首を傾げられたことはありませんか?
◆チャンスボールをネット近くに落とそうとした時によくネットしたこと
◆ネットすれすれのボールを打とうとしてネットしたこと
狙って打ったボールがネットすると、”アレ!?”と思ってしまいます。
それはなぜなのか?
ネットした時の大方は、スローボールの時が多いはずです。
逆にいえば、スローボールだから陥るミスとも言えるでしょう。
以下に、その理由を考えてみます。
それは、ボールが自由落下するものであることを忘れている可能性があります。
ボールをネットギリギリに落とそうと思うあまり、緩い球でネットスレスレを狙うとネットし易くなります。
そうなるのは、ボールの自由落下分を見込んだ高さを狙っていないからと思われます。
その為にはボールの、時間に対する自由落下量を予め知っておくことが必要です。
ボールの自由落下量(H)は、下式の通り、滞空時間(t)の二乗に比例します。
H=1/2・g・t^2 (m) g=重力の加速度=9.8m/sec^2 t=滞空時間=秒
例えば、ネットを通過するまでの滞空時間と自由落下量の関係は下表のようになります。
つまり、ネットまでの距離を球速で割って得た時間に見合った落下量を加味した高さにボールを打つ必要があります。
滞空時間(秒) | 0.1 | 0.25 | 0.5 | 0.75 | 1 |
自由落下量(m) | 0.05 | 0.30 | 1.23 | 2.75 | 4.90 |
ネットギリギリに落とそうとするあまり、ツイツイ球速を加減し過ぎたりしてネットすることがあります。
この様になるのは、常々、球速と到達距離との関係と自由落下分を把握していないことが理由でしょう。
例えば、下の図のように、コースAを狙って打つと必ずネットします。それは自由落下分を見込んでいないからです。自由落下分を見込んだコースBに打てばネットには掛かりません。
それでは、サービスライン上1mのボールをボールの底がネットより4cmの高い所を通して相手コートのサービスライン上にボールを落としたい時にはどの様な打ち方をしたらよいかを試算してみます。
まず、ラケットを鉛直線に対して23.3°に傾けてからボールを秒速3.55mの速度でコースBに打出せば良いことになります。
因みに、秒速3.55mの速度というのは、64cmの高さからボールが落ちる時の着地点の速度。あるいは歩行速度(4Km/Hr)の3倍ほどの速度です。
・計算条件
到達高度=1.1m 到達距離=2m 打出し高度=1m
・計算結果
初速度Vs=3.55m/sec=12.7Km/Hr 打出し角度θs=23.3° 滞空時間t=0.6秒
*https://keisan.casio.jp で計算