ロミオ×ジュリエット 13〜24幕

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第13幕 脈動〜導かれて〜

割とあっさりジュリエット奪還。

そんな今回のお話は…
ロミオとともに、ついに捕えられたジュリエット。
彼女は牢に繋がれても、楽しかった彼とのひとときの思い出を糧に、その仕打ちに耐えるのだった。
そのころ、ジュリエットが城にとらわれていることを知ったキュリオたちは、 彼女を救出するため、無謀にも城への突入を試みる。
以上公式のあらすじ。

お話的にはとらわれたジュリエットをキュリオ、フランシスコとアントニオが奪還するってだけ。
ですが、ハーマイオニとジュリエットの女の戦いや、謎の樹エスカラスとジュリエット、
そしてふたりが一緒にいられる世界を作るとするロミオなど、細かい所ではなかなか興味深かったな。
だけど、「捕われの姫」を助けるって話にしては盛り上がりに欠けましたかな。
もっと、ガーッと盛り上げるのかなーと思っていただけに残念です。

個人的に気になる点、2つ。
一つはモンタギューがあんな力による圧政をしいて愛情を否定するのか。
もう一つは、謎の樹エスカラスは革命とどう関係してくて、どうジュリエットに絡むのか。
この辺が気になりますな。ロミオとジュリエットはほっといてもくっつくから割とどーでもいい(笑)。

どーでもいーけど、ティボルトは一体何をしているんですかね。
なんか突然出てこなくなりましたけど(笑)。


第14話 重責〜この腕の中で〜

ロミオがすることはそんな事じゃないと思うんだ、俺は。

そんな今回のお話は…
キュリオたちの助けを借りて、ジュリエットは牢からの脱出に成功した。
一方、モンタギューの前でジュリエットをかばうような発言をしたロミオは、辺境のグラディスカ鉱山へと追放されてしまう。
以上公式のあらすじ。えらい短いな(笑)。

お話の方はというと、ジュリエットはウィリーことシェイクスピア先生の別荘へ行って身を隠すことに。
ロミオはあらすじ通り、グラディスカ鉱山の責任者させられる。
ロミオは少しでも採掘量を上げようと、自分も工夫に混じって働く。そこでひとりの少年と仲良くなるが…
といった話。あらすじが短くて要領を得ないので補足。

今回はロミオがメインなのだが、なんだろう、このロミオのお坊ちゃんっぷりは(笑)。
おまえがやらなければいけないことは、みんなと一緒に鉱石を掘る事じゃないだろ。
だいたい、釘すらまともに打てないようなヤツの採掘量などたかがしれてる(´Д`;)
まぁ、確かに実際やってみて問題点を知る分にはいいと思う。
が、それを知った上でしなければならないことがロミオにはあるだろう。
現状の人員と予算で採掘量を増やすにどうしたらいいかを考えて、それを実行に移し、着実に採掘量を上げること。
それがロミオがやらなければいけない事じゃないのかな。
ロミオは石掘って「ジュリエットとふたりで暮らせる世界」を作れるとでも思ってるんですかね?
この鉱山でのちいさな社会をいい方向に変えていくことが、後にネオベローナを変えていくことにつながると思うんですけど、
どうもロミオにはそーゆー発送がなさそうだ。まぁ、次回以降そんな展開になるのかもしれないが。
と、いうわけで、自分にはロミオが何したいのかさっぱりわかりませんでした。つか、おまえバカか?と思ってしまった。
ロミオがこんな調子なので、正直ジュリエットが彼のどこに惚れているのかもさっぱりだ。
今のところロミオはただ正義感があるだけのボンボンにしか見えないんだけど…。
あれか、やっぱ顔なのか!イケメンはそれだけで女にモテんのか!二次元でも!
…俺は一体どこへ行けば女の子と仲良くできますか?だれか教えて下さい。

そんなこと思ってちょっと悲しくなったロミジュリ14話でした。そんな感想(笑)


