ぼくらの 13〜24話

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第13話 地球

とても上手く話を変えてきたな!すごくおもしろかったです。
あとEDが替わりました、あーゆー絵を見るとこの殺伐とした内容にあってホッとしますな。

 そんな今回のお話は…
 見知らぬ戦闘機に攻撃されるジアース。
 違和感を覚えたマキは、コエムシに今いる場所について問いただす。
 コエムシによると、ここは「自分たちの地球」ではないという。
 この世界には無数の地球と宇宙があり、その地球同士が互いの生き残りをかけて戦っているのだ。
 今回は、ジアースが相手側の地球に来ているのである。
 ジアースが負ければ子供たちの住む地球が、勝てば相手側の地球が宇宙もろとも消滅する。
 信じられない事実に動揺する子供たち。マキも思うように戦えなかったが、なんとか勝利を収めることが出来た。
 ジアースで敵の急所を引っ張り出すも、マキはすぐに止めを刺さない。
 そして子供たちが止めるのも聞かず、中を見ようとする。
 以上公式のあらすじ。

 話を構成する基本は同じなんだけど、よりこのアニメの方がドラマチックになっていました。
 この戦闘が増え過ぎた平行世界を淘汰し、自分達の世界の存続を賭けたものだということと、敵も自分達と同じ境遇の人間だという事が分かるという基本は同じだが、個人的に評価したいのは、まず、敵側の世界の人達全員がこの戦いがどういうものかを知っていた事。
 ビルの屋上などで「私たちの地球を消さないで!」とか「この地球の存続を望んでいる」と書かれたプラカード掲げているのである。集まって戦況をTVで見ていたり、退避せずに子供と一緒にいたりする。これによってジアースの子供達がする事によりいっそうの悲壮感が出たな。
 そして、勝利した後の敵世界が崩壊していく様子が描かれる。これがまた、本当に世界を一つ消したという感じが嫌らしくて良い。
 最後に死に逝くマキが生まれた弟を抱いて揺り椅子で揺られるシーンがまたいい。
 世界を一つ消してしまったが、それだけの事をしても守りたい自分の世界、人達がマキにはいる。そんな風に思える印象的なシーンは、この殺伐とした話の中で少し救われた気になる。のだが、それは死に逝くマキが最後に見たイメージ。
 そんな印象的なシーンの後に、ジアースコクピット内の揺り椅子で息絶えたマキを見せられ、一気に現実に引き戻される。
 他の世界を消して自分達の世界を守っても、子供達は死ぬ。それを思い出させる。そんな陰から陽、そしてまた陰へと続くギャップがたまらない。

 元の話を上手く肉付けして、よりドラマチックに見せた技量は素晴らしいと思ったよ。拍手を送りたい。パチパチ。

第14話 迷い
おお、完全オリジナルですな。連載の方の流れは知りませんが。

 そんな今回のお話は…
 子供たちが気づかないうちに、ジアースを巡る事態はさまざまな動きを見せ始めた。
 田中美純のもとを訪れた国防軍の佐々見と政府の桂木は、更なるデータ収集のために子供たちにハッキングチップを埋め込みたいと、田中から子供たちに伝えるよう要請する。
 子供たちを救うという名目を掲げつつ、彼らを実験台のごとく扱おうとする軍のやり方に田中は苛立ちを覚えるのだった。
 そんな中、子供たちの間でも不安は募るばかり。
 契約していなのは誰か?と揉めるのを見かねて、カンジは自分の母親が認知研の教授であることを明かす。
 それを聞いた田中は、契約を解く鍵を見つけるため、子供たちを連れて認知研を訪れることに。
 しかし、カンジの表情は重く……。
 以上公式のあらすじ。

