デュラララ! 1〜12話

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#01 開口一番

歩いただけ……だよな。

 そんな今回のお話は…
 非日常に憧れを抱く少年・竜ヶ峰帝人は、親友である紀田正臣の誘いもあり、高校入学を機に池袋で一人暮らしをすることに。
 初めての東京。今まで知らなかった世界に目を奪われる帝人に、正臣は一つの忠告をする。
 「この街で平穏に暮らしたければ、平和島静雄、折原臨也、詳細不明のカラーギャング“ダラーズ”には絶対に関わらない方がいい――」
 そんな忠告を受けた矢先、帝人の耳に届いた馬の嘶きのような音。その音に導かれ駆けつけた帝人と正臣の前に現れたのは、漆黒のバイクに跨がり駆ける、都市伝説“首なしライダー”だった――。
 さらには連続通り魔事件や池袋に根付くカラーギャング“ 黄巾賊”の存在まで浮上し、池袋の街が壊れてゆく――。
 以上公式のあらすじ。

 お話は主人公竜ヶ峰帝人が親友紀田正臣と物語の舞台である池袋を歩き、これから関わるであろう人たちに会う。っていうだけ。
 なんだけど、怪しい人達や、なんだかよく分からない都市伝説の首なしライダーとか出てきて、いかにもなにかありそうなんだけれど、今の所はよく分からないっていう気持ち悪さと、平凡な人である竜ヶ峰帝人の日常が、本人の希望とは裏腹に、平穏無事ではいられないんだろうなぁと思わせてくれる。
 が、お話としては冒頭書いた通り、歩いていただけなので、話の面白さというよりかは、であった人達が、これからどう関わっていくのかなーという期待感だけを見せているな。
 これで何か「どうなるんだろう?」と思う事がなかったら、次を見てくれる人はいないんじゃないかと、余計な心配をしてしまうのであった。

 さて、そんな私はと言うと、なんだか怪しげな登場人物はともかく、おそらくはこの物語を引っぱっていくであろう首なしライダーが気になった。
 出てきた登場人物の中で、明らかに人ではない首なしライダーがどうその他の人と関わって、そして何者というか、なんなのか、またどういった経緯であんなガス人間のようになっているのかが気になってしまう。
 このアニメは「池袋を舞台に巻き起こるハイテンションのサスペンスアクション」と銘打っているので、いい感じにそうなって、ワクワクドキドキさせてくれると良いなー。

#02 一虚一実

物語の進展度はほとんどないけども。

 そんな今回のお話は…
 来良学園の入学式。さまざまな思いを抱え集った生徒たち。
 新たな門出に胸を弾ませる者、俯きがちに自己紹介をする者、入学早々休学を宣言する者、空いたままの、座る者のいない席。
 そんな中にいた、どこか陰のある一人の少女、神近莉緒。
 平穏な日常にふいに生じた亀裂。それを覗いてしまった彼女は、本当なら2日前に死んでいたはずだった。
 以上公式のあらすじ。

 お話としては、前回拉致された女の子「神近莉緒」が、それまでにどうでその後どうなったかを見せるお話で、彼女を通して、メインキャラである折原臨也(だったっけ?)と首無しライダーを見せるお話。
 公式のキャラ紹介で神近莉緒がない所を見ると、やはり折原や首無しライダーの紹介の方がメインなんだろう。
 話としては、前回語られなかった部分を、時間を巻き戻して看ているので、進展度としては全くないが、見せ方としてはおもしろく、てっきり今回から主役(?)の竜ヶ峰帝を中心に、話が進んで行くと思っていただけに、この見事に外された感は上手いこと考えてあると思わせる。
 んだけど、初回、ただ池袋を歩いただけ、そして今回、今後出てこなさそうな人物が見た目メインでは、週一放送のアニメの展開としてどんなもんなんだろうと思ってしまう。
 まぁでも、原作好きで見ている人はともかく、知らない自分が今後も見ていこうと思っているんだから上手くいっているんだろう。
 もうちょっと、次が気になるような何かがあった方が良いような気もしますが。

