Phantom -Requiem for the Phantom- 14〜26話

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第14話 監視

サイスが嫌な動きをしていておもしろいですな。

そんな今回のお話は…
「キャルを自分の助手として育てる」
ワイズメルからキャルを守るため、玲二は幹部会で大芝居を打った。
抜け殻の様に暗殺を続けていた玲二。それだけに、彼がキャルに同じ道を歩ませたいはずなど無かった…。
だが、幹部に啖呵を切った以上、それなりの体裁を整えなければ幹部を納得させる事は出来ない。
特にワイズメルの追求は厳しいだろう…。キャルを守るための嘘…。それは、思った以上に玲二に重くのし掛かる…。
一方、クロウディアはワイズメルに疑惑を抱いていた。 彼は組織内でクロウディアが力を得る事を快く思っていない。
自分への牽制で取引を潰したとしたら…確かに辻褄が合う…。
クロウディアは梧桐らの帰国を引き止め、秘密裏に玲二に監視させる…。
梧桐組をエサにワイズメルを炙り出し、その尻尾を掴むために…。
以上公式のあらすじ。

ワイズメルの動きに便乗(?)して、サイスがアインを使っているのがとてもいやな感じがしておもしろいな。
クロウディアはワイズメルを疑っているのはその通りなのだが、梧桐組がサイスと繋がっている事を知らないので、状況が常に後手に回っている。
それもそのはず、この物語の盤上で今現在、サイスとアインは見えていない駒になっているからな。
いないと思い込んでいる相手なので、どうにもしようがない。というのを分かってやっているであろうサイスが気持ち悪くて逆に良いな。
今まで順風満帆であったクロウディアも、バックに付けようとしている梧桐組が、裏でサイスと繋がっている事を知らないので、
これまでの日の出の勢いにかげりが見え隠れしているのも、上記と合わせて今後を気にさせる。
サイスとアインは、今現状、正に亡霊のようで、その実態をどこで認識するかが物語のポイントとなりそうだ。

さて、ポイントと言えばキャルもまたそうなのであろう。
今回の彼女は前回以上に天才の片鱗を見せていて、そんな彼女を出来るだけ早くもとの世界に戻してやりたいと思う玲二だが、
前回に幹部会議(だったっけ?)でついた嘘「「キャルを自分の助手として育てる」が見事に足かせとなってしまっている。
そういったことから、キャルが元の世界に到底戻れそうもないことと、今はまだ兆しもないが、
そのうち玲二とアイン=エレンとの数奇な運命に巻き込まれるであろう事を予感させる。
今、この物語の盤上で、もっとも異質な駒である彼女に、どうのような役割が与えられるかが楽しみだ。

今回のお話としては、インフェルノと梧桐組を見せながら、それに伴った各キャラの動き、そして玲二とキャルの微笑ましい生活を見せるという、
裏と表のような対比を見せていたが、キャルとの微笑ましい生活はホントなんもない(笑)ので、正直見ていてちょっと退屈だな。
興味深さとしてはファントムとしての玲二の話方に動きがある分おもしろい。
が、そっちのほうも、じりじりと動いてはいるものの、急展開しているわけではないので、話の動き的には地味だ。
しかし、インフェルノと梧桐組という所を中心に、まだてんでしかない色々な事柄が、何時はっきり線で結ばれるのか、という所で興味が引かれる。
キャルもまた、天才の片鱗を見せた事で、それに関わっていくんだと示唆しているのは良いな。
なんにせよ、まだ小さな動きしか見せていない事柄が、どこでどう大きく転がるかが見物です。


第15話 再会

再び会ったわけでもないのに「再会」とはこれ如何に。

そんな今回のお話は…
『…あるわけがない…彼女は死んだ…俺がこの手で…なのに、生きてるだなんて…』
玲二が目を離した隙に梧桐組の室戸は殺された。
殺害現場から足早に立ち去った女…一瞬だけ見えたその顔は…エレンに似ていた…。
「そんなはずは無い…」
頭ではそう思うが、体は驚きで固まり逃げられてしまった。完全な失態…。エサだけ取られた釣り針の立つ瀬は無かった…。
またしても舎弟を殺された梧桐は激昂。梧桐の信用を取り戻すためクロウディアは、3日後に犯人を差し出すと梧桐に約束する。
3日後…ホテルの一面ガラス張りの会議室で梧桐組のインフェルノ正式加盟が決まる。 その時、敵は必ず動く。
そう踏んだクロウディアは玲二にもう一度指令を与える。
玲二に課せられたのは、無謀とも思える狙撃手を逆狙撃するカウンタースナイプ…。二度目の失敗は絶対に許されない…。
以上公式のあらすじ。

