スピンを掛ける必要性
ボールにスピンを掛けるのは、ボールの姿勢を安定させて、ボールに方向性を持たせる為。
ボールはスピンが掛かるとジャイロ効果で姿勢が安定するので、狙った方向にボールが飛びやすくなり、ボールコントロールがしやすくなる。
一方、ボールにスピンが掛からなかったりすると、方向性が無くなり、ふらついてしまってボールコントロールが難しくなる。
スピンの掛かる仕組み
ボールにスピン(回転)が掛かるのは、ボールとラケット(ガット)との間の摩擦力で偶力(回転力)が掛かることによるによる。
摩擦力はガットとボールの間の摩擦係数と、ボールがガットを押す力との積であるので、何れかを大きくすれば摩擦力は大きくなってスピンが掛かりやすくなる。
例えば、摩擦係数の大きいガットを用いたり、加速をつけてラケットを振ることでボールのガットを押す力を大きくするといった方法で摩擦力を大きくすることができる。
因みに、強いカットボールを打った際に良く出る”キュッ”と言うよう音は、摩擦力を上回る回転力(接線力)を掛けた際にでるスリップ音である。
ボールの擦リ方次第でボールに回転力と回転方向を変化させることができるので、ボールを落としたり、曲げたりするなど変幻自在に変化球を打つことが出来る。
スピンでボールが変化する仕組み
スピン(回転)するボールと空気との間で発生する次のようなマグナス力がボールの回転中心軸と進行方向に対して直角の方向に作用することでボールは曲げられる。
マグナス力とは、例えば、空気中にスピンしているボールを飛ばした時、ボールに対して向かい風になる側と、追い風になる側がある。
ボールの回転方向が向かい風になる側は空気との抵抗が大きなってボールに作用する圧力が高くなる一方、追い風側は空気との抵抗が小さくなって圧力も低くなる。
ボールには、圧力の高い方から低い方に差圧の分だけ力が掛かるから、
・下側より上側の圧力が高ければ下向きの力が作用してボールは落ちることになり。
・下側より上側の圧力が小さければ上向きの力が作用してボールが浮き上がることになる。
このように、圧力の高い方から低い方へボールを動かす力をマグナス力と言う。
マグナス力はボールの回転数に比例するので、回転数が高ければ高い程ボールに作用する力が大きくなり、ボールは変化しやすくなる。
ボールの種類 | ドライブボール | カット(スライス)ボール |
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ボールの回転 | 前向き回転(トップスピン) | 後ろ向き回転(バックスピン) |
ボールの変化 |
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・ボールの回転が速い(ボールが白く見える)程、ボールは落ちやすくなる。 ・球速と回転数の組合せでどのような球種のボールをアレンジできる。 |
・ボールの回転が速い(ボールが白く見える)程、ボールは浮き上がりやすくなる。 ・球速と回転数の組み合わせてどのような球種のボールをアレンジできる。 |
スピンの掛け方
スピンの種類 | スピンの掛け方 | |
ドライブ-1 |
右足元にテークバックしたラケットを斜め左上に角度をつけて振り上げながらボールをインパクトしたらそのまま振り抜く(フォロスルー)。 振り上げ角度(θ)は、ボールのバウンド高さ(H)が低い程大きく、高くなるに従い小さくする。 因みに、ボールのバウンド高さ(H)が ・膝ほどの時は凡そ60度以上 ・腰程の時は凡そ45度 ・胸より高い時は、水平か打ち下ろし気味 又、弾み角度(β)が ・大きい時は振り上げ角(θ)を小さく ・小さい時は振り上げ角(θ)大きく するのが一応の目安 *この時のラケットの握り方は |
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ドライブー2 |
インパクトすると同時にラケットを素早く被せる。 この打法は手首を使うので、手首の強い人(男性)向きであり 弾道が低くて水平に飛ぶボールが打てると共に、ネット間際のバウンド(H)の小さいボールを打つのに適している。この時のラケットの振り上げ角(θ)はより大きくとる。 |
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ラケットを右肩上から斜め左下に振り下ろしながらボールをすくうようにラケットを動かしてボールを転がして回転を掛けた後、飛ばしたい方向に振り抜く(フォロースルーする)。 |
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カットー2 |
ラケットを右肩上から縦方向に角度をつけて振り下ろす。 |
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フォアスライス |
イースタンフリップで握ったラケットを飛来するボールに対向するようにコンパクトに振る。ボールはフラット(無回転)気味に真っ直ぐ飛ぶ。図4上図参照 |
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