まえがき

ミニテニスを続けるに従いスピードボールを打ちたい欲望に駆られます。
そんな時、どうしたらスピードボールを打てるのかとはたと迷ってしまいます。
先ず考えが浮かぶのにラケットの重さがあります。
軽いより重い方が運動エネルギーが重さの分だけ大きくなるからスピードも早くなるに違いないと、
又、ガットのテンションも弱いより強い方が反発力が増すから大きい方が良いのではとか
考えあぐねます。
次に、ラケットの重量と速度との関係について説明します。

ラケットは

軽い方が打球は速くなる

まえがきでも述べたとおり、ラケットは重い方が運動エネルギーが大きくなる分だけラケットで弾かれるボールの運動エネルギーも作用反作用の原理に従って大きくなり、結果速度も速くなる事について説明すると、運動エネルギー(E)は、次の式のように
　E=1/2･ｍ･v^2　　m=質量(N)　v=速度(m/s)　
ラケットの重さ（質量m）に比例し、速度(v)の二乗に比例します。
この式から言えることは、運動エネルギーに関係するのは重量よりスイング速度だということです。
ですから、軽いラケットでスイング速度を速くして速い打球を打てるように心掛ける方が理にかなっているように思えます。
このことは、次の式からも説明できます。
　　Vb=Vbo・ｅ + Vro(1 + e)　
　　Vb：打球の速度(m/s)　Vro：ラケットの速度(m/s)　Vbo：飛球の速度(m/s)　e：反発力係数≒0.4～0.45
この式によれば、打球の速度はラケットの重さには関係しないことを示しています。
尚、この式が成り立つのは、ラケットが押し戻されない遅い飛球速度の時に限ると思われます。

軽い方が打撃力をつけやすい

ラケットを振る速度(v)が一定の時（加速度α=0）には特に力は発生しませんが、加速を付ける(加速度α>0)と力(Ｆ)が発生します。それはこういうことです。
　F=m･α　(kg)　　m=質量=ラケット重量(kg)　　α=加速度=(v1-v0)/t=(m/s^2)　G=α/9.8(m/s^2)
つまり、ラケットを等速度で振ってもラケットの重さは変わらないが、加速を付ければその分の力がラケットに加重されると言うことになります。
例えば、230gのラケットを2Gの加速度で振れば、460gのラケットになります。
因みに2Gの加速度とは、ラケットを振る速さを静止状態から1秒間に19.6m/s(70.6Km/Hr)に加速することを意味します。
更に、これより短い半分の0.5秒で振れば4倍の920gと、1Lのペットボトルに相当する重さになります。
ラケットが重いと加速し難くなりますので、加速度を大きくする観点から見れば、ラケットは軽い方が良いことになります。
尚、筋力のある人で重いラケットに同様の加速度をつけられるならばラケットの重くなった分だけ力は増加します。
以上から、いかにラケットに加速を付けることが大事か分かって頂けたと思います。

ボールを打出すのに必要な力とラケットの振り方

例えば、質量m=30gのボールを*0.02秒(仮定)で19.6m/s(70.6Km/Hr)の速度で打ち出すのに必要な力はボールの質量の100倍に当たる3kgの力が必要になります。
　加速度(α)=(v1-v0)/t/9.8=(19.6-0)/0.02/9.8=100G　　　v=速度(m/s)　t=時間=s
　打出し力(F)=m･α=30*100=3000g=3kg
この3kgの力をラケットの自重だけで作るのに必要な加速度(α)は次のようになります。
　α=F/m=3000/230=13G=128m/s^2　　m=230g(ラケットの自重)　F=3000g(打出し力)
次に、この加速度(α)を生むラケットの加速時間(t)を求めると、
　t=(V1-V0)/α＝(15-0)/128≒0.12秒　　ラケット速度(V1)=15m/s=硬式テニスのものを補正
ラケットの加速時間(t)は0.12秒になります。
ラケットの自重分だけだとこのような結果になりますが、腕力が2kg程あるとすれば、加速時間0.35秒ほどになります。この程度の時間なら難なく振れそうな気がします。
注釈　＊0.02秒：硬式テニスのボールとラケットの接触時間の3/1000～5/1000秒をもとに、硬式ボールとミニテニスボールの容積比1/10と重量比1/2を考慮して、ミニテニスの接触時間を0.02秒と仮定

ミニテニスラケットの重量

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