不思議に思われたことはありませんか?。
◆何故、ボールにトップスピン(前向きの回転)を掛けるようにしつこく言われるかを
◆何故、フラットボール(無回転ボール)ではいけないかを
ほとんどの人が抱く疑問です
私見を述べれば、それは、どちらでも良いということです。
貴方がどのようなプレイスタイルを望むかです。
◆単にボールを打ち返すだけの、いわば遊び的なもので良い方は、フラットボールで十分です。
フラットボールは、ただラケットを当てるだけで打つことの出来るボールですから難易度は低くて取り付き易いです。
そうは言っても、回を重ねるうちに欲が出てきて、『速球を打ちたい』とか思うようになった時、我流のプレイスタイ
ルで対応しようとすると我流が災いして、修正するのに後々余分な苦労と時間が必要になります。
ですから、最初から正しいボールの打ち方をマスターされた方が良いと思われます。
◆競技スポーツを目指される方は、自在に回転を掛けれるようになることをお勧めします。
その理由は次の通りです。
自転車を例にとると、速く走っている時の自転車は安定しているが、遅くなると途端に不安定になります。
それは、速い回転の車輪はハンドルしなくても自らの力で車輪が立ち上がって車輪の回転軸と直角方向に進む性質を持っているからです。
対して、車輪の回転がゆっくりになると途端に不安定になって自転車は倒れてしまいます。
ボールの場合も同じように、ボールが回転しなかったりゆっくりだったりするとボールの姿勢も軌道もフラフラして不安定になるので、狙ったコースをボールが飛び難くなります。
これに反し、ボールに回転を掛けるとぼーるは、ボールの回転軸と直角方向に進む性質がありますので、狙ったコースにボールを運ぶことが出来るようになります。
これがボールに回転をかける最大の理由と思われます。
ボールの軌道は回転するボールの回転軸と直角方向に曲がり、回転数の変化と共に曲がり方が変化します。
回転軸が水平の*1トップスピン(順回転(ドライブ))の掛かったドライブボールには、下向きの力が掛かるので無回転の*2フラットボールの着地点より手前に着地します。図1を参照してください。
だから、フラットボールではラインアウトする球速ででもトップスピンを掛けるとボールが落ちてラインアウトし難くなります。
逆に、トップスピンとは反対方向の*3バックスピン(逆回転)が掛かるとボールには上向きの力(揚力)が働いて浮き上がりますので、無回転のフラットボールより飛距離が延びます。図2を参照してください。
尚、ボールの回転軸が上下に立っている時は回転している方向の右横方向や、左横方向に曲がります。又、ボールの回転軸が斜めになっている時は回転軸と直角方向の斜め右下方向や、斜め左下方向にボールは曲がります。
すなわち、ボールの回転方向と回転数いかんで曲げる方向と曲がる度合いをコントロール出来ます。
*1:トップスピン:順回転。進行方向に向かって前向きに回転するボール。
*2:フラットボール:無回転かゆっくり回転するボール。
*3:バックスピン:逆回転。進行方向に向かって後ろ向きに回転するボール。
図1:初速27m/s時の回転数別ドライブサーブ
・トップスピンの掛かったドライブサーブは、ボールの回転数が大きくなるに従い、到達距離と滞空時間が短くなります
・毎分100回転のドライブサーブはベースライン(13.4m)ギリギリに着地します
・一番飛距離の長いのは、無回転のドライブサーブ、いわゆるフラット(無回転)サーブです。
図2:初速27m/s時の回転数別スライスサーブ
・ボールの回転数が大きくなるに従い飛距離は伸びます。
・0回転のサーブではネットに掛かりますが、スライスサーブではボールが浮いてネットに掛からなくなります。
・毎分200回転のスライスサーブはベースライン(13.4m)ギリギリに着地します。
緩い回転のボールのバウンドは放物線に似た予測しやすいバウンドなのに対し、速い回転のボールは、バウンドが変化してレシーブし難いものになります。たとえば、
・ トップスピンボールは、バウンドが沈む。
・ バックスピンボールは、バウンドが戻る。
・ 斜めの回転軸芯で回転するボールは、バウンドが横あるいは斜め方向に逃げる。
スピンを掛けるとその分だけ球速がおちて滞空時間が長くなるので、相手に守る時間を与えてしまいます。
ドライブ以外のカットを含めたスピンボールで顕著に表れます。
逆に、回転の掛かっていないフラットボールは、球足が速くなる分だけ攻撃力が増します。
・エースがとりやすいカットボールのような変化球は、確度が低くミスもしやすいので、リスクも大きい。
・飛距離が長くなるのでラインアウトし易い。