 なんというか、当事者でないというのは何をしようが当事者にならないわけで。そんなところが妙にリアルでいやらしい。そこがおもしろいのだけど。
 何がそう思わせるかと言うと国防軍とか政府とかその辺の連中の事で、全容を知っていながらも違う所に目がいっているのな。防衛協定が云々とかエネルギー利用がなんたらとか、それ以前に負けたら終わりだというのにね。けど実際そんな事があったならそういった事になりそうな所が嫌な気分にさせるな。
 どうせ死ぬんだしその後の利用価値とか隣国や各国に対してとかそういう方向にまず考えてしまうんだろうなぁ。でも当事者でないのなら、もしかしたら自分もそんなものなのかもしれん。戦闘に勝って死ぬのは自分じゃないし、負けて死ぬのはみんななのだからな。
 前回の戦闘で相手側の地球は全員一丸となって地球滅亡阻止という意思統一がされていたようだけど、それはそっちの宇宙の話で、むしろ、そういう宇宙が既にあって「増え過ぎた宇宙の淘汰」が目的ならば、ジアースの子供達がいる宇宙はそんな意思統一が絶対にない、という未来の宇宙なのかもしれんなぁ。それはそれですごく悲しい話だ。

 さて、今回異様に焦っていた田中さんですが、どうやらウシロの母親っぽいですな。あんなに必死なのはそういう理由からのようです。
母親つながりでちょっと気になるのは、カンジの母親が認知研の教授だってこと。
 私はこの人をすごく疑っている。息子をまったく顧みずに研究に没頭する様な人が、いまさら自分の息子を助ける為に動くだろうか?
 今回より前にもちょくちょく出てきた人なのだが、そのころからどうも怪しい印象を持っているので、この人が田中さんの思惑通りに動いてくれるとは到底思えないんだよな。

 でも、監督のブログだったか、監督が鬼頭莫宏先生に「子供達助けていいですか?」と聞いたら、鬼頭莫宏先生は「魔法使わないんならいいですよ。」と器の大きな所を見せたと書いてあった様な記憶があるので、何人残るのか分かりませんが、おそらくは生き残ることになるんでしょうけど、せめて最後は救われる様なラストであって欲しいなぁ。

 今気付いたんだけど、まだ14話なんだな。折り返し地点回ったって所か。これからどうなっていくか楽しみだな。
 話が展開がキナ臭くなってきたので、もう終盤かと勘違いしてたわ(笑)。


第15話 自滅
保さんはなんかいいキャラだな。どんな役割があるかは知らないが。

 そんな今回のお話は…
 田中美純はコモの父・古茂田議員に、政府の作成した「ジアースリポートII」を手渡した。
 そこには、ジアースの技術を用いて新たな産業を興そうという、驚くべき内容が書かれていた。
 古茂田は事実を公表できない政府の立場を理解しつつも、国会にて政府のジアースへの対応について追求することを決意する。
 一方、田中にそのリポートを提供した稲穂会の佐久間会長のもとには、服役を終えたばかりの榊原保という男が舞い戻っていた。
 再会も束の間、保はある目的のためにウシロとカナの住むマンションを訪ねるが、部屋にはカナしかいない。
 その頃ウシロはキリエの家に向かっていたのだった。関の話によると、キリエは最近家から出てこなくなったらしい。
 以上公式のあらすじ。

 ラストに向けてこれからずっとオリジナル展開なのだろうが、なかなかおもしろいアレンジだったな。
 キリエのエピソードは「この地球は存続に足るの?」と言ったところだろう。
 物語的にはみんなが地球を守るという中でのカウンターのような話で、父親が女つくって帰ってこない、母親はリストラされ精神が衰弱し自殺未遂、そんな状況下のキリエが「この地球は存続に足るの?」と思うのはわかりやすくて良い。

 そんな中での戦闘は、上記疑問からジアースを動かさないと決めたキリエだったが、敵機は自分の核を取り出し自ら攻撃して自滅しする。偶然にもキリエと同じ様なことを考えていただろう敵機パイロットが、より明確な行動を取るのがおもしろい。
 同じ考えだったが動かなかったキリエと自滅した敵機、どちらも敵が違えば結果は同じのはずだった。でも、今回のこの巡り合わせが起きたとき、キリエは生き残ってしまう。
 今回生き残ったことがキリエにとって良かったのかそれとも悪かったのか、それは次回以降見なければわからないが、キリエ編にどう決着を付けるのか楽しみだ。

