤツがいる」っていうのは、重要なポイントといえるので、なければおかしいといえばおかしいものな。
そうすると当然「誰が?」という話になるが、第1話の契約のシーンを見るとカナちゃん以外はあの板に手を付けたらしく、PCのチェック音が鳴っているんだよなー。
 ただ、マチだけは自分の意志でなく、ワクに押されて手をついてる。
 自分の意志でなければ無効というのであればマチがそれなのだけれど、そのようなことはどこにも語られていないので憶測の域を脱しないな。
 ちなみに原作の方ではマチには怪しい点があって、ベビーベットがチズの子供の椅子ならば、マキは間違って座っていた事になって、マキが最初に座ろうとしていた椅子をとったマチは契約していない?と読者間で噂になっているとかいないとか。
 だが、このアニメではベビーベッドがでてこないんですよねぇ。原作とアニメで違うって可能性も多分にあるので何とも言えませんな。

 ただ一ついえることは、おもしろくなってきたってことだけだな。どーなっていくか楽しみです。


第9話 家族
ラストで泣いちまったよ。(ノД`)

 そんな今回のお話は……
 ダイチは自分がパイロットに決まり、青ざめていた。
 彼は、両親のいない家庭で、バイトをしながら幼い妹たちを育てており、そのため自分がいなくなった後のことを心配していたのだ。
 コエムシによると、パイロットの死体は家に帰すのが基本だが、消すことも隠すことも可能らしい。
 ならばとダイチは、自分の死体を隠してくれとコエムシに頼み、また、必ず逃げずに戻ってくるから強制的に連れ戻さないでほしいと約束させるのだった。
 それは、妹たちとの最後の暮らしを邪魔されたくないというダイチの切なる気持ちから出た言葉。
 そしてダイチは、叔父からもらった入場券で妹たちを遊園地に連れて行く。だが間の悪いことに、その日の朝に敵が出現する。
 以上公式のあらすじ。

 この話、救われないよねぇ。ダイチの妹たちが可哀相すぎますよ。
 それはそれとして、本来ならコダマの後に今回のダイチと次回のナカマの話という順番。
 前回のカコ、チズの話は今の所「ぼくらの」の中で、飛び抜けた鬱エピソード(原作はもっと酷い話)だっただけに、今回のお話はあっさりという感じに写るかもしれないな。
 だけど、個人的にはこの話、すごく嫌い。なんだけどとても好きでもある。
 別にカコのようにウザイわけでもなく、とても善良な中学生のダイチ。善良なだけではなく、親が蒸発してしまい、妹2人と弟一人を育てる為に日夜バイトしている苦労人。そんな彼が訳の分からないゲームに巻き込まれ死んでしまう。妹達を残して。
 もうそれだけで心の中がモヤモヤするじゃないですか。だって、死ぬ理由がないじゃない(まぁ、他のヤツらにもありませんが)。
 むしろ幼い妹達の為にそんな早く死んではいけない人なのに死んでしまう、いや、死ぬ事になってしまう。
 ものすごいやるせなさですよ。またラストでまだちっちゃい方の妹と弟が、まだ兄の死を理解できず(死体がないしな)「ダイチにーちゃんは、こないの?」と言ってくる辺りが悲しい。
 チズの話の先生の様に「こいつ死んでしまえばいいのに」と思う様な人物が出るわけでもなく、ただ、貧しいながらも普通に生活していただけのダイチの家族に降り掛かる不幸。このやるせなさは半端じゃないです。それだけにこの話は上手いと思う。
 見た後に何かが残るような話を作り出す鬼頭莫宏先生には天晴見事なりとしか言いようがないな。

 そんな今回の話の中で唯一救いなのは、原作と違っておじさんの家に世話になるという話が出た事。
 これで残された妹達がとりあえず路頭に迷うことはないと思えるのは、ほんの少しだが救われた気になるな。

 次回はナカマの話なのだが、聞いた話だとかなり原作とは違った話になるらしい。
 なんといじめっこの小田さんすら出ないという話。らしい。原作のこの話もすごく好きなのに、ポイントとなる小田さんが出ないなんて!やっぱ小田さんはあのシーンがいかんのかなー(笑)。中学生だしね。
 (原作は小田さんと彼氏のセックスシーンがあるのです/07.10.11追記)


第10話 仲間
うわー、なんかすんごい薄味に…

 そんな今回のお話は…
 ナカマの母親には体を売っているという噂があり、事実、彼女の父親が誰なのかはわかっていない。
 そのせいで、ナカマは昔から学校でいじめられていたが、そんな中でも彼女は常に模範的であろうとしていた。
 だが、ジアースのパイロットとなった時でも、「私は、私の義務を果たします」と声を絞り出すのがやっとだった。
 家に帰り、恐怖心に押しつぶされそうになるナカマは、自分たちが着るユニフォームの制作を思いつく。
 手持ちの材料で何とか3人分は作れそうだが、全員分を揃えるには先立つものが足りない。
 そこへやって来た、母の仕事を世話している男・渡辺にナカマは自分にも“客”を探してほしいと頼み込む。
 突然の言葉に驚く渡辺だったが……。
 以上公式のあらすじ。