お話としましては、インフェルノと梧桐組、玲二とキャルの幸せな時間、カウンタースナイプ、
そして暗躍するサイス・マスターとエレンの4つを上手くまとめている。
その中で目を引くのが玲二とキャルだ。
裏の世界の話の中で、全くそぐわない雰囲気の二人の時間は、それをすごく印象づけている。
でも玲二とキャルはそっちの世界に足を踏み入れているので、どうしたって裏の世界と関係してきてしまう。
キャルを元の世界に戻したい玲二の気持ちとは裏腹に、自体は悪い方向へと進んでいってしまう。
二人の時間が幸せそうであればあるほど、今にも大きな渦に飲み込まれそうな、そんな気になってしまう。
それというのも、サイスが裏で暗躍しているからで、その大きな渦を作り出しているのが彼だ。
今ひとつ、彼がどうしようとしているのかは知れないが、インフェルノ、ひいてはクロウディアを悪い状況に持っていき、少なくとも混乱させようとしているのはわかる。
クロウディアの立場が悪くなれば、直属の玲二にとばっちりがくるわけで、事実、今回カウンタースナイプをやる事になり、事態の収拾を図るのだが、
インフェルノやクロウディアにはサイスが見えていないので、どうしても後手後手に回ってしまうし、
サイスは今までのクロウディアのように、思い通りに事を運んでいってしまう。
そしてそれは、玲二とキャルにそのうちに大きな影響をもたらす事になるであろう事が予想されるものだから、
玲二とキャルが穏やかな時間を過ごせば過ごすほどに後の不安にかき立てられる。
それぞれ、独立した話の様でうまーく微妙に全てが繋がっているのがわかる話の構築具合が光るな。

さて、冒頭にも書いたのだが、ちょっと気になるのだけど、なんで今回のサブタイは「再会」なんでしょうね?
別に玲二とエレンが顔を合わせたわけでもないし、他の誰かが誰かと久しぶりに会ったわけでもない。
なんで「再会」なのかがよく分からなくてモニョモニョするのはオレだけなんでしょうか。
っていうか、前回の予告でこのサブタイを見て、「ああ、きっと玲二とエレンが顔を合わせる事になって物語が動くんだろうなぁ」と思っていただけに、
余計に「なんで?」と思ってしまうですよ。
まぁ、今回ようやくエレンの生存をしっかり確認できたわけなので、視聴者的にエレンとしっかり「再会」という事なのかもしれませんが(笑)。

しかし、キャルはどういう役回りになるか、よくわかんないなー。
そういう事を含めて、お話は全体通して良く出来ていると思います。
次やラストにどう落ち着けるのか気になって仕方がないよ。


第16話 告白

むしろそれは、そう上手くはいかないであろうフラグだよな。

そんな今回のお話は…
エレンの幻影に悩まされながらも、玲二はかろうじてワイズメルの懐刀ランディ・ウェーバーによる梧桐の狙撃を阻止する事が出来た。
脅威は排除した…梧桐を狙う者はもう居ないはずだった…。
しかし…安堵した玲二の耳に、聞こえるはずの無い2発目の銃声が轟く…。
会議室のガラスに穿たれる弾痕。突然の銃撃を裏切りと解した梧桐はまたも激昂する。
一触即発の空気となった。首謀者ワイズメル、彼こそが全ての陰謀の黒幕だと梧桐とマグワイヤに静かに告げるクロウディア。
彼女の示したインフェルノ流の“落とし前”により、事態は収束したかに見えた…。
だが、玲二の疑念は、消えはしなかった…。誰にも当たらなかった疑惑の銃弾…。一体誰が…?
玲二の脳裏で再びエレンの幻影が踊る…。
以上公式のあらすじ。

お話としては、疑惑の銃弾に一触即発になるも、クロウディアがワイズメルをその場で射殺する事で切り抜け、
全てはワイズメルの謀であった、と当初のクロウディアの計画通りになり、彼女はまたのし上がる。
その一方で、疑惑の銃弾の意図「殺す殺さないは問題でなく、その場にいるものを疑心暗鬼にさせる」と考えていた玲二だが、
エレンが生きていると思いたくない、キャルを解放したいという思いから、それを無理くりワイズメルの謀と納得していた。
だが、裏で暗躍するサイスはさらにカードを切る。ホテルでの梧桐組構成員殺害をさも玲二がやったような写真を見せる。
全てはクロウディアの差し金であったと理解した梧桐組は……。ってところで引っぱった。
のだが、これがまた見事な話の流れで、劇中的に続いていた梧桐組の一件は、一応落ち着きを取り戻したと見せながら、
視聴者的にまったくそうではなく、ついにサイスが表立って動き出した事で、これからの波乱を予感させる。
またこれら組織の話は今回のメインでなく、疑惑の銃弾とサイスの陰謀の間に入る、玲二とキャルの話に上手くつなげているのが上手い。

疑惑の銃弾に疑問を感じながらも、キャルを解放したい玲二は、
一応の落ち着きを見た事で元の世界に戻ってもらいたいと思いながらも、彼女との時間が幸せ過ぎてはなれられない。
しかし、自分の側においている限り、ヒットマンとしての成果をインフェルノに見せなければならないし、殺しをさせてしまう事になる。
「このままでいいのか?」と自問し苦悩する玲二に、キャルは玲二の助手になりたいと言う。
一度人を殺したらもう戻れない。壊れてしまった自分のようになりたいのかと玲二は諭すのだが、
キャルは玲二と一緒に居たい、それだけなのだ。自分も玲二の居る世界に行けばずっと一緒に居られる。
頭の良いキャルは、玲二が無駄に人を殺さない、殺しを続ける事を苦悩している事を見抜いていた。
そんな玲二だから、また、何も出来ない自分は玲二の側なら何か出来ると思っての事だった。
玲二はキャルが何にでもなれるしどこへでも行けると諭しながらも気付く、本当は自分がキャルの居る所へ戻りたいのだと。
そしてキャルが玲二の居る場所へ行くというのを制し、自分がキャルの所へきっと戻ってくると決意する。
全てを失った男が、また守るべきものを見つけた瞬間だった。