第15話 自我〜進むべく道〜

今回もロミばな。

そんな今回のお話は…
ペトルーキオを目の前で亡くしてしまったロミオは、何事もなかったかのように採掘作業が進められる鉱山での日々に、改めて自分の無力さを思い知る。
ジョバンニはそんなロミオに「ヴェローナへ帰れ」と冷たく言い放つのだった。
一方、逃走中のジュリエットは、突然昏倒してしまう。それに同調するように大地が鳴動し、鉱山は崩落する。
「もう誰も死なせたくない!」懸命に鉱山の労働者達を救おうとするロミオの姿に、ジョバンニ達のとった行動とは…。
以上公式のあらすじ。

今回もロミオの話。前回のような「こいつぁホント、ボンボンだなぁ」とはなりませんで、週刊少年マンガ誌のような展開だったな。
簡単に言ってしまえば、地震によって崩壊した鉱山で何に置いてもまず怪我人の手当を優先し、
取り残されたものを自らも助けに向かったことで、鉱夫たちが彼に心を開いてくれたって話。
先週のヘタレロミオからしてみれば、今回はなかなか指導者っぷりを発揮したとは思いますが、
あの状況で人命救助が最優先なのは当然なので別段取り立てて言う事ではない。
むしろ、あのシーンで面白いのは、そういった状況下で人命が尊重されない世界、世相なのだということが大事。
だからこそ、ロミオの(当たり前の)行動が活きるとともに、そういう当たり前の事がなかなか出来ない世界で、
ロミオがそれを成そうとする事に意味があるわけだね。
その辺の展開はホント週刊少年誌の様だったが悪くはなかったな。
まぁ、あまりにベタだったので先が読めてしまいましたが。

今回のお話としてはそんなもんでしたが、その他ちょいと気になる所は、
ジュリエットと世界樹みたいなエスカラス(だったっけ?)の関係。
あの樹を継承する何かがキャピュレット家にあって、正当後継者が彼女だということなんですかね。
まぁ、今の段階ではなーんも解らんので今の所はいいですけど。
あとは、平民に落とされたペンヴォーリオとジュリエットの侍女コーディリアがなんかいい感じでしたな(笑)。
ふたりはくっついちゃうのかしらん。

それにしてもディボルトは何をしているんだろうなぁ。
つかヤツにどんな意味があるんだろう。ジュリエットに現実を教える為だけに出てきたんだろうか。


第16幕 ひとり〜いとしくて〜

あら?それでいいの?
ちょっと楽しみにしていたのだが…。

そんな今回のお話は…
鉱山での事故の報告は、ネオヴェローナ城にも伝わっていた。
ロミオの無事を案ずるハーマイオニは、無謀にも一人で鉱山へと向かう。
一方、ジュリエット達は再起を図るべく、ヴェローナから離れた地方都市マンチュアに身を寄せていた。
アントニオから鉱山での事故を知らされ、動揺するジュリエットの前にハーマイオニが突如現れる。
過酷な道中に憔悴した彼女は、ロミオへの想いからジュリエットに対して初めての感情を爆発させるのだった。
以上公式のあらすじ。

ハーマイオニとジュリエットの女の戦い。
ドロドロの愛憎劇を期待していたのだが、あっさりと収拾してしまいちょっと残念です。
まぁ、もう16話だしな。ここにそうも時間をかけていられなかったんだろうなぁ。
あらすじでは要領を得ないので一応説明しておくと…
鉱山での事故を知ったハーマイオニは、城にロミオの無事を知らせる一報が届いた事を知りながら、安否を確かめる為に馬車で一人鉱山に向かってしまう。
途中、護衛もいないハーマイオニは賊に馬車を奪われてしまう。
一方ジュリエットは地方都市マンチュアに到着し、仲間の貴族の別荘に身を寄せていた。
その仲間の貴族の孫娘と一緒に買い物に出かけたジュリエットは、倒れそうになる女性を助けるのだが、
それはなんとかひとりでそこまでたどり着いたハーマイオニだった。
ジュリエットを認識した彼女はわめき散らすが、疲労困憊の為に気を失ってしまう。
ジュリエットは倒れたハーマイオニを別荘に連れて帰るのだが…
といった流れ。
その後、気がついたハーマイオニが果物ナイフでジュリエットを刺そうとする所まではワクワクしながら見ていたのだが、
それからロミオを好きな者同士、そしてハーマイオニが思っていた様な悪い女では無かった為、
最終的には女の友情が育まれ、ジュリエットはハーマイオニと出会わなかった事に、
ハーマイオニもジュリエットに会わなかった事にして終わってしまった。
個人的にドロドロ憎愛劇の女の戦いはもっと引っぱるモノだと思っていただけに肩すかしを食らった様な気分だ。

