ラケットの握り方(グリップ)
グリップには、イースタングリップ、ウエスタングリップ、コンチネンタルグリップの3種類がある。
日本ミニテニス協会では、イースタングリップを推奨していると聞いている。
表1に、グリップの握り方と特徴を、図1に握り方を説明する
グリップ |
握り方 親指と人差し指の付け根の位置 図1 参照 |
適した ショット |
特徴 |
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イースタン グリップ |
1と2の間。赤線 バックハンド時と左利きの人は、7と8の間 |
フォアハンド バックハンド |
掌でボールを打つ感覚で打てる トップスピンが掛け難い |
ウエスタン グリップ |
2と3の間。赤線 左利きの人は6と7の間 ラケットの面を寝かして上から握る |
フォアハンド | トップスピンが掛けやすい 高い打点のボールを打ちやすい |
コンチネンタル グリップ |
8と1の間。赤線 ラケットの面を垂直に立てて上から握る |
フォアハンド バックハンド |
同じグリップでフォアとバックが打てる |
ラケットの持ち方ー図2参照
腕と手首を真っ直ぐ伸ばしてラケットを握る。そうすると腕とラケットの角度が図2のようなV字型になる。
このV字の角度は、力を入れたい時には小さく、速く振りたい時には大きくする。
要は、手首を曲げずに腕相撲をする時の要領で握ることである。この握り方が最も力の入る握り方である。
スクウェアスタンス(図3-1)でボールに前向きの回転(トップスピン)を掛ける打法を説明する。
フォアドライブのスタンス(構え方)
フォアドライブを打つスタンスには、表1の通り、大別してスクエアスタンスとオープンスタンスの二通りがある。
・スクエアスタンスは体全体を使う方法であり、非力な人や強打を打ちたい時のスタンス。図3-1参照
・オープンスタンスは主に、上半身と手首を使う方法。腕力の強い人(主に男性)のとるスタンス。
素早くボールを返球したり、守備範囲を広く取るのに有利なスタンスである。
スクエア(クローズド)スタンス | オープンスタンス | |
構え方 |
ボールに対し平行に構える
|
ボールに対し直角に構える
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特徴 |
・体全体を使う為、非力な日本人、特に子供や女性向け ・ボールを引き付けて打つ為、球筋が読まれ難い。 |
・いわゆるパワーヒッター向け。 上半身のトルクと手首を使った打ち方で、主に力のある男性向け ・スピードボールに対応しやすく、活用範囲が広い |
フォアドライブの打ち方:スクウェアスタンス(図3-1)の場合
フォアドライブの打ち方について体の動きとステップについて図4で図解する。
フォアドライブは、ミニテニスで最も多用する打法なので、最初にマスターする必要がある。
サーバー(相手)の正面に向かってベースライン付近で構える。
・体の正面でラケットを持つ。強く握らない。遊び手で利き手を包むように添える
・踵を浮かして体を前傾気味に構える
ポジショニングとは、ボールの飛んでくる方向に胸を合わせながら到達するバウンドにとって最適ポイントに体を移動すること。
相手と正面に対した体の向きを図5に従って90°回てポジショニングをする。
相手に面した体を前に出ながら右に90°ターンするには図5の「ステップイン」で、下がりながら90°ターンするには図5の「スタンドバック」でボールの飛んでくる方向に胸を合わせる。そしてサイドステップ、フロントステップ、バックステップでポジショニングを行う。
右足側に左足を寄せること、体重移動をすること、テークバックをすることの三つの動作を同時に行う。
図5のステップインでは、②で右足に体重移動してテークバックをする。ステップアウトでは、③で右足に体重移動してテークバックする。
そして、ボールを目で追いながらインパクトの頃合いを見測る。
遅くとも、ボールがバウンドしたのを見計らってテークバックする。
次の順でインパクトする。
①インパクトする頃合いになったら、体重を左足側から右足側に移す。
②テークバックしたラケットの反動を利用して加速する。
③左足を打つ方向に踏み込みながらインパクトする。
右腕を閉じながら左肩目がけて振り切る(フォロースルー)。但し、フォロスルーはインパクト時の衝突を和らげる役割があるので力まないこと。
バウンドのインパクトポイント(打撃点)-図6参照
ボールのバウンドする放物線のどこでインパクトした方が良いかを説明する。
バウンドのし始めを打つショートバウンド打法のポイント。