 さて、お話としましては、上記の通り進展度は全くなく、分かったことと言えば、折原臨也(だったっけ?)がやなヤツであることと、謎の首無しライダーが運び屋で、なんか白衣を着た岸谷森羅と繋がりがあることが分かったくらいで、竜ヶ峰とは、今の所全く関わっていないので、話の進展もあったもんじゃない。物語的にはまだ何も始まっていないからなー。
 公式のキャラクターを見ると、もうすでに18人もいて、これらが全て関わってくるのかと思うと、今からちょっとメンドクサイような気がしてきました。
 アニメみて小難しいことを考えたくないと思っている自分としましては、その辺りちょっと心配ではあるんですけれど、物語がここからどう転んでどうオチをつけるのかが、全くわからないってのは面白くはあるので期待もしている。といった所です。
 とりあえず、話を動かしてもらって、方向性くらいは知りたいですな。
 ホントに看板通りハイスピードでハイテンションなアクションサスペンスになるんですかねー。


#03 跳梁跋扈

動き出した感じはする。

 そんな今回のお話は…
 ナンパをしようと意気込む正臣。困惑しながらもその後をついて行く帝人。
 客引きをする露西亜寿司の店員、サイモン・ブレジネフ。借金の取り立てに向かう平和島静雄と田中トム。
 誰かの姿を懸命に探す矢霧誠二や、入学してから一度も登校して来ない友人を探し歩く園原杏里。
 様々な人が行き交う池袋の街、ダラーズに関するたくさんの噂話。
 同級生である杏里が街で絡まれているところを助けようとした帝人に声をかけてきたのは、絶対に関わってはいけない人物、情報屋・折原臨也だった。
 以上公式のあらすじ。

 お話的には、折原臨也がどうも帝人に目を付けているらしいことと、その臨也と平和島静雄は最悪に仲が悪いということ、そして帝人が惚れてた園原杏里はなにかありそげで、前回入学以来学校に来ていない矢霧誠二は探し人であろう、首に傷を持つ謎の女と巡り会う。
 って感じで、主役である帝人や、一癖も二癖もありそうなキャラクターたちが、ほんのすこーし関連性を持ち始め、興味を次回以降に引っぱっているシナリオが見事だ。
 話はサイモンのナレーションで進んで行き、流れとして実に「本」っぽい感じ。
 まぁ、実際の所、原作が本なんだからそうなんだけれど、すごく客観視点で進んで行き、大都市で知らない人がなんかやってるのを見ている感じが、この世界観とあっていて面白い。
 物語としては、何かありそうな人達が、偶然であったりそうでなかったりしつつ関連してくるが、その繋がりはほのかな物で、まだ全然分からないながらも、上っ面の上っ面くらいは分かるような気にさせて、分かりそうで分からないのが逆に気になるように仕掛けている。(んだと思う)
 たくさんいるおかしな、また不気味なキャラクター達が、これからどうなっていくかが楽しみだ。

 さて、気になる所としましては、ちょいちょい出てくるチャット画面。
 HN田中次郎は帝人だと思うが、その相手のひとりはどうも折原臨也のようだ。
 初回に攫われた女の子に色々していた彼が、次に標的にしたのが帝人のようだが、今回は帝人で何をしようとしているのかが分からず不気味だ
。  彼はただの理屈こねな人物かと思いきや、名も無きチンピラを一蹴できるくらいの力も持っていて、それだけに何を考えているのかが分からないのが気持ち悪い。
 それと、矢霧誠二が最後にであった謎の女。
 首に傷という、あからさまなヒントがあるんだから、おそらくは首無しライダーに関連する人間なのだろうけど、公式のキャラクターに彼女が載っていないし、なんだか全然分からないってのが気になってしかたがない。
 案外首無しライダーって彼女なんじゃないんですかねー。
 まぁ、そういうミスリードを誘っているのかもしれませんが。


#04 形影相弔

デュラハンとはまた突拍子もないことをさらっと説明したなぁ。

 そんな今回のお話は…
 街行く人々が語る都市伝説“首なしライダー”の噂。ナンバープレートのない漆黒のバイクに跨がり駆ける姿を目撃した者は意外と多い。
 ある時からごく自然に、池袋の闇と雑踏に溶け込んだ不可解な存在。
 しかし、その真実の姿を知る者は果たしているのだろうか。そんな考察をめぐらせる一人の男・岸谷新羅。
 一方、考察の対象である“首なしライダー”本人は、ある一人の老画家の行方を捜し、街をさまよい続けていた。
 以上公式のあらすじ。