 なんで原作と話が全然違うのかって言うと、監督のブログに書いてあるんですが、どうも原作の娼婦の話にリアリティがないということで、鬼頭莫宏先生了承の上で話が変わっているようです。
 その監督のブログがある意味ぶっちゃけ過ぎちゃって作品外の所で別の意味で盛上がっちゃっているようですが、その辺は見た人がそれぞれ判断すればいいので特にここで書く事はないのですが、このアニメの話は原作と比べると全然面白くないです。
 リアリティ云々以前に話が面白くなきゃ意味がないと思うのですが…。だってアニメやマンガは基本ノンフィクションでエンターテイメントなんだから。

 ま、それはともかくお話としてですが、ラストは基本同じなんですよ。
 でも最初でナカマが振り上げた拳をおろせなかったのに、ジアースに搭乗して力を振るう事、自分に自信があれば振り上げた拳を使っていいことを悟るには、あの話は弱すぎる。どうしても私にはあのナカマの話からラストの戦闘シーンのナカマに繋がらなくてとても唐突に見えてしまった。
 その点原作のナカマの話は秀逸。最初から最後まで見事に繋がっている。
 いじめっこのことも、母親達のことも、娼婦の事も、ジアースのことも、死ぬ事も、最初はそれぞれ別々のファクターなのだが、時間が経っていくにつれ見事に集約されて、ラストのページで何とも言えない気分にさせてくれるのである。
 個人的にこのナカマの話は、かなり鬱度が高いエピソード群の中にあって、公共の電波に乗せられないような描写があるわけでもなく、酷く悲しくなる様な話でもないし、とても完成度の高いエピソードだと思っているので(もちろんその他の話も高い完成度だが)、この改変はとても残念だ。


第11話 命
ぼくらのきってのいい話ですがかなり薄味。

 そんな今回のお話は…
 次のパイロットとなったモジは、戦闘が終わったら自分の心臓をある友人に移植したいとコエムシと田中に願い出る。
 モジは施設で育っており、ナギという男の子、ツバサという女の子の3人でよく一緒に遊んでいたという。
 そのナギが、中学1年の春に突発性心筋症という難病を発症していたのだ。
 余命1年と宣告されたナギは「ずっと3人でいたいんだ」と涙ながらに訴える。
 それに心打たれたモジは、自分とナギとのドナーとしての相性を診断してもらう。
 結果、2人は数万分の一の確率といわれるフルマッチの状態だった。モジの心臓なら、ナギに移植しても拒絶反応は起こらない。
 既にジアースと契約していたモジは、この時に決意を固めていたのだった。
 以上公式のあらすじ。

 基本は同じ話なんですが、色々と変っていましたな。
 モジの話はほとんど同じなのだけれど、モジが幼なじみのナギを殺したいと思っていた事が語られなかったのは残念。
 ジ・アースを見てチズと同じ事を考えたという、そういう暗いところがなく、ただ単純にモジが優等生でただ単純にいい話になってしまったなぁ。
 残念ついでにラストでつばさがモジをちょっとみかけなかったのも残念だったな。あれがまたちょっと切ないのに。

 さて、本来はこのモジの話って戦闘の方が重要だよな。
 だが、このアニメの方はコクピットから、外部へ無線が通じない為に戦闘部分はまるっきり違う話になっていた。
 だけど、この戦闘で相手に心がある事が分かったので、重要という意味では変らないな。
 まだ相手も自分達と同じ境遇で平行世界の生き残り戦争だってことは分かってないので、それが分かってからどう話を持っていくかがちょっと楽しみ。


第12話 血のつながり
すごく上手く作ってあってビックリした。
話の再構築具合が普通に上手いです。

 そんな今回のお話は…
 マキは、弟がもうすぐ生まれることを心待ちにしていた。
 マキ自身は両親の実の子ではないのだが、それでも何ら変わることなく大切に育ててくれていた。
 実の子である弟が生まれることで、両親の愛情が失われるのではないかと心配していたマキ。
 そんな時にジアースと契約したことで、彼女の中で決意が固まる。
 自分がいなくなっても、弟が両親を幸せにしてくれる。だから、新しい家族を守るために自分は戦うと。
 しかし、幼い頃に父が自分を本気で叱ってくれたこと、その後に優しく接してくれたことなどを思い返しているうちに、マキの心境が変わっていく。「少しでもいい。お父さんとお母さんと弟と、4人で暮らしたい」マキの願いは叶うのか?
 以上公式のあらすじ。

 話的には原作と変わらないんだけど、話の見せ方がだいぶ違っていて、しかも上手く作ってあったと思う。
 マキの日常のシーンは思い出話として語られ、女の子組が仲良く一緒に行動したりとか、自衛隊の田中さんの所に内角国防省の人間がきたり、オリジナルのシーンをいれつつ話は壊さず、正直原作よりも見ていて面白いと思ったよ。
 だれがそうする様に指示を出しているのかは知らないが、センスいいよなー。
 原作は子供達中心に描かれているが、アニメの方はそれとともに周りのことや語られる事のなかった部分を描いていて、見ていてすごく興味深く、原作を読んでいても楽しめる所がいいな。
 まぁ、ここ2、3回かなり薄味な話だったので、今回が特に良く見えたのかもしれませんが、そーゆーことを差し引いてもとても良く出来ていたんじゃないのかなーと思います。


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