さて、今回は上記した部分とは別に策士たちがなかなか興味深かった。
策士たちとはモンタギュー側のマキューシオとジュリエット側のフランスシコ。
マキューシオの方は策士というよりは、自分がより上に行くにはどうするかと考える野心家だな。
モンタギューに自分の父親のことをどう思うか聞かれ、毎日酒浸りの生ける屍のようだと言うと、
では生きるに値しないのだなと返され、何か思ったふうでしたな。
なんか次週あたり父親を殺しちゃいそうですな。その野心をモンタギューがどう評価するかが見物だが、
彼自身、大公の座を奪った野心家なので重宝しそうですが。本来はそーいう人を重宝してはいけないのだけど。
フランシスコの方は策士らしくすごく冷静かつ冷酷に物事を見ている。
キュリオがジュリエットに密かに想いを寄せているとみると、淡々とふっきれというし、
それがダメだったと見ると今度は彼にジュリエットを落とせという。
ジュリエットがロミオを想い過ぎている所為で動かしにくいので、キュリオとくっついてくれた方が動かしやすいと思っているのだろう。
フランシスコは作戦成就のため恐ろしく冷静に物事を見ていて人を駒として見ている雰囲気があるな。
そんな彼が理屈でなくロミオへの愛情で動くジュリエットをそれでもコントロールするのか、
それともやはり最後は愛が勝つのか、そんな所がちょっと気になり始めた。
が、やっぱ結局最後は「愛が勝つ」んだろうなぁ(笑)。


第17幕 暴君〜漆黒の因縁〜

あ、ディボルトいたんだ(笑)。

そんな今回のお話は…
鉱山を離れ、ネオヴェローナへの帰還の途にあったロミオ達の元に、帰還拒否の通達が下った。
絶望する一行に、ロミオは自分たちの手で居場所を作ろう、と提案する。
一方、ジュリエットは、一度は捨てたキャピュレット家の剣を再び受け取る。
この剣の重みを、今度こそ受け止めることを誓うジュリエット。
明くる日、ジュリエット達は貴族の別荘で偶然ティボルトと再会する。
ティボルトからもたらされたモンタギューの新たな事実に、ジュリエットは驚愕するのだった。
以上公式のあらすじ。

今回はサブタイ通り暴君モンタギューの過去の話。と共に、ディボルトの過去の話でもある。
一応説明しておくと、モンタギューは元々貴族ではない。
キャピュレット家の貴族と娼婦との間に生まれたのが彼、モンタギューであった。
本来、そういうこともあって苦労のない生活を送れるはずだったのだが、そうはならず、彼の母は娼婦のままで病死してしまう。
最愛母を失ったモンタギューはキャピュレット家に復讐を誓う。
これが彼の行動原理だ。
貴族の勝手気ままな振る舞いに虐げられてきた彼にとって、暴力と恐怖こそこの支配し得るすべだと思っているのだ。
母を失った彼は、貴族に取り入って養子となり、その長男を毒殺し継承権を手に入れると、キャピュレット家に近づくためひとりの貴族の女性に手を出す。
それがディボルトの母だ。ディボルトはモンタギューの息子だったのだ。
モンタギューは結局彼女を捨て、ジュリエット達の決起を密告した貴族カルロと結婚したが、彼女は既にディボルトを身籠もっており、彼を産んで程なく死亡。
ディボルトは失意の母のためにモンタギューへの復讐を誓う。
なんという因果応報の連鎖か。