 お話は首無しライダーの説明をする岸谷新羅(きしたにしんら)という感じで、首無しライダーことセルティ・ストゥルルソンと言う名の彼女は、アイルランドの伝説にある、自分の首を抱えた精霊デュラハンであった。
 ということを、新羅が考察の為のビデオ撮影を通して、彼女がどういう経緯や理由で、今現在、新羅と共に過ごしているのかという事と、新羅が彼女に惚れている事を説明している。
 話としては説明回で、もう4話だというのに物語の進展度としてはほとんどなく、本来デュラハンが持っているはずの自分の首は、ある時、気付いたら倒れていた彼女は持っていない事に気付き、さらには自分の名前と能力意外は記憶を失ってしまい、それ以来ずっと自らの首を探し求めているのだということを、説明しただけなのだが、ここまで見てきて、この首無しライダーの正体が物語の核となっていて、それが分かるのは、きっとずっと後の事だろうと思っていた私としては、意表をつかれた格好になった。
 また人外である彼女が、求めて止まない自分の首が見つからず、人のように悩んだり、見つからない事に苛立を募らせたりする様子がどこか人間臭く、首のない女の姿でありながら、あまり人外を感じさせないのが面白い。

 物語的にも、セルティは現在運び屋家業をしており、重要人物であろう折原臨也や平和島静雄との接点があり、また、彼らと関わり合おう事になるであろう主役竜ヶ峰帝人も、彼女と接点を持つであろうし、主立った動きのないお話ながらも、着々と各キャラクター達との接点ができ始めていて興味深く、今後どう展開して行って、特異なキャラクター達がどう繋がって行くのかを気にさせる。
 そういった意味で、看板として掲げてある「サスペンス」的な部分がとても興味が引かれる。
 個人的な所としては、前回矢霧誠二が見つけた首に傷のある少女。
 前回の感想で、案外彼女が首無しライダーだったりしてというのは、案の定外れた格好だが、となると、セルティが探している自分の首が彼女であるかもしれない。
 無論これでもミスリードという可能性はたぶんにあるが、そうかもしれないし違うかもしれないと思わせ、話の興味を次回以降へ引っぱっているんだから上手い。

 というわけで、画面的な話の進展はないのだが、着々と点が結びつきつつあるように見せ、全体的に物語を形作っているように見えて、これからの展開が楽しみだ。
 ところで、この原作ってまだ未完のようなんだけど(原作未読)、どう終わらすつもりなのかしらね。


#05 羊頭狗肉

うあー、話進まねー。

 そんな今回のお話は…
 帝人・正臣・杏里の三人が高校生らしい放課後を満喫する一方で、「池袋最強」を探す雑誌記者・贄川の取材はなかなか進展を見せない。
 人々の口から上がるのは首なしライダー、ダラーズ、サイモン、平和島静雄、黄巾賊、切裂き魔と、まったく一貫性がなかったからだ。
 そして「池袋最強」候補の一人である首なしライダーは、夜の路地裏で、暗闇に赤く光る二つの目と相対する。
 時を同じくして、とあるチャットルームは「罪歌」と名乗る者によって荒らされていた。
 以上公式のあらすじ。

 いや、正確に言うと進んではいるんだけど、新たに起きた事柄と、分かったような分からないような事があったくらい。
 お話は竜ヶ峰帝人の親友「紀田正臣」のモノローグで進んでいき、基本的には彼がどんな事を考え、竜ヶ峰帝人来るまでに何かしらあった事を見せている。
 そんな中で、新たな謎の存在「切り裂き魔」をを登場させ、池袋の闇に新たな起こり始めた事も紹介している。
 今の所はまだ状況説明的で、各キャラクターという点をにとりあえずの関係性を見せ、裏側に潜む線を視聴者に想像させている。
 主役なのかどうか、今となっては疑わしい(笑)竜ヶ峰帝人以外は、一癖も二癖もありそうなキャラクター陣が、本当は何を考え、他とどう繋がっているかを気にさせているのはなかなか見事。
 派手なことは起こらないのだが、地味に興味を引かれる内容になっている。のだが、物語としては殆ど進展していないので、もうちょっとぱっぱと進んでもらいたい所ではある。
 とはいえ、今ここで、ここまで尺を使って各キャラクターと見せているという事は、それが物語にとって重要だという事でもあり、それがあってこその後の展開なのであろう。