 さて、今回から出てきた元ヤクザの保さん。
 個人的には飄々としていながら筋の通った良いキャラだと思うんですけど(ヤクザ云々は別として)、彼が子供達にどんな影響与えるのかも楽しみであります。けどなんか、死にそうな感じがするんだけどな(´Д`;)


16話 正体
あら、もっと引っぱるかと思ったら…それと、やっぱ保さんはいい人だなぁ。

 そんな今回のお話は…
 前回の戦いは敵の自滅という形であっけなく幕を閉じた。
 すなわち、キリエも生命力を使っておらず、とりあえずの死は免れた。
 しかし、ジアースはまだキリエをパイロットとして認識しており、次の戦いにも赴かなければならない。
 子供たちの苦闘が続く中、国会では古茂田議員がジアースリポートをもとに首相に詰め寄っていく。
 首相の動揺もさることながら、何より国民に衝撃を与えたのは「ジアースに子供たちが乗っている」という記述だった。
 アンコの父・往住キャスターの番組でもニュースとして取り上げられ、テレビに映る父を見つめるアンコの顔には不安そうな表情が浮かんでいた。
 はたして世論はどのように動くのか?そして、子供たちの運命は!?
 以上公式のあらすじ。

 前回、家庭崩壊気味なキリエの家庭でしたが、そこはさすが保さん。
 キリエ母に職を紹介したり、子供達のいい相談役というよりはカウンセラーか?いや、子供達にとってみれば、人のいいおじさんなのかも知れませんが、子供達の思いはどうあれ、彼がいるのといないのではだいぶ違うな。
 存続に足り得ないと思っていた自分達の地球、それを守ろうとキリエガ思う事が出来たのは保さんのおかげだもんな。
 そんな保さんがいい味出した話でもあったが、個人的に驚いたのは、契約していない者が誰なのかがわかってしまった事。
 契約していないのはマチ。ココペリと同じく別の宇宙から送り込まれた人間だった。
 まぁ、原作でも一番怪しいのがマチだったので、マチがそれだったというのは、さほど驚きではなかったけど、この次点でそれがわかるとは思っていなかった。もっと引っぱると思っていたんですけどね。その辺のアレンジ具合や、サプライズ要素を出すのが上手いな。
 それに伴って新たな謎というか、ココペリのときから不思議に思っていたんだけど、彼らが別宇宙から送り込まれたとしたら、それはどういう過程なんだろうな。彼らは自分達の宇宙でジアースで戦い抜いた結果、今の状況なんだろうか?
 そうだとしたら、今ジアースに乗っている子供達が勝ち抜いた結果はどうなるんだろう。
 最後の一人ないし二人になったときにココペリとマチのように、別宇宙へジアースを持っていくんだろうか。そして、勝ち抜いて守った子供達の地球はどうなるんだろう。増え過ぎたとされる未来の淘汰を各15戦してどれくらい減るのか。そして勝ち抜いた場合は存続確定になるんだろうか。
 一つ謎がわかってもわかった所からなぞが増えていっている様な気がするなぁ。しかも安心材料が出てこないという。酷い話だ。

 それはそれとして、他気になる所。
 マチが契約者でないということがわかって、彼女はこれからどうするんですかね?
 彼女の役目はこの宇宙での搭乗者を集める事。子供達の思惑はどうあれ、彼女の役目としては終わっている。
 そんな彼女は正体が バレた時点でジアースに乗る必要はないのだが、子供達の心情的にそれは許されんだろうな。
 せめて最後まで事の成り行きを一番近くで見守らなくてはならないのかもしれないな。
 それから、コモの父親。議員の彼は国会でジアースレポートを持ち出して言及していたが、今回のラストで政府の陰謀にハメられてしまったな。
 なんかこの辺は、ちょっと前に偽のメールで紅に染まっちゃったあの人を思い出しますが(笑)。やはり彼の様に叩かれるんだろうか。
 ジアースレポート自体は本物だが、入手ルートが極道経由だからそれはそれで問題だしなぁ。いや、本来は地球存続の危機なのでそんな事言っている場合ではないんだけど、いきなりそんな事を公表できないとするとかなりつらい所ではありますな。
 なんにせよ、続きが楽しみなのであります。


第17話 情愛
最後はどういう意味だったんだ?

