ガラスの仮面 40〜51話

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第40話 狼少女ジェーン
前回同様細かい所はぬいていたけども、お話としてはまとまっていたように思う。
話は大沢演劇事務所がマヤ達の舞台「忘れ去られた荒野」を潰そうとして、
星歌劇団の大スターだった円城寺まどか主役の「イサドラ」をやる事となり、
公演場所も時間も未定になってしまった「忘れ去られた荒野」の役者達の大半がやめてしまう所まで。

今回から登場の円城寺まどかと大都芸能の速見真澄の婚約者紫織がえらい美人。
それでいて原作の雰囲気が壊れていないんだからなかなかやるもんだ。
特に円城寺まどかは原作の方はどうも美人という感じではなく、顔も濃くって体型もがっしりした感じなのだが、
こっちのほうはすっきりした体型であごもしゅっとしていてなかなかの美人になっていてびっくりした。
真澄の婚約者である紫織も原作のちょっとおばさんっぽさはなく、
若々しくてちょっとかわいい感じを残しつつも綺麗な人って感じ。
原作初めて読んだときはどんなもんかなと思ったが、上手いことリファインしたなぁ。

お話の方は最初に書いたとおりで特に違和感はなかったのだが、
「イサドラ」の出演を断った桜小路の話を聞いた真澄の「北島マヤ」評が
「真夏の夜の夢」と「紅天女候補」だけなのは説明が短すぎるように思った。
マヤはかなり輝かしい経歴を持っているにもかかわらず、なぜか物語上の世間一般の評価や認識が低いんだよな。
気になったところはそれくらいで、割と楽しんで見れたのだが、あと10回か11回。

一体とこまでやるんですかねぇ。えらい中途半端なところで終わりそうなんだが。


第41話 野生の心
なんかマヤが萌えキャラみたいだ。いや、俺は萌えキャラだと思ってますが。
ってくらい妙にかわいくなってたなぁ。特に真澄父と駅のホームで話してるところ。
アップの顔とか紅天女のことを喋っているときのマヤにはマジ萌えた。
ついでにえらい綺麗にくるっと回ったりしてたし。
駅のホームといえばあのシーンはマヤが真澄父のために、
電車を1本乗り過ごすというシーンがカットされてしまった。
ここはマヤのやさしさや純真さが出ていて好きなところだったんだけどなぁ、残念。

話の方はさほど気になるところもなく違和感なく見れました。
それ以前にマヤのかわいさがとても目に付きましたが(笑)
なんで今回に限ってこんなかわいくなってんのかな。
いつも絵の綺麗なときでもこんな萌えキャラっぽくはなかったんだけど。
まぁ、こっちとしては望むところですが。
しかし次回予告見てぐんにょりしてしまいましたが。

そーいや言い忘れてたけどEDが変わって梅の里のイメージになりましたけど、どーもぱっとせんなぁ。
個人的にはメキメキが最高。


第43話 忘れられた荒野
と、言うわけで「忘れられた荒野」上演です。
なんかあっさりしてたな。ま、もともとあっさりした舞台だけども。
この舞台はマヤよりも演出家黒沼のためものでもあるしね。
あとは真澄が紫の薔薇の人だとバレるためのキーポイントだってことくらいか。

さてお話の方はというと前述通りあっさりしてた。
今回の(演劇上の)キモは停電で真っ暗になっても演技を続けていたマヤだと思うんだけど、
どーにもあっさりしててそれがすごいことのように見えなかった。
劇としてもいまひとつどんな話なのかわからなかった。まあ、原作でもよくわからないんだけど。
もうちょっと舞台上の方にも力を入れて欲しかったなぁ。

それ以外では後にキーポイントとなる青いスカーフが黒沼の煙草で焦げたではなく、風に飛ばされてなくなったことになっていた。
この青いスカーフが初日だけにしか使用しなかったという事実は、
後に真澄が紫の薔薇の人だとバレるために印象付けないといけないと思うんだが、どーもさらりと流してしまったな。
ここはしっかりと青が使えないので次からは赤に変えました、と説明入れるべきだと思うんだけど、
2日目の上演の舞台上で桜小路が赤いスカーフ云々とセリフをいうだけにとどまっている。
原作読んでる人はわかるんだけど未読の人にはちとわかりにくいかなーと思う。
まあ、次回あたりででマヤが「青いスカーフを使ったのは初日だけ」とかいってしっかりと説明入れるので問題ないけども、
印象づけた方が後に「ああ、そういうことか」と思えるんじゃないかな。
しかし原作未読の人でこのアニメを見てる人は少ないような気がするんで別にいいか(笑)