 個人的に気になるのは、矢霧誠二と一緒にいる首に傷のある少女は誰なのか?ということと、今回出てきた切り裂き魔は園原杏里が探している播磨さんなのか?
 という事を筆頭に、色々あるのだけど、その辺は見ていけば分かるようになっているであろうから、まぁ、わざわざ考える必要もおそらくはないだろう。ってことで、今ひとつ書くことがないのであった(苦笑)。
 ああ、そうそう。今回は冒頭に起こった出来事が、時間的には物語の現時点であり、お話のメイン所はそれよりも前の事で、どうしてその最初の出来事になったのかを、順序を逆にして説明するという演出は、よくある手ではあるが、そこまでの繋がりと、各キャラクターとの繋がりを見せ、興味を引くように作ってあり感心しました。

 しかし、この物語はどーなってどー終わるのかなぁ。全然分かんないや。
 そーゆー意味で、物語として良く出来ていると言えるかもしれない。


#06 東奔西走

周り固めるなぁ。

 そんな今回のお話は…
 ここ暫く、池袋から渋谷の間で失踪事件が増えていた。
 消えるのは地方から家出してきた者や不法滞在者など、消えても跡が残らない者達。
 そして今日も、人間狩りをするために鉄パイプを片手に獲物を探す若者達が、不法滞在者が隠れ住むある廃ホテルに侵入した。
 逃げ惑う人々を「商品」と呼び、楽しみながら捕まえる彼らが口にする“納品先”とは。
 そして捕まった者を助けるために立ち上がった、意外な人物達とは――。
 以上公式のあらすじ。

 今回のお話は門田京平らを紹介する内容。
 いつも一緒にいる門田京平・渡草三郎・遊馬崎ウォーカー・狩沢絵里華をピックアップしたお話で、これまであまり出てこなかった彼らが、今噂になっている謎のカラーギャング「ダラーズ」のメンバーで、そのダラーズが、彼らを通して謎な組織・団体である事を示し、1話で少女を攫ったヤツらが、矢霧製薬の人体実験のために、人さらいをしている事を明らかにした。
 なんでつるんでいるのかよく分からない門田らをメインに据えつつ、物語を少しずつ進めている辺りの技量は見事で、それなりに役所があるであろう彼らというキャラクターを見せながら、これまで分からなかった部分、人さらいの練習の黒幕を見せて、物語の外堀を固めているように見える。
 原作を読んでいないので、この物語がどう動くかというのは知らないのだけれど、これまであったように、各々のキャラクターに焦点を当てて、物語を構成する要素をがっちり埋めていき、堀ががっちり埋まった所で核心を突いていくのではないだろうか。
 ここまで見せてきた各々は、見かけ上は接点が殆どないのだけれど、物語の舞台であるカオスな池袋という街で、微妙な繋がりを見せていくことで、何か大掛かりな仕掛けが動き出しそうな予感と期待を抱かせてくれる。

 攫われた仲間を救出するという、言葉にすれば重いお話しながらもコミカルに描いていて、それでいながら、人さらいをして人体実験をしているという謎な矢霧製薬をちらりとみせることで、ただつるんでいる仲間の誰も知らない事件で終わらせないシナリオも上手い。
 それは今回に限らずなのだが、これまで個々を取り上げ見せていた事が、ここへ来てようやく微妙な繋がりを見えてくるように仕向けてあり、こちらが興味を引くように、クイクイと餌を小刻みに引っぱっていて、なにか1話ごとに大きな展開があるのではないのだが、巧妙に仕掛けられた何かに引き寄せられているような気にさせられる。
 各話で少しずつ提示される事を踏まえていった先に、一体何が待ち受けるのかと期待してしまう。
 それを狙ってやっているんだから見事という他ない。

 でも物語としての進展度はほとんどなく、今の所はなんかカオスな街「池袋」を舞台に、何をどうしようしているのかが分からないが、先に述べたように、全てが埋まってから一気に進んでいきそうな予感があり見逃せない。
 ともすれば退屈にも思えるが、徐々に明らかになる事柄がパズルを解いているようで、ここへ来てようやく面白くなっていたという感じです。

