ドライブボールにはトップスピン(順回転)が掛かっているので、バウンドしたボールの速度はそれまでの速度にスピン分の速度を加えたものになる。例えば、ボールが白く見える時のボールは、秒速5m(時速18km)位の周速で回転していると推測される。ボールの飛んでくる速度が時速100kmとした時、ボールが接地すると同時にボールの周速分の時速18Kmを加えた、時速118kmに加速している可能性がある。
なので、バウンドしてからのボールは急に速度が増すと同時にバウンドは沈み、バウンドする距離は長くなる。極端な場合、床を張うようなバウント゛になることがあるのでレシーブが困難になる。
又、トップスピンボールを返球する時、ボールがラケット面を転がり上がることで、ラケットにはその反力が加わって下向きの力が作用するので、ボールを重く感じるようになる。
それに、ドライブが掛かり難くなるので、返球する際はよりドライブの掛かる打法が必要になる。
以上の性質を理解してトップスピン(ドライブ)ボールを処理する必要がある。
ドライブボールを処理するには、先のドライブボールの性質への対応が必要である。
次に、ドライブボールの処理方法を示す。
トップスピンの回転数に打ち勝つ打法が必要である。
打ち負けると、ボールの回転数が不足して無回転のフラットボール系のボールになって、ボールが浮いてしまう。
トップスピン(順回転)と同じ方向の回転を掛けて返球する打法。
カットボールはドライブボールとは反対の逆回転(バックスピン)をするボール。逆回転することで次にような動きをする。
・ボールに浮力が作用してボールが浮き上がる
・バウンドした時にボールが逆戻りしたり、あるいは、接地したところで真上にバウンドしたりする
このようにカットボールは、ドライブボールとは真反対の挙動を示すようになる。
即ち、ボールが逆回転していることでボールは常に戻ろうとする力と転がり落ちようとする力が作用するので、上手く返球するにはカットボールの特徴に即した打法が必要になる。
以下にその処理法の一つを説明する。
カットボールは着地後にバウンドが戻ったり止まったりするので、前もって、あるいは素早く着地点に身体を持っていく必要がある。
この
次に、ボールの見え方からと、ラケットの振り方から、ボールの軌道を予測する方法について説明する。
a)ボールの見え方からの変化の予測。図1参照
b)ラケットの振り方からの変化の予測
回転するボールはボールの回転軸に対して直角に、回転する方向に曲がる。即ち、回転軸が水平の時は上下方向に曲がり、垂直の時は水平方向に曲がる。又、曲がる度合いは回転数に比例する。
例えば、打者側から見てボールが右(時計方向)回転している時は右方向に曲がり、左(反時計)回転している時は左方向へ曲がる。又、ボールの色が見分けられるほどゆっくり回転している時の曲がりは小さく、白く見える程回転の速い時は急で大きい。
従って、相手のラケットの振り方を見ていればある程度の予測もつけられる。
即ち、ラケットを振る方向や打球時のラケットのヘッドスピード、あるいはボールの色を見れば曲がる方向や程度が予測できるので、守備をする上でこれらを見分けることは非常に重要である。
因みに、相手の構えを見ればラケットの振り方が分かる。
次の表12と図2でラケットの振り方とボールの曲がり方を説明する。
ラケットの振り方 | ボールの曲がり方 |
横向きの姿勢で上から斜め下に振った時-図3,4参照 | 真っ直ぐに戻る |
横向きの姿勢でボールを掬うように振った時-図3,4参照 | 真っ直ぐに戻る |
半身の姿勢で右袈裟懸けに振った時-図2(a)参照 | 左方向に曲がる |
ラケットを立てて、右足側から左足側に振った時-図2(c)参照 | 左方向に曲がる |
半身の姿勢で左袈裟懸けに振った時-図2(b)参照 | 右方向に曲がる |
ラケットを立てて、左足側から右足側に振った時-図2(d)参照 | 右方向に曲がる |
ボールの戻り方により処理法が異なる。
カットボールの回転方向はドライブボールの回転方向と同じなので、ドライブで返球するとよりドライブ(回転)が掛かりやすくなり、返球するのも楽になる。