 そんな今回のお話は…
 アンコはニュースキャスターである父のことをとても尊敬していた。
 だから、父の特番が放送されればジアースの問題が解決される糸口になると信じていた。
 そんな矢先に、女性関係のスキャンダルが発覚したため、往住キャスターはレギュラー番組を降板することとなり、特番も中止となってしまう。
 アンコの家はマスコミに囲まれ、父は戻らず、母親は現実から逃げるように酒に溺れていた。どうして自分がこんな目に遭うのか? 
 悩むアンコに保は人の上に立つ者には責任があり、往住はそれを守った上で家族も守ってきたのではないかと話す。
 そして、アンコは父に母を守るように伝え、自分は地球を守るために、ジアースに乗って戦う覚悟を決めるのだった。
 以上公式のあらすじ。

 と、いうわけで、わりとあっさりアンコの話は終わってしまってあんまり印象に残っていないなぁ。
 印象に残っていることと言えば、保さんがいいこと言ったってことくらいか。さすが保さんだ。
 アンコの方は特に思う所がないんだよな。
 彼女の家族的な話も親父が悪いだけだし、その後よい方向に持って行ったきっかけは保さんだしな。
 ま、実に冷めた感想ですが、客観的にみるとそんな感じでした。

 それよりも、今回はアンコが死んだ後カンジがみた光景が気になるな。
 アンコの死をなじられた彼はコエムシに対して「お前は所詮、支配者の犬だろうが!」とも言っていましたな。
 となると、コエムシはその支配者に命令なりなんなりされての今の立場って事なのかしら。しかしカンジがみた光景は「見れた」のか「見せられた」のか、どっちとも取れるんだよな。
 今回、マチとコエムシの会話(念話?)でパイロットになる順番を言っていましたし、コエムシは子供達が恐怖に泣き叫ぶ様を見たがっていた。
 カンジをラストパイロットに設定していたことだし、彼をわざと怒らす為に今回のラストの様にした様に取れるんだよな。「次はテメェが死にやがれ!」と言いつつ次のパイロットはコモだしな。コエムシはそういったことを意図的にやっているとしか思えない。
 彼の真意はどこにあって子供達が最終的にどうなるのか楽しみですなぁ。人類は彼らを出し抜いて生き抜くことが出来るんですかね?


第18話 現実
た、田中さんがっ!

 そんな今回のお話は…
 アンコの戦いが終わり、次のパイロットにはコモが選ばれた。
 死を目の前にした彼女だが、その日が来るまでは家族のためにも気丈に振る舞っていた。
 ある朝、父である古茂田議員は、今日で辞職することをコモに話す。
 古茂田は辞職会見の場で国民に真実を話し、地球に迫る危機を伝えようと考えていたのだ。
 決意を固める古茂田は、おそらく最後になるであろう、娘のピアノ演奏をしばし楽しむのだった。
 そんな古茂田に、認知研の吉川教授は危険だと忠告し、桂木もまた「取り返しのつかないことになる」と美純に告げる……。
 やがて会見が終わり、古茂田はジアースについて知るすべてを公表した。
 覚悟を決めた彼と、同じく戦う決意をした娘に、今生の別れが訪れる。
 以上公式のあらすじ。

 古茂田の辞職会見が引き金で謎の組織(政府)に古茂田と田中さんが拳銃で撃たれて死んだよ。まさかそんな展開になるとは思いもよりませんでした。
 ウシロの母親である田中さんは、前回冬物の服云々ってのは死亡フラグだったのかよ。ひでぇ。
 なんにせよ、パイロットはまた一人足りなくなってしまいました。が、コエムシはウシロの妹カナを使うみたいですが、さて、どうなりますやら。