 しかし、あの筋金入りのオタクふたりと門田はどーやって知り合ったんだろうなぁ。


#07 国士無双

今回は平和島静雄。

 そんな今回のお話は…
 “池袋で一番強い男”と呼ばれ、“最凶”の名を欲しいままにする青年・平和島静雄。
 彼は最近、原因が分からない苛立ちにさいなまれていた。
 仕事のパートナーである先輩・田中トムに宥められ、荒れているという噂を聞いたセルティに心配される静雄だったが、苛立ちはなかなか治まらない。
 苛立ちの原因とは一体何なのか。
 それを探りながら街を歩く静雄の脳裏には、少年期から学生時代、さまざまな過去が思い出されていた――。
 以上公式のあらすじ。

 というわけで、平和島静雄が何故あんな馬鹿力なのかを説明しつつ、彼の生い立ちから現在までを紹介するお話で、あんな暴力が服を来ているような男が、本当は暴力が嫌いで、尚かつ自分の怒りを押さえられない性質であることを、割とコミカルに描きつつ、平和島静雄と何人かの主要キャラとの繋がりを見せている。
 まぁ、ぶっちゃけ内容はホント上記の通りで、彼に関連する折原臨也や岸谷新羅、セルティの繋がりを見せているだけなので、お的にどうこうと言う所はあまりないのだけど、平和島静雄というがどういうキャラクターなのかや、彼の特殊能力とも言える「怪力」に説明があったのは良かった。
 彼の人となりとして、暴力が嫌いだという割に、怒りを全く抑えられず、暴力を結果振るってしまう事となるも、平和島静雄という人物は、ただ何事も暴力で解決しようと思っている人間ではない事がよく分かる。
 池袋最強のひとりとして数えられる彼は、怒りが抑えられなくカッとなって暴力を振るってしまう事を除けば、割と気のいいあんちゃんであり、それはそれで好青年ではあるものの、折原臨也の所為で平穏な日々を送る事が出来ない。

 今回見ていて気になったのはそこで、折原臨也は殆ど全てに顔を出す関連の多さなのだが、彼が何をどうしようと思っているのかがさっぱり解らない。
 何を思って平和島静雄やその他の人々にちょっかい出すのか、その断片すら見えてこないのでとても不気味だ。
 何か大きな目的あっての事なのか、それとも2話であったようにただの興味からなのか。
 折原臨也を中心に、これから物語は大きく動くのか、それともこんな感じで延々とお話が続くのか、それがさっぱり読めないのが面白く、この物語の終着地を気にさせてくれる。

 ホント、どこに落ち着こうというのかね。さっぱり解らないや。
 まぁ、だから見続けているというのもあるんだけど。最後どうなるか見届けてやろうという気になる。
 が、今の所、大きな展開を迎えようとする雰囲気があんまりないのよねー。
 下手すると、このままこんな感じで終わりそうな気もするから困っちゃう。


#08 南柯之夢

今回のテーマは探しもの。

 そんな今回のお話は…
 自分の首を探し続けるセルティは、首が見つからない焦りから新羅とぶつかり、家を飛び出してしまう。
 その帰りをじっと待つ新羅のもとを訪ねてきたとある人物。その人物と新羅の関係、そして目的とは――。
 一方、池袋の街なかで留学生・シリがプラカードとスケッチブックを手に尋ね歩く。
 「ハロー。あなた、何を探していますか?」
 その質問に、池袋の住人達の答えはさまざまだった。
 以上公式のあらすじ。

 というわけで、セルティを中心に「探しもの」に対する各々を描いている。
 そういった中で、お話的な進行度としては、何か怪しげな矢切製薬とセルティの探し求める「首」の事ら辺を少し進めた。といった感じ。
 なんだけど、このアニメは池袋で生活する各々をすごく客観的に描いていて、それはそれで面白いんだけど、客観的過ぎて何を書いていいかよく分からなくなるな。
 今現在、なんとなーく繋がっているような各々は、後に強く結びついてくるんだかつかないんだか。  まぁ、これで結局最後までなんもないとしたら「ええっ!?」となるので、何かしらあるんでしょうが、異様なお話のノッタリさ加減が、こんな事している身としてはつらい。ただ見ている分には良いのだが。
 お話としては、首に傷のある少女の首はやっぱセルティの首らしいってことと、どうも矢切製薬は彼女の首に関連していて、新羅はそれを知っているらしい。ってことがわかっただけだもんな。
 無論、それだけではないのだけど、今の所はその他に強い結びつきが見えないから、今どうこう言えないのがなんとも。
 後で「あー、あの時の」とか思うんでしょうけどねー。こーゆーのってすごく感想書き辛いなー。
 プリキュアみたいに1話完結のボトルショーの方が、最後にカチッとオチてくれていい。
 なんにせよ、今の所は外堀埋めていっているんで、どの辺でしっかり埋まって核心を突いてくるかを楽しみにしている。