上記が疑惑の銃弾の後に入り、その後にサイスの陰謀へ繋がる。
せっかく一筋の光を見た玲二に、また影が落とされそうな予感をさせる展開。これが見事だ。
どうしたって玲二が上手くいきそうもない感じがするもの。希望の後に不安を見せて引っぱる。
これで次が気にならない方がおかしい。
また、新章に突入してからの、インフェルノ、クロウディアと梧桐組、玲二とキャル、サイスとエレンという、
ゆるーく繋がりを持たせていた各個が、いつのまにか、かなり密接してきているのもおもしろい。
そろそろまた、話がゴロンと大きく動き出しそうな予感を感じさせてくれる。この辺の話の組み上がり方は実に上手い。
次回はついに玲二とエレンが対面するらしく、もう一波乱ありそうで目が離せない。


第17話 真相

むしろ生存フラグだよね。

そんな今回のお話は…
『…おまえが思い出させてくれた…笑うことも、泣くことも…』
玲二はキャルとの生活で徐々に無くしていた感情を取り戻していた。自分はもう後戻りが出来ない…そう思っていた。
でも、今なら・・・キャルと一緒ならば、普通の世界に戻れるかも知れない。
玲二はキャルと共に生きる道を選ぶ…。そのためには、組織を辞めるか、逃げるしかない…
その時、組織はどう出るか…。考え込む玲二にリズィから呼び出される。
しかし、いつもの操車場で玲二を待っていたのは、銃を突きつけられたリズィ…そして梧桐組の面々だった…。
梧桐は一枚の写真を玲二に見せる。そこに写っていたのは、室戸の死体の傍らで剃刀を手にした玲二だった…。
はめられた…。だが、この状況では、弁解の余地は無い…。
動揺する玲二に梧桐は、さらに驚くべき事実を語り出す…。
以上公式のあらすじ。

話はまたゴロンと動き出しまして、暗躍していたサイスが表立って動き出し、サブタイ通りにインフェルノと梧桐組に「真相」として語り、
これまでのクロウディアの謀がバレて、玲二もその謀にはめられていたと分かるが、
クロウディア直属である玲二も濡れ衣を着せられ、キャルが留守番している「はず」のアジトが爆破される。
ってところで引っぱったのだが、冒頭書いたように、どー考えてもこれは生存フラグだよな。
遺体確認してないので、今後キャルをどこでどう使おうと自由になったわけです。
そこで、エレンが出てきた事に意味があるわけですな。キャルを失ったと思ったら、失ったはずのエレンが出てくる。
次回どうなるかは分かりませんが、このキャルとエレンの入れ替わりは上手い所をついているのではなかろうか。

個人的に、今回としては前振っただけの玲二の事よりも、梧桐組の方が話的に気持ち悪くておもしろかった。
クロウディアの謀を知った梧桐は、コケにされたとしてインフェルノと戦争する構えであったが、
エレンに襲われて下を失い、最後は腹心の志賀に撃たれて殺されてしまう。
クロウディアとの(見かけ上の)繋がりを自ら断ち、インフェルノに誠意を見せる格好をする事で、
梧桐組という組織を守ろうとした志賀が、断腸の思いで惚れてこれまで付いてきた梧桐を撃つというのが、なんとももにょもにょする。
志賀は頭が良い分、一番被害が少ない方法を選ばざるを得なかった。が、それもサイスの書いた脚本通りだというのが救われない。
志賀も、それを分かっていてだから、余計に何ともいえず、もにょもにょとした気分になるな。
この辺りの、見事な悪役であるサイスの用意周到な策が、上手くハマっている様子がとても気持ち悪くて、
話としてとてもおもしろいし、上手く作ってあると言える。

残り話数も少ないので、そろそろ佳境に突入しそうな雰囲気でありますが、
物語として、玲二とエレン、キャル、クロウディア、サイス、インフェルノと色々ある中で、これらをどうまとめるか、さっぱり予想もつかん。
そーゆー事を考えても、上手く話を作ってある。最終的にどうなったら「終わり」になるんだろうなぁ。


第18話 対決

第3章が終わったって感じ。

そんな今回のお話は…
新たな新事実として梧桐組を狙った一連の事件は、クロウディアの裏切り行為によるものだったのか?。
戸惑う玲二に、釈明をせず行方をくらましたクロウディア。その事実だけで裏付けとしては十分だった…。
即座にマグワイヤから、クロウディアと部下の玲二の抹殺指令が下る。
キャルの身を案じ自分の部屋へと急ぐ玲二。 だが、組織の動きは早く、駆けつけた玲二の目の前で住処は爆炎を吹き上げる。
呆然とその場に座り込む玲二。キャルの名を叫んでも返事は…無かった…。
取り戻したかに見えた日常は、再び玲二の手からこぼれ落ちてしまった…。
全てを失った玲二は、あの廃工場へと向かう…。
何もかも、ここから始まった…ならば、終わるのも…ここがふさわしい…。
以上公式のあらすじ。