 それとちょっと気になっているんですが、今回コモが搭乗して残る子供達はウシロ、カンジ、マチ、カナになった。
 契約していないマチ、カナを除くと後2人。なんだけど、話が子供達から完全にずれているよな。いつのまにやら、ジアース関係者VS政府その他といった図式になってしまっている。
 ま、それはそれで面白いのだけれど、本来ならそーゆー状況下において子供達がどうするかってのが、この「ぼくらの」という話の面白さだとおもしろさで、政府云々の話はそれはあるけれども、それは状況一つであってメインはやはり子供達なんだと思うんだがな。
 それがいつのまにか逆転しちゃって子供達が状況の一つになってしまっているな。それは今回のコモが戦った後が描かれなかったのを見てもわかる。
 先にも述べた様にそれはそれでそんな展開は面白くはあるのだけど、最初から見ている物にとってはなんか違和感を感じずにはいられないなぁ。
 原作が終わっていない以上、オリジナルの展開になるのは仕方の無いことだが、ここ最近と中盤までとは明らかに毛色が違うのは、なんかちょっと釈然としない感じがしますな。

 それはそれとして、やっぱ保さんはいい人だなぁ。


第19話 母
ウシロ出生の秘密の話

 そんな今回のお話は…
 古茂田議員は暗殺され、彼を護衛していた美純もまた命を落としてしまった。
 形見となったマフラーとワンピースを、保は打ちひしがれた気持ちのまま、ウシロとカナに届けるのだった。
 明くる朝、保はウシロを外に遊びに連れ出し、昔話を語って聞かせる。
 自分が昔世話になった親分である蓮木一郎と、彼が一目惚れをしたある少女のことを。
 その少女とは、当時16歳だった田中美純その人である。
 京都から修学旅行で東京に来ていた美純は、ひょんなことから一郎と知り合い、結婚するまでにそう時間はかからなかった。
 すぐに学校を辞めて、極道の世界に身を置くことになった美純。
 やがて2人の間には男の子が誕生するが、その幸せも長くは続かなかった。
 以上公式のあらすじ。

 話はウシロの母であった田中さんの過去とウシロ出生の秘密を1話丸っとやった。なので全体的な話の進行度は全くない。
 というか、なんか「極道の妻たち」をみているようだった。極妻しっかりみた事ないけどね(笑)。
 極道でもなんでもない善良な一般市民としては今回のお話は正直「ふーん」としか思えなかったな。
 リアルなのかそうでないのか、感動的なのか違うのか、そーゆー世界を知らないし知ろうとも思わない自分としては、そーゆーものなのかなぁという感想しか持てなかったな。
 話としては田中さんが死に、ウシロの母親であった以上絶対必要な話ではあるんですけどね。

 それはともかく、その過去話でちょっと気になってしまったのは、蓮木一郎と田中さんの出会いの所。
 いくら何でも、どうみても極道な人に声をかけられた修学旅行中の女子高生が誘いに乗らんだろう。
 そこに違和感を覚えてしまったので、その後の話がどうも作り物っぽく見えてしまったのが残念でした。
 もっと違う形でも良かった様な気がしますな。例えは出てきませんが。(苦笑)

 むしろ、マチが何故、どうやってここへ来たのかという理由が語られる次回がとても気になります。


第20話 宿命
あとりあえずルール通りにいっても、ひとりは生き残るってこと?

 そんな今回のお話は…
 アンコの死ぬ瞬間に、カンジは宇宙の支配者のようなイメージを垣間見ていた。
 しかし、ハッキングチップにはその姿が記録されておらず、強力な干渉により削除されたのではないかと、母である吉川教授は言う。
 “敵”の強大さに絶望するカンジだったが、そこに、これまで沈黙を貫いていたマチが現れ、知り得るすべてを話し出す。
 マチは語るのは、後にコエムシとなる兄・史郎と自分がこの星に来た経緯。
 史郎自身も彼らの地球で選ばれた子供であり、幼かったマチは契約をしないまま史郎に付き従っていた。
 戦いが進む中、自分が生き残るために史郎はその地球のコエムシになりふりかまわず媚びへつらう。
 そして最後の戦いを前に“新しいルール”が発表された。
 以上公式のあらすじ。