#09 依依恋恋

うお、なんか突然展開し始めたな。

 そんな今回のお話は…
 矢霧製薬の重役である矢霧波江は苛立っていた。最愛の弟・誠二の居場所が掴めないからだ。
 その行方を捜すため、波江は新宿の情報屋・臨也との接触を持つ。
 行方を捜されていることなど意に介さない誠二は、首に傷のある女と共に、池袋の街をさまよい続けていた。
 なにかに怯えたように「遠くへ行こう」と手を引く女に、愛おしげに優しく微笑む誠二。
 一見穏やかに見える光景はしかし、そこに偶然居合わせた人物と、女の突然の悲鳴に掻き消えた。
 以上公式のあらすじ。

 お話は矢霧姉弟を紹介しつつ、セルティの首のことがゴロッと展開し始めた。
 弟誠二をを溺愛する姉波江、セルティの首にしか興味の無い誠二、探し求めていた首と出会うセルティ、身体の事を知らない首、偶然巻き込まれる竜ヶ峰帝人と、これまで点と点だった所に淡い線がつき始めたが、それは誠二の消息を探ろうとした姉波江が、情報や折原臨也に捜索を頼んだ事が発端の、ある意味仕組まれた偶然であるのが面白い
。  上記したように、展開としては突然動き出した感ではあるが、これまでがあってこそのこの展開であるので、突然でありながらもついに動き出したという感じにさせているのが上手い。
 物語はひょんな事から首に傷のある女を保護してしまった竜ヶ峰帝人が、弟のために手段を選ばず女を取り戻そうとする波江と誠二や、何故か誠二を愛していて遠くに行こうとする首に傷のある女、首を求めているセルティ、情報を操り暗躍する折原臨也らと、どう対峙していくかが見物だし、これからの展開が楽しみ。

 個人的な所としては、まずはなんと言っても「首」のことだろう。
 これまでちょいちょい出てきた首に傷のある女の首は、やはりセルティの首であったわけだが、その首は、園原杏里の友人で行方不明でストーカーであった播磨美香(この字でいーんですかね?)、誠二によって殺された彼女と首とすげ替えられたようで、その影響なのか、首をすげ替えられた彼女は誠二を愛していると言う。
 セルティ(身体)を見ても悲鳴を上げた所を見ると、それまでの記憶も無いようで、とすると、首は繋がっている物に影響を受けるという事なんでしょうかね?
 身体が播磨美香で誠二を愛しているというのだから、きっとそんな感じなんだろう。
 首(脳)が無いのにそう思うってのは不思議な話だが、まぁ、セルティの首自体人外のモノだからいいか。
 しかしセルティは首が無い故に喋れないというのに、どうやって首を取り戻そうというのか。
 また、新羅が言ったように、ひとりの人格として生きている首を、一体どうしたらいいんでしょうね。
 それから、播磨美香で気になるのは、彼女が既に死んでいるという事だ。
 私は以前一回だけ出てきた切り裂き魔が彼女だと思っていたが、それだと辻褄が合わなくなると言うか、切り裂き魔は誰なのか?という問題が出てきてしまった。
 その辺もどう繋げていくかも楽しみだ。


#10 空前絶後

ぬ、竜ヶ峰帝人が発起人ってことなのか?