バウンドの高さが床面から凡そ20cm程のポイント。
この打法はボールの変化し始めをミートできるので変化球に対応し易い。
又、クイックリターンで素早く返球できるので、相手に守りに入る時間を与えない
尚、このポイントは、ボールの運動エネルギーが大きいのでラケットを当てるだけでも返球できる。
いわゆるハーフバウンドと呼ばれるもの。
このポイントはインパクトするのが難しい反面、ボールの運動エネルギーを最大限利用出来るので、素早くて威力のあるライジングショットを打つことが出来る。
ボールが上昇しきったポイント。ボールが静止しているので最もインパクトし易いポイントである。
極力このポイントで打つよう心がけると良い。
山なりのトップスピンボールを打つポイント。ネット際のボールをドライブで返球するインパクトポイント。
ボールの高さ別インパクトポイント(打撃点)-図7参照
インパクトポイントは打つボールの高さで決まる。
胸より高いボールは早め(左足よりネット側)に、中くらいのボールは左足から体の正面の範囲で、膝より低いボールは体の中心から右足の範囲でインパクトする。
右後ろに高くテークバックしたラケットを、左足よりネット側でボールを被せるように打ち下ろす。
そうするとドライブの掛かった沈むボールを打つことが出来る。
被せることの出来ない人は、あらかじめイースタングリップをウエスタングリップよりに握り替えておくと良い。
なぜ被せる必要があるかと言うと、それはラケットを高く持ち上げるとラケットの面が上向き加減になってドライブが掛かり難くなるから。ドライブが掛からないとボールがスッポ抜け易くなる。
尚、高くテークバック出来ない人は、左肩を下げると右肩が上がるから、試してみると良い。
右後方にテークバックしたラケットを左肩目がけて45°に振り上げながら、左足の前方にきたボールをミートすると同時にラケットを被せ、そして振り抜く。
振り上げ角度は飛距離に応じて調整する。
遠くまで飛ばしたい時は小さめに、飛ばしたくない時は大きめに調整する。
右足のくるぶし近くテークバックしたラケットを左肩に向けて70~80°に振り上げながら、左足の前方にきたボールを擦り上げるようにミートする。ミートしたらそのまま左肩目がけてフォロースルーする。
ボールの飛んでくる方向に対して半身に構える。それから、右足のくるぶし付近にテークバックしたラケットの反動を利用して左肩目がけてラケットを凡そ50~60°の角度で振り上げながら、左膝前に飛んで来たボールを擦り上げるようにミートする。
ラケットの振り上げ角度はボールの高さや、ネットあるいは狙うポイントまでの距離にもよる。
例えば、サービスラインよりネット側に落ちたボールを返球する時は振り上げ角をより大きく、より強く擦り上げる。逆に、遠くまで飛ばしたいときは振り上げ角度を小さくする。
バックストロークでボールに前向きの回転(トップスピン)を掛ける打法。
バックドライブのスタンスとラケットの握り方
右腕を左前に真っ直ぐに伸ばした時にラケットの面が床と垂直
になるよう握る。つまり、図11の図説通りに握る。
詳しく説明すると、右手親指と人差し指の谷をグリップの「7」と「8」の間、図22中の「▼」に合わせて握る。つまりフォアハンドのグリップと反対のグリップになる。
図12に図解するように、
・両足の爪先を結んだ線がボールの飛んでくる方向、あるいは、ボールを打ちたい方向に対して45°斜めになるように立つ。
・顎を右肩を乗せられるくらいまで右肩と左肩を左方向に回しながら胸を抱えるように左脇腹まで右腕を回してテークバックをする。この時、目線はボールの飛んでくる方向に向ける。
・テークバックしたラケットの面を左手の掌で支えると安定し、ラケット面を作りやすい。
バックドライブの打ち方
コーナーよりのベースライン近くで、相手に向かって軽く踵を浮かせるか、軽くジャンプをする。
インパクトの体勢をとることについて、前記の『スタンスの取り方』と図12で解説する。その中で、レシーブの体勢からインパクトの体勢に体勢を変える時の足の動き(ステップ)を図14で図説する。
尚、テークバックする時は、体重を右足から左足に移す。
・ボールを目で追いながらインパクトの頃合いを測る。
・インパクトする頃合いになったら、体重を左足から右足に移動しつつ、ラケットを左後方から右上方に振り子の曲線を描くように振り上げてボールをインパクトする。この時左腕も後ろに振るとラケットのヘッドスピードが上がる。
・インパクトするのは、振り子の運動をしたラケットが最下点から上昇に移ったところ(右足前のネット側20~30cmの範囲)でボールを捉える。
延ばした右腕と左腕が一直線になるまで振り抜く。