モンタギューは実はキャピュレット家の縁者で、息子のロミオはキャピュレット家の忘れ形見ジュリエットと恋に落ち、
ロミオの腹違いの兄、ディボルトは父親モンタギューを殺そうとしている。
まぁ、なんといううっとうしい人間関係か。
しかし、ディボルトがモンタギューを復讐しようとしているのにも関わらず、彼と同じような道を辿ろうとしているのがおもしろいな。
ディボルトの方がモンタギューの血を色濃く受け継いでいるようだ。
一方、ロミオの方は母親ポーシアの血を受け継いでいることは確かだろうが、
ロミオは本当にモンタギューの息子なんですかね。これっぽっちもにていないもの。
後にロミオはモンタギューの本当の息子ではなかったとかになったら、それはそれでおもしろいかもしれんなぁ。


第18幕 志〜それぞれの胸に〜

いつも以上に綺麗だったし動いていたな。
お話もすごく良く出来ていていて引き込まれたよ。

そんな今回のお話は…
コンラッドも復帰し、再びモンタギュー打倒の機運の高まるキャピュレット一行だったが、武器を取っての戦いに疑問を抱くジュリエット。
争いによって誰かの命が失われるのは、正しいことなんだろうか…?
その頃、ロミオ達の新しい村ーエルベ村では、順調とはいえない状況にも、ジョバンニ達と協力して立ち向かうロミオの姿があった。
皆が幸せに暮らせる場所を作りたい…
二人の願いが交錯し、再び邂逅する時が近づいていた。
以上公式のあらすじ。

冒頭書いた様に今回は絵が綺麗で良く動いていたが、それ以上に脚本がとても良かった。
細かい所で良く繋がっているのだ。それは今回の最初のシーンでコンラッドがマンチュアの反モンタギュー勢力を、
見分ける方法があればといえば、それは後にシェイクスピア先生ことウィリアムの舞台劇に繋がり、
それがキュリオとフランシスコのジュリエットへの密かな愛に繋がり、そして舞台の練習はアントニオとリーガンの仲を進展させ、
採取的に合間合間に入っていて今回は交わる事がないだろうと思っていた、ロミオの村へジュリエットを行かせる事となる。
じつに見事な脚本だった。

ジュリエット側の見事な進行も面白かったのだが、個人的に感心したのはロミオの村の方。
鉱山に赴いたときとは一転、今度は自らが率先して動く事が活きている。
それは鉱山にロミオが来たときからやってはいるのだが、最初のボンボンの道楽にしか見えなかったことが、
次第に鉱夫達の心を開き、地震を契機にそれはどんどんと広がり、村についてからしっかりそれが活きてくる辺りが上手い。
ジュリエットも言っていたが、彼は彼なりに自分の道を実現させつつある様子が気持ちよい。

さて、よくよく考えてみればもう18話。そろそろ佳境に入ってきても良い頃合い。
お話の雰囲気もそんな感じで、どの様な決着を見るのか楽しみですな。


第19幕 継承〜我こそは〜

ウィリーがあの芝居の最後をどうしたのか見たかったな。
それはともかく、言われてみればああそうかと思った。

そんな今回のお話は…
ようやく再会を果たしたロミオとジュリエット。
新しい土地に、信頼できる仲間…「皆が仲良く暮らせる世界」を、小さいながらも実現しつつあるロミオを逞しく思うジュリエット。
いつか二人で暮らせる日が来ることをを信じて、改めて旗印として立ち上がることを決意する。
帰還したマンチュアで、ウィリアムの芝居に”赤い旋風”として立つジュリエットを見守るフランシスコ、キュリオ。
ついにネオ・ヴェローナに自由の風が吹き抜ける時が…。
以上公式のあらすじ。

シェイクスピア先生ことウィリアムの芝居を契機についに革命が始まりました。
が、ちょっと急すぎる様な気がしないでもないな。
マンチェアであった事があっという間にネオ・ヴェローナに伝わっちゃったしなぁ。
ちょっと気になったのはその辺くらいで、その他は概ね良好。なのですが、今ひとつ派手さは欠いたかな。
もっとじわじわと民衆の間に広がってぐわーっと盛り上がって行く様な雰囲気が欲しかった。
でも、ジュリエットが圧政に苦しむ民衆を焚き付ける口上はなかなかそれっぽくて、いかにも革命の使者的なジュリエットはなかなか見応えがあったな。