 そんな今回のお話は…
 街角で帝人がぶつかったのは、首に傷のある女だった。既視感をおぼえ驚く帝人の耳に聞こえた、馬の嘶きのような音。
 女は、首なしライダーに追われていた。咄嗟に女を匿い、自宅へと逃げ込んだ帝人だったが、女は記憶喪失なのだと言う。
 今後の行動に悩む帝人は正臣に相談を持ちかけるが、しばらくは様子を見るしかないだろうとの結論にしかならない。
 翌日、困惑し切っている帝人の帰宅を校門前で待ち構えていたのは、情報屋・臨也と問題の人物・首なしライダーだった――。
 以上公式のあらすじ。

 前回セルティ(首)を匿った竜ヶ峰帝人のその後の話。
 学校へ行っている間にいなくなってしまった彼女の代わりに、矢霧製薬の工作員に襲われるが、何故か学校帰りに待ち構えていた折原臨也と首無しライダーことセルティ・ストゥルルソンのおかげで事無きを得る。
 襲ってきた相手が矢霧製薬だと折原臨也に教えられた竜ヶ峰帝人は、居なくなった首に傷のある少女、デュラハン、行方不明、播磨美香、矢霧誠二、人買い、そしてダラーズ。
 転がり込んできた情報を繋ぎあわせた彼は、猛然とPCと携帯を操作し始める。
 そして、駒は揃ったと立ち上がる竜ヶ峰帝人であった。って感じで引っぱった。

 お話としましては、視聴者的にこう繋がっているのだろうという事を、竜ヶ峰帝人も気付くこととなる、という話。
 この物語で一番の重要人物セルティと、ようやく繋がりが出来た彼が、実はダラーズの発起人(設立者?)ってことなのかな?
 今回までになにもないただの高校生だと思われていた竜ヶ峰帝人に、なぜ折原臨也が接触してきているのか気になっていたのだけど、元々新宿が活動の場だった(だったっけ?)折原臨也が、謎の組織ダラーズを気にかけて、辿り着いた答えが竜ヶ峰帝人だったなら、折原臨也が池袋に現れたことや、全く接点がなかった竜ヶ峰帝人に接触してきたことにしっくりくる。
 ちょいちょい出てきていたチャット画面も、ダラーズサイト内のチャットだというのなら、それらが見事に繋がってくるし、今回ラストの状況的にも、きっとそういうことなんだろう。違うのかもしれないが(笑)。

 前々回までのったりと進んでいた物語が、前回からものすごいスピードで繋がりを持ち始め、展開しつつあるのは見ていて気持ちが良いし、話の構成の上手さを感じる。
 後は繋がった線をたどっていくような形になるとは思うんだけど、この一連の「デュラハンの首事件」(勝手に命名)に、関連性はあれど、まだ首を突っ込んでいない竜ヶ峰帝人の親友紀田と園原杏里、怪しげな教師那須島、ロシア寿司のサイモン、平和島静雄、そして切り裂き魔がどう絡んで展開していくか見物。
 これから一体どうなるんだろうと予想がつかないし、予想をさせない話の組み上げ方が見事だ。
 俄然この後のお話が楽しみになってきましたよ。


#11 疾風怒濤

前半は異様に間を取ってるな。

そんな今回のお話は…
行方不明になった杏里の親友、デュラハン、首に傷のある女、矢霧製薬、人身売買。そして、ダラーズ。
バラバラだったピースがひとつずつ嵌まっていく。池袋の繁華街。雑踏の中、波江と対峙する帝人。
緊張に強ばりながらも、その瞳はまっすぐに波江を捉えていた。すべての謎と欺瞞を暴くために――。 その二人を見下ろすようにビルの屋上に佇むセルティは、新羅の言葉を思い出し、自問する。
首を探し続けた自分の存在意義とは一体なんなのか。
そしてそんなセルティの悩みさえ覆い尽くすかのように、夜の街に人影が次々と増えていた――。
以上公式のあらすじ。

なのでAパートを早送り再生したら、ちょうどいい感じでした。
さて、お話はというと……時間軸を色々ずらして見せているので説明がめんどい。
あった事としましては、竜ヶ峰帝人が矢霧姉と交渉するも、イカレた矢霧姉と上手くいくはずもなく、連れ去られそうになるも、竜ヶ峰帝人はそこにダラーズのメンバーを呼び寄せていた。
一般人だと思われていた周りの人間全員がダラーズのメンバーであったのだ。
疾走していた首に傷のある少女は、門田らに偶然保護されており、ダラーズ発起人である竜ヶ峰帝人は、約束通りセルティと引き合わせる段取りをする。その代わりの条件として、矢霧姉の武力に対抗する手段とした。
混乱に乗じて身を隠す竜ヶ峰帝人を矢霧誠二が見つけ、刺されそうになった所で引っぱった。って感じ。

