ガットの張り替え時期

まえがき

硬式テニスの場合は定期的なガット(ストリングス)の張り替えを進められますが、なぜ張替が必要なのかについての説明は多くありません。
ミニテニスの場合は硬式テニスに比べてガットへの負荷は小さく、ガットが切れるまでは張り替えないで良いのではとついつい思ってしまいます。
次に、なぜガットの張り替えをした方が良いかについて自身の経験と読み学や聞き学で得た情報を交えて説明します。

ガットの機能

ガット(ストリングス)には、縦糸と横糸があってフレームに網目状に張られています。
ガットはボールの衝突エネルギーをガットが伸びることで吸収します。
従って、より多くの衝突エネルギーを吸収するにはガット交差部の滑りをよくする必要があります。
ガット交差部の滑りが悪くなると衝突エネルギーの吸収がされ難くなってボールとラケットとの接触時間が短くなってボールコントロールがし難くなったり、はたまた、球速が速くなると言った問題が表れます。
滑りの悪くなる原因の代表は、ガットの交差部にできる”ノッチ”と言われる半月状の溝です。
よりよく衝突エネルギーを吸収するにはガット交差部の滑りをよくすること大事です。

縦糸とはラケットの長手方向に貼ってあるガットのことです。
ラケットを横振り(サイドストローク)してドライブを掛ける打ち方をする時の横糸を含めての縦糸は、ボールの衝突エネルギーをガットが伸びることでバネエネルギーとしてガットの面内で吸収します。
ラケットの面内でボールが静止してボールの衝突エネルギーが無くなると、今度はガットが縮んで蓄積されたバネエネルギーが開放されてボールを弾き返します。
この時、縦糸ではボールがスナップバックされてスピン量が増してよりドライブが掛かるようになります。
ガット交差部に”ノッチ”が出来るなどして経糸の滑りが悪くなるとドライブが掛かり難くなります。
従って、ドライブを掛けやすくするには、ガット交差部の滑をよくするように気を付けるべきです。

ガットの張替え時

先にも述べました通り、縦糸と横糸の交差部の滑りをより良い状態に保つことが大事だと思われるので、滑りを悪くするものが出来た時がガットの張り替え時と思われます。
例えば、”ノッチ”が出来ている時は、小さいか大きいかが張替の目安になると思います。
ノッチは、交差するガットをズラせば容易に目視できるし、横糸をズラせてみて引っ掛かりがあるか無いかでもわかります。
ノッチが出来るなどしてガット交差部の滑りが悪くなると、衝突エネルギー吸収能力が低下してしまう結果、ボールとラケットの接触時間が短くなってボールコントロールがし難くなったり、球速が速くなってラインオーバーしやすくなるといった弊害が表れやすくなると硬式テニスでは言われています。
硬式テニスの場合は一試合でノッチが出来るようですし、世界のトッププレイヤーの試合ともなると、試合途中でもラケットを交換するシーンをよく目にします。
それではミニテニスではどうかというと、硬式テニス程ではないと思われます。
それば、ミニテニスのボールは硬式テニスのボールほどラケットの網目に食い込み難いからです。

ノッチの写真

[元に戻る]