 てっきりコエムシはこの宇宙での戦いが終わったらお役ご免で代替わりするものだと思っていたのだけど、別にそんなことはなく、今のコエムシに替わったっていうのはかなりイレギュラーだったってことか。
 にしても、ちょっと気になっているところがあるんだけど、負けても新しい機体を与えられて云々とあったけど、それってあの支配者みたいな人達の宇宙に戻って、機体をもらってまたいってきまーすってことなんだろうか。ま、その辺は語られる事はなさそうですが。

 それはともかく、今回のお話はマチ、マチの兄であるコエムシ、そしてココペリの過去とともに、今この状況に至るまでの説明回なので、特にこれといった事はなかったな。
 設定を紹介されているだけなのだし、ここは「ふ〜ん」でいーんじゃなかろうか。というわけでホントなーんもない。
 のだけど、今回の情報を知った子供たちが次回以降どうしてどうなるのかは見物ですな。
 このまま、その支配者とやらの思惑通りに事が運んではつまらないので、なにか一矢報いる様な事をして終わるのだと思うんだけど、どーやって決着を付けるんですかね。


第21話 真相
よく考えてはあるけど…

 そんな今回のお話は…
 次のパイロットとなったカンジは、戦いを前にして最後の願いを保に託す。それは、母である吉川教授を殺してくれというものだった。
 もちろん、カンジに親殺しなどさせるわけにはいかないと困り果てる保。
 しかし、カンジの戦いを見届けるように言ってくれと関から頼まれて、認知研のあるビルへと入っていった。
 その時、既に敵ロボットが出現していたにも関わらず、吉川はジアースのデータを直接集めようと避難しないまま。
 一方、ジアースに乗ったカンジは、母ではなくジアースの謎を解く鍵を守るために戦うと言う。
 すれ違いながらも、母は子を見守り、子は母を守るために命をかけていた。
 やがてジアースが敵の急所を潰すが、敵は再び動き出し……。
 以上公式のあらすじ。

 このゲームに勝ち抜いたら終わり、ちゃんちゃん。じゃないんだな。
 勝ってもその宇宙を存続させて「もらう」替わりに支配者のいる宇宙に生命力を少しずつとられる。
 ジアースをどうにかしようとしてカンジの母が作ったプログラムが仇になったというよりは、向こうがそこまで読んでゲームのシステムを作っていたって事のようだ。
 よく考えてあるとは思うのだが、ちょっと突拍子がなくてあんまりピンときませんが、上手く作ってあると思うのは「もらう」ってところなんだよな。めちゃ上から目線だもの。これは見ていてカチンとくるよな。
 向こうはこっちがどう転ぼうが何の影響もなく、頑張って勝ったら勝ったでこっちは何も得る所がなく向こうが喜ぶだけ。
 ここまで見てきた視聴者ならどうしたって子供たちになんとか向こうの鼻を明かしてもらいたいと思ってしまう。
 そういう風に思わせる展開はすごいなと思う。コエムシもこれでもかと言わんばかりの悪役っぷりだもんな。

 さて、そんなわけで、どうにかしてヤツらに一泡吹かしてやりたいのだけど、どうにもこのお話がすんなりいってくれる様な気がしないんだよなぁ。
 鬼頭莫宏先生のマンガと言えば、「痛い」ので有名じゃないですか。読後になんかすごくやりきれない様な気分になる感じの。
 そんな先生の原作のアニメで向こうの鼻を明かしてざまぁみろ!で終わるとは到底思えないんですよねぇ。
 まぁ、それはそれでおもしろいんですけど、やっぱ一視聴者としてはすっきりしたい。
 これまでの展開から上記の様なすっきり解決とはいかないとは思うけど、せめて一矢報いるくらいはしてほしいなぁ。