それから、ちょっと「あぁ、そっか」と思ったことがありまして、
それは「革命になった」ってことなんだけど、まぁ、何を今更といいますか、
この感想でもいつ革命が云々とか書いたんだけど、前半はキャピュレット家の仇討ちだったんだよね。
その仇討ちが革命になったってのが話のポイントなんだけど、これまで見ていて仇討ちっていう意識が全然なかった。
と、いうのも、CMやらプロモ映像とかに革命と謳ってあったからで、
革命を起こすことを知ってたからか、その仇討ちから革命へという物語上のポイントが薄まっちゃった感がある。
まぁ、世界中で知られる話ではあるものの、実は読んだことないっていうわたしみたいな人もそれなりにいるであろうから、
嘘でも物語外では仇討ちとでも銘打っておけば、知らない人も知ってる人も、今回でおぉと感嘆することが出来たかもしれないなぁと思ったよ。
ひとつアニメを作るのに、ただ制作側が頑張ってってだけじゃなく、そういった営業もアニメが産業である以上大事なんだなぁと感じましたよ。
その辺は、最近の角川と京都アニメーションなんかを見ているとすごく良く感じるな。

話がそれましたが、そんなことをふと思った第19幕なのでした。


第20話 使命〜揺るぎなき一歩〜

なんか…のんびりしてるなぁ。

そんな今回のお話は…
ネオ・ヴェローナへ帰還する"赤い旋風"。
その報をロミオは以前泉で会った老人の元で知る。
大地の死…その運命に抗うのならあの娘を守ってやれ…。
老人の言葉と、村の仲間からの後押しもあり、ロミオはネオ・ヴェローナへ向かう。
一方、城内では赤い旋風=ジュリエットの帰還による、緊急議会が開かれていた。
赤い旋風に迎合する市民を、街ごと焼き払えと冷たく言い放つモンタギュー。
議決を渋る議長を手にかけ、強硬に自分の意見を押し通す父に、ロミオは哀しみの目で訴えかける。
だがモンタギューは、自分こそが世界の真実を握っている、と秘密の間へロミオを連れて行くのだった。
以上公式のあらすじ。

私としてはここから大規模戦闘になるのであろうと思っていたのだけど、
別にそんな事はなく貴族たちは貴族街に立てこもり、市民たちはそれを取り囲むようにして次の状況を待っているといった状態。
お話のメインとしてはオフィーリアの語る世界樹エスカラスの役割か。
エスカラスが浮遊大陸ネオ・ヴェローナを支え、大地を潤し草花や木々を育て恩恵を与えているのだが、
昔、人間が二つあったうちの一つのエスカラスを枯らしてしまった。
モンタギューがいうにはそんな人間共からエスカラスを守っていたというのだが、
そのエスカラスももはや崩壊寸前、世界が滅びようとしているという所で引っぱった。
そして、どうやらジュリエットの胸にエスカラスの種が植え付けられているらしい。

そこから考えて見ると物語の最後がちょっと読めてきた。
よくよく考えてみれば、このロミオ×ジュリエットという話は悲恋であった。
これまでの流れでエスカラスの存在を無視すると、革命が成ってロミオとジュリエットはついに結ばれました、ちゃんちゃん。
とハッピーエンドになってしまう。
この物語を構成する主な要素としては、ロミジュリの恋愛模様、革命、悲恋だ。
ロミジュリがくっついてしまっては悲恋が完成しない。何らかの理由でふたりは結ばれない様にしなくてはならない。
それがエスカラスの存在であり、ジュリエットに植え付けられたそれの種なのだろう。
私の予想としては、おそらく世界を救う為にジュリエットが新しいエスカラスの苗床となり、
革命が成って新しい体制となったネオ・ヴェローナだが、ジュリエットはいない。というオチなのではないだろうか。
これで悲劇ロミオとジュリエットを構成する要素は全部埋まる。
最後にロミオが「君はいなくなったが、君はここで永遠に生き続けるんだね」みたいなモノローグできっと終わるんだ。

と、勝手にラストを予想してみましたが、まぁ、大体そんな感じになるんじゃないのかな。
序盤から中盤にかけてあったよく分からない所がここへ来てはっきりと分かる形になったの感心だが、
どうなるかは分かりませんが、私程度が予想する様なラストではなく、
もっといい意味で期待を裏切ってくれればなぁと思います。