次回もう賞を受賞しちゃうみたい。残り話数を考えればそんなもんか。


第44話 無限の舞台
タイトルが無限の舞台って割には舞台の方はあっさりしていたな。
まあ、今回のメインは月影先生危篤なので仕方ないのかもしれんが。
しかしさすがに44話なのでけっこうなダイジェストっぷりでした。
月影先生危篤という盛り上がりそうなところでも淡々と話が進んでいったという印象。
なのでなーんにも思うところもなく終わってしまったですよ。これでいいのかと。

今回のラストはちょうど文庫版19巻のラストでした。
文庫版であと4冊分一気にやってしまうのかなー。
それとも適当なところで終わらすのか。尻切れとんぼみたいにするのだけはやめてほしい。


第45話 都会の星
むう、なんか絵がしょんぼりしてましたな。話の方もそんな感じでしたが。
なんだろう、45話にしてこの盛り上がりのなさは。
ともかく今回は真澄の過去からマヤが真澄=紫の薔薇の人を確定するまでの話。

メインは真澄の過去なのだが、どうも淡々と話が進んでいっているだけの様な印象。
誘拐された真澄が養父英介に見捨てられる件は、真澄のショックさがあまり伝わってこなかった。
それは誘拐のシーンがあまりに淡泊、というかいつの間にか誘拐されていたからかもしれない。
その所為で緊迫感がなかったのが淡泊になった原因かな。

ショックといえば、マヤが真澄=紫の薔薇の人と確定するところもどうもあっさりしていた。
まあ、これは尺が足りなかったせいかもしれませんが。
そいうえばそのシーンで真澄が落としたものが万年筆からライターに替わっていました。
私も煙草を吸うのでわかるんですが、普通ライター落としたのなら遅くとも数時間後には気づきますよ。
だってライター無いと煙草吸えませんからね。
それに煙草を吸おうと思ってライターがなかったときのイライラ感は筆舌に尽くしがたい程の苦痛です。
それをふまえると試写が始まる前にはライターがないことに気付くと思うんですよ。
よってそのシーンにとても違和感を感じてしまいました。

まあ、落とした人にとってライターと万年筆のどっちが大事かっていう話にもなるけども。
個人的にはまだ万年筆の方が自然なような気がする。つかなんでライターなんだろ。
と、まぁこんなくだらないことが気になっちゃうくらい淡々と進んでいった今回なのでありました。
もうちょっと面白みがほしかったですな。

次回からようやく梅の里へ。「八百屋お七」までやっちゃいそうな勢いだ。
そうだとしても残り数回。どこまでやるのやら。


第46話 梅の谷へ
うーむ、どーも気にいらんなぁ、絵はそこそこ綺麗だったけども。

お話の方は梅の谷へいって炎のエチュードの前まで。
以前のようなフルスピードでダイジェストではなかったけど、それなりに駆け足した感はあった。
風のエチュードを演るまでの所はもっと尺とってもいいような気がしたなぁ。
もっと二人が苦労して考えた結果、あの演技だったというように見せてほしかった。
あれじゃちょっと思いついたくらいにしか見えないのだが。

その風の演技、敢えて勝敗をつけるならば亜弓さんの勝ちであったのだが、その亜弓さんの演技がどうもいまひとつ。
むしろマヤの演技の時の方が気合い入れて作ったように見えた。(踊りは変だったけど/笑)
ここは亜弓さんの努力に裏付けされたものが、マヤのひらめき+なりきりの天賦の才能に、
勝るとも劣らないということがわかるいいところだと思うんですがね。
その辺のことをちゃんと考えて作ってほしいものです。
次回、マヤの圧勝で終わる炎のエチュードの方はもっとがんばってもらいたい。

さて、今回で一番気になったというか一番気に入らなかったところは、
炎のエチュードの事を考えているマヤと亜弓さんが恋の話をするシーンが、尺の関係なのか細かいところをバッサリですよ。
マヤが亜弓さんに勝つための重要な要素、「恋心」語るシーンだったんですけどね。
なんでカットしちゃいますかね、現時点で演技力としては数段上にいる亜弓さんに、
マヤが勝つためには本当の恋を知らない亜弓さんというのはとても重要な要素なんだけどなぁ。

それに百合萌えラーとしては亜弓さんの「私はあなたに夢中なのよ」的なセリフの数々を
ぶっちゃけめちゃめちゃ楽しみにしていたんですけどね。
もしかしたら次回もっとしっかりやってくれるのかもしれないが。
いや、望み薄だなー。とても残念です。
せめて梅の谷を出るときの百合ケンカはしっかりやってくれよ?