第22話 道程
ウシロ丸くなったなぁ。

 そんな今回のお話は…
 カンジが死に、残る契約者はウシロと関の2人だけとなった。
 だが、残る敵の数は、次の地球へ舞台を移しての引継ぎ戦を合わせると3体となる。
 そこでコエムシはあと1人、カナを契約して戦わせて、引継ぎ戦をウシロに担当させることを提案。
 それはつまり、妹を見殺しにして自分は生き残る選択をウシロにさせるという、悪趣味なものである。
 考えあぐねたウシロはカナを連れて、養父・宇白要次郎やカナと過ごしていた高原の町へと、見送りに来たマチも連れて帰るのだった。
 ほぼ半年ぶりの帰宅となるウシロとカナを要次郎は手厚く迎える。
 久しぶりに温かい家庭で一夜を過ごしたウシロは決心し、コエムシの考えには従わないことをマチに誓うのだった。
 以上公式のあらすじ。

 うーん。実はあらすじ以上のものがない。ほんとにあらすじ通りの内容だったので特に書く事がなくて困っちゃう。
 しかし、冒頭にも書いたがウシロは丸くなったなぁ。ま、これまで色々ありましたからねぇ、当然と言えば当然。
 それで思っていたんですが、ワタシ、萌え系のアニメの見すぎなんですかねぇ。俺、今回カナが「お兄ちゃんが……好きなの」とか言うんじゃねぇかとドキワクで見ていましたよ(笑)。
 ほら、「私、契約してもいいよ」とか「お兄ちゃん、いなくなっちゃうの?」とか、それっぽいシーンがあったじゃないですか。
 まぁ、ならないわなぁ、そんな展開には(笑)。そーいった意味で、あの元凶となった自然学校にカナが付いていく事になったシーンも、カナが「私も一緒にいく!」とか言って強引に付いてきたとかなら面白かったなぁと思ったのでした。
 意外とぼくらのラブコメ版とか作ったらおもしろいかもな。

 それはさておき、次回予告で盛大にネタバレしているんですけど、どーしますかね。
 まぁ、カナの契約回避で思いつく方法っていったら、マチが契約するくらいしか俺も思いつきませんけど、次回予告で見せるこたぁねぇのに。
 にしても、残り2回でなんとかコエムシらの鼻を明かしてやりたいところですけど、どーやって決着つけるのか楽しみです。
 ウシロはやっぱ生き残るのかなぁ。


第23話 雪景色
コエムシ死す。

 そんな今回のお話は…
 認知研の作成したジアース・プログラムに引き寄せられ敵ロボットが出現することがわかり、
 国防軍はそれを利用し関東圏内で無人兵器による一斉空爆を行い、ジアースともども敵を殲滅する作戦を実行する。
 それは同時に、住民の避難もままならないまま空爆を始めるという非人道的なものでもあった。
 一方でジアースのコックピット内では、ウシロの思わぬ反抗にキレたコエムシが、無理矢理にカナを契約させようとしていた。
 そんなコエムシを、実の妹であるマチが拳銃で撃ち抜く。
 弾がなくなるまで撃ち込まれたコエムシは息絶え、ジアースには管理者が不在となる。
 マチは自身の長い戦いに決着を着けるためにも、自らの意志でパイロットとなるのだった。
 以上公式のあらすじ。

 あのいやらしいコエムシが死んだのはいいのだが、ちっともスッキリしませんな(苦笑)。まぁ、それがこの物語の特徴なんですが。
 それにしても地球側にもいやらしい人物がおりますな。どうも経済界のドンのようなんだけど、こいつにもなんとか一泡吹かしてやりたい所なんですが、次回でこのお話も終わりですし、これまでを見ているとやはり、なんかモヤモヤが残る様な嫌な感じで終わるんじゃないでしょうかね。それはとても「らしく」ていいんですけど。

 さて、今回はと言うと、マチがコエムシを含め自身の事に決着を付ける為にパイロットになるという話。なんだけど、話的には次回のオチの為の準備回って感じがしたなぁ。
 ジアース・プログラムのある建物壊したり、軍が全爆薬を突っ込んだりと、最後にウシロが決着をつける為に舞台を整えたんだろうな。
 そんなわけで、特にこれといった所はないが、次回の最終話で同決着つけるのか楽しみであります。

 つか、ウシロは勝てば帰って来れるのか?自分はココペリにはならないと言ったし、一応ルールでもあったコエムシも殺ってしまったし、最終戦に勝って戻ってこれる保証はどこにもないんだよな。
 別の宇宙へ行って勝ったとして、引き継ぎせずにその宇宙でジアースの存在を隠して終わるんだろうか。するとその宇宙はどうなっちゃうのかって話になるのだが…