お話としては、クロウディアの策謀はサイスによってひっくり返され、
そのクロウディアが死にサイスが取って代わり、物語としてはここでまた一大転機を迎える。
玲二はあらすじにあるように、始まりの場所で最後を迎えようと刺客であるエレンを待つ。だが、それはエレンも同じであった。
「この世が無限の地獄でないのは、あなたが生きているからよ」
再び全てを失った玲二であったが、エレンとその約束は生きていた。
唯一の守る者と生きる約束を三たび手にした玲二は、エレンと一緒にインフェルノから逃亡したのだった。
って感じ。

上記したように、ここでまた話の展開ゴロッと替わる事となり、
その一部始終を主要キャラ別にザッピング的に見せ、上手く状況説明しながらキャラと話を見せている。
クロウディアの死や玲二とエレンの逃亡、サイスの台頭を印象的に見せて、
次回以降の展開が今までと違うであろう事を示唆していて、次を気にさせる手腕が見事だ。
個人的におもしろかった所としてはクロウディアで、逃亡しようとする彼女は玲二の携帯に電話を替えるんですよね。
おそらく玲二が全てを知ったであろう事を分かった上で。
クロウディアは玲二をはめた格好にはなってはいるけれど、彼女はそれだけ玲二を信用して側に置いておきたかった、
という事が分かるのだけど、その為に玲二はエレンとキャルを失ってしまっている。(まぁ実際の所は生きているわけですが)
上ばかり見ていたクロウディアにはその辺が分かっていなかったようで、劇中にリズィが言っていたように、
ちゃんと地に足をつけていれば、こんな事にはならなかったのかもしれないが、クロウディアとしては、こんな事になるのも覚悟の上であったのかもしれない。
来ない玲二を待つクロウディアがリズィに発見されてからのシーンを見ても、そのような事が窺える。
筋や仁義を重んじるリズィに見つかり、クロウディアも死を悟ったのであろう。
自分の最後の幕を下ろすのが親友のリズィであったことは、彼女にとって幸いだったのかもしれないな。
やっぱり死体確認はなかったけれど、残り話数を考えると、彼女が生きていると話が収まらないであろうから、やはり死んだのであろうなぁ。
最後の浜辺でのシーンは、クロウディアが死を前に、全てのしがらみから解放されたようでとても印象的であった。

しかし思うのだが、クロウディアはなんで前章でサイスを追いかけなかったんでしょうねぇ。
生かしておけば、後々何かしてくるであろう事はわかりそうなものだけど。
その辺も「地に足がついていない」という事だったのかもしれませんが。

玲二の方はと言うと、まぁ、キャルが舞台から消えてエレンが出て来たら、そら一緒に逃亡するよな(笑)。
しかし、それまでの流れとして、またサイスに洗脳でもされたかと思いきや、玲二がいるから生きていようと思ったと、
死のうとしていた玲二を引き上げ、ふたりの間の絆を見せて逃亡へと繋げるのは大変ドラマチックで良い。
けれど、ふたりで逃げた所でどうなるというものでもなし、味方のいない彼らがこれからどうするかが楽しみだ。

そーいえば、キャルが生きているみたいな次回予告だったのですけど、これでいーのか?


第19話 約束

総集編。

そんな今回のお話は…
インフェルノの取引を潰した犯人を調査する過程でキャルという少女に出会った玲二。
だが、インフェルノ上層部は犯人の手掛かりを知るキャルを尋問にかけようとした。
彼女を守るため、玲二は彼女を助手として訓練していると組織を欺くことに…。
キャルとの生活の中で、彼女の無邪気さに触れ玲二は次第に、異常な世界から人間らしさを取り戻していく事に気づきはじめていた。
キャルと一緒ならば過去の自分に戻れるかもしれない…。いつしか二人は互いにかけがえの無い存在となっていた。
だが、あの男、サイスが動き出す…。行方をくらまし、クロウディアへの復讐の機会を窺っていたサイス。
クロウディア、梧桐組、ワイズメルと三つ巴の疑心暗鬼を煽り立て、それぞれを自滅へと導いた。
そして、最後の仕上げとしてクロウディアのこれまでの陰謀をインフェルノの上層部に暴露しようと、サイスが暗躍する。
以上公式のあらすじ。

お話はキャル篇の総集編で、途中なかったカットを入れつつキャル視点で描かれている。
最初ジュディの敵討ちだったキャルと玲二の関係は、いつしか彼女の恋に変わっていく様子に上手くし立てていて感心。
最後は、爆破された部屋で泣きじゃくるキャルの前に、サイスが姿を現した所で終わり、
キャルがサイスに取り込まれ他であろう事を示して終わるのも上手く、
これからの話で、重要な位置にキャルが配された事が見て取れる。

と、いうわけで、内容的には総集編なので、そんくらいしか書く事ねぇよ。
とりあえず、次回はついに学園篇らしく、逃亡したエレンと玲二がどうなっているか楽しみだ。
違和感あるんだろうなー(笑)。