第21幕 掟〜女神の抱擁〜

やっぱりなんかのんびりしてるんだよなぁ。

そんな今回のお話は…
再びオフィーリアと邂逅するジュリエット。
しかしその口から告げられた世界の、そして自分の運命はあまりにも重く、その場にうずくまってしまうのだった。
一方、直前に起きた地震の衝撃で街のあちこちから火の手が上り、混乱する。
ネオ・ヴェローナ市街。さらにモンタギューの命により、マキューシオが街に火を放つ。
その事実を聞かされたロミオは父に失望し、背を向けるのだった。
ジュリエットは被害にさらされた街と、そこに生きる人々を見つめながら、独り決意を固める…。
以上公式のあらすじ。

お話全体としては、どうも前回私が予想した通りになりそうな感じだ。
もちっとなんとかして頂きたいのだがそれはそれとして、
今回のお話はどうものんびりしていると言いますか…。

ただでさえ革命云々で大変な時に地震が起きて、街に火を放たれて、
議会でモンタギューが議長を殺した事まで伝わり、もう彼には貴族たちの後ろ盾すらない、攻めるなら今!
となっておきながら、なぜかやることはコーディリアとペンヴォーリオの結婚式ですよ。
突然の展開にちょっと面食らってしまいましたよ。それって今やる事なのか?
地震で多数の負傷者がいて、焼き討ちで家を投げ出された人達がいるんだから、
何にも置いてまずやることはさっさとモンタギューを大公から降ろし、新しい制度を制定して、
市民を安心させる事だと思うんだけど、なーんか妙な引っぱり方しておるわい。
なので、こいつらなにやってんだかなーと思わずにいられませんでしたよ。
話の本筋的にはジュリエットが自らが贄となる決意をしたってことだけなので、特に書く事ないよ。

どーせなら本筋の方で引っぱればいいのになぁ。


第22幕 呪縛〜荒ぶる激情〜

モンタギュー死す。

そんな今回のお話は…
ロミオに最後の別れを告げることなく、独りネオ・ヴェローナを救うために犠牲になろうと誓ったジュリエット。
そこへ現れたティボルトに、ジュリエットは真実を打ち明ける。
ティボルトはその覚悟に胸を打たれ、モンタギューを討つという自分の目的との間で揺れ動く。
その頃、ロミオはポーシアに自分の意志を告げる。
モンタギュー…父を討つ、と。
市民も、兵士も、ネオ・ヴェローナのすべてがモンタギューから離れていく中、ついに城へ向かう乗り込むジュリエット達。
待ち受けるモンタギュー。
因縁の絆を断ち切るのはロミオの意志か、ティボルトの剣か、それとも…。
以上公式のあらすじ。

お話としてはロミオ、ジュリエット、ディボルト、モンタギュー、マキューシオ等、
キャラクター各々の思惑が一つに集まっていく様が上手く描かれていたと思う。
今回のメイン、モンタギューの死に向かってそれまで巻いていた伏線が綺麗にまとまっていて見ていて気持ちよかった。
最終的に不殺の思いで一致したジュリエット、ロミオ、ディボルトではなく、
自分が撒いた種であるマキューシオにモンタギューが殺されるのと、
モンタギューは最後最後まで心変わりする事なく、自分の信じた道を進みつつ因果応報に死ぬのが上手い。
モンタギューは見事な悪役であったな。

ちょっとジュリエットの思想が青臭くはあるけれど、割とのったり進行だったこのアニメしてはなかなかの盛り上がりでした。
あとはエスカラスとジュリエットの関係がどうなるか、ってことだけだが、以前私が予想した通りになっちゃうんですかね?
それじゃちょっと面白くないんで、ひとひねりくらいして頂きたい所です。
なんだかんだあってロミオとジュリエットは幸せに暮らしましたとさ、ちゃんちゃん。
なんていうのだけは絶対に止めて欲しい。