第47話 恋の炎
なんか、顔がいつもと違う(´Д`;)

お話の方はキタね、ダイジェスト。全てをさらりと流してくれました。
「八百屋お七」をあんなにあっさりと流してくれるとは思いませんでしたよ。
ここは今回のキモだと思うんですけどねぇ。
どうもエピソードを消化しようしようと躍起になってる感があるなぁ。
こんなフルスピードで駆け抜けるくらいなら、
見せるところを絞ってでもメリハリのきいたものを作ればいいと思うのだがどうか。
このガラスの仮面という作品は大袈裟な演出が売りのひとつなのに、こうもあっさりしてしまっては魅力半減してしまうですよ。

ここまできていうのもなんだけど、すべてのエピソードを見せる必要はないような気がします。
エピソードを見せることにとらわれて、話がおもしろくなくなってしまうのは本末転倒なような気がします。
残念ですねぇ。


第48話 夢の一夜
う〜ん、絵も綺麗だったし、大袈裟な演出だったんだけど、なんだろうこの違和感は。

まず水と土のエチュードはどっちかっていうと水の方を大袈裟にやってもらいたかったな。
そっちの方がマヤと亜弓さんの違いがはっきり出ているし、マヤの「なりきり」は水より土の方が強い気もするのでそうして欲しかった。
あと亜弓さんの演技をあっさり流しすぎ。全く互角の様には見えないですよ。その辺が違和感の原因か。

エチュードの前のマヤと真澄の件もあっさりしていた。
いや、あっさりというかなんていうか、キスシーンもなかったしな。
もしかしてここを重要なシーンとして見られていないとか?バカな。
マヤと真澄の関係でこのシーンは物語上とても大切なのだが、まあ、物語の最後までやらないことが前提ならそうなのかも。
にしてもここでちょっと盛り上げても良さそうなもんだがなぁ。

お話的にはダイジェストぽかったのだが、綺麗な絵といつも以上の演出で何とか見れたといった印象。
しかし、こっちが期待してたところでないところが盛り上がっちゃってどうにも消化不良な感じ。
土のエチュードはどっちかっていうと蛇足っぽいところなんだけど、
なんであんなに盛り上がっちゃってますかね。
せっかく絵的には当たりの回だったのに見せ方が今ひとつでした。もったいないなぁ。

そして次回予告見て(´・ω・`)ショボーン
絵ちがいすぎだよー。ま、今に始まったことでもないけどさ。


第49話 魂の半身
あっさり味ではあったが、上手くまとめたなと思った。

と、いうわけで今回は、月影先生の過去&最初の紅天女の課題、
そして吊り橋からマヤ落ちるまでやったわけですが、
大まかな感想としては前述通り。
不満点は多々あるものの、あれだけ長いエピソード群をよく30分にまとめたなという印象。

細かく見ていくと、先ず冒頭からの月影千草の過去。
出だしの千津(月影千草の幼名)の境遇がわかりにくい。
原作ではスリの親方に鞭で殴られてたりしてたんですが、そうはいかないまでも、
戦争孤児で食うにも困る状況だったのがわからないと、一連に拾われた千津がどれほどうれしかったが伝わらない。
それと成長し月影千草の芸名をもらった千草の一連への心情が上手く語られなかった。
正直千草のこの恋心はある意味狂気的な感じなのだが、そう言ったものが感じられなかったのが残念。
だが、この長いエピソードをAパートに収めた技量は見事。
原作未読ならさして違和感なく見れたと思う。

Bパートからの紅天女の稽古の所はちょっと不満。
まず亜弓さんの演技に華がない。
まぁ、これは今に始まった事じゃないけども、もっと亜弓さんに花を持たせてあげて欲しい。
あれじゃ全然ライバルに見えないです。
その後の亜弓さんが一端あきらめるまでの件では、マヤの演技を見ての亜弓さんの悔しがり方があっさりしすぎ。
あんまり原作と比べるのもなんだが、マンガは4Pにもわたって亜弓さんが悔しがり
そしてマヤの才能を妬みついには憎しみに変わっていく様子が描かれているのだから、大袈裟すぎるくらいの演出をしてもらいたかった。
そう言う意味でもでマヤの演技にもそれくらいの事をして丁度よかったのではなかろうか。

そんな感じで不満点はたくさんあるのだが、
文庫本にして半分くらいの話を1話分に収めた技量と差し引いて、
そう悪いともいいたくないといった回でした。

個人的には百合エピソードがカットされたのもちょっと残念。
劇団月影と一角獣の面々が来てマヤと楽しく河原で遊ぶのだが、
それを垣間見た亜弓さんが嫉妬するという良い百合エピソードがあったんだけどね。
まあ、その辺は次回ちょっとタイムテーブルを変更したのか、
梅の谷最終日の百合ケンカをやっちゃうみたいなので良しとしようかな。


第50話 女神の仮面
Aパート全て使って百合ケンカですよ!