第20話 故郷

工エェェ(´д`)ェェエ工
たかが2年で変わり過ぎだろ……外人さんの賞味期限は早い。

そんな今回のお話は…
ただ終わりだけを求め、全てを諦めた様子の玲二。
そんな玲二にエレンは、これまで自分を生かし続けていたものが何なのかを打ち明ける。
それは、命を助けられたあの日・・・玲二の「生き延びろ」という言葉だった。
負傷したアインとの唯一残っている約束のために…。玲二は彼女と共に生き続ける道を選ぶ…。
あれから2年後―、
長い逃亡生活を経て、二人は日本に身を隠していた。
夢のように平穏な日々、普通の若者の様に高校にも通い、このまま過去を忘れて生き続けて行く…、そのはずだった。
だが、夢の終わりは唐突!・・・忘れていたはずの銃声が玲二を現実に引き戻すことに…。
以上公式のあらすじ。

話は、エレンと玲二の逃避行から2年の月日が経ち、日本の高校生として暮らしている所から始まる。
のだが、玲二は実際の所、一体何歳なんだろうな(笑)。
初めてエレン(アイン)に会った頃が高校生くらいだと思っていたのだけど、今は案外20歳過ぎなんじゃねーのかな。
結構無理があるような気がしますなぁ。
それにエレンの演じている女子高生は、やっぱり視聴者的にすごい違和感だ(笑)。
それはともかく、お話は、前半まで普通の高校生として暮らしているふたりを見せ、
これまでの事を全て忘れてしまったかのようなふたりを延々と見せているのだが、
謎のバイク女の登場と、サイレンサー付きの拳銃でキーホルダーを狙撃された事で、玲二とエレンの生活が一変する。
全てを忘れたかのようだったふたりであったが、思っていたより早くやってきた追っ手に、逃げる算段をする様子や、
藤枝美緒を利用しようと画策したり、机の中にしまってある拳銃などを見せ、彼らが変わらぬ業の中で生きている事を見せて、
一発の銃弾でふたりが夢から覚めたかのような場の転換が見事だ。

個人的に好きなのは、梧桐組組長の娘であるが、その事を伏せられて知らずに生きている藤枝美緒を、逃げる為に仕方なく利用しようとするふたりのシーン。
ついこの間まで普通に友人していた娘を利用しようとするふたりが良いのではなく、
美緒の素性を知らなかった玲二が、何故黙っていたのかとエレンに尋ねた時に彼女の台詞、
「事前に話しておくべきだった。美緒があなたに好意を持つと分かっていたら。こんなにも早く、追っ手が来ると分かっていたら。」
が、エレンの心情をよく表していて良いのだ。その前に、銃撃を受けた事を報告しにきた玲二に、
「できることならあなたにはいつまでも夢の中にいて欲しかった」という台詞があって、上記台詞はこの台詞にかかってくる。
自分の故国に帰ってきて幸せに暮らす玲二の様子を見たエレンは、ずっとそのままの玲二でいて欲しかったのだろう。
美緒の情報を事前に伝えて、彼が夢から覚めて欲しくはなかったのだ。
それはエレンの玲二に対する想いであるのと同時に、彼女自身も日本に来てからの半年間の生活をに、夢を見続けていたという事なのだろう。
そんなこれまであまり見えてこなかった、エレンの感情を見て取れるこのシーンが印象的であった。
夢から覚めたふたりが、またどんな運命に巻き込まれるか、また、話数的にこの章が最後であろうから、物語としてどうオチをつけるのかが楽しみになってきた。

さて、今回の一番の衝撃と言えば、謎のバイク女がキャルであったという事だろう。
あのちびっ子でないぺたなキャルが、たった2年で背は玲二と同じくらいになりナイスバディのボインボインになってしまうなんて……。
ああ、時間とはなんて残酷なんでしょうか。ってゆーか、たかだか2年であの成長はねーよ。
いくら何でも無理があり過ぎるような気がするのはオレだけだろうか?
まぁ、その分、「な、なんだってーっ!!」という衝撃度としては2倍3倍になったけども。
しかし、このがっかり感はなんだろう。
なんか……すごいもったいないような気がするのは、きっとオレの趣味の所為ではないだろう(笑)。


第21話 憤怒

特に何もないなぁ。

そんな今回のお話は…
忘れた事など無い、あのオルゴールの音色。
亡霊を見て青ざめる玲二・・・。死んだと思い込んでいたキャルが、彼の前に立っていた…。
破られた約束に傷ついたキャルの心・・・。
ひとりぼっちの少女の悲しみ、それは自分を裏切った玲二に対する復讐だけを支えに、彼女はファントム・ドライへと変貌する。
ドライが、玲二を狩り立てるつもりならば、戦いは避けられない…。
だが、彼女の人生を狂わせたのは、他でもない自分…。果たして自分に彼女が撃てるのか?
玲二の苦悩は深い…。玲二の心中を察した江漣は、二人を戦わせてはならないとの思いに至る。
そのためには、一刻も早く国外へ逃亡するか…さもなくば、玲二に代わり自らキャルを撃つしかないのか?!
3人のファントム(亡霊)は、本来持ち得ないはずの感情を交錯させる!
以上公式のあらすじ。