どーでもいーけど、悪い所を指摘する時の語彙はけっこうあるのだが、
褒める時のボキャブラリーの貧困さをちょっと痛感しました。
良かった時って大概俺ってあんま書く事ねぇ。なんて嫌な性格なんだ(苦笑)


第23幕 芽吹き〜死の接吻〜

オフィーリアはエスカラスそのものってことでいいのだろうか。

そんな今回のお話は…
ついにキャピュレット家の元にネオ・ヴェローナ城は取り戻された。
コンラッドは戴冠の儀を進めようとするが、ジュリエットはエスカラスへ導かれ、オフィーリアの元へ向かっていた。
すべての人を救う為に。
その頃ロミオは、ティボルトにペトルーキオの兄弟の事を託し、エルベ村へ去ろうとしていた。
ジュリエットの為に身を引くと言うロミオにティボルトは苛立ち、真実を話してしまう。
真実を知ったロミオは、ジュリエットを追ってエスカラスの間へと走るのだった。
以上公式のあらすじ。

謎の人物だったオフィーリア。
なんとなくただ見守るだけの役割なのかと思っていたら、実はラスボスなのでした。
モンタギューに失望していたのを見て、世界を司る神の様なものかと思わせておいて、
ここへきて、ただエスカラスを存続させる為だけに動いている、
かなりイッちゃった謎生物に変貌を遂げたのはなかなかの衝撃でしたよ。
つか、そこしか印象に残ってないです。
ロミオとジュリエットの愛は常に不変なので別に心配する事はないからな。
ということで、後はふたりの愛でオフィーリアに一泡吹かせて、最後どうなるかってところですな。
予告を見る限りではジュリエットは消えちゃいそうな勢いでしたがはてさて。

それにしても、最後までこれといった盛り上がりはなかったなぁ。


最終幕 祷り〜きみのいる世界〜

下があるのかよ。

そんな最終回のお話は…
崩壊の大地。ネオ・ヴェローナは人々の意思を飲み込むかの様に、激しく鳴動してゆく。
エスカラスの命が尽きようとする中、やはり命を止めてしまったかのように動かないジュリエットの唇が、
ロミオの必死の呼びかけにかすかに反応する。
それは、オフィーリアにも予期できない"奇跡"だった。
世界の崩壊か、たった一つの"愛"か…。
ロミオとジュリエット、二人の選択はいかなる結果を世界のもたらすのだろうか…?
以上公式のあらすじ。

崩壊するネオ・ヴェローナからどうやって民衆を助けるのかと思っていたら、ちゃんと下には地表があって不時着って感じ。
みんな下に地表があることはおろかネオ・ヴェローナが浮いている事すら知らなかったというのは正直どうかと思う。
そもそも、どうして「空中浮遊都市ネオ・ヴェローナ」に住む事になったのかという理由がまるで無い。
空中に住まざるを得ない状況があって、ネオ・ヴェローナを作ったけど、
今回の事で地上に帰ってきたっていう事に意味があるので、理由が無いと「なんで知らんねん」ってなっちゃうよな。
下にはいけないからこそ、崩壊するネオ・ヴェローナから民衆を助けないといけないわけで、正直な所「なんだ、地表あるじゃん」で終わってしまったよ。
それはそれとして、ロミオとジュリエットの方はというと、
ロミオはオフィーリアと相打ちになり死亡、ジュリエットはそのロミオと一緒にエスカラスになり、
エスカラスの翼によってネオ・ヴェローナを地表に不時着させ、後は数年後のエピローグで終わった。
なんだかんだで、最後まで盛り上がりに欠けたなぁ。

最後なんで総じて評してみる。
世界的な名作のアニメ化という事で、お話としてはそれなりにまとまってはいたのだけど、これといった盛り上がりは全然なかったなぁ。
なんかそのままするると終わってしまったという印象。
後半にもっとドキワクする様な何かがあればよかったのに。
ここが良いという所も無く、かといって特別悪い所があるわけでもなく、
世界的な名作を題材にしながらも、凡庸なアニメにしかならなかったのはちょっと残念ですな。
おもしろかったら原作読んでみようかしらと思っていたのだが、別段、そんな気にはなれないのでした。
まぁ、そんなみてもみなくてもいいようなアニメであったなぁ。


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