第24話 物語
上手く終わったなー。

 そんな今回のお話は…
 マチの戦いが終わり、最後のパイロットにはウシロが名乗り出た。自分たち15人が始めた戦いを、自分の手で終わらせるために…。
 家に戻ったウシロは、要次郎にすべての真実を打ち明け、要次郎もまたウシロの決意を受け入れる。
 ようやく素直になれたウシロは父の仕事を手伝い、カナには暴力を振るっていたことを謝り、償いとしてカナが暮らす家を守ることを誓うのだった。
 そして、ついに最後の敵が出現する。敵ロボットの顔に点る光の数はわずかにひとつ。
 相手も自分の地球を守るために戦い、勝ち続けてきた証である。
 ひとりコックピットに座るウシロは強敵を相手に苦戦しながら、仲間たちの姿を思い出していた。
 この戦いの結末は果たしてどうなるのか!?
 以上公式のあらすじ。

 とても上手いと思ったよ。
 大団円だったわけでもなく、達成感があったわけでもなく、ただあの15人の戦いが終わったってだけの、とても「ぼくらの」らしい終わり方だったような気がします。
 個人的にはやはり、ウシロの30時間にも及ぶ一人きりの戦闘がとても好きだ。
 戦いながら、死んでいった仲間たちを思い返すウシロや、勝利後の「やっとこれで自由になれる…」のセリフが印象的だった。
 最後のエピローグでダイチの兄妹たちが出てきたのも好印象。
 ダイチの死後、あの子たちがどうしたかが気になっていたんだけど、フォローがはいって良かった。といっても、カナの話す物語があの子たちにとって納得のいくものなのか、信じてもらたのかはわからない。だが、そこからは見た人が自由に想像していっていいのだ。きっとあの子たちはダイチの分まで、カナは15人みんなの分まで生きていくんだろうなぁ。

 というわけで、最後なので全体的な感想を。
 あの鬼頭莫宏先生の原作マンガのアニメ化でどうなるものかと思ったが、個人的にはけっこう楽しんでみれた。「ぼくらの」というマンガの雰囲気を崩さずに最後まで走りきったなぁという印象。
 まだ未完のマンガ(放送当時)なので途中からオリジナルの展開になるのは仕方ない。むしろ原作レイプなんていう方が間違っている。違って当たり前だ、原作は終ってないんだから。まぁ、ただナカマの話を変えてしまったのはもったいなかった。
 監督曰く「娼婦の話にリアリティが無い」との事だったと記憶しているが、マンガはフィクションなんでリアリティ云々よりも面白いかどうかがポイントだと思うがな。
 ま、それは見た人が各自判断すれば良い。私としては物語全体を考えたら、大した問題ではないと思っています。たぶん、莫宏先生の所に話行っていると思うし。(チヅの話は放送しちゃダメだろうしな)
 さて、お話としては原作のある前半とオリジナルの後半では感じが違ったのがちょっと残念でした。
 マンガの方は今の所主役である少年たちに主眼が置かれている。「戦ったら死ぬ」というルールの中で少年たちが何を思いどう行動するのか。そして何が残るのか。政府や軍が介入してきてもそれは変らない、周りは周りで物語のひとつだけど、それはまたちょっと別筋の話。
 個人的にはジ・アースがどこからきて最終的にどんな目的なのかはある程度解れば、別にそれで良いと思っていた。
 何故なら周りの状況が刻々と変わる中でいつかは死ぬ少年たちがどうするかが話のメインだからね。
 だけどアニメ後半からマチのところまでは、その周りの状況がメインになってしまっていた感がある。そのおかげでコモやアンコの自身の話が薄味になってしまったのが残念だったな。もっと子供たち一人ひとりを深く掘り下げていってもらいたかった。
 だが、お話としては毎回次が知りたくなる内容であり、ひとつの物語としては十分楽しめる内容でした。
 気になるのなら見て損はないのでは?


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