正直、今回は冒頭に書いたように何もない。
何をしたかと言えば、キャルが現在どういう人間なのかを示しただけだ。
劇中のサイスの言葉を借りれば、彼女は洗脳も暗示もされていなくて、憎悪だけを徹底的に煽っただけなのだそうだ。
その所為もあってあまり自制が効かない。という紹介をしただけ。
一応今回のラストでは、キャルがエレンを呼び出し対峙した所で引っぱったが、
21話時点でこのふたりのどちらかが死ぬような事はないであろうから、お話的には全く進展がない。

そんなわけで今回はとことん書く事がねぇ。
強いていう事があるとすれば、Aパートでのインフェルノの襲撃の際の、キャルとヤクザ(?)の撃ち合い。
ゲームをしようと言い出すキャルがあのオルゴール付き懐中時計の曲が終わったら撃つ、というシーン。
窮地に追い込まれたヤクザがそんなゲームに乗るかね?どうもエラいカッコつけているように見えるのよねー。演出的に。
そこはむしろ、キャルとヤクザのどちらかでもいいので、そのゲームを無視してしまった方がおもしろかった。
ヤクザがそれを無視すれば、キャルがこの時点でやられるわけがないので彼女が勝つ。
それは後で抜いたにも関わらず早く撃ったということで、キャルの才能を示す事になるし、
逆の場合であったならば、殺し屋ファントムの残虐性を示し、小さかった頃のキャルとは違う所も強く印象づけられると思うのだけどなぁ。
今回思う所があるとすればそれくらいである。
今の所は潜伏先がバレた、という事だけなので、何か大事が起こったわけではないからな。

ここからどうラストシーンまで持っていって、どうオチをつけるのかを注目していきたい。


第22話 激昂

玲二達がカードを切った。だけだな。

そんな今回のお話は…
キャルは江漣を礼拝堂に呼び出した。
この2年間、自らを押し殺しインフェルノに飼われながらも、玲二を探し出す機会を伺いながら、
彼を追いつめ、始末することだけを楽しみに生きてきたと怨念を江漣に吐露するキャル。
一方、サイスから二人の居場所を告げられ礼拝堂へ駆けつけた玲二が目にしたのは、互いに銃を向け合う二人の姿だった。
とっさにキャルに銃を向ける玲二。だが…トリガーにかかる指先は震える…玲二にキャルが撃てる訳がなかった。
固まる玲二を差し置いて、キャルと江漣が同時にトリガーにかけた指に力を込め始める…。
以上公式のあらすじ。

お話はインフェルノに居所がバレたので、闘争ルート確保のため「藤枝美緒」というカードを切った、という話。
インフェルノの一員である梧桐組にとって大切な人物を押さえ、闘争までの時間を稼ごうという玲二とエレンの腹づもり。
それによってキャルも押さえようとするのだが、その事を知った彼女は激昴してしまう。という流れ。
なんだけど、話のメインとしては、キャルが玲二をどう思いどうしようとしているかを示す内容。
キャルは真実を知らないので、玲二が自分が生き残る為に自分を捨てたと思っており、
玲二にその報いを受けさせようとしているだけで、怒りで我を忘れてしまっている。
今更、本当の事を知った所できっと何も変わる事はないだろう。
だが、逆を考えれば、この二年間ずっとそれだけを考えて生きてきたという事は、キャルはそれだけ玲二を想い続けている事になる。
愛と憎しみは表裏一体とはよく言ったものだ。
そういう事から考えても、キャルが梧桐組の秘蔵ッ子だからって歩みを止める事はないだろう事は、
前回彼女がどういう人間かを見せている事でも分かる。
物語のポイントとしては、そのとき玲二がどうするのか。撃つか、撃たれるのか。
そしてそうなった時にエレンはどうするのか、という事に興味が引かれる所だ。
正直な所、この最終章を見ていて、この場を上手く落ち着けようと考えても、どうがんばっても上手く落ち着かないよなぁ。
どうやってまとめる気なのかしらね?

さて、アニメーションとしてというか、ひとつの物語としてどうもこの辺はかったるい印象があるな。
と、いうのも、お話的には玲二とエレンがどうするかくらいしか話に幅がないので(ま、ここで終わりだからというのもあるが)、
何かポンとあってそれを引っぱるが続いているからなのかもしれない。
まだそのポンが「な、なんだってー!?」みたいな衝撃度ならいいんだけど、
最後に向けての準備を着々としているような印象がノッタリしているような印象を受けてしまう。
まぁでも、これまでもそうだったように、ここ一番で話をゴロリと動かして楽しませてくれる事と期待しよう。