そんなお話としましては、矢霧姉との交渉を舞台に、竜ヶ峰帝人とダラーズ発足の経緯、ダラーズと人との繋がり、セルティと首の再会などを主に見せている。
冒頭書いたように、Aパートは竜ヶ峰帝人の対抗手段の一つとしての、周りが全員ダラーズ、という所を見せているのだが、そこに行くまでの竜ヶ峰帝人と矢霧姉との会話がものすごく間が取ってあり、見ていて悪い意味でジリジリする。
周りが全員ダラーズというのは見ていて予想のつく事なので、むしろその後の展開、立場的に強い矢霧製薬をどうやり込めるかの方が見たいわけでなので、その辺もうちょっとサクッと言ってほしかった所。
個人的には、矢霧姉はすごくイヤな人なので、それ以降に矢霧姉をやり込め、立場の弱い竜ヶ峰帝人が「してやったり」とする所を見て、カルタシスを得たかったのだが、特にそういう所がなくて残念。 その辺は、首と再会し、ふっきれたセルティが持っていってしまったかっこうだが、それも今ひとつ弱く残念であるが、それは次回のお楽しみなのかもしれない。

物語としては、後は首に傷のある少女と矢霧製薬をどうするか、ってところなんだけど、紀田正臣や園原杏里、切り裂き魔があんまり繋がってこなくてその辺もどう繋げてくるか気になる所。
彼らは2クール目から動くのかなー。ま、とりあえず、「セルティの首」篇をどう決着つけるのかは見物だ。


#12 有無相生

上手く騙された。というか、騙すように作ってるんだけど。

そんな今回のお話は…
首に傷のある女を取り戻すため帝人に襲いかかった誠二に、女の口から告げられた真実。
それは誠二を、そしてセルティを驚愕させた。打ちのめされ呆然とする誠二と、壮絶な怒りでもってその場を去ったセルティ。
相対した真実に、それぞれはどんな答えを見つけ出すのか――。
一方、そんな運命に翻弄される人々を見つめる帝人に近付く人影。それは情報屋・臨也だった。
以上公式のあらすじ。

今回でこれまでの騒動をを上手く一旦締めている。
オチとしては、「セルティの首篇」がメインと思わせておいて、実は「張間美香、謎の失踪」篇がメインであった。
セルティの首は物語全体を引っぱっていくものではあるけれど、今回までの事はそれに付随したお話であり、首はメインでありながらメインでなかった。のだが、こんなの途中でわかりっこない(笑)。 なぜならば、張間美香はそれまでの状況的には死んだ前提で描かれていて、確かに今回を見て「あぁ、あの時の」と思う所はあれど、それが彼女が生きている事に繋がらないし、首に傷のある少女と張間美香が同一人物と思わせるものでなかった。
が、この物語は謎解きゲームではないし、首に傷のある少女は張間美香の身体にセルティの首をくっつけたものだ、と上手く誘導して、オチのわかった今回で「あぁ、そうか」と思わせる話の作りが見事だ。
原作がこの通り進んでいるかどうかは知らないが、話を知らない自分からしてみると見事にハメられた格好だが、裏をかかれ、予想外の方向へ持っていかれた事は、逆に気持ちの良いものである。

今回のお話としましては、セルティの首という大きな流れに乗っかった、それぞれの「歪んだ愛」を張間美香失踪事件を通してみせた後、見事に一旦の終息させいる。
ラストに折原臨也と矢霧波江の会話がなければ最終回のようであった。
が、逃げた矢霧波江は折原臨也にセルティの首を預け、なんだかんだで今回までの事件を引っぱっていた折原臨也は、首で何か仕掛けてそうな雰囲気であり、まだ語られていない園原杏里や、紀田正臣、やらしそうな教諭、切り裂き魔らのピースと、次回サブタイ「急転直下」で、次回以降のお話が気にかかる所。
最初の数話がのったりとしていて、このままこんなんで終わるのかと思っていたこのアニメであったが、それまでの積み重ねが見事な繋がりを見せて、予想のつかない方向へ話を持っていくので、話の続きが気になって仕方ない。

しかし、この物語はどーなったら「終わり」となるんでしょうね?
メインとなる人間を変えれば変えるだけ話が作れそうだし、池袋という場所さえ押さえておけば、これまで登場してきた人物を総替えして、また始めから別の事やっても良いしで、終わらせるつもりがなければ延々と続けられそうだよねー。


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