(´д`;)ハァハァと言いたいところですが、あんま百合っぽくなかったなぁ。
まぁ、あのシーンで百合妄想してるのは俺くらいのものかもしれませんが。
ともあれ、お気に入りのマヤと亜弓さんのケンカに、これだけの尺を取ってくれたことを素直に感謝せねばなるまいて。
ただ、最後はもっと爽やかにしてもらいたかったですけどね。
あと亜弓さんの声がドスが聞いててちょっと怖かったよ。

話の流れとしてはケンカ後、ふたりがちょっと紅天女の役をつかんで演技発表という流れ。
ふたりの演技は久々の大袈裟演出で、ちゃんと亜弓さんの方も見せ場を作ってくれました。
全体のエピソード的には喧嘩と演技意外はほとんど端折ったんですが全く気になりませんでした。
上手く見せたい所を見せたといった印象。
こーゆーことをもっと最初の方からやってくれれば思ったりしましたが、もう残すは最終回のみなので今更とやかくいうまい。

しかし、どうやら私が予想したとおり「紅天女をめぐる戦いはこれからだ!」で終わりそうです。
まぁ、原作もまだ未完ですし、分かり切ったことと言えばそうなのかもしれませんが、
それが前提で始めたアニメなのだから、終劇は原作と変わってしまってでも、
キッチリシッカリとしたものを望んでいたんですけどね。
なにはともあれ次回最終話、どう終わらせるのか楽しみではありますな。


最終話 紅天女
ついに最終話まできてしまいました、ガラスの仮面。
最終的にはやっぱり「紅天女をめぐる戦いはこれからだ!」で終わってしまいましたが、
なかなかどうして爽やかな終わり方だったんじゃないでしょうか。

ラストということもあって全編通して大袈裟な演出でよかったんですが、
やはり尺的にはちと足りず、上手くまとめはしましたがちょっと急いだ感がありました。
月影先生による紅天女をAパートだけにとどめるのはやはりちと窮屈でしたし、
紅天女という舞台劇の内容も今ひとつわからなかったのが残念です。
むしろ内容よりも派手な演出を見せるためだったように思えました。
Bパートからは原作に沿いながらもオリジナル要素が強く、
月影先生は演技の後、梅の里に籠もって死んでしまったようにとれましたし、
マヤと真澄の心通わす幻想的なシーンも、マヤは「あれは夢ではない」と考えたのに対し、
真澄は「現実であるはずがない」と逆に考えていて悲恋を予想させます。
しかし、その後はED曲とともに亜弓さんとマヤの稽古風景や、
「私たちは月影先生の言葉にしたがって新しい紅天女めざしてがんばってます!」的なイメージカットで爽やかに終わりました。

お話全体の最後として「ここで終わっちゃうのか」という尻切れトンボ感は拭い切れませんでしたが、
未完の原作の事を考えると上手く爽やかに終わらせたなという印象。
文句ばっかりいっていたような気がするこのアニメですが、振り返ってみれば一年間楽しませてもらったように思えます。

総評としては、やはり原作には勝てなかったなという感じ。
まあ、原作付きのアニメが原作を超える事なんてまずありませんが。
原作未読の方で興味があるなら見ても良いかもしれませんが、やはりコストパフォーマンスを考えるとマンガ読む方がお得である。
ただ終盤の「ふたりの王女」の舞台は秀逸だった。
ほかの舞台もこれくらいできていたなら、もっと違ったんじゃなかろうか。
あと忠実に原作に沿うのではなく、削ってでも見せ場を作っていくべきたっだように思う。
ま、それはそれとしても1年間見続けてそれなりに楽しませてもらいました。
個人的には第1期OPの「Promise」という素晴らしい曲出会えたのも良かったな。

後はこれでマンガなりDVDなりが売れて美内先生の懐にお金が入って、
この未完の大作をすっきり終わらせてくれる事を願うばかり。


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