第23話 決断

今回もキャルがインフェルノに逆らって美緒を攫い、リズィを撃っただけだな。

そんな今回のお話は…
リズィの乱入で興が冷めたのか、キャルは素直に退いた。
2年ぶりの再会…しかし、玲二とリズィは互いに懐かしさにひたることはない。
リズィは玲二にキャルを抑え切れなくなるのは時間の問題だと忠告し、クロウディアの分まで今を生きろと言い残し去って行く。
逃亡までの時間を稼ぐための切り札として、玲二は、彼に想いを寄せる梧桐組組長の娘・美緒を利用し、
梧桐組の現若頭である志賀を介してインフェルノに圧力をかける。
しかし、上層部の決定に納得の行く筈もないキャルは、玲二の前に単身現れる。
「お前の手にかかるなら…相応の報いだ。ただ、江漣…アインだけは見逃してほしい」
自分を捨てた玲二に、死んでも守りたいと思う相手がいる…。玲二の言葉にキャルは激昂し、玲二を殴りつけ立ち去る。
だが、その夜どういうつもりかキャルは美緒の前に姿を現わす…。
以上公式のあらすじ。

お話の方は冒頭の一部んで事足りてしまう。
まぁ、お話としましては玲二が残った因果にどう決着をつけるか、
という所しか残っていないので、どうも展開がゆったりしてしまっているなぁ。
内容的にはそんなものなので、特に書く事と言えばリズィの事くらいしかないのだが、
それも私としては特に思う所も無く、こんな事をしている身としては困ったもんである。
もうちょっとテンポよく進んでも良いような気がしますな。
まぁ、全体的にこのアニメは、特に気にしていなかった映画をTVで眺めているような印象があって、
感情移入するようなキャラもいないし、物語の決着をどう付けるかという興味だけで私は見ている。
これまでは、「この後どうなる?」という先の読めなさがあったから良かったものの、この最終章では、どうなるか分からない事はあれども、
とりあえずキャルとサイスには決着を付けるであろう事は分かるので、なおさら、さっくり進んでくれないかな等と思ってしまう。
でもまぁ残り3話。そろそろ締めにかかってくるであろうから、どうオチをつけるか楽しみにしておこうかな。


第24話 対峙

なぜ下着を付けていないんでしょうね。

そんな今回のお話は…
美緒という切り札を握ったキャルは、玲二との対決の場を指定するまで日本に留まれとプレッシャーをかける。
美緒を犠牲に逃げる事など選べるはずも無い…。どうあっても対決はもう避けられないのか…。
キャルの要求に従い、表面上は今まで通りの生活を送る玲二。自分にキャルが撃てるのだろうか…?
切迫した事態に比して、考える時間は余りにも少なかった…。
そんな折、江漣は留守電のメッセージだけを残し、玲二の前から姿を消した。
美緒を救い、そして玲二を守るためにキャルの居場所を探り、彼女を撃つ…。
「あなたに江漣と呼ばれて以来…、私の命はあなたを守るためだけにある…」
それが、彼女の意志だった…。元ファントムのアインではなく、江漣としての…。
以上公式のあらすじ。

お話はサブタイに「対峙」とありますが、全く対峙したりすることが無いのはどうなんでしょうね?
ま、それはともかく、話の流れとしては、キャルがしびれを切らしてエレンに電話し、決着をつけようとした。
ってことだけなので特になんも無いなぁ。というか、妙に間延びしているような感じがあっていかん。
すごく気になったのは冒頭に一文のシーンで、キャルが心の中に一生の凝る深い傷を云々言って、
美緒の服を破くんですけど、なぜブラすらしていないか気になってしょうがねぇよ。
それはそれとしても、一生残る深い傷なんていうから、男どもに犯されるとか、なんか酷いことをされるのかと思いきや、
全くそんなことはなく、服破いただけで終わるのもどうなんだ。それでどうやって心に一生残るような傷がつくというのか。
むしろ、それだけで終わって美緒はホッとしているんじゃないかと思うんですけど。
そんなかんじなので、全く話に乗り切れん。玲二もエレンも街をウロウロしていただけだしなー。
とっとと決着をつけて欲しい所ですが、さすがにもう後2話で最終回なので、そろそろお話も動き出すことでしょう。
ここ2、3話は随分ゆったり進んでいたような気がするなー。

しかし、この物語はどうなったら終わりになるかよくわかんねーなー。
むしろ全員死んでしまった方が落ち着くような気がしてきたのだが。


第25話 決着

まぁ、そうなるわなぁ。

そんな今回のお話は…
玲二の必死の捜索にも関わらず、江漣とキャルの行方は杳として知れなかった…。
焦る玲二にキャルから解放された美緒からの連絡が入る。巻き込んでしまった事を今更悔やんでも取り返しはつかない…。
しかし、美緒は何事も無かったかの様に江漣とキャルの居場所の手掛かりを伝え、そして二人の事を頼みますと、玲二を送り出すのだった…。
「明日になったらきっと忘れちゃいます。…だから玲二さんも、いつだってここに戻ってきていいんです」
全てを許し玲二を見送る女…美緒。
身を捨てて玲二を守ろうとする女…江漣。
純粋な想いゆえ全てを奪い壊そうとする女…ドライ(キャル)。
三人の女…。そして一人の男…玲二。現在と過去…自分の愛した彼女たちの対決の場所は礼拝堂…。
だが、贖罪も告悔も、今はまだ出来ない…。自らの手で因果に決着をつける…それまでは…。
以上公式のあらすじ。

お話はサブタイ通り、玲二とキャルが決着をつけるという話。
ラス前にて主役である玲二は死ぬはずないので、当然キャルが殺られるわけですが、
当初の予定であったエレンではなく、約束の場にいたのは玲二で、彼が自ら因果に決着をつけるということに意味がある。
が、こんな決着の付け方しかできない彼らはあまりに悲しい。
ラストでの玲二の台詞「生きるために、殺す」、彼は未来永劫にそれを続けていくしかないんでしょうかね。
暗殺者になりたくてなったわけでもないのになー。全ての元凶はサイスなわけで。

というわけで、次回最終回でサイスとの決着をつけて終わりになるようですが、サイスは結局なにしたいのかいまだに分からんな。
どうも連れてきた最終型ファントムとエレン、玲二を戦わせてというか、玲二らに勝って、
最強の兵士を手に入れたとして、どうしようというんですかね?サイスの目的が全然分からないですよ。
そもそもお話としても、サイスを殺した所で玲二を取り巻く状況は特に変わらなくて、
玲二が自由になれるんだとしたら、インフェルノをぶっ潰さないとならないわけだけど、
この最終章ではインフェルノの存在をスルーしているので、おそらくはそんなことにはならんのでしょう。
だとしらた、この話はどうなったら終わるんでしょうねぇ。業を背負ったまま玲二達の旅は続く……みたいなのかしら。

まぁ、なんにせよ、上手く締めてくれると良いなー。


第26話 江漣

や後味悪ぃー。

そんな今回のお話は…
未定
以上公式のあらすじ。って、おい!公式なにやってんだ(笑)。

そんなわけで自分であらすじらないといけなくなったのであらすじる。
サイスの作った最終バージョンファントムと対決する玲二とエレン。
玲二は囮となり、その隙にエレンがサイスを殺す、サイスの考えが読めるのはエレンだけだからだ。
次々とファントムを片付け、エレンはついにサイスに銃口を向ける、が、ここへ来てサイスは投降すると言い出した。
アインは自分の意志で人を殺せない、その後の罪悪感と絶望に耐えられないからだ。
しかしサイスに銃口を向けていたのは、もはや”アイン”ではなく”エレン”であった。
サイスを射殺し日本を脱出したふたりは、エレンの過去を探すためにサイスの経歴を調べ、
香港の孤児施設でサイスがウランバートルから来た少女の里親になったことを突き止めた。
モンゴルへ向かったふたりであったが、そこでエレンの消息は消える。
エレンの消息を探すふたりに地元の人は言う、「草原で空を見上げてご覧なさい。それで確かめられる。言ってみれば、分かる。」
言われるまま、草原で空を見上げるエレンは確信した。夢で何度も見た光景と一緒だった。
「もういいわ。ここまでで。」何も持たなかったエレンは故郷を手に入れた。
ここから先は必要ない。何も見つからなくてもエレンには玲二からもらった名前がある。玲二と過ごした記憶がある。
エレンはただそれだけで、十分に生きていける。そう思うエレンは笑顔であった……。
って感じ。

と、いうわけで、なんて後味の悪い終わり方か。なんでかって?
上記あらすじ後、エレンから少し離れた玲二は、通りかかった荷馬車に扮した暗殺者に殺されるからだ。
間違いだらけの人生で、何一つ約束を守れなかった自分だが、エレンの本当の笑顔を取り戻すんだと、決意を新たにしたその瞬間に。
エレンからはなれなければ、あるいは死ななかったかもしれないし、死んだとしてもエレンの笑顔を見れたかもしれない。
けれど、玲二は間違いだらけの人生で、何一つ約束を守れなかかったまま死んでいくのである。
エレンは玲二の死には劇中気付かないのだが、その後を想像するとどうだろう。
地獄のような所でも、玲二が生きているから自分も生きていけると以前言っていた彼女は、
玲二の死を前にして、これからも生きていけるだろうか?私はどうしても、ここから明るい未来が想像できない。
だがお話としては、変にハッピーエンドになるよりかは、すごく印象に残るラストになったと言えるし、
仕方なかったとは言え、暗殺者として何人もの人の命を奪ってきた者の末路、
という物語のラストとしても、全体の雰囲気とマッチしてはいる。ちょっと忘れられない結末のひとつになりそうだ。

さて、最後なので全体としての感想ですが、途中かったるい所もあったし、
アニメーションとして目を見張るような所もなかったけれど、物語としてよく出来ている。
数奇な運命に巻き込まれた玲二を中心に、途中で二転三転するお話は、最後まで続きを気にさせてくれ楽しませてもらった。
個人的にはサイスがどうしたかったのか最後までよく分からなかったのが気にかかった。
自分の作り上げた最強の兵士達が殺し合いをしているのを見てなんだというのか。
その思考がさっぱり理解できなかったのが残念で、そこがもうちょっと分かれば、悪役としてもっと活きたように思う。
インフェルノという組織についても、最終章ではほったらかしになってしまったのはもったいないような気がする。
が、もうインフェルノはその時点で巨大な組織になってしまっているので、どうしようもないか。
そんなわけで、自分としては、いつもアニメを見るような、のめり込むような見方をしてなくて、
客観的に画面を眺めているような、ちょっと気になった映画がTVでやっていたので見た、みたいに見ていたなぁ。
”アニメ”というよりは、物語が好きという人は、見たら面白